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2019年2月

2019年2月27日 (水)

【続報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆(その後)

(承前)

ええと、土佐の高知の須崎市と東京秋葉原を舞台にした(でもないか)ゆるキャラ版仁義なき戦い、その後の展開です。

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(2019.02.15 日本経済新聞 抜粋)

テレビ東京は15日、ゆるキャラ「ちぃたん☆」が登場し、4月から開始予定だったテレビアニメ「妖精ちぃたん☆」の放送を見合わせると発表した。「ちぃたん☆」は、高知県須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」に酷似し著作権を侵害しているとして、同市がテレビ東京に対処を求めていた。延期か中止かは「現時点では白紙」という。

同局宣伝部は「(ちぃたん☆の)運営事務所と須崎市との間で見解の相違があり、それが解消されるまで状況の推移を見守る」と説明している。

〔中略〕

「妖精ちぃたん☆」は、同局の子供向け番組「きんだーてれび」内で4月3日から放送予定だった。〔共同〕
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周知のとおり日経はテレ東の筆頭株主。身内のことを報じるのに共同通信の配信をもってしたわけだ(苦)。

これを受けて須崎市側はその日のうちに市長コメントを出している。

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(2019.02.15 朝日新聞 抜粋)

〔前略〕

須崎市の楠瀬耕作市長は15日、「ちぃたん☆のファンの皆様、テレビ東京やスポンサーをはじめとする関係者の皆様には申し訳なく思っております。しかし、本年1月17日にちぃたん☆の運営会社であるクリーブラッツ社に活動停止を申し入れましたが、その後もイベント出演やネット上でのタレントとの共演など、当市の申し入れは完全に無視され違法状態での活動を拡大させようとしております。この状況は誠に遺憾であり看過できないものと考えております」とのコメントを出した。

〔中略〕

キャラクター版の「ちいたん☆」は、フジテレビ系のスポーツニュース「S-PARK」内で不定期に放送されている「ちぃたん☆チャレンジ」にも出演している。フジ企業広報室は15日、今後の放送について「事実関係を確認し、適切に対処したい」と取材に答えた。
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ツルに言わせりゃ誠に遺憾なのはアンタ達の従来の権利意識だって同じだよ。これまで後手後手の対応だったのに比べ、今回はレスが早い、いや早過ぎる。誰かの差し金によるんでしょうww。

フジテレビもこの時点では「当面放送は控える」という態度だったと理解すべきなのだろう。「ちぃたん☆チャレンジ 〜ROAD TO 2020〜」は毎週日曜の23時15分から5分間程度放送されていたらしい。須崎市による活動停止申し入れが公表されたのが2月6日(水)、その後10日(日)からオンエアされてない模様です(ツル自身はテレビを見ませんが)。

スポーツ紙では次の情報が加わる。

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(2019.02.16 スポニチアネックス 抜粋)

〔前略〕

アニメ制作のスタッフによると「短編だと制作費は1本数百万円。4月放送を控え、少なくとも3本は収録済みのはずで1000万円ほどの損害があるのでは」とした。

〔後略〕
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小さい小さい、話が。
クリーブラッツ社長の池田正流/いけだ せいじ/芳晶せいじには「1億欲しいか! 芳晶せいじの華麗な成り上がり人生」という著書だってあるのだよ(cf. 2019.01.20「謎が謎呼ぶ、闇が闇呼ぶ:2」)。
片やしんじょう君も須崎市のふるさと納税額年間10億円突破に与って大とされているんだぜ(cf. 2019.02.08「瓦解 崩壊 信頼 未来 (2)」)。

そして翌日、遂に須崎市は法的措置に踏み切った。

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(2019.02.22 スポーツニッポン 抜粋)

高知県須崎市の公認キャラクター「しんじょう君」に酷似し著作権を侵害しているとして、活動停止を求めている人気ゆるキャラ「ちぃたん☆」について同市は「ちぃたん☆」の標章及び着ぐるみの使用停止を求める仮処分を申し立てたと22日発表した。
市の公式サイトでは、「ちぃたん☆」の商標登録を出願した東京の芸能事務所に「ちぃたん☆」の活動停止を求めたにもかかわらず「テレビ番組への出演や有料ファンサイト開設、SNSでの投稿を行うなど、ちぃたん☆の活動を継続し、また、関係者を介して直接当市職員に接触を繰り返し、当市に対し損害賠償請求を示唆するなど、実質的かつ本質的な協議が困難な状況にありました」と説明。
さらに「同社は独善的な主張を繰り返し、ちぃたん☆の活動を止めないばかりか、都内各所でちぃたん☆の着ぐるみをゲリラ的に出現させたり、格闘技告知イベントへ登場させたりするなど、かえって活動をエスカレートさせております」と報告してから「上記状況をもはや看過することはできず、平成31年2月16日、東京地方裁判所にちぃたん☆の標章及び着ぐるみの使用停止(著作権法112条1項、不正競争防止法3条1項、2項、商標法36条1項)を求める仮処分を申し立てしました」と発表した。

〔後略〕
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「格闘技告知」とは、2月11日に渋谷で行われた、K-1「K'FESTA2」告知イベントへの出演のこと。ま、地方の一自治体風情m(__)mが活動停止を申し入れたぐらいでいちいちキャンセルしてたら、二度とお呼びがかからなくなっちまうわな。しかし、激おこの須崎市には格好の材料を与えた形です。

一番気になるのは、「関係者を介して直接当市職員に接触を繰り返し、当市に対し損害賠償請求を示唆」という件りですね。「関係者」がどの筋を指すかは不明ですが、まあ弁護士先生などではあるまい。「当市職員」が元気創造課元気創造係の守時 健を意味することは間違いないだろう。恫喝的な言動があったりもしたんですかね?

相変わらず、作者「端広こう」の存在は謎に包まれている。唯々諾々と類似キャラを制作したことについて、デザイナー村ではどのように受け止められてるんでしょう。
「日本最大級のクラウドソーシング」を謳う公募サイト「Lancers」には、「KOH_HASHI」名義で2018年5月16日に登録している(最終ログインは現在のところ2019年1月17日、つまり須崎市がクリーブラッツに活動停止を申し入れた日)。ホストクラブのキャラクター応募があったりして、笑えます。

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はじめまして、端広こうと申します。
「ホストクラブ店舗のキャラクターデザイン」にご提案いたします。

ニヒルな表情のウサギのキャラクターです。
表情やポーズは柔軟に対応できます。

ご一考いただけましたら幸いです。

端広こう
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これだったら池田社長のつてを頼っていった方が確実じゃない?ww

2019年2月25日 (月)

【加筆編】環境保全とリサイクル<img src="http://emojies.cocolog-nifty.com/emoticon/recycle.gif">の話:その2

(承前)

 

続けます。

 

本公募では、小学生の作品を対象に「努力賞」を1点選んでいる(画像省略)。

 

長野県中野市
環境保全シンボルキャラクター
(努力賞)鳥人「中野神」
倉田一輝(中野市)

 

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この鳥人の頭と羽は、中野の鳥[チョウゲンボウ]を表しています。お腹の部分には、中野市の有名な食べ物や森の木を合体させました。
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ここに至って初めて全体を俯瞰することができるように思う。ご当地で市のシンボルとして制定されているものは次の5つあり、本公募の選考ではそのバランスを取る点が重視されたであろうことが浮かび上がってくる。

 

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(中野市サイト)

 

市の花「バラ」
市民の多くの庭先や街角などに多く植えられ、愛され、親しまれている花であり愛好家も多くいます。
一本木公園(バラ公園)は市内外、県外からも毎年多くの観光客が訪れ、中野市の代表する観光スポットとなっています。美しい花弁や品のよい香りなど、人々の心にうるおいと安らぎを与えてくれるとても魅力がある花で、品種も形状も多種多様。情熱的、愛情豊かであり、個性豊かな中野市を象徴するにふさわしい花です。

 

市の花「シャクヤク」
昭和47年頃から切花用として市内で集団栽培されるようになりました。梅雨入り前のさわやかな中野市の初夏を飾るにふさわしく、人間性豊かな中野市を象徴するにふさわしい花です。また、シャクヤクは、上品であり個性を生かせる花で、切花生産日本一であることからも中野市を象徴するにふさわしい花です。

 

市の木「リンゴ」
中野市でのリンゴ栽培の歴史は古く、明治37年にまでさかのぼり、栽培農家の不撓不屈の努力と技術の向上により、より味覚が得られています。常に近代的な農業経営に積極的に取り組んでいる中野市を象徴するにふさわしい木です。また、信州=りんごのイメージがあり、栽培量も多く、大人から子どもまで知っている木であり、生食のほか、お菓子などにもしやすく、多くの人に親しまれています。

 

市の木「もみじ」
もみじ(紅葉:秋に起こる落葉樹の葉の色が変わる現象。樹木のモミジはカエデ・カエデ科)は、高野辰之先生作詞の「紅葉」のふるさとのイメージであり、美しい日本のふるさと、自然豊かな中野市を発信できる木です。

 

市の鳥「チョウゲンボウ」
チョウゲンボウは、昭和25年に市内の十三崖で集団繁殖していることが発表され、大きな反響を呼び、昭和28年に集団繁殖地として国の天然記念物に指定されました。世界でも崖の狭い範囲で営巣しているのは中野市だけであり、とても貴重で、世界への情報発信ができ、全国にもアピールできる鳥です。チョウゲンボウの天空に悠々と舞う姿は、限りなく発展する中野市を象徴しています。
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[バラ]は榮一と八谷が、[リンゴ]は前田が、[モミジ]は榮一が、そして[チョウゲンボウ]は倉田が用いたわけ。「十三崖」の読みは普通に「じゅうさんがけ」です。
つまりは制定側の関心が「環境保全」より「ご当地紹介盛りアイテム」の方に向いている気がする。

 

しかしなー、わりーと、噴飯ものな文章が並んでますなあ。バラが「情熱的、愛情豊かであり、個性豊かな中野市を象徴するにふさわしい花」って、言葉の係り具合がまず不明。「情熱的、愛情豊か」なのはバラであろうか中野市であろうか、それとも市民のことであろうか(ちょっとHな感じになってきた)。「個性豊かな」も、「中野市」に係るのか、「花」に係るのか。どう解釈しても突っ込めます。シャクヤクも「人間性豊かな中野市を象徴するにふさわしい花」とか「上品であり個性を生かせる花」とか、わけのわからん書きっぷり。リンゴが「より味覚が得られています」ってどんな日本語なんだよ。「常に近代的な農業経営に積極的に取り組んでいる中野市」って、ご当地じゃお百姓さんは皆公務員なのかよ。「もみじ」だって、コトバの解説をしていただく必要などございません。
逆に、ハヤブサ科のチョウゲンボウ/長元坊/Falco tinnunculusのことを何も説明していないのは片手落ちである。ハト程度の大きさの小型猛禽類で、市街地のビルに営巣してニュースになったりもする鳥です。食物連鎖の上位に位置するPredetorが集団で繁殖しているってところからまず稀少性が認められるはずなのに。それに少なくとも、「天空に悠々と舞う」ような飛び方をする鳥ではない。

 

つまりは花鳥草木なんてところに一切関心のない職員が書いた/書かされたものなんでしょう。感性の高さも知性の深さも感じない。高野辰之先生がお泣きになりますよ。

2019年2月24日 (日)

【加筆編】環境保全とリサイクル<img src="http://emojies.cocolog-nifty.com/emoticon/recycle.gif">の話:その1(あっぷるん・ぽんぽん・なかのん)

(承前)

 

前回取り上げたご当地のキャラ公募、次点にもツッコミどころは満載である。

 

長野県中野市
環境保全シンボルキャラクター

 

(優秀賞)あっぷるん
前田昌克
あっぷるん

 

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市の木[りんご]と「緑いっぱいの[地球]」を重ね合わせ、環境保全に取り組む中野市の姿を表現しながら、多くの方々に親しみやすいキャラクターをデザインしました。
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塩崎「なかのん」に比べ、「環境保全」が考慮されていることは否定しません。しかし、それ以前に・・・。
前田自身の言葉を借りるなら、「特徴のない街」、より正確には「([りんご]以外に)特徴のない街」の場合にどうなるかの好例、というより他にない。

 

【その221】
青森県北津軽郡板柳町
マスコットキャラクター
(愛称未定) → あぷりん
塩崎榮一
〔2018年11月発表〕
板柳町キャラ

 

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[りんご]の里、板柳町に住んでいる元気な女の子。リンゴと会話ができる。
夢は有名になってアイドルデビュー。
魅力いっぱいの板柳町をPRするため全国を飛びまわる。
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つまりそういうこと。

 

(優秀賞)ぽんぽん
森山未季子
ぽんぽん

 

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中山晋平の『證誠寺の狸囃子』が中野市民に親しまれていることから[狸]をモチーフにし、お腹には豊かな自然をイメージした緑色の[N]の文字をあしらいました。
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これには相当驚いた。「証城寺の狸囃子」(作詞 野口雨情)は千葉の證誠寺が舞台だということしか頭になかったので(cf.【その71】)。

 

調べてみると、音楽界の重鎮、作曲家中山晋平(1887.03.22〜1952.12.30)はこれまた中野市出身で、ご当地には高野辰之記念館同様、中山晋平記念館なるものもある。
中山の華々しいプロデビューは1914年、トルストイ原作の劇団藝術座の舞台「復活」の劇中歌「カチューシャの唄」(♪カチューシャかわいや 別れのつらさ せめて淡雪 とけぬ間に)であり、劇団主宰の島村抱月とその書生だった相馬御風による詞に中山が曲をつけ、主演の松井須磨子が歌って未曾有の大ヒットとなった。

 

いわゆる「流行歌」の世界では、「ゴンドラの唄」(作詞 吉井 勇:♪いのち短し 恋せよ乙女 あかき唇 あせぬ間に)も知られる。こちらは「復活」翌年の1915年、同じく藝術座の舞台、ツルゲーネフ原作の「その前夜」の劇中歌。後に、黒澤 明の1952年の映画「生きる」で用いられて名を高からしめた。

 

中山はこのほか、童謡にも力を入れ;

 

「あめふり」(作詞 北原白秋:♪あめあめふれふれ かあさんが じゃのめでおむかい うれしいな)

 

「シャボン玉」(作詞 野口雨情:♪シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで こわれて消えた)

 

「肩たたき」(作詞 西條八十:♪母さん お肩をたたきましょう タントンタントン タントントン)

 

など多数がある。
因みに、「おむかえ」ではなく「おむかい」なのは、それが当時の東京方言だったのだそうな。

 

しかし、同郷出身で同時代を生きた高野辰之との共作はわずか2曲しかないというのがむしろ意外です。「童謡」と「唱歌」は実は相性の良くないものだったのかもしれない。

 

(優秀賞)なかのん
八谷早希子
なかのん

 

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緑豊かな中野市をイメージして、多くの方に親しみを持って頂ける緑の精のキャラクターを考えました!服は、環境保全の基本目標の一つ、“ゴミ削減”をイメージ。
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ケッ。[ゴミ袋]はこれの二番煎じ。

 

【2016.08.22「ゆるキャラ(R) 再生処理装置」】
長野県岡谷市・諏訪市・諏訪郡下諏訪町
湖周行政事務組合
諏訪湖周クリーンセンター ecoポッポ
マスコットキャラクター
えこぽん
八谷早希子
〔2016年6月発表〕
えこぽん

 

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長野県の県獣であり、ecoポッポ建設中に現場監督もしてくれた[カモシカ]をモチーフに多くの方に親しみを持って頂けるキャラクターを考えてみました!一目でecoポッポのキャラであることが分かるよう、体はエコをイメージした[グリーン]、服は[施設名]が描かれた[ごみ袋]でできています。
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[帽子]系USA/Unidentified Small Animalキャラならばこの辺り。

 

静岡県浜松市
はままつフラワーパーク
マスコットキャラクター
ふらまる
八谷早希子
〔2016年5月発表〕
ふらまる

 

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世界の花のテーマパークである「はままつフラワーパーク」をイメージして、子供からお年寄りまで多くの方に親しみを持って頂けるキャラクターを考えました。はままつフラワーパークで生まれた草花の精です。〔後略〕
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【2015.01.03「かわたん縁起ばなし:下」】
群馬県利根郡川場村
川場村イメージキャラクター
かわたん
八谷早希子
〔2014年7月発表〕
川場村かわたん

 

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川場村をイメージして、子供からお年寄りまで多くの方に親しみを持って頂けるキャラクターを考えてみました!帽子は、日本百名山の[武尊山]をイメージしており、村名の由来でもある村を流れる清流の[川]・特産品の[りんご]・[ぶどう]が輝いています。〔後略〕
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八谷センセ、アナタねえ。「××の精」や「多くの方に親しみを持って頂ける」なんてClicheに安住してこんなこと続けてたら、ほんとクリエイターとしての寿命を縮めますよ。真剣な話。というより既にCreatorとは思わないし。ImitatorあるいはCopycatだろ(自作のrecycleをして回っているなんて場合にはそう言わないだろうか)。

 

(続く)

2019年2月23日 (土)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その224:にっとくん・なかのん)

(承前)

今回はまず、地方の中堅企業の周年記念で公募されたキャラクターを取り上げます。

広島県福山市
日塗株式会社
イメージキャラクター
にっとくん
塩崎(大阪府)
にっとくん

にっとくん アニメーション

何かが道をやってくる・・・。その正体は。

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■名前 にっとくん
■紹介 日塗の愛犬「にっとくん」。朝は現場に行く社員を見送り、夕方は疲れたみんなを出迎えて可愛い仕草で疲れを癒してくれます。社員みんなから愛される[犬]です。
朝と夕方は社員のみんなが交代で散歩に連れて行ってくれます。
■性別 オス
■誕生日 2月10日
■生息地 日本全国
■職業 日塗 広報部長
■好きな食べ物 いなだやの関東煮
■性格 建物を見たら塗りたくなる
■趣味 DIY
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稲田屋とは、福山市の船町商店街にある大衆食堂のご当地名店。名物メニューの関東煮(かんとうだき)はホルモン煮みたいなものらしいです。

♪どうでもいいですよ

広報部長なのに、一人で散歩に出歩くことすらままならぬ存在とは(冷笑)。キャラづけの方向性が間違っている。

同社はてっきりただのペンキ屋さんかと思いきや;

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48年前「日本中を塗りつぶそう!」との思いから塗装業として誕生した日塗。現在では建築、土木全般へとフィールドを広げています。特にマンション改修事業は、川崎市内で初めて手掛けてから28年。全国展開でシェアを拡大、中国地方での施工量は業界No.1を誇っています。
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てなことなんだって。ようとわからんが。50周年を控えてキャラ制作したんだそうです。

(優秀賞)
松尾(福岡県)
岡本(岡山県)

「松尾(福岡県)」とは、ご当地公募でたまに目にするガイダー、松尾あやこ(福岡市)のことだろう。

因みに対価は最優秀賞が賞金10万円、優秀賞が各1万円也。そこに関しては田舎公募でもなかったみたい。

結局、民間企業のキャラクターで公募という手法が成功した例などありはしないと思う。コミュニケーションという手段を持ち込むことができなければ、そこは百年経っても変わらないはず。(無論、これからどうやって運用していくか、の方が今となっては大事だけど。)

で、公募の世界でのみ生存する塩キャラというものがどの程度変わっていないのか、その観点から全国を見渡してみますと。
↑は2016年に4〜8月の5ヵ月もかけて募集されたもので(既に「ゆるキャラ」ブームに翳りが出ていた時分である)、一方、最近のところで昨年の6〜7月に募集され12月27日に発表されたこのキャラクター↓を対比させてみるとはっきりする。

長野県中野市
環境保全シンボルキャラクター
なかのん
塩崎榮一
なかのん

[イヌ]のプラットフォームに取って代わったのは[ウサギ]。[帽子]の上の[建物]は市の花(の一つ)[バラ]と市の木(の一つ)[モミジ]に、お腹の[社章]らしきものは[市章]に置き換えられている。
そして顔の造作はこれ↓にほぼ引き継がれた・・・。

【その223】
山口県下松市
下松市公式マスコットキャラクター
(最終候補作品)くだまる
福添歩美
〔2018年8月〜2019年1月募集・2019年2月候補発表〕
くだまる(歩美案)

見事な父娘競演となっております

アイテムをとっかえひっかえする、ただそれだけで粗製濫造するDogmaは変わらない、変えられない(そのことに後から気づいて嫌になったのが、例えば奈良県磯城郡田原本町「タワラモトン」ではないかと思う;cf. 2018.07.10【その203の2】)。
そんな中でやや目を惹く[五線譜]については。

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唱歌「故郷」にでてくる「兎追ひし かの山・・・」の[兎]、中野人形の月の兎の[兎]をモチーフにし、緑豊かな中野市の[山]、[川]、自然豊かさを表現。
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原文ママです。
ご当地は『「故郷」のふるさと』を標榜している。この歌を作詞した国文学者高野辰之(1876.04.13〜1947.01.25)がご当地(旧 下水内郡(しもみのちぐん)豊田村;2005.04.01に旧 中野市と新設合併)の出身であり、歌詞には当然、その生まれ育った土地の景物が歌い込まれている(ということになっている)から。
中野市にある高野辰之記念館のサイトには「兎追いは、自然豊かな山村の冬季間の子どもたちも加わった村総出の行事でした」という記述も見つかる。つまり、冬のタンパク源確保のための狩りだったわけっす。ずいぶん雰囲気が違って聞こえてきちゃうけど、子供の頃誰しも最初は「兎おいしい」と思ったはずのあの解釈はあながち間違いでもなかったのネ ̄(=∵=) ̄。
てことは、兎が鍋になったのなら、小鮒も甘露煮か何かになったんでしょうなあ。

高野は他にも;

「春が来た」
♪春が来た 春が来た どこに来た
 山に来た 里に来た 野にも来た

「春の小川」
♪春の小川は さらさら流る
 岸のすみれや れんげの花に

「朧月夜」
♪菜の花畠に 入り日薄れ
 見渡す山の端 霞深し

「紅葉」
♪秋の夕日に 照る山紅葉
 濃いも薄いも 数ある中に

など、「これぞ日本の原風景!」「これぞ美しい日本語のお手本!」な感じの文部省唱歌をいくつも作詞した(とされる)人。早い話が郷土の大偉人。この辺りについてはイロイロあるので、また別に取り上げようと思う。因みにこれら5作品の作曲は全て岡野貞一とされており、まさにゴールデンコンビだったことになる。

話戻って、「なかのん」のこと。ツルがこのキャラに対して感じる最大の不満は、なぜこれが「環境保全シンボルキャラクター」なのかという点です(なぜ作詞者のことを顕彰しているのに[五線譜]なのだという点もひっかかるけど)。ただの観光用人寄せご当地キャラクターと、どこが違うの??

結論。
やはり、キャラづけの方向性が間違っている。それは応募側の怠慢によるものでもあろうし、また漫然と選考を行った制定側の責任も大きかろう。

(優秀賞)
あっぷるん
前田昌克
ぽんぽん
森山未季子
なかのん
八谷早希子

(努力賞)
鳥人「中野神」
倉田一輝(中野市)

― Inspired by "Something wicked this way comes" (1962) by Ray Douglas Bradbury (1920.08.22〜2012.06.05) ―

2019年2月20日 (水)

【加筆編】忘れられていくものども(苫小牧ナンバープレート)

(承前)

ご当地ナンバー第3弾 = 地方版図柄入りナンバープレート第2弾のことをあれこれしゃこしゃこと取り上げる中で、各論に走って見落としかけていた点が一つある。それは、「キャラクターをあしらったものが少ない」ということ。

自動車用に先行したバイク用のデザインプレートは全国で500点以上に達しており、その中ではご当地キャラあしらいのものが半ばデフォルトになりつつあった。愚blogにおいては、それは安直なやり方として縷々批判的に書いてきた。つまりは、「何が言いたいのか」、「何を宣伝したいのか」というところに、ご当地キャラクターという象徴物によって一枚フィルターがかかってしまうからです。万能フィルターのおかげで、何も考えずに突き進むことができてしまう。たとえ、前田昌克の言うような「特徴のない街」であっても(cf. 2018.10.25〜27「月曜から・・・いつまで夜ふかし?」)。

2018年5月にデザイン発表された自動車用図柄入りナンバープレート第1弾だと、全41地域のうち何らかのキャラクターを用いたものは次の8点あった(cf. 2018.10.23「「ご当地ナンバー」なるものについて:3」)。比率は20%である。

埼玉県越谷市
越谷版図柄入りナンバープレート
<ガーヤちゃん、南越谷阿波踊り>
作者不明

東京都杉並区
杉並版図柄入りナンバープレート
<杉並続くみどりいっぱいのまち>
居関孝男
(* 「なみすけ」・「ナミー」)

愛知県豊田市
豊田版図柄入りナンバープレート
<豊田スタジアムとグランパスくんファミリー>
作者不明

愛知県春日井市
春日井版図柄入りナンバープレート
<道風くんとサボテンキャラクター>
北洞栄昭

広島県 福山市・尾道市・三原市・竹原市・府中市・豊田郡大崎上島町・世羅郡世羅町・神石郡神石高原町(じんせきぐん じんせきこうげんちょう)
福山版図柄入りナンバープレート
<広島東洋カープ>
作者不明
(* 「カープ坊や」)

愛媛県
愛媛版図柄入りナンバープレート
<みきゃん>
作者不明

熊本県
熊本版図柄入りナンバープレート
<くまモン>
作者不明

大分県
大分版図柄入りナンバープレート
<温泉>
大分県デザイン協会
(* 用いられたのは「おんせん県ロゴ」だが、これはデザイン上むしろキャラクターである)

約半年経ち、2018年11〜12月に発表された今度の第2弾17地域では、わずかに次の2点しかない。すなわち12%。

【2019.01.26「ゆるキャラ City Promotion? その1」】
三重県四日市市
四日市版図柄入りナンバープレート
<輝く四日市>
渡邉七海
〔2018.11.10決定・12.17発表〕
四日市ナンバープレート
(* 「こにゅうどうくん」)

北海道苫小牧市
苫小牧版図柄入りナンバープレート
<ウトナイ湖とアイスホッケーの街とまこまい>
小田加奈子(55歳:苫小牧市:苫小牧市嘱託職員)
〔2018.11.28発表〕
苫小牧ナンバープレート
(* 「とまチョップ」)

もちろん、バイクに比べて高価な自動車という財物に装着するものとして、ゆるキャラの類いはなじまないと判断されやすいというところもあるだろう。
しかしそこも、ご当地デザインプレートというモノをPR力、発信力の面から捉えた場合(ツルはもともとそんなものほとんど信じていないが)、ひどくambivalentでいびつには見える。

ご当地キャラ自体を取り巻く状況もすっかり変わって、「ゆるキャラ使えば何でもOK」という気運はとうにない。免罪符的鉄板ネタではなくなってしまった。簡単に言えば、ご当地ナンバープレートという新しい「デザイン」を創っていく時に、「今さらゆるキャラでもないよねえ」という心理が働いた面はあると思う。

そんな中での「こにゅうどうくん」「とまチョップ」投入だったわけです。
前に書いたように、四日市ナンバーのデザインが決定されたのは、ゆるキャラグランプリ2018でこにゅうどうくんがゴリ押しのグランプリを獲り損ねる約1週間前。∴投票トップを走っていた時点のことです、市職員の献身的協力により。これをナンバープレートに採り入れずにどうする、という流れになっていたのは間違いあるまい。それを客観的判断と呼べるものではないと思う。

では、「苫小牧」の方はどうなのか。実は、苫小牧市ではバイク用ナンバープレートも「とまチョップ」をメインにしたデザインだった。今回は再登板だったんですな、扱いは小さいけど。因みに四日市市のバイク用は市の鳥ユリカモメをデザイン化したもの。

「苫小牧」の募集要項には、「長期間にわたって交付・使用されることを念頭にデザイン案を作成すること」と挙げられていて、その結果がご当地キャラだったのかよとツッコまずにはいられません。

(続く)

2019年2月19日 (火)

【加筆編】Phoenix vs Serpents(出雲ナンバープレート・成田ナンバープレート)

(承前)

も少し、気持ちのいいネタも書いとかないと、ね。

今回のご当地ナンバー第3弾 = 地方版図柄入りナンバープレート第2弾の17地域の中で、最もサマになる対は「飛鳥」と「出雲」あたりだろうと漠然と考えていた。長い歴史に培われたまほろばとして。

【2018.11.23「「ご当地ナンバー」なるものについて:10」】
奈良県橿原市・高市郡明日香村・同 高取町・磯城郡田原本町・同 三宅町
飛鳥版図柄入りナンバープレート
<朱雀>
凸版印刷株式会社
〔2018.12.04発表〕
飛鳥ナンバープレート

この[朱雀]と対峙するのはこれ↓。

島根県出雲市・仁多郡奥出雲町・飯石郡飯南町(いいしぐん いいなんちょう))
出雲版図柄入りナンバープレート
<八岐大蛇(やまたのおろち)>
土江淳志(つちえ じゅんじ)(46歳:出雲市:印刷業)
〔2018.11.22発表〕
出雲ナンバープレート

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出雲と言えば出雲神話。出雲神話に登場する[八岐大蛇]です。カラーは虹をイメージしてみましたが、黄色など見えにくい色は使っていません。ナンバーの視認性を上げるために彩度も落としてあります。
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予想に違わなかった印象。カッコいいっす。ちょっと、往年のテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」のオープニングみたいだけどww。あるいはやんちゃな「走り屋」のイメージがちょっと強いかな。やや攻撃的なデザインだし。

ご当地にはこんな塩キャラもおったねえ。

【その25】
島根県出雲市・雲南市・仁多郡奥出雲町・飯石郡飯南町
出雲の國・斐伊川サミット
JR西日本 木次線 トロッコ列車 奥出雲おろち号
マスコットキャラクター
おろっち
塩崎まさよ
おろっち

「おろっち」の4市町のうち、雲南市は「出雲」ナンバー検討を途中でやめてしまったけど(cf. 2018.12.23「16」)、今は臍を噛んでいるかもしれないなあ。

片や龍にもなろうかという大蛇、片や毒蛇を喰らうと言われる孔雀(仏教の孔雀明王はここに由来する)の血を引く朱雀。まあ、カラフルなこちら↓の方ががっぷり四つ感は強かったんですけどww。

飛鳥ナンバープレート候補(3案)

もひとつ言えば、2018年5月に発表された【地方版図柄入りナンバープレート第1弾】のこの↓彩雲が長く裳裾を引いたかのようです

千葉県 成田市・富里市・山武市(さんむし)・香取郡神崎町(こうざきまち)・同 多古町・山武郡(さんぶぐん)芝山町・同 横芝光町)
成田版図柄入りナンバープレート
<飛行機が飛ぶ街>
(作者不明)
成田ナンバープレート

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空に[虹色]の軌道を描きながら飛ぶ[飛行機]の絵を安定感のある構図で爽やかな印象に仕上げ、多くの人が思い描く「飛行機が飛ぶ街」のイメージと成田国際空港周辺の7つの市町を表現しました。
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閑話休題。
神々の地でのツルの一推しは、何を隠そうこの作品だった↓。

(優秀賞)
<神々しい光の國、出雲>
天野穂積(静岡市)
出雲ナンバープレート(天野案)

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背景に神々しい[光]をレイアウトし、[雲]、[しめ縄]と組合せ神話とロマンあふれる出雲らしさを表現しました。また視認性を重要ポイントとし、色彩は淡色で構成しました。
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何やらただならぬストーリーを感じる。何やら宗教に近づき過ぎてる気配はあるものの。上古の楽の音まで響いてくるようです。
今回の一連の流れで半ば予想、半ば注目していたのは、天野の活躍。しかし採用はなく、「出雲」と「松戸」の次点に入るにとどまったみたい(公開情報限り)。

(優秀賞)
<神話の国 出雲>
門田(もんでん)直美(広島県福山市)
出雲ナンバープレート(門田案応募案)

 ↓

出雲ナンバープレート(門田案最終版)

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神話のふるさとである出雲市にちなんで、[雲]や[霞]といった古来から親しまれる柄を取り入れ、和や伝統を感じる図案にしました。出雲市ならではの[白兎]や、[勾玉]といったモチーフが地域の方々の愛着や誇りにつながるデザインです。
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劇的な、あるいは祝祭的な場面を描いたものの多かった ――つまりは「カッコいい」ものの多かった―― 候補5点のうち、本作だけは多少毛色を異にしている。テキスタイル的な雰囲気もありですかね。次点なのになぜ途中でリデザインされたのかはわかりません。ただの表示上の不具合だったのかもしれない。

この作者名で検索をかけると、広島県立福山葦陽(いよう)高等学校の教諭(おそらくは英語の)が引っかかってくるので、おそらくはそういうことなんでしょう。

デザインアンケートの結果は以下のとおり。

1位 候補2 1,052票(29.4%) <八岐大蛇>
2位 候補1  753票(21.0%) <神々しい光の國、出雲>
3位 候補3  671票(18.6%) <神話の国 出雲>
4位 候補4  629票(17.6%) <稲佐の浜の夕日に舞う出雲神楽>
5位 候補5  445票(12.4%) <出雲神楽>
無回答・無効  28票 (0.8%)
計     3,578票

そこそこ票差はついた。候補4と候補5は互いにカニバリズムで食い合った部分もあると思われます。そこはそのような選考をした出雲ナンバー推進協議会(会長:出雲市長 長岡秀人)の責を負うべきところだろう。

おまけ。
ツルが子供だった昭和40年代頃までさあ、お正月には自動車にもちっちゃな注連飾りをつけてたよねえ。バスとかだけじゃなく、自家用車にも。いつの間にか廃れたけど、天野作品を見てそんなことを思い出しました。

(続く)

2019年2月17日 (日)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その223:くだまる):壱

(承前)

本公募で応募総数が764点となかなかに盛り上がったのは、今どき太っ腹の賞金20万円だったことが与って大きいと思われます。
で、その中から選ばれた3点の「くだまる」のうち、これ↓が塩崎一族作品と明示されてるわけだ。

山口県下松市
下松市公式マスコットキャラクター
(最終候補作品)くだまる
福添(ふくぞえ)歩美(40代:グラッフィックデザイナー)
くだまる(歩美案)

『応募作に付けられた名前を参考に、キャラクターの候補名を「くだまる」と決めた』というのは、公平性の観点からってな話ですかね。
うーん、でもちょっと不思議。予め作者名を公表しちゃったことが。ほんとの選挙みたいにやるっていうのに、それでFairnessは担保されるのかな?たまたまご当地在住者が入っていないから問題にはなりにくそうなものの、そこってどうなのよ。(ツルがどの作品を推すかってのは、ヒ・ミ・ツ。)

不思議と言えば、募集が2018年8月〜2019年1月、5ヵ月の長きにわたって行われたのも不思議ですが。

歩美の盛りアイテムのうち、明確に根拠が判明するのは[星]と[ヒラメ]のみ。

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以下は、下松市の特長・イメージの例です。(これらをテーマとすることは必須条件ではありません。)

① 笠戸ひらめ
② 星ふるまち
③ 長岡外史
④ ものづくりのまち
⑤ 山・まち・海がコンパクトにまとまったまち
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③は人名、ご当地生まれの明治・大正期の陸軍軍人、政治家(安政5.05.13/1858.06.23〜1933.04.21)。というより、「世界一のひげ」を自称していたことの方が有名かも。肖像写真、笑えますよ。
あの「レルヒさん」(cf. 2016.01.10「悪夢、あるいは回帰熱:後編」)からスキーを学び、民間に広めた人物でもある。

同市サイトには、次のような市名の謂れが載っている。

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下松市という地名の由来は、推古天皇の頃、鷲頭庄青柳浦の松の木に大星(北辰星ともいわれている)が降り、7日7夜光輝き「百済の皇子がこの地へやって来る」というお告げがあったことに始まり、それから3年後、百済からやってきた皇子が後の大内氏の祖とされる琳聖太子といわれています。
このことから「星が降った松」が「降り松」、「下松」となったといわれています。
また、一説によれば、百済の琳聖太子が渡来し、以来百済との交易が開けたことにより、百済と貿易する港、百済津(くだらつ)がなまって「くだまつ」となり、「下松」と書きあらわすようになったともいわれています。
これらの言い伝えを引き継ぎ、暮らしの中に「星ふるまち下松」として息づいています。
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そうなると、塩崎一族としてはこの辺の[星]キャラの古いのをひっぱり出してくること必定だったわけやね。

【その4】
京都府城陽市
TWINKLE JOYO イメージキャラクター
イルミン
塩崎アユミ
〔2009年10月決定〕
イルミン

【その92】
神奈川県平塚市
湘南スターモール商店街
織姫・彦星キャラクター
(優秀賞)
塩崎あゆみ
〔2012年5月発表〕
湘南スターモール商店街 織姫・彦星キャラ(あゆみ案)

[マツ]も上記の伝承に因んだということになると思うけど、[サクラ]はよくわかりません(まあ、これ盛っときゃ全国どこでも通用するだろ)。意外にも市の木はヤマモモ、市民の花はサルビア。
毎日新聞の記事で『奇祭「きつねの嫁入り」』と書かれた[キツネ]は、花岡福徳稲荷社の稲穂祭で出る御神幸行列を表すらしい。でも、昭和も昭和、戦後の祭りっす(since 1950)。
そして[ヒラメ]のバックに描かれたのは、ご当地本土と沖合いの笠戸島とを結ぶ[笠戸大橋](since 1970)で間違いないだろう。真っ赤な橋というのがいかにも昭和の高度成長期を感じさせますネ。

笠戸大橋

残る難題は[音符]。・・・わかりません。市民憲章にも、「スポーツに親しみ」とはあるが文化面への言及はない。ご当地の音楽イベントには、下松市民音楽祭・下松市小中学校音楽祭・市民邦楽祭などがあるようですが、キャラに描き込むほどのことですかね??(実は、目星をつけているものがあるんだけど、それはまた折を見ていずれ。)

開票は3月20日、刮目して待て。

2019年2月16日 (土)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その223:くだまる):零

(承前)

たまには愉快な話題でまいりましょう。

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(2019.02.16 毎日新聞 抜粋)

山口県下松市内の小学校で、市の公式マスコットキャラクターを決める選挙が始まった。8校約3200人の児童が、3点の最終候補作から最優秀作1点を選ぶ。投票は3月5日まで。開票は3月20日に下松中であり、中学生が事務従事者となって8校分をまとめて開票し、結果は即日、市のホームページなどで速報される。
候補作は市が昨年8月13日から公募し、先月10日の締め切りまでに全国から764点の応募があった。民間事業者や大学生、高校生に市職員を加えた11人の審査委員が1次審査で、最終候補作3点を選考し、応募作に付けられた名前を参考に、キャラクターの候補名を「くだまる」と決めた。3作いずれにも飛鳥時代に松の木に大きな星が降りたとの伝説にちなみ星と松があしらわれ、名産の「笠戸ひらめ」や奇祭「きつねの嫁入り」、市内で製造される新幹線車両などを盛り込む工夫がされている。今月4日に各小に、3点を並べたポスターが掲示され、児童たちが吟味。13日の花岡小を皮切りに投票が続いている。
下松小(児童数729人)では15日に投票があった。記載台や投票箱は市選管が貸し出した本物で、投票用紙のサイズや材質も本番と同じ。児童は意中の候補作の番号を書いて投票した。

〔後略〕
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へーーーっ、そんな手があったんだ!!

なぜそんなことをしたかというと、下松市サイトには;

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選挙は、選挙管理委員会と協力し、可能な限り通常選挙管理委員会が行う選挙に近い形で実施します。(選挙教育の一環として)
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とあって、最後のところに唸りました。
おそらく、東京五輪マスコット選考で全国の小学校のクラス投票を噛ませたことに影響を受けたんだと思うけど、本物さながらの選挙を運営まで含めて子供たちにやらせることにしたというのがすごい。

この「選挙」については、2月に候補作品3点が発表、いや告示された時から注目していた(まさか決定以前にマスメディアが報道するとは思わなかったので、少々あわてとります)。

2018.08.13付の応募要項は、こんなユニークなイントロダクションから始まっている。

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下松市のために日々活躍するマスコットキャラクター「リサイクル星人」と「きらりん」が、“母星での活動に専念したい”と、市長に「辞職願」を提出。

時を同じくして「ケンシンキング」、「ケンシンファイブ」、「コキングちゃん」が、“自らの健康を見直したい”と、母星「健康惑星」への帰還を希望。「辞職願」を提出しました。

苦渋の決断ではありましたが、市長は、キャラクター達のこれまでの「がんばり」に感謝と敬意を表し、申出の正式受諾を表明。

しかし・・・

平成31年に市制施行80周年を迎える下松市は、この節目に下松市の魅力をより広く、強くPRするため、是が非でもキャラクターの力を借りたいのです。

この窮状を脱すべく、【MISSION】“新キャラクター募集”が動き始めました。
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うはははは、こんな作り込み、初めて見た攻めてんなー。

で、これをなんで本編にするかというとですね・・・
出馬候補3点の作者は既に公表されている。

下松市キャラクター最終候補


玉城妃奈(たまき ひな)(20代:埼玉県鴻巣市:学生)


福添歩美(40代:大阪市:グラッフィックデザイナー)


高柳順子(40代:静岡県三島市:グラフィックデザイナー)

※選挙掲示順

ま、クレジット見なくても塩キャラってことは瞬時に判別できるけど。
1については、2017年の第21回沖縄県産業教育フェア(高校生美ら産フェア)のポスター部門優秀賞に、玉城妃奈(沖縄県立名護商工高等学校2年)という名前が見える。その後関東に進学したということなんでしょう。3は愚blogでもたびたび取り上げてきた(珍しく肯定的に!)大御所。

(続く)

2019年2月15日 (金)

【加筆編】誰が為に梨は成る:下(船橋ナンバープレート・船橋市ナンバープレート・鳥取ナンバープレート)

(承前)

 

船橋版図柄入りナンバープレート候補あと2点、続けます。

 

<漁船と飛行機>(デザイン番号3)
船橋ナンバープレート(デザイン番号3)

 

こちらは視認性度外視の茜空。それにしても船橋市に空港なんて、ありましたっけ?
2012年5月に導入されたバイク用と見比べてみると、ははあなるほどという感じ(なお、バイク用はこのほかご当地のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」バージョンも2016年9月から存在する)。

 

千葉県船橋市
オリジナルナンバープレート
上川祐司(42歳:船橋市:会社員)
船橋市ナンバープレート(応募案)

 

 ↓

 

船橋市ナンバープレート(最終版)

 

いやむしろこっちか。

 

(123cc以下用)
船橋市ナンバープレート(123cc以下用)

 

セガ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のデザイナーと同姓同名だそうです(真相不明)。

 

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「船橋」という名称には、この地域を代表する文化要素である[船]と[橋]が使われており、この要素を記号化して構成することがもっとも今回の表現としてふさわしいと考えました。また、プレートの形状そのものについても、地域要素を表した上部の[アーチ型]と、下部の[波型]を生かすことで、よりオリジナリティの高い印象を与える事ができたと思います。
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本来「船橋」とは、「船と橋」ではなく「船の(連結による)橋」の意味らしいですが。
丸7年経って、このバイク用プレートの効果/功罪を検証すべき時期には来ていると思う。それもやらずに次の段階へ進もうとするのは危険。外形だけわかりやすいものを差し出して「これが地域興しです」というのは、(ご当地キャラもふるさと納税も同じことだけど)本当はすぐ目の前にある問題から視線を逸らさせる、マイナスの効果も大きいと思う。

 

<船の街 ふなばし>(デザイン番号4)
船橋ナンバープレート(デザイン番号4)

 

こっちは「船の街」と謳いながら船を描き込んでいない、大変稀有なるパターンです。つまりアルファベット[地名]入りの[夜景]というだけ。大分県宇佐市が似たようなものを作ったらきっと大変なことに・・・(苦)。

 

以上、候補5点中、1点だけ[梨]を表した作品が採用されたことになる。

 

1位 番号2 4,385票(47.6%) <梨とアンデルセン公園>
2位 番号5 2,311票(25.1%) <三番瀬から>
3位 番号1 1,095票(11.9%) <千葉県の中核都市>
4位 番号4  763票 (8.3%) <船の街 ふなばし>
5位 番号3  663票 (7.2%) <漁船と飛行機>
計     9,217票

 

うへえ、圧倒的票差だったんだ。それにしてもやっぱり、39点の応募のうちで候補を3点から5点に増やした必然性と妥当性は感じられませんな。

 

//

 

こうしたあれこれを見せられて;

 

【2019.02.02「矢切渡、誰がものぞ:前編」】
千葉県松戸市
松戸版図柄入りナンバープレート
(特別賞)<フレッシュ松戸>
藤田裕子
松戸ナンバープレート(藤田案)

 

千葉県市川市
市川版図柄入りナンバープレート
(優秀賞)<おいしい「市川の梨」>
市川ナンバープレート(作品番号3)


 

これらで本当にそれぞれのご当地の魅力発信、動く広告塔になり得ただろうかと疑問に思う。一晩寝たら、どっちが「松戸」でどっちが「市川」だったか覚えている自信はツルにはありません。悪くすると図柄入り第1弾で先行した「鳥取」のStealth Marketing大作戦である。

 

鳥取版図柄入りナンバープレート
<砂丘、大山、梨>
深石直希(20歳:島根県雲南市:島根デザイン専門学校研究科1年)
〔2017.08.09選考〕
鳥取ナンバープレート

 

ほら、これだって。

 

千葉県松戸市
松戸版図柄入りナンバープレート
(優秀賞)<やさしい、楽しい、おいしい町、松戸市。>
天野穂積
松戸ナンバープレート(天野案)

 

千葉県船橋市
船橋版図柄入りナンバープレート
<梨とアンデルセン公園>
鈴木香世
船橋ナンバープレート(最終版)

 

♪もうこれ以上 もうこれ以上
 ○○○○なんて しなくていいのよ

 

ま、「鳥取」だけは他の地域と取り違えることもないか。もっともそれは[梨]のおかげじゃなし(笑)。

 

― Inspired by「埠頭を渡る風」松任谷由実(1978.10.05リリース)―

 

(続く)

2019年2月14日 (木)

【加筆編】誰が為に梨は成る:中(船橋ナンバープレート)

(承前)

ご当地ナンバー第3弾に手を上げた千葉県の4地域はどこも結果発表が遅くて、まとめてアナウンスするのかと思いかけていた。結局「松戸」と「市原」は12月27日、「市川」は前回書いたように国交省提出期限当日の大晦日。

しかし上には上がある。「市川」と同じく「習志野」から独立した「船橋」なんて、その期限を過ぎた年明け1月9日(水)の発表だった(松の内すら過ぎていたわけね)。ツルは職業柄「決定後はまず適時開示だろ」というクチなので、逆パターンは意外だった。

前回こうも書いた。

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因みに「市川」の応募総数は66点と振るわず、これは例えば「出雲」(対象地域人口計 約19万人)の155点の半分にも満たない(市川市人口 約49万人)。
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しかし下には下がある。「船橋」では、市の人口約63万人にして応募39点・・・。国交省によって全国一斉に発表された17地域のご当地ナンバー第3弾のデザイン募集なのだから、応募数にさほど差がつくことはないだろうという仮説を立ててたんですがねえ。
それでも選考側はなぜか市民投票の候補作品を当初計画の3点から5点に増やしている。

採用作品については、かなり意外だった。

千葉県船橋市
船橋版図柄入りナンバープレート
<梨とアンデルセン公園>(デザイン番号2)
鈴木香世(船橋市)
〔2019.01.09発表〕
船橋ナンバープレート(応募案)

この[梨]はむしろ白雪姫のリンゴの形だよねえ。もう、<ふなっしーとグリム公園>てなものにした方がよいんじゃなかろうか。正式名「ふなばしアンデルセン公園」とはいささか不埒な名称ですが、あのUSJを抑えて日本の人気公園だかの第3位に輝いたことがあるのがご自慢。敷き詰められた[花]の種類は不明、ヒマワリにしてもあまりに変だ。

・・・などと思ってたら、なんとまあこれが採用されたというので気を取り直して再チェックしてみると。

船橋ナンバープレート(最終版)

・・・リンゴが[梨]に変わっとった・・・案の定(爆)。選考委員会が見過ごした(であろう)この小さな不具合、市民投票の際に炙り出されたものと見ました。
しかしこれってさ、作者の鈴木は「弘前」辺りにも出していて、リンゴの色をナシっぽくして出したのではないかという(合理的な?)推測が成り立つ。違いますか?あるいは単に、リンゴとナシを描き分けられなかっただけ??(辛辣)

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「船橋」といえば、[梨]と[アンデルセン公園]が近年特に注目を浴びていると感じています。ナンバープレートの図柄にすることで世間に広く知ってほしいと思いました。また、船橋の花である[ひまわり]を描き、明るい楽しい町「船橋」を表現しました。
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ハイハイ。ご当地の市の花は2種類あり、「子どもたちの夢を育む花」としてキク科ヒマワリ属のヒマワリと、「大切に守り育てる花」のキンポウゲ科センニンソウ属のカザグルマ。(一体どういうことなのだ、それは。)
つまりはサクラの花びらの散り敷いたお堀をヒマワリ畑に、弘前城を[風車]に置き換えてだねえ。

(優秀作品)
<三番瀬から>(デザイン番号5)
月星開理(つきぼし かいり)(船橋市)
船橋ナンバープレート(月星案)

ユーミンの初期の名曲の舞台となった場所です(大ウソ&大伏線)。

(優秀作品)
<千葉県の中核都市>(デザイン番号1)
小松崎 一(千葉県木更津市)
船橋ナンバープレート(小松崎案)

ツルの私見ではこれ、千葉といっても幕張メッセ(千葉市美浜区幕張)周辺のイメージなんですけど。
しかし周辺から反感買っただろうなあ、これに決まってたら。「中核市」は政令指定都市に次ぐものとして地方自治法に定められた制度で、ご当地を含め現在全国に54市ある。船橋市はその中で最多の人口を誇るらしい。「千葉県の中核都市」という言い方はその辺りを都合のいいように自分に引き寄せちゃった感じです。ご当地の魅力を発信するとして、「うちは千葉の中核都市なんですよー」って全国を走り回るわけ??
つまりは内向きの発想。

(続く)

2019年2月13日 (水)

【加筆編】誰が為に梨は成る:上(市川ナンバープレート)

【2019.06.15 追記】

2019.06.08 11:24、本ブログは、【2019.02.03「【加筆編】矢切渡、誰がものぞ:後編(葛飾ナンバープレート)」 】につき、@niftyから、刑法第230条の名誉毀損罪のかどで「侵害情報の送信防止措置請求」があった旨の通知を受けた。
これに伴い、同社が「侵害情報の送信防止措置」を講じる前の対応として、本稿のうち当該記事に関連すると考えられる部分を修正する。

 

【2019.08.08 追記】

【2019.02.03「【加筆編】矢切渡、誰がものぞ:後編(葛飾ナンバープレート)」 】につき、修正の上で公開を再開したことに伴い、本稿のうち当該記事に関連する部分を修正する。

 

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(承前)

 

「ちぃたん☆」ネタでやや中断しましたが、ナンバープレートに戻りまして。

 

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「松戸」では他に、[梨]が候補8点中5点に登場する(大伏線)。
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「松戸」がそうくるならば、「市川」はこうである。なんと、あり得ないことに昨年12月31日の発表・・・。Embargo?それとも市川市役所は大晦日にも開いてるの?
まずは採用作品から。

 

千葉県市川市
市川版図柄入りナンバープレート
<市川の梨と街と江戸川>(作品番号5)
田中初那(岐阜市)
〔2018.12.31発表〕
市川ナンバープレート

 

ツル的に見馴れたところで言えば、むしろ「大雨で水浸しになった東京都大田区下丸子辺りの多摩川河川敷」な感じです、[梨]を除けば。
市民投票における「作者アピールポイント」は次のとおり。

 

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市川市の良い点を盛り込むべく、都会過ぎず田舎過ぎないバランスや、名物である[梨]を表現しました。淡い緑・水色・黄色の爽やかな配色でシンプルに仕上げたので、老若男女使いやすいデザインになったと思います。
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結果発表時の「コンセプト」にはこう書かれた。

 

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市川の象徴である[梨]、都会の[街並み]、市川の自然代表としての[江戸川]を盛り込んだデザインにすることで、住みよい街・市川を表現。
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どうしてここまで違うんだろう。「都会過ぎず田舎過ぎない」が具合が悪かったのかしらん、それとも「老若男女」の「老」がまずかったのかしら。今や高齢ドライバーは免許証返上をきぃきぃせっつかれる時代。

 

残りの市民投票候補4点は全て優秀賞とされた。

 

(優秀賞)
<梨と花火>(作品番号4)
市川ナンバープレート(作品番号4)

 

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遠くから見ても[梨]がわかり、思わず梨が食べたくなるような、インパクトの強いデザインを目指しました。カラーは原色系を使わず、落ち着きのあるライトグリーンでまとめることで、視認性にも配慮しました。
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なんとなーくだが、垂水秀行作品じゃないかという気がちょっとするのだけれど。迫りくる梨の強さとか、豚の鼻にも見える切り口のユーモア加減とか。

 

<元気に!新しい流れをつくる「市川市」!>(作品番号2)
市川ナンバープレート(作品番号2)

 

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中央のブルーは「風」「川」をイメージし、流れや流行を表現。また、良き伝統や継承すべきものに対する「普遍」の意味を込めました。市民の鳥[ウグイス]が羽ばたく姿と[花火]はアクティブな様を表現しました。
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これのみ梨を扱っていない。しかし、はァ?全般的にちょっとずつ、でも全部変。つまりだ、市川市民は流行に流されやすいってこと!?夜にウグイスは飛ばないと思うし。
・・・ウグイスがシンボルで、川が流れていて、花火大会のあるご当地って、日本中に何ヵ所ぐらいあるんだろう。

 

あ!!ツルの出身地の福岡もある意味そうだ。いや、そう「だった」んだ。福岡市を流れる川と言えば、代表格は那珂川。歓楽街の「中洲」はその河口近くに形成された中州である(cf. 2017.10.30「似て非なるもの − 福岡 vs 博多 とか」)。福岡市の鳥はホオジロとユリカモメだが、福岡県の鳥は太宰府市の太宰府天満宮の梅に因むウグイス(福岡県章も梅花形である)(cf.【その189】・2017.05.11「丸ブーじゃないけど艶競べ:もいちど」)。そして、市内のど真ん中、大濠公園では毎年花火大会が開かれてきた。今や150万都市になっちゃったご当地で、毎年40万人以上を集める巨大イベントに膨れ上がっていたわけですが、安全確保が困難となり、2018年をもって終了になってしまったんですねえ。観客のマナーの悪さもその理由の一つに挙げられているのが悲しい

 

<おいしい「市川の梨」>(作品番号3)
市川ナンバープレート(作品番号3)

 

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全体的に色味が落ち着いていて、さらにナンバーになるべく絵がかからないようにしたので、視認性に優れています。また、どんな車に合わせても雰囲気を壊すことなく市川市をアピールすることができます。
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これのどこが「ナンバーになるべく絵がかからないようにした」のだか、ツルにはさっぱりわかりません。逆だろ。

 

<市川のしおり>(作品番号1)
市川ナンバープレート(作品番号1)

 

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4本のしおりは「四季」を表しています。春の[バラ]・夏の[花火]・秋の[梨]・冬の[クロマツ](寒さにも強い木であることから)。また、整然と並べることで、ナンバープレート本来の数字の視認性を高めています。
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そんな馬鹿なぁ。松は四季を通じて変わらぬものの象徴でしょうが。どれか一つの季節の中に嵌め込む発想自体無理があるんだよ。最後の一文のロジックも妙でしょう?他の作品と比べて視認性に優れているとは全く思わない。

 

以上、入賞5点中4点までが[梨]入り。優秀賞が作品番号順に並んでないのは、得票順か審査評価順によったのだろう。
因みに「市川」の応募総数は66点と振るわず、これは例えば「出雲」(対象地域人口計 約19万人)の155点の半分にも満たない(市川市人口 約49万人)。都会ほどご当地ネタが盛り下がる一つの証左ではないかと思う。

 

― Title Inspired by the Movie "For Whom the Bell Tolls"(1943)―

 

(続く)

2019年2月11日 (月)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (5)(バリィさん)

(承前)

双方の言い分が出揃って、さて、二の矢を先につがえるのはどちらだ、なんて風に思っていたら、その日のうちに須崎市側の再反論が。

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(2019.02.08 毎日新聞 抜粋)

高知県須崎市のキャラクター「しんじょう君」の著作権を侵害しているとして、市が類似するゆるキャラ「ちぃたん☆」を運営する芸能プロダクションに対し、ちぃたん☆の活動停止を申し入れたことについて、運営元の「クリーブラッツ」(東京都)は8日、社の見解を発表した。ちぃたん☆の制作過程で複数回、市の担当者にデザインを確認してもらっていると主張。「須崎市の権利を制限する意図はない」としている。一方で市は同日、見解を受けて楠瀬耕作市長が「当初一定の便宜は図ったが、著作権侵害まで認めていない。独善的な数々の行為で信頼は完全になくなった」などと反論するコメントを出した。

クリーブラッツによると、ちぃたん☆のモデルとなった同名のコツメカワウソが須崎市の観光大使に就任することを機に、キャラクター化することを正式に決定。デザイナーは須崎市の担当者から紹介されたという。

〔中略〕

問題を巡っては、楠瀬市長が6日、ちぃたん☆について「市が著作権を有するしんじょう君のデザインに依拠して制作されたもの」で、「著作権を侵害しており、不正競争に該当する」と主張。コツメカワウソのちぃたん☆を市の観光大使から解いた1月17日に活動停止を申し入れたことを明らかにしていた。しんじょう君は2013年から現在の姿で活動。ちぃたん☆は17年に誕生し、管理は「キャランドゥ」(東京都)が、商標登録やテレビ出演などの運営をクリーブラッツが行っている。

須崎市の楠瀬市長は8日にコメントを出し、「市の了解があったと言わんばかりの悪質で巧みな印象操作のある文章」と不快感を示し、「当初はデザイナーを紹介するなど一定の便宜を図るのはお互いの信頼関係を結ぶためにも必要と判断したもので、しんじょう君の著作権侵害まで認めたものではありません」と反論。「クリーブラッツへの信頼は完全になくなっており、もはや修復は不可能」とした。
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あちゃー。そこまで言い切りましたか。市長のロジックにも少し苦しいところがあるけれど、ほんとに泥仕合になりそうだ。
こうなるともはや大手のマスメディアも「東京の芸能事務所」では済まされず、「クリーブラッツ」の名前を表に出すようになるのネ。

須崎市サイドではいろいろ後悔しているところも多いだろう。「あわよくばペアキャラにして話題を一層盛り上げてやろう」と考えていた(であろう)こととかね。

クリーブラッツのキャラクター(もはやご当地キャラとは呼ぶまい)については、結局何でもよかったんだろという気がしてくる。社員が偶然(でしょ???)飼っていたペットがコツメカワウソでなくて、ヒヨコだったら「バリィさん」が、ミニブタだったら「タワラモトン」が標的になっていたかもしれない。

愛媛県今治市
キャラクター
いまばり バリィさん
宮田麻子(第一印刷株式会社キャラクター事業部デザイナー)
* コピーライトは第一印刷株式会社(今治市)が有する
バリィさん

2018.07.10【その203の2】
奈良県磯城郡田原本町
公式キャラクター
タワラモトン
塩崎榮一
タワラモトン(リデザイン後)

あとは派手な言動でのし上がっていくビジネスモデル。つまりは「仮面女子」や「ふなっしー」同様に、芸能界的キャラなのか。

でも、こうしたネガティブ要因が積み重なっていくことによって、(事実がどのように認定され、最終的な決着がどのようにつくのであれ、)社会がゆるキャラ全体にそっぽを向く傾向は強まっていくだろうと思う。泥沼の法廷闘争になったところで、どちらにも「勝ち」はあり得まい。
ということはつまり、ゆるキャラ頼みの地域興し、団体興しなどという幻想も潰え去る日がまた近づくということだ。この点こそ、犬山秋彦のコメントが取りたいところですな。

須崎市からはまた正式な声明が出されることになるだろうと思う。監視ポスト入り、継続です。

なお、作者の端広こうに関連して一言付け加えると、2017年9月、北日本新聞社(富山市)が主催する「第15回北日本児童文学賞」の1次審査を通過した47作品のうちの1編、「アリの新世界」の作者としてこの名前が見える。住所は高知ではなく、「東京」とされています。一方、あのLancersサイトでは「20代後半女性 高知県」。ううむ。

しんじょう君 ちぃたん☆

2019年2月10日 (日)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (4)

(承前)

ちぃたん☆

須崎市長会見の翌々日、クリーブラッツが反撃に出た。主張は真っ向から対立している。

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(2019.02.08 モデルプレス 抜粋)

高知県須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」に酷似し著作権等を侵害しているとして、同市より活動停止を求められているご当地キャラ「ちぃたん☆」を運営している株式会社クリーブラッツが8日、見解を報道各社に送付した。

◆「ちぃたん☆」側「権利を侵害することはないと理解しました」
一連の騒動に関し、株式会社クリーブラッツは「この度は、ゆるキャラ『ちぃたん☆』に関して、高知県須崎市様から著作権侵害等のご指摘を受けていることについてお騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません」と謝罪した上で、「ゆるキャラ『ちぃたん☆』制作の経緯」「『ちぃたん☆』デザインに係る須崎市様のご確認と『ちぃたん☆』の活動状況について」「海外商標の取得経緯について」「今後の当社の方針について」の4項目について見解を発表。

「ちぃたん☆」のデザイン及び着ぐるみ作成過程については、複数回にわたり担当者に確認しながら進めたといい、「『しんじょう君』の権利を侵害しないか」という点は「平成29年11月8日付にて、須崎市元気創造課元気創造係から、同係内部で協議した結果として、須崎市様のご許可は不要であるとのご回答をいただきました」。そのため「『しんじょう君』に関する権利を侵害することはないと理解しました」と説明した。

◆今後の方針は?「しんじょう君」の「権利を制限する意図などまったくございません」
また、海外商標の取得については「『しんじょう君』のアニメーションを制作し、商品化窓口権を有する制作会社様及び須崎市ご担当者様から、平成30年4月以降、『しんじょう君』と『ちぃたん☆』の双方をペアで海外にてライセンスしたいとの要望があり、当社においても『ちぃたん☆』の商標権を取得するよう相談されたことにより取得手続を実施したものです」と主張。
株式会社クリーブラッツは、海外展開等の準備のため「しんじょう君」と「ちぃたん☆」の双方が掲載されたスタイルガイドを制作しており、「このスタイルガイドについては、須崎市様もご監修されています」としている。
今後の方針に関しては「当社として、『ちぃたん☆』誕生後、一緒に活動してきた『しんじょう君』に関する須崎市様の権利を制限する意図などまったくございませんし、特に海外では、上記制作会社様のご指導のもと、『しんじょう君』と『ちぃたん☆』の双方が一緒にライセンスされると聞き及んでおりますので、当社としては『ちぃたん☆』さえ自由に活動できるのであれば、当社が海外における『ちぃたん☆』の商標権者であることに固執も致しません」と見解を示し、「『しんじょう君』や『ちぃたん☆』、これらキャラクターを支えてくださる皆さまのためにも、今後も須崎市様との間でお話し合いによる解決を求めていく所存です」とした。

〔後略〕
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クリーブラッツの文書は、企業の公式な発表資料の性格を持つと思われるが、「報道各社に送付した」↑のみで、同社サイトに掲載はなく、非常に残念ながら全文は未入手である。以下はその冒頭部分のみ。

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報道関係者各位
平成31年2月8日

ちぃたん☆に関するお知らせ

いつもお世話になっております。
この度は、ゆるキャラ「ちぃたん☆」に関して、高知県須崎市様から著作権侵害等のご指摘を受けていることについてお騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません。
平成31年2月6日付にて、須崎市長様の定例記者会見が実施され、また、同日付にて本件に関するご説明が須崎市様のホームページに掲載されましたので、本件に関して、当社としての見解をご説明申し上げる次第です。

1 ゆるキャラ「ちぃたん☆」制作の経緯
ゆるキャラである「ちぃたん☆」の制作は、そもそも当社職員が飼育するコツメカワウソの「ちぃたん☆」がSNS上の活動やTV出演を行っておりましたところ、平成29年9月頃、知人から「しんじょう君」を運営する須崎市元気創造課元気創造係及び同係ご担当者様をご紹介いただき、ご担当者様との話し合いの中、同じくカワウソをモチーフとする「しんじょう君」とともに須崎市様のPR等を行うことや、コツメカワウソの「ちぃたん☆」を須崎市観光大使に任命いただく旨をお伝えいただいたことに端を発します。
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ああ、本当に筋の悪い話に落ちてきた。みんな、少しずつ嘘をついている気がする。

よく読めば、これらはクリーブラッツ側が「権利侵害しているかも」と懸念していたことを示すものでもある。そして、その判断責任を「須崎市元気創造課元気創造係及び同係ご担当者様」におっかぶせる論理。前回書いた守時を狙い撃ちしているわけです。通常、「弁理士(等)に相談の上で」だろうに。
「侵害はないと理解した」というそれ自体、特許庁の却下(2018.08.17)によって否定されちゃってるわけで、考慮に値しない気がする。
「共同でいろいろやろうとしていた」という話も、単独でテレビにレギュラー出演したり、アニメ番組を作ったりというのでは筋が通らない。

そして何より、このキャラクターが何者であるのかがなお判然としません。
後発ながら、「ゆるキャラグランプリ2018」では「ご当地部門」で12位に入った(cf. 2018.11.19「仍って件の如し」)。企業キャラではないという立ち位置です、権利者は株式会社クリーブラッツである(はず)にもかかわらず。この時の所属は「秋葉原観光推進協会」とされているが、「秋葉原のご当地キャラ」としての実態は掴めない。
須崎市での活動は、しんじょう君イベントに相乗りする形しかなかったと推測される(それがそもそも話をごちゃつかせている一つの原因だが)。
最も注目を集めたYouTubeでのパフォーマンスも、ご当地興しの性格を持っていたとは思われない。

結局、存在としてはしんじょう君に寄りかかっており、その前提/根源に不安要素を抱え込んでいて、単独では将来大きな支障が生じ得るというRisk Factorにどう対処していくつもりだったのだろう。

(続く)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (3)

(承前)

 

ちぃたん☆

 

2018年8月、Defendantの商標出願を特許庁が却下した際に示された、「拒絶理由条文」は次のとおり。

 

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商標法
(商標登録を受けることができない商標)
第4条第1項
次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。

 

第11号
当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第6条第1項〔中略〕の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
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驚いたことに、クリーブラッツはその翌月に再び登録を狙ったらしい。

 

「審査記録」によると・・・

 

願書:
差出日(平29.12.18)
受付日(平29.12.18)
作成日(平29.12.18)

 

拒絶理由通知書:
起案日(平30.8.17)
発送日(平30.8.20)
拒絶理由条文コード(41 第4条1項11号)
作成日(平30.8.17)

 

意見書:
差出日(平30.9.25)
受付日(平30.9.25)
作成日(平30.9.25)

 

手続補足書:
差出日(平30.9.27)
受付日(平30.9.27)
作成日(平30.10.16)

 

認定・付加情報:
処分日(平30.10.16)
作成日(平30.10.16)

 

拒絶理由通知書:
起案日(平31.1.30)
発送日(平31.2.4)
拒絶理由条文コード(40 第4条1項各号(第4条1項11号〜13号除く))
作成日(平31.1.30)

 

ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書:
受付日(平31.2.7)
作成日(平31.2.7)

 

ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書:
受付日(平31.2.8)
作成日(平31.2.8)

 

ファイル記録事項記載書類の交付請求書:
受付日(平31.2.8)
作成日(平31.2.12)

 

あえなく再撃沈。しかも完膚なきまでに拒絶事由増えとるしww。

 

しんじょう君

 

一方、Plaintiffが主張する差止請求は、以下の条文を根拠としている。

 

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著作権法 第112条
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 

不正競争防止法 第3条
第1項
不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 

第2項
不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第5条第1項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。
-----

 

てことはキャラクター「ちぃたん☆」の着ぐるみを廃棄せよ、てことにもなってるんですかね(カワウソ「ちぃたん☆」を抹消せよ、なんて物騒&殺生なことは書いてないだろうが)。

 

改めて須崎市の発表内容を読み直すと、「行動が過激だから」という理屈は脇へ回ってるんですねえ。専ら問題とされているのは「類似」です。愚blog的には大直球。
けれど、いくらちぃたん☆がしんじょう君に類似していようと、総合的客観的には必ずしも須崎市側に有利な状況とも言い切れないように思われる。

 

・作者による著作者人格権の行使を封じておかなかった(と考えられる?)
・半年間、類似キャラクター「ちぃたん☆」の存在を黙認していた
・「須崎市観光大使」を任命してもいないのに自称することを黙認していた
・一緒にイベントに出演させていた
・海外展開を考えていたのに商標権の手当てが後手に回り、(一部の国で?)先を越されてしまった

 

ちぃたん☆の出願却下は昨年8月。では須崎市は今回のアクションを取るまで、半年間何をグズグズしてたんだろう??そこは大きな疑問です。さらに言えば、「しんじょう君」の商標出願自体が、2013年のキャラ制定から3年以上も経った後。グランプリで上位入賞を果たし、ふるさと納税にも大きく貢献するようになってから。
しかも制定時から既に、ゆるキャラ運営上のしくじり大先生、滋賀県彦根市「ひこにゃん」の騒動(2007〜2012年:cf. 2015.06.03「やけに色のない夢を見る」)なんかの教訓ネタも存在していたわけだ。何のリスクも感じなかったのだろうか??

 

このあたりが争いどころになるんじゃないですかね。

 

「しんじょう君」は確かにゆるキャラ運営としては成功事例かもしれない。ネット上には、仕掛人たる須崎市元気創造課元気創造係の守時 健(33歳)を誉めそやした記載がいくつも見られる。守時は典型的な、いわゆる「枠からはみ出した」タイプの公務員らしく、ツルは宮崎県西諸県郡高原町職員の六部一(ろくぶいち)智久のことを思い出しました(cf. 2015.10.23「いはばしる バイクの臀の プレートの;B」・2015.11.11「ドルチェの後は苦い珈琲:1杯目」)。

 

しかし、「攻め」ではなく「守り」の面から見た場合、須崎市の今までのやり方が全く適切であった、という確信は持てない。個々の職員に権限委譲することはもちろん大切だけれども、Check & Controlが伴っていなければ組織としてのCatastropheを招きかねないだろう。
そこのところが見えない。むしろ逆で、ネットでは市長の楠瀬(くすのせ)の「もう彼は全部ひとりでやってるんで、口出ししないようにしてますわ!」という言葉まで紹介されている

 

結局のところ、須崎市も、クリーブラッツも、同じ穴の狢ではないのか(いや、獺か)。ともにコンプライアンスという「守り」の面を蔑ろにした、そしてそのつけをそれぞれ払わされるという意味で。筋が悪いというのはそういうことです。

 

(続く)

2019年2月 8日 (金)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (2)

(承前)

しんじょう君

須崎市サイトを見てみると、大変なことになっていた。2019.02.06の市長定例会見で「クリーブラッツ社への対応について」が報告されており、シナリオらしきものまで掲載されている。

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須崎市とクリーブラッツ社とのちぃたんについての経過を報告いたします。

まず始めに、須崎市はしんじょう君の著作権者であり、しんじょう君の翻案権(著作権法27条)及び二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(同法28条)を有しています。須崎市の著作権を有するしんじょう君のデザインに依拠して制作されたものが、ちぃたん☆のイラスト、着ぐるみです。

当市は、市のマスコットキャラクター新デザインを平成24年11月5日から12月16日まで、募集し、全国から406のデザインの応募がありました。約2000人の市民の皆様に投票いただき、平成25年2月3日に審査の結果、しんじょう君が誕生しました。
平成25年4月28日に着ぐるみを当市で開催されました野見湾元気なおさかな祭で披露し、その後、須崎市および高知県をPRしながら活動をしてまいりました。

平成28年10月7日に商標の出願し、平成29年9月8日、登録第5978539号にて商標登録いたしました。この間には、全国のみなさまから沢山の応援をいただき、着実に活動を積み重ね、ゆるキャラグランプリでは、2013年では14位、2014年では4位、2015年では4位 2016年に悲願の優勝をさせていただきました。しんじょう君グッズ製作をしたいという企業や地域からの商品登録申請は1200件近くいただいております。

その後、株式会社クリーブラッツはしんじょう君と同じ作者にキャラクターデザインを依頼し、平成29年12月18日に株式会社クリーブラッツは国内でちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて商標出願し、平成30年8月17日付けにて「先願に係る他人の登録商標」つまり「しんじょう君に酷似していることにより」拒絶されておる状況です。

クリーブラッツ社は須崎市が有するしんじょう君に係る著作権(イラスト,着ぐるみ等の翻案権〔著作権法27条〕,二次的著作物の利用に関する原著作者の権利〔同法28条〕としての複製権〔同21条〕,公衆送信権〔同23条〕,譲渡権〔同26条の2〕等)を侵害しており、不正競争防止法2条1項2号及び同法2条1項1号に定める不正競争(著名表示冒用行為及び周知表示混同惹起行為)に該当します。

クリーブラッツ社が当市に無断で国内外で商標出願をするなど、信頼関係が損なわれたことにより、平成31年1月17日、株式会社クリーブラッツ 代表取締役 池田正流(いけだ せいじ)氏に対し、著作権法112条1項及び不正競争防止法3条1項,2項に基づき活動停止を求めました。しかしながら活動が停止されず平成31年2月1日に、関係者に先述しました内容を通知いたしました。

しんじょう君とちぃたん☆のファンのみなさま、市民、県民のみなさまにはご心配をおかけし大変申し訳ございません。高知県キャラクター観光特使として、また須崎市民の財産としての「しんじょう君」を守る為に、現在、クリーブラッツ社代理人である弁護士と話し合いをしている状況であります。これまで、ファンのみなさま、市民、県民のみなさま、キャラクター関係者の皆様からは、沢山のご支援をいただきありがとうございます。引き続き、ご支援いただけますようお願い申し上げます。

平成31年2月6日
須崎市長 楠瀬 耕作
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なんとなく、出来の悪い弁護士(or 弁理士?)の作った文章、という気がしなくもない。
因みに、「池田正流(いけだ せいじ)氏」との記載は、「正流」を「せいじ」と読むという意味ではなく、通り名として「いけだ せいじ」を名乗っているという趣旨と考えられます。「正流」は「まさる」と読むらしい(中本竹識の別名義、「中本長流」の「たける」と同様である)。

会見資料には詳細な経緯↓も載っていて、ツルのおたく心の琴線を掻きむしります。もっとも、「しんじょう君」とキャラクター「ちぃたん☆」の蜜月時代については一切触れてないけど(汗)。

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H24
7月 須崎市のキャラクター「しんじょう君」のリニューアルを計画
11月5日 募集を開始し、全国から406体の新デザイン案の応募

H25
2月3日 審査の結果、新しいしんじょう君が決定
4月28日 しんじょう君を野見湾元気なおさかな祭にて披露
11月24日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ14位(1579キャラ中)

H26
9月12.13日 須崎市にてご当地キャラまつり in 須崎開催 70キャラクター のべ5万人の来場者
11月3日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ4位(1579キャラクター中)

H27
9月7日 しんじょう君が内閣府津波防災ひろめ隊に就任内閣総理大臣と共演
9月12.13日 須崎市にてご当地キャラまつり in 須崎開催 120キャラクター のべ6.5万人の来場者
11月23日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ4位(1727キャラクター中)

H28
3月31日 しんじょう君のPRにより市のふるさと納税が前年度比300倍の6億円
10月7日 須崎市がしんじょう君を商標出願
11月6日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ2016優勝(1414キャラクター中)
11月10日 高知県キャラクター観光特使に就任

H29
3月31日 しんじょう君のPRにより市のふるさと納税が10億円
9月8日 特許庁がしんじょう君を商標登録
9月下旬 株式会社クリーブラッツがしんじょう君のデザインをもとにちぃたん☆のデザイン製作に着手
12月18日 株式会社クリーブラッツがちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて商標出願

H30
1月18日 生き物コツメカワウソ「ちぃたん☆」須崎市観光大使委嘱
     ちぃたん☆の危険な動画が、誤認混同により当市に苦情が寄せられる。
8月1日 株式会社クリーブラッツがちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて海外(アメリカ)で商標出願
8月17日 特許庁がちぃたんの日本での商標出願を「先願に係る他人の登録商標」を理由に拒絶
11月21日 ふるさとチョイスアワード2018 大賞「しんじょう君とふるさと納税でまちが変わる」

H31
1月17日 生き物コツメカワウソ「ちぃたん☆」須崎市観光大使解嘱(PR実績がないため)
1月17日 ちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて、著作権法112条1項及び不正競争防止法3条1項,2項に基づき活動停止を求めた。
2月1日 活動停止がされず関係者に通知
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そっか!市長が「しんじょう君」を「須崎市民の財産」と持ち上げてるのは、「金の卵を産む獺」の意味だったんだ!!(爆)

(続く)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (1)

cf.
2019.01.19〜20「謎が謎呼ぶ、闇が闇呼ぶ」

長崎九十九島の「ブツブツくん」「ブツブツちゃん」を斬ったばかりなのに、またもや「ちぃたん☆」が世間を騒がしてます。今度は高知県須崎市「しんじょう君」とガチ対決に発展しそうな様相。

まずはおさらいから。

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(2019.01.17 須崎市サイト)

かわうそちぃたん☆ 観光大使解嘱について
担当:元気創造課

平素は須崎市の観光行政にご理解を賜りまことにありがとうございます。
このたび、平成30年1月18日に須崎市観光大使を委嘱したかわうそ「ちぃたん☆」を平成31年1月17日付けで解嘱しました。
理由としては、「1年での見直しによるPRの実態を確認することができなかった」ことです。

なお、キャラクターの「ちぃたん☆」に関しては市としては観光大使を委嘱していませんので、一部報道における「キャラクター「ちぃたん☆」の観光大使解嘱」ではありません。
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それから早くも3週間が経過し、急展開を見せている。

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(2019.02.06 毎日新聞 抜粋)

高知県須崎市の楠瀬耕作市長は6日の定例記者会見で、市のキャラクター「しんじょう君」の著作権を侵害しているとして、ゆるキャラ「ちぃたん☆」を運営している東京都の芸能プロダクションに活動停止を申し入れたことを明らかにした。申し入れは1月17日。ちぃたん☆は現在も活動を続けており、市は今後、訴訟も視野に対応を検討している。

〔中略〕

市はちぃたん☆について「しんじょう君のデザインに依拠して制作されたもの」であり、「しんじょう君の著作権を侵害しており、不正競争に該当する」と主張。一時期までは良好な関係を築いていたが、同社が無断で国内外で商標出願するなど、信頼関係が損なわれたため、著作権法と不正競争防止法に基づき、先月17日、活動停止を求めた。しかし、活動が停止されなかったことから、今月1日、ちぃたん☆が番組に出演しているテレビ局2社に対しても同様に通知した。

市は今後の対応について「相手の出方次第」とする一方、「訴訟も選択肢の一つ」としている。楠瀬市長は「キャラやファンには何の罪もない」と強調。「しんじょう君の著作権は市民の財産。理解不足で活動を続けているならば改めてほしいし、違法状態を認識しているなら直ちに活動停止してほしい」と訴えた。
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遂に、同床異夢の蜜月譚、崩壊(の瀬戸際)。

あれっ!?でも何か変だ。1月17日は、カワウソ「ちぃたん☆」の須崎市観光大使解任が発表されたのと同じ日。なぜ須崎市元気創造課元気創造係はその時、キャラクター「ちぃたん☆」への活動停止申し入れのことを伏せていたんだろう?
まず文書を送って出方を見て、それで相手がおとなしく引き下がるようなら事を穏便に済ませる方針だったということかしら。

記事に出てくるテレビ番組については;

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(2019.02.07 スポーツ報知 抜粋)

〔前略〕

ゆるキャラのツイッターでは、今月1日に「ちぃたん☆がアニメ化することになりましたっ☆みてくださいねっ☆4月3日からテレビ東京ちゃんで放送ですっ☆」と書き込み。また、公式ホームページには「フジテレビ スパーク 毎週日曜23時15分から『ちぃたん☆チャレンジ』放送中」と告知している。テレビ東京は「編成上のことはお答えできない」と回答したがアニメは予定通り開始するとみられる。

〔後略〕
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となっており、アニメ番組のタイトルは「妖精ちぃたん☆」というらしい。
また、商標関連については;

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(2019.02.06 朝日新聞 抜粋)

〔前略〕

市によると、「しんじょう君」の商標登録後、「ちぃたん☆」も登録申請されていたことが判明。昨年夏に特許庁が類似性を理由に却下したが、米国や韓国でも申請中で、海外での商標登録やアニメ化をめざす「しんじょう君」と競合する可能性も出てきた。

〔後略〕
-----

とある。商標登録、ダメだったんだ!

絶滅した[ニホンカワウソ]に目をつけてゆるキャラに仕立てたご当地が、今度は類似品の[コツメカワウソ]キャラの撲滅に取り組むことにしたわけやね。

須崎市の主張

しかし、それにしても作者の端広こうのことは出てこないなあ。

(続く)

2019年2月 6日 (水)

【加筆編】キャラクターとしての筋の良し悪し ― Ⅱ(スリーポリンキーズ)

(承前)

この第三セクターが、カワイイ系キャラが蔓延する中で埋もれてしまうリスクを避けたいと考えたのは理解できる。また、[岩礁]キャラで「ブツブツ」がダメなのなら「ゴツゴツ」に改名すればOKだったんじゃねえのとは、ツルも思う。
他方、「このキャラで不快な思いをする人もいるから許せん」という考え方にはツルは与しないし(ハラスメントの概念が変わってきているのは理解しているつもりだが)、「気持ち悪いビジュアルだからNGだ」とも思わない。そうした狼煙を上げれば自治体の小役人、否お役人は即震え上がること請け合いだけど、そうやって無難なDesignばかりが生き残っていくとしたら・・・。

ただ、です。ネガティブなものを採り入れる時はやはりそれなりに慎重な検討が求められるはずで、「これはネガティブ要素だ」というところに意識が及んでいなかったということだろう。

何らかの問題があって活動停止等に追い込まれたキャラクターと言えば;

・Twitter上の政治的過激発言で3ヵ月の活動停止となった北海道山越郡長万部町「まんべくん」(2011年8月)
・「くまモン」丸パクりで自爆した静岡県御殿場市「ふじモン」(非公認:2013年9月)
・オールナイトニッポンでの猥褻ワード連発が祟って3ヵ月活動自粛の佐賀県鳥栖市「とっとちゃん」(2013年10月)
・「ふなっしー」をパクって斯界永久追放になっちゃった千葉県銚子市「きゃべっしー」(2013年11月)
・「鳥取の飢え殺し(かつえごろし)」を題材にして批判を受け発表4日後に公開終了の鳥取市「かつ江(渇え)さん」(2014年7月)
・政界再編のあおりを食らって公認半年で引退を余儀なくされた「民主くん」(2016年3月)

あたりが思い浮かぶ。(cf.【その77】・2014.07.26「いつもどこかで謎めいて:一」・2014.08.01「静岡の恥辱、山梨の呪縛。― File 1」・2014.03.30「梨にまつわることども」・2014.07.13〜17「江戸前の盆にて施餓鬼供養」・2016.12.25〜26「いづれの御方も栄枯盛衰は世の習ひ」)

今回の状況は、「かつ江(渇え)さん」の時に似ていると言えば似ている。それと比しても素性の悪さを感じるのは、「ブランディングをどう捉えていたのか見えてこない」という点である。「かつ江(渇え)さん」には「鳥取城の歴史を前面に出したい」という考えがあったわけですが(そしてそれをちょいと踏み間違えたわけだが)、そうした意識は「ブツブツくん&ブツブツちゃん」には読み取れず、単にキワモノに走っただけのように思える。「しくじり先生」たちの失敗は活かされなかった。
つまるところ、行動/運営がどーのこーのではなく、企画立案段階から存した問題。

ブツブツくん&ブツブツちゃん

ま、小難しいところはこれぐらいにして、ツルはこれ↓と見比べたくなりましたがね。

株式会社湖池屋
ポリンキー キャラクター
スリーポリンキーズ(ポール・ジャン・ベル)
ポール ジャン ベル

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ハンサムなポール
いつも冷静で淡々とこなしていく優等生タイプ。声もかっこよくて、顔もかっこいいが決して偉ぶらない。だけど、三角な物には異常なこだわりを持ち、熱くなる。

がんばり屋のジャン
熱血タイプ。いつも元気で目立ちたがり。唇が分厚い分、性格もちょっと暑苦しく、声も大きい。だけど意外と打たれ弱い一面も。

ドジなベル
のんびり屋でおっちょこちょい。基本的には無口で、普段は何を考えているか分からないと言われてしまう。話し方もゆっくりで語尾が伸びる。だけど憎めない存在。
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ううう、今にこれも「唇が分厚いことで悩んでいる人達」からクレームがつくかもしれないぞ

佐藤雅彦 (現 東京藝術大学教授)が電通時代にディレクターを務めたCMのキャラです。佐藤は「だんご3兄弟」「バザールでござーる」を手がけたことでも知られる。NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」では「慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室」とクレジットされて出てきてましたね。

♪ポリンキー ポリンキー
 三角形の 秘密はね
 ポリンキー ポリンキー
 三角形の 秘密はね
 教えてあげないよ!

♪ポリンキー ポリンキー
 ネーミングの 秘密はね
 ポリンキー ポリンキー
 ネーミングの 秘密はね

 Jean-Paul Belmondoから取ったんだよ!
 じゃん!

ヌーヴェル・ヴァーグの寵児だったフランスの映画俳優(1933.04.09〜)です。代表作、「勝手にしやがれ/A bout de souffle/英題 Breathless」(1959:監督 Jean-Luc Godard)。

そっか、[ベレー帽]をかぶっているのは、おフランスのイメージだったんだ!

2019年2月 5日 (火)

【加筆編】キャラクターとしての筋の良し悪し ― Ⅰ(ブツブツくん&ブツブツちゃん)

つい先日、「ちぃたん☆」のオイタを取り上げたばかりですが。ここんとこ、このペアキャラが問題化しているらしい。

長崎県佐世保市
させぼパール・シー株式会社
九十九島パールシーリゾート
PRキャラクター
ブツブツくん・ブツブツちゃん
ブツブツくん&ブツブツちゃん

それなりに完成度は高いからプロのデザインワークだと思うけど、作者は不明です。

ああ、懐かしいや。子供の頃、春休みの家族旅行で巡ったことがある。お父さんが車を運転して、お姉ちゃんたちとお歌を歌いながら行ったんだよね。お母さんがいつも出発直前までグズグズしてて、「早く早く!」な感じだったっけ。

九十九島(くじゅうくしま)は佐世保市・平戸市にわたるリアス式の風光明媚な群島で、島数は99どころか公式で208ある。数え方によっては216まで増えるそうな(もっとも有人島は4つだけ)。

で。
当初はこんな触れ込みだった。

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(2018.07.06 Entame Plex 抜粋)

させぼパール・シー株式会社は6日、九十九島パールシーリゾート新PRキャラクター「ブツブツくん」と「ブツブツちゃん」が出演するWeb限定動画「九十九島パールシーリゾート WEB CM」を公開した。
本動画は九十九島パールシーリゾートの新PRキャラクターのブツブツくんとブツブツちゃんが、九十九島の自然や生きものの魅力をラップで紹介していくもの。時には楽しくノリノリに、時には泣きながら必死に、長崎の方言を交えながら歌うラップに加え、美しい風景が映し出されており、視覚と聴覚に訴えつつ九十九島の魅力を発信する動画となっている。
ブツブツくんとブツブツちゃんは、[九十九島の島々]をモチーフにデザインされていることから、ゴツゴツしたルックスの、いわゆる「キモかわいい」キャラクター。
動画は、九十九島の島々を背景に音楽がスタート。すると、「ぶつぶつぶつぶつ」と言いながら、ブツブツくんとブツブツちゃんが登場。自己紹介に続いて、九十九島の魅力である「植ブツ、動ブツ、海洋生ブツ」についてラップ調で語り、「ここは色んなブツブツが楽しめる」と、自分達の名前の由来を明かす。
その後、九十九島パールシーリゾートの注目スポットである遊覧船、水族館、動植物園といった施設が映像とともに紹介されていく。さらに遊覧船、水族館、動植物園にカヤックなど…さまざまなレジャーの様子も。そして、「豪遊しよう」というサビを経て、必死にPRしている理由が、1年契約であるということを伝える。
実はブツブツくんとブツブツちゃんは、九十九島パールシーリゾートのPRに失敗してしまったらクビになるという理由から、遊びに来て欲しいと懇願していたという種明かし。シビアな契約条件の下、九十九島パールシーリゾートのPRを行う、ブツブツくんとブツブツちゃんが動画の中で必死になってPRしている姿は必見。

〔後略〕
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いかにもネットメディアらしい、素人臭いこなれの悪い文章。しかもアンタ、書いた後で読み直してないでしょうが。
因みに「ブツブツちゃん」が頭に挿したのは、佐世保市の市の花[カノコユリ]のはず。

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(2018.07.06 Jタウンネット 抜粋)

〔前略〕

ブツブツくんとブツブツちゃんがラップで九十九島の魅力を伝えるもので、途中、
「実は僕ら......1年契約なんです」
「お客さんの少なかったら、PRキャラクターはクビになるとですぅ......」
と情に訴えながら来客を図る部分もあるなど、その必死さがひしひしと伝わってくる。

〔後略〕
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1年間限定キャラとは、一般の民間企業なんかにはまずあり得ない思考だよ。キャラ老い易くブランド成り難し、お気楽だこと。

それが、直近こんなことになっている。

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(2019.01.25 西日本新聞)

長崎県佐世保市の九十九島パールシーリゾートのPRキャラクター「九十九島のブツブツくんとブツブツちゃん」が、予定より2カ月早い3月末で活動を終える。凹凸のある顔のデザインについて、皮膚の悩みや病気を持つ人への配慮を求める声が寄せられたためという。
ブツブツくんとブツブツちゃんは、九十九島の島をイメージした岩のような容貌。運営会社の第三セクター「させぼパール・シー」によると、名前は九十九島の動物や植物、海洋生物の多様な「物(ぶつ)」にちなんだ。
昨年6月から1年間の予定でCM、ポスター、土産品などに活用していたが、同社や市に批判的な反響が約20件届いた。子どもへのいじめにつながることを心配する声もあったという。「ブツブツ」の名前が影響した可能性がある。
担当者は「他にも同じように感じていた人がいるかもしれない。今後は消費者目線の広報に努めたい」と話した。
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最後の部分は朝日ではこうなる。

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(2019.01.29 朝日新聞 抜粋)

市から使用中止を求められた同社が、今年度内での使用終了を決めた。
同社の担当者は「キャラクターを選定する時に十分に考えが至らなかった。今回のことを踏まえながら、今後のPR活動に取り組みたい」と話している。
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つまりはたった20件の抗議で引退が2ヵ月早まっただけの話(それまで問題にはならなかったん?)。
炎上商法を狙ったのなら、市側にもきっちり話をつけとかんかいっ。

(続く)

2019年2月 3日 (日)

【加筆編】矢切渡、誰がものぞ:後編(葛飾ナンバープレート)

【2019.06.14 追記】

2019.06.08 11:24、本稿は、@niftyから、刑法第230条の名誉毀損罪のかどで「侵害情報の送信防止措置請求」があった旨の通知を受けた。
これにより、同社が「侵害情報の送信防止措置」を講じる前の対応として、公開を停止する。

 

【2019.08.08 追記】

2019.06.25 17:09、本稿に係る上記請求等の全容を確認した。これに伴い、当該請求に係る記載を削除するとともに修正の上、公開を再開する。

 

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(承前)

「葛飾」となると、候補8点のうち[矢切の渡し]を描いたものはただ1点しかないんですが、これがまたこれもんでねーー。

東京都葛飾区
葛飾版図柄入りナンバープレート
(デザイン案 5)
(地元デザイン会社に委嘱)
〔2018.09.10〜10.31区民アンケート・11.29発表〕
葛飾ナンバープレート(5案)

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[矢切の渡し]を待つ[女性]や水辺に咲く[菖蒲]、[カワセミ]を[浮世絵]風に表現しました。
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うううー、とんだ時代錯誤、フジヤマ・ゲイシャに逆戻りじゃねえかよと思ってたら、なんと区民アンケートで第2位に輝いたそうな(後述)。でも一応作者の「地元デザイン会社」の名誉のために言い添えておくと、同様に渡し船を描いた「松戸」の6点がいずれも不首尾に終わった「矢切の渡しは江戸川を横断するものである」という難題を、この作品だけがクリアしてるんであるが
なお、ご当地(と「上越」)」では、選考段階で各候補作品の<テーマ>が発表されていない。

率直に言って、公募全体としてのImaginationに乏しい気がします。
「松戸」では他に、[梨]が候補8点中5点に登場する(大伏線)。
地元業者に8点制作させたという「葛飾」だって(作風の類似性からして、全候補を1社単独でデザイナー1人が手がけたのは間違いないと思う。因みにどれも和風です)、7点に[川]が、そして8点全部に区の花[ハナショウブ]と[カワセミ](区の鳥は定められていないけど)があしらわれているのだから

こうしたことは、一義的に選考側の責に任ずる問題だと思う。こういうものって本来、ご当地の様々な魅力を広く募ることで再確認・再発見していく作業のはずでしょう?大都市においては特にその部分は重要となるはずだし、非公募ならなおさら。
方向性や戦略の立案はもちろん大切だけれども、制作側が、選考側が、「これの一押しでいこう」と初めから決めてしまうのだったら、それはそれでデザインという知的生産の敗北を意味しているのではないかな。「わかりやすさ」はそこと引き換えにしても獲得すべき金科玉条の価値なのだろうか?

もう一つ言うと、デザインというものにおいて、作家性がそれほど必要な要素かという点については、ツルはまだ結論を出せていない。基本的には否定的なスタンスなんですが、それを言い出すと愚blogの本旨の公募ガイダー斬りの存立基盤そのものを失ってしまいそうで(爆)。この意味に限れば、主張の控え目な「松戸百華図」などは秀逸なデザインということになるんだろうか。

〔「松戸」ナンバー市民人気投票結果〕
1位 8番 1,876票(28.9%) <松戸の風景> *最優秀賞
2位 1番 1,111票(17.1%) <やさしい、楽しい、おいしい町、松戸市。> *優秀賞
3位 6番  982票(15.1%) <あざやかな花と恵ある街 松戸>
4位 7番  675票(10.4%) <江戸川>
5位 5番  635票 (9.8%) <松戸百華図> *優秀賞
6位 3番  500票 (7.7%) <矢切の渡しと桜>
7位 4番  410票 (6.3%) <フレッシュ松戸>
8位 2番  312票 (4.8%) <世紀の川、未来への渡し>
計    6,501票

〔「葛飾」ナンバー区民アンケート結果〕
1位 6案 1,208票(20.9%) <菖蒲・川・カワセミ>
2位 5案 1,076票(18.6%)*上掲
3位 2案  797票(13.8%)
4位 4案  752票(13.0%)
5位 8案  629票(10.9%)
6位 3案  517票 (8.9%)
7位 7案  373票 (6.4%)
8位 1案  357票 (6.2%)
未回答    75票 (1.3%)
計    5,784票

思ったとおり、「松戸」より「葛飾」の方が票が割れているな。

おまけです。
「松戸」の公募プロセスで何と言っても珍しいのは、各候補ごとに、「投票された方のデザインに関する意見」全てを公表していることである。採用された中尾案なんて実に1,174件ものご意見がPDF30ページにわたってぎっちりと書かれてるんで驚きます

≪そんなのを全部読んで各自で分析せいっていうのかよ。選考側のAccountabilityはどう果たすっていうんだよ。≫

(続く)

2019年2月 2日 (土)

【加筆編】矢切渡、誰がものぞ:前編(松戸ナンバープレート)

【2019.06.15 追記】

2019.06.08 11:24、本ブログは、【2019.02.03「【加筆編】矢切渡、誰がものぞ:後編(葛飾ナンバープレート)」 】につき、@niftyから、刑法第230条の名誉毀損罪のかどで「侵害情報の送信防止措置請求」があった旨の通知を受けた。
これに伴い、同社が「侵害情報の送信防止措置」を講じる前の対応として、当該記事に関連すると考えられる本稿の公開を停止する。

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