【加筆編】誰が為に梨は成る:中(船橋ナンバープレート)
(承前)
ご当地ナンバー第3弾に手を上げた千葉県の4地域はどこも結果発表が遅くて、まとめてアナウンスするのかと思いかけていた。結局「松戸」と「市原」は12月27日、「市川」は前回書いたように国交省提出期限当日の大晦日。
しかし上には上がある。「市川」と同じく「習志野」から独立した「船橋」なんて、その期限を過ぎた年明け1月9日(水)の発表だった(松の内すら過ぎていたわけね)。ツルは職業柄「決定後はまず適時開示だろ」というクチなので、逆パターンは意外だった。
前回こうも書いた。
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因みに「市川」の応募総数は66点と振るわず、これは例えば「出雲」(対象地域人口計 約19万人)の155点の半分にも満たない(市川市人口 約49万人)。
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しかし下には下がある。「船橋」では、市の人口約63万人にして応募39点・・・。国交省によって全国一斉に発表された17地域のご当地ナンバー第3弾のデザイン募集なのだから、応募数にさほど差がつくことはないだろうという仮説を立ててたんですがねえ。
それでも選考側はなぜか市民投票の候補作品を当初計画の3点から5点に増やしている。
採用作品については、かなり意外だった。
千葉県船橋市
船橋版図柄入りナンバープレート
<梨とアンデルセン公園>(デザイン番号2)
鈴木香世(船橋市)
〔2019.01.09発表〕
この[梨]はむしろ白雪姫のリンゴの形だよねえ。もう、<ふなっしーとグリム公園>てなものにした方がよいんじゃなかろうか
。正式名「ふなばしアンデルセン公園」とはいささか不埒な名称ですが、あのUSJを抑えて日本の人気公園だかの第3位に輝いたことがあるのがご自慢。敷き詰められた[花]の種類は不明、ヒマワリにしてもあまりに変だ。
・・・などと思ってたら、なんとまあこれが採用されたというので気を取り直して再チェックしてみると。
・・・リンゴが[梨]に変わっとった・・・案の定(爆)。選考委員会が見過ごした(であろう)この小さな不具合、市民投票の際に炙り出されたものと見ました。
しかしこれってさ、作者の鈴木は「弘前」辺りにも出していて、リンゴの色をナシっぽくして出したのではないかという(合理的な?)推測が成り立つ。違いますか?あるいは単に、リンゴとナシを描き分けられなかっただけ??(辛辣)
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「船橋」といえば、[梨]と[アンデルセン公園]が近年特に注目を浴びていると感じています。ナンバープレートの図柄にすることで世間に広く知ってほしいと思いました。また、船橋の花である[ひまわり]を描き、明るい楽しい町「船橋」を表現しました。
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ハイハイ。ご当地の市の花は2種類あり、「子どもたちの夢を育む花」としてキク科ヒマワリ属のヒマワリと、「大切に守り育てる花」のキンポウゲ科センニンソウ属のカザグルマ。(一体どういうことなのだ、それは。)
つまりはサクラの花びらの散り敷いたお堀をヒマワリ畑に、弘前城を[風車]に置き換えてだねえ。
(優秀作品)
<三番瀬から>(デザイン番号5)
月星開理(つきぼし かいり)(船橋市)
ユーミンの初期の名曲の舞台となった場所です(大ウソ&大伏線)。
(優秀作品)
<千葉県の中核都市>(デザイン番号1)
小松崎 一(千葉県木更津市)
ツルの私見ではこれ、千葉といっても幕張メッセ(千葉市美浜区幕張)周辺のイメージなんですけど。
しかし周辺から反感買っただろうなあ、これに決まってたら。「中核市」は政令指定都市に次ぐものとして地方自治法に定められた制度で、ご当地を含め現在全国に54市ある。船橋市はその中で最多の人口を誇るらしい。「千葉県の中核都市」という言い方はその辺りを都合のいいように自分に引き寄せちゃった感じです。ご当地の魅力を発信するとして、「うちは千葉の中核都市なんですよー」って全国を走り回るわけ??
つまりは内向きの発想。
(続く)
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