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2019年2月10日 (日)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (3)

(承前)

 

ちぃたん☆

 

2018年8月、Defendantの商標出願を特許庁が却下した際に示された、「拒絶理由条文」は次のとおり。

 

-----
商標法
(商標登録を受けることができない商標)
第4条第1項
次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。

 

第11号
当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第6条第1項〔中略〕の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
-----

 

驚いたことに、クリーブラッツはその翌月に再び登録を狙ったらしい。

 

「審査記録」によると・・・

 

願書:
差出日(平29.12.18)
受付日(平29.12.18)
作成日(平29.12.18)

 

拒絶理由通知書:
起案日(平30.8.17)
発送日(平30.8.20)
拒絶理由条文コード(41 第4条1項11号)
作成日(平30.8.17)

 

意見書:
差出日(平30.9.25)
受付日(平30.9.25)
作成日(平30.9.25)

 

手続補足書:
差出日(平30.9.27)
受付日(平30.9.27)
作成日(平30.10.16)

 

認定・付加情報:
処分日(平30.10.16)
作成日(平30.10.16)

 

拒絶理由通知書:
起案日(平31.1.30)
発送日(平31.2.4)
拒絶理由条文コード(40 第4条1項各号(第4条1項11号〜13号除く))
作成日(平31.1.30)

 

ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書:
受付日(平31.2.7)
作成日(平31.2.7)

 

ファイル記録事項の閲覧(縦覧)請求書:
受付日(平31.2.8)
作成日(平31.2.8)

 

ファイル記録事項記載書類の交付請求書:
受付日(平31.2.8)
作成日(平31.2.12)

 

あえなく再撃沈。しかも完膚なきまでに拒絶事由増えとるしww。

 

しんじょう君

 

一方、Plaintiffが主張する差止請求は、以下の条文を根拠としている。

 

-----
著作権法 第112条
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 

不正競争防止法 第3条
第1項
不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 

第2項
不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第5条第1項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。
-----

 

てことはキャラクター「ちぃたん☆」の着ぐるみを廃棄せよ、てことにもなってるんですかね(カワウソ「ちぃたん☆」を抹消せよ、なんて物騒&殺生なことは書いてないだろうが)。

 

改めて須崎市の発表内容を読み直すと、「行動が過激だから」という理屈は脇へ回ってるんですねえ。専ら問題とされているのは「類似」です。愚blog的には大直球。
けれど、いくらちぃたん☆がしんじょう君に類似していようと、総合的客観的には必ずしも須崎市側に有利な状況とも言い切れないように思われる。

 

・作者による著作者人格権の行使を封じておかなかった(と考えられる?)
・半年間、類似キャラクター「ちぃたん☆」の存在を黙認していた
・「須崎市観光大使」を任命してもいないのに自称することを黙認していた
・一緒にイベントに出演させていた
・海外展開を考えていたのに商標権の手当てが後手に回り、(一部の国で?)先を越されてしまった

 

ちぃたん☆の出願却下は昨年8月。では須崎市は今回のアクションを取るまで、半年間何をグズグズしてたんだろう??そこは大きな疑問です。さらに言えば、「しんじょう君」の商標出願自体が、2013年のキャラ制定から3年以上も経った後。グランプリで上位入賞を果たし、ふるさと納税にも大きく貢献するようになってから。
しかも制定時から既に、ゆるキャラ運営上のしくじり大先生、滋賀県彦根市「ひこにゃん」の騒動(2007〜2012年:cf. 2015.06.03「やけに色のない夢を見る」)なんかの教訓ネタも存在していたわけだ。何のリスクも感じなかったのだろうか??

 

このあたりが争いどころになるんじゃないですかね。

 

「しんじょう君」は確かにゆるキャラ運営としては成功事例かもしれない。ネット上には、仕掛人たる須崎市元気創造課元気創造係の守時 健(33歳)を誉めそやした記載がいくつも見られる。守時は典型的な、いわゆる「枠からはみ出した」タイプの公務員らしく、ツルは宮崎県西諸県郡高原町職員の六部一(ろくぶいち)智久のことを思い出しました(cf. 2015.10.23「いはばしる バイクの臀の プレートの;B」・2015.11.11「ドルチェの後は苦い珈琲:1杯目」)。

 

しかし、「攻め」ではなく「守り」の面から見た場合、須崎市の今までのやり方が全く適切であった、という確信は持てない。個々の職員に権限委譲することはもちろん大切だけれども、Check & Controlが伴っていなければ組織としてのCatastropheを招きかねないだろう。

そこのところが見えない。むしろ逆で、ネットでは市長の楠瀬(くすのせ)の「もう彼は全部ひとりでやってるんで、口出ししないようにしてますわ!」という言葉まで紹介されている😣。

 

結局のところ、須崎市も、クリーブラッツも、同じ穴の狢ではないのか(いや、獺か)。ともにコンプライアンスという「守り」の面を蔑ろにした、そしてそのつけをそれぞれ払わされるという意味で。筋が悪いというのはそういうことです。

 

(続く)

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