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2019年3月21日 (木)

【加筆編】人々の暮らしと智恵(市原ナンバープレート)

(承前)

2018年の暮れもさらに押し詰まった頃、遂にあのスペシャリストの自動車用プレート初(だよね?)の採用が発表された。(国交省提出後の発表であることが明らかにされている。)

千葉県市原市
市原版図柄入りナンバープレート
<菜の花と桜と里山トロッコ>
垂水秀行(香川県丸亀市:グラフィックデザイナー)
〔2018.12.27発表〕
市原ナンバープレート

ああ、やっぱり。これまた垂水作品ではないかと目をつけていた。真横から見た[列車]を採り入れるのは垂水お得意の安定的構図。

【2015.10.25「いはばしる バイクの臀の プレートの;C」】
神奈川県鎌倉市
オリジナル・ナンバープレート
垂水秀行
〔2013年11月発表〕
鎌倉市ナンバープレート

【2017.11.27「♪天国じゃなくても ♪信号はなくても」】
千葉県銚子市
銚子市ご当地ナンバープレート
(優秀賞)
垂水秀行
〔2014年11月発表〕
銚子市ナンバープレート(垂水案)

そして決め手となったのは[ウグイス]の扱い。

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一面に広がる[菜の花畑]の向こうに、[里山トロッコ列車]が[桜]を横目にトコトコ走る、市原の春の情景を描いたデザインです。
近くで見ると、[駅舎]の屋根の上で[ウグイス](市の鳥)が列車を見送っている姿が確認できます。手前の菜の花から奥の山々まで、遠近感を意識した構図で大自然の広がりを表現し、「花プロジェクト」でこの景色を作り上げた人々の温かい想いが感じられるように柔らかいタッチで描きました。
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うん、気づいてた。隠し絵的趣向は垂水にはいくつか例があるので。

ううむ。さすがだと思う。他の候補作品のコンセプトと並べてみると、視点の違いははっきりする。

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<自然息づく市原>
市原ナンバーで外出するのが誇らしく、楽しくなることをコンセプトに制作しました。アンケートで多数票のあった市原の美しい特色が前面に出るようにしています。
カドのない柔らかさと折り重なる養老渓谷の紅葉を半透明ほどの正円でポップにあらわし、渓谷から流れる清流が、市の花である秋桜と菜の花の咲く市原の文化であり歴史である小湊鉄道まで広がることで、自然と発展が両立した住み心地の良い市であることをアピールしています。


<地球の鍵>
市原が誇るチバニアン。
地磁気逆転という特徴を有するチバニアンは、地球の歴史を知るうえで重要なカギとなるとのこと。
日本の期待、そして世界の歴史をひも解く役割を背負った地層を“地磁気逆転”というキーワードでイメージ化しました。


<The Ichihara>
市原市代表的なもので市原市を表現してみました。
小湊鉄道から市の花「コスモス」、市の木「イチョウ」、市の鳥「ウグイス」及び養老渓谷の観音橋、紅葉まで、市原市特有なアイデンティティーを厳密な計算でフレームに組み込んでみました。


<あでやかな銀杏と秋桜>
市原市のシンボルであるイチョウとコスモス。
広大な市原の景色をあでやかに彩る、鮮やかかつ繊細な様子を、やさしい微細なタッチでイラスト化しレイアウトしました。
イエローとピンクの配色は、見た目にも鮮やかでありつつ、ナンバーの視認性にも寄与するものと思います。


<市原市オールスター勢揃い>
市原市にある数多くの有名な名所を揃えました。左上から養老渓谷の紅葉、チバニアン、トロッコ列車、高滝湖、ゴルフ場、鶴舞公園、コスモス畑、田園風景、ダイヤモンド富士、国分尼寺、五井東口、コンビナートと夜景。そこへ緑の五線譜のそよ風が吹き、梨やイチジク、コスモス、イチョウが譜として奏でています。オッサくんは絶対必要かと存じます。このナンバープレートをつけて市外や他県に行った時、それを見た人たちが、市原市の見どころの多さに関心を持って来てくれれば、という願いをこめました。


<菜の花と桜と里山トロッコ>
(垂水作品)


<イチョウ・コスモス・ウグイス>
私の中で市原市のイメージは何だろうと考えた時に市原市のシンボル、イチョウ・コスモス・ウグイスの印象が強かったのでそれらをもちいたシンプルなデザインにしました。
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Eをはじめ、他の作者が名所とか名物とかのアイテムを盛ることに終始した(それは決して本公募に限ったことではないけれど)のに対して、垂水はご当地の人々の暮らしや思いに配慮している、敬意を払っているんですね。次元の違いは歴然だと思う。それはご当地に在住しているのか、そうではないのか、そうしたところからは離れた地平の問題だろう。
なお、優秀賞は当初4点程度を選ぶものとされていたところ、垂水作品を除く上記候補6点がそのまま全て優秀賞とされた。

垂水の視座の明確さは受賞コメントにおいても然り。

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この度は、私の作品を選んでいただきまして、ありがとうございました。
[小湊鐵道]を[菜の花]が彩る景色が、市民の皆様の手によって守り続けられていることに感銘を受け、この景色をデザインのモチーフとして選びました。そして、皆様の温かい想いが伝わるように、優しいタッチで表現しました。
このナンバープレートが、市原市のPRだけでなく、ドライバーの皆様の穏やかな気持ちを引き出し、安全運転に繋がるように願っております。
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最後の一文がはっとさせます。前に吊るし上げた「白河」優秀賞の「だるまナンバー」や東京都の「動く防犯の眼」とは対極の思想です。いわば北風と太陽。

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(2018.12.27 市原市サイト 抜粋)

平成30年11月に実施した市民投票には合計11,700票の投票をいただきました。ご協力ありがとうございました。

【投票数】
(1) ウェブサイト投票 1,504票
(2) 一般投票(投票用紙による投票) 3,967票
(3) 学校投票 6,229票

【提案図柄「菜の花と桜と里山トロッコ」への投票数】
・ウェブサイト投票及び一般投票
有効投票5,437票中2,414票(得票率44.4%)で第1位
・学校投票
有効投票6,211票中1,647票(得票率26.5%)で第1位
・総合
有効投票11,648票中4,061票(得票率34.9%)で第1位
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投票は市内在住・在勤・在学者(「学校投票」は中学校だけだったらしい)、1人1回に限られており、Web投票の実務でそれがどのように担保されたのか、そこは不明です。
2位以下の得票数は発表されていないけれども、7点で争われて3分の1超を占めたというのは、圧勝といっていいのじゃないかしらん。(そうでもない?)

まあ、全体のプロセス上ちらちらと目につくところもあるけど、とりあえず、おめでとうございます。

(続く)

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ううむう。03.19のココログリニューアル後、なかなか不具合全面解消とはいきませんなあ。

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