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2019年6月 9日 (日)

似て非なるもの - ダークダックス vs デューク・エイセス vs ボニージャックス(後編)

(承前)

回答と解説です。

①「いい湯だな」
♪いい湯だな ハハハン
作詞:永 六輔
作曲:いずみたく
歌:デューク・エイセス

1966年2月発売。ドリフの「8時だョ!全員集合」のエンディングで有名だが、もとは群馬県内の温泉を歌ったご当地ソングのこちらがオリジナル。

②「一週間」
♪テュリャ テュリャ テュリャ
原曲:ロシア民謡
訳詞:森 おくじ / 音楽舞踏集団カチューシャ
歌:ボニージャックス

1963年8月発売。NHK「みんなのうた」発。丸々一週間、「支出」する仕事はあっても「収入」を得る仕事を一切行わないという夢のような共・・・ああいやいや。「音楽舞踏集団カチューシャ」はハバロフスクの日本人捕虜有志による芸能集団で、だから日本語版のルーツも1940年代後半まで遡るだろう。因みにカチューシャとはエカテリーナの愛称形である。
ダークダックスも発表しているので正答とする(以下同様の扱い)。

③「おさななじみ」
♪おさななじみの 想い出は
作詞:永 六輔
作曲 中村八大
歌:デューク・エイセス

NHK「夢であいましょう」で、1963年5月の「今月の歌」として作られたもの。当時、「♪青いレモンの味がする」を実体験したことのある日本人なんてほとんどいなかったと思うが。

④「女ひとり」
♪京都 大原 三千院
作詞:永 六輔
作曲:いずみたく
歌:デューク・エイセス

1965年8月発売。「きょうと~~ おおはら さんぜんりぃ」と聴き覚えたヒトも少なくないハズ。

⑤「銀色の道」
♪遠い遠い 遥かな道は
作詞:塚田 茂
作曲:宮川 泰(ひろし)
歌:ダークダックス

1966年10月発売。NHK「夢をあなたに」発。ザ・ピーナッツもレコーディングしている。

⑥「ちいさい秋みつけた」
♪ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋
作詞:サトウハチロー
作曲:中田喜直
歌:ボニージャックス

1962年4月発売のアルバムに収録。ダークダックスも1972年1月に発表している。当初、1955年にNHKの特別番組「秋の祭典」のために作られたものだった(歌:伴 久美子)。

⑦「手のひらを太陽に」
♪僕らはみんな 生きている
作詞:やなせたかし
作曲:いずみたく
歌:ボニージャックス

1965年5月発売。オリジナルは宮城まり子(1927.03.21~:女優 → ねむの木学園設立)が1961年にNET(日本教育テレビ:現 テレビ朝日)のニュース番組で歌い、翌年NHK「みんなのうた」で取り上げられたものだが、ボニージャックスが歌ってヒットさせた。ダークダックスも1976年12月にカバーしている。

⑧「遠くへ行きたい」
♪知らない街を 歩いてみたい
作詞:永 六輔
作曲:中村八大
歌:デューク・エイセス

1971年5月発売のアルバムに収録。オリジナルはNHK「夢であいましょう」の1962年5月の「今月の歌」として作られ、ジェリー藤尾が歌ったが、むしろ1970年10月放送開始の日本テレビ「遠くへ行きたい」のテーマ曲としてデューク・エイセスがカバーしたものが有名ではないかと思う。

⑨「山男の歌」
♪娘さん よく聞けよ
作詞:神保信雄
作曲:不詳
歌:ダークダックス

1966年2月発売。元歌は広島県安芸郡江田島町(現 江田島市)の海軍兵学校で愛唱されていた「巡航節」らしく、さらに遡ると、岡山県笠岡市北木島の石切り場で歌われていた「石切唄」がルーツの一つという。海のものだか山のものだか。

⑩「雪山讃歌」
♪雪よ岩よ 我らが宿り
作詞:西堀榮三郎・京都大学学士山岳会
原曲:アメリカ民謡 "Oh My Darling Clementine"
歌:ダークダックス

1958年9月発売。西堀榮三郎(1903.01.28~1989.04.13)は化学者・工学者・登山家で京都大学教授であり、1958年の第一次南極観測隊の副隊長 兼 越冬隊長も務めた。京都帝國大学の山岳部員だった1927年(1926年とも)1月、スキー合宿の帰りに仲間と訪れた群馬県吾妻郡嬬恋村で大雪に降り籠められ無聊の慰みに作ったという、いわば替え歌。デューク・エイセス、ボニージャックスも発表している。

以上10曲、全問正解のお人はいるのかしらん。どれが一番親しまれていると考えるかは、アナタの年齢によっても違ってくることでせう。

ツルもおよそ記憶にありませんが、これらのグループのピークは、「歌声喫茶」なるものが日本に流行った時期とも重なっているのではないかしらん。ダークダックスなんて「カチューシャ」「トロイカ」「カリンカ」あたりも持ち歌にしていて、往時はこうしたロシア民謡が大人気だった(それにしても短調表情がっかりが多いなあ)。これも調べてみると、Wikipediaの歌声喫茶の項には「1955年前後の東京など日本の都市部で流行し、1970年代までに衰退した」と書かれているので、すこうしズレがあるようなないような。

やっぱり今でも思うけれど、こんなにもIdentityの似通ったグループが同時代に3組も必要だったわけ??日本に。つまりは、基本、「正統派」であればよくって、「個性」が重視されるようになる前の話だったってことなのかな??
しかし一方、新しい胎動として、初代ジャニーズ(あおい輝彦・真家ひろみ・飯野おさみ・中谷 良;ツルも記憶にございません。きっぱり。)は1964年12月に、その路線を引き継いだ形のフォーリーブス(北 公次・江木俊夫・おりも政夫・青山 孝)は1968年9月にレコードデビューしていた。その間には、ブルー・コメッツ(1957年結成;ボニージャックスより古いんだ!!)、スパイダース(1961年結成)、ワイルド・ワンズ(1966年結成)などのグループサウンズ人気の沸騰があった。
そしてその流れは現在に至る。前回挙げた宇崎竜童のダウン・タウン・ブギウギ・バンドの結成は1973年(いささか飛躍があるか)。

そういう時代感の昭和中期のお話でした。

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