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2019年8月

2019年8月31日 (土)

似て非なるもの ー 緑豆春雨 vs じゃがいも春雨 vs マロニー

マメ科ササゲ属にはもう一つ、重要な作物がある。

【リョクトウ/緑豆/Vigna radiata】
別名をヤエナリ/八重生ともいう。日本で緑豆と言えばもやしだけれど、この豆自体は我が国では商業生産されていないようです。産地の中国では春雨の原料にするほか、粥にもごく普通に入れられる。で、今回はその春雨の話。

春雨とは、リョクトウ・ジャガイモ・サツマイモ等の澱粉を原料として作られる麺。中国では「粉条」(フェンティアオ)・「粉絲」(フェンスー)、台湾では「冬粉」(タンフン)などと呼ばれ、「春雨」は日本で名付けられた美称であるとか。英語ではglass noodle、またはpotato noodle。
中国産はリョクトウを主原料とするが、日本では主にジャガイモなどのイモ澱粉を用いて作られ、奈良県の桜井市と御所市で全国生産の約6割を占めている(ジャガイモの産地ではないのにね)。

1972年の日中国交正常化を機に、70年代前半から半ばにかけ、各地で「中国展」「中国物産展」が続々と開かれた時期があった。福岡の小学生だったツルも「このごろ中国展よくあるなあ」と思っていたぐらい。中国五千年の文物産品がどっと流れ込んできたわけです。
皮蛋や搾菜が一気に身近なものになったのもこの時だったと思うし、日中首脳の乾杯する様子がよく報道された(気がする)ところの、米を用いた醸造酒(黄酒)を長期熟成させた老酒や、高粱から作られる蒸留酒(白酒)の茅台酒もそう。因みに現在中華料理店でよく出される紹興酒は、浙江省紹興市で産する黄酒です。

中国春雨はそれより前から日本でも出回っていたと思うけれども、どちらかと言えば高級品だったのが、この時大衆化が進んだような気がする。母親が、「中国の春雨は煮崩れないからいいわ」と言ってたよなー。

日本には禅宗の精進料理の材料として鎌倉時代に伝来したらしいが、本家では「西暦1000年前後には中国で作られていた食品である」ぐらいのことらしいので、案外新しい食品なんじゃないかと思っちゃう。

製法は;

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原料のデンプンを熱湯で練った糊に、さらにデンプンと湯を加えながら練り上げて生地を作る。この生地を、直径が1mmほどの穴の開いた容器から熱湯中に押し出して煮沸し、水冷後に凍結(冷凍製法)させ、それをさらに天日乾燥して作られる。
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のだそうな。昔は寒中に作ってたんですかねえ。

で、中国をはじめアジア各地で食されているわけだけど、基本的には「麺」という扱いが多く(そりゃそうでしょう)、汁ありやら汁なしやら様々な調理法がある中、日本がやや特殊なのは、主役ではなく脇役としての利用が多いこと。鍋料理に添えたりとかね。(そりゃ今じゃ春雨カップ麺とかもありますがさ。小麦粉麺より低カロリーなのがウリ。)

そんな中では、今や熊本の名物料理として有名になった太平燕(タイピーエン)は春雨主役の珍しいケースだと思う。(中国の太平燕とはいささか異なるものらしいが。)

で、では、緑豆春雨とじゃがいも春雨では何が違うのか。
太平燕の本家を自負する熊本市の紅蘭亭(イラストレーター 葉 祥明の実家である;cf. 2016.06.13~14「北の夢はこうして」・2016.06.15「Remember the Day」)のサイトの記載が参考になる。

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太平燕かくあるべし

1)春雨は ・・・緑豆100%であるべし
よく市中で出回っている春雨はデンプンが混入されています。最近売り出されているインスタントやレトルトものはほとんどそう。
混入されていると引きが良くなり滑らかになるのですが本来の春雨とは別モノ。味の深みがなくなり何よりもカロリーが高くなってしまいます。
食べ慣れていけばぶちっと切れていく緑豆の素朴な味深さが分かるようになるでしょう。

〔後略〕
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へー。カロリーが違うんですか。知らんかった!!

春雨に似たところでいうと、大阪府吹田市の食品メーカー、マロニー株式会社の「マロニー」も、今はジャガイモ澱粉とコーンスターチを原料としているが、元はリョクトウとジャガイモの澱粉から作っていたそうな。
同社創業者 故 吉村義宗は初めもやし製造会社を興したという(リョクトウは既に商売の種だったわけだ)。もやし生産の機械化に成功した後、その市場の将来性に限界を感じ、春雨製造に乗り換えたらしい(よく考えるとスゴいっすね、それ)。

1964年に発売され、1994年の中村玉緒のTVCMで認知度を大いに上げるまでのマロニー開発&マーケティングストーリーはあちこちで語られているけれども、1970年代には確かタレントのキャッシーが「煮ても溶けない」をキャッチコピーにTVCMをやっていたと思うんだよねー。こちらは黒歴史状態でどこにも出ていない。これはきっと、1980年代に入って、彼女が歌手佐良直美とのレズビアン関係を赤裸々告白したことに関わりがあると思う。まあ時代が時代だったとは言え、なかったことにしちゃうというのはどういうもんなんですかね。

そのマロニー株式会社も、2017年8月にハウス食品グループ本社の傘下に入り、同社の完全子会社になった。誠に栄枯盛衰は糾える縄の如し。

2019年8月25日 (日)

似て非なるもの - アズキ vs ササゲ vs キササゲ

豆、もいっちょいきます。

そもそも、日本人にとって一番関わりの深いお豆さんと言えば間違いなくダイズだろうけど、二番手に来るのは何なのか。インゲンマメ?アズキ?エンドウ?ソラマメではないだろうけどなあ(これらはダイズとは区別され、「雑豆」という扱いです)。

ツルはそれはインゲンマメじゃないかと思ってたんですねえ。だっていろいろ「料理」に使われるじゃん。だから前回インゲンマメを取り上げたわけよ。
しかしどうやらさにあらず、二番手はアズキらしい(日本では)。こっちは和菓子やあんパンの餡かぜんざいか赤飯にするぐらいしかないんじゃないの、とか思ったんだけど、どっこい、地方の郷土料理ではなかなかに幅を利かせているようです。やっぱ、「赤い豆」には何らか呪術的な息災とか破邪とかの意味合いもあるんだろう。

で、アズキ(商品としては「ショウズ」の呼び名が一般的)というのはマメ科ササゲ属に属していて、この辺りがまた少々厄介。

【アズキ/Vigna angularis】
アジア原産で、日本での大産地は何と言っても北海道ですが、実は各地で穫れます。
「公益財団法人 日本豆類協会」のサイトによれば、「あずきは、豆類の中でも生育に際して環境条件からの影響を受けやすい作物」なのだそうで、「夏アズキ型」と「秋アズキ型」、さらには「中間型」の品種群に分かれ、それぞれ気象条件等に合わせて品種や作型を選ぶ必要があるそうな。
夏アズキは「生育期間中の日平均気温の累積値(積算温度)が一定レベルに達すると開花が始まる性質(感温性)」を持ち、沖縄を除く全国で栽培が可能。本州では春の4月~5月上旬に種を播いて夏の8月~9月上旬に収穫される(北海道では5月中下旬の播種、9月~10月の収穫となる)。
秋アズキは「日長が一定時間以下になると開花が始まる性質(短日感光性)」があり、6月~7月に種を播き、9月下旬~11月上中旬に収穫する品種で、主に西日本で栽培される由。
前者はサクラ、後者はアサガオみたいなもんですな。夏アズキを秋アズキのパターンで作ったり、その逆をやったりすると、植物体の生育と性的成熟のタイミングが合わなくなって収量や品質に影響が出るという、なかなかデリケートなお豆さんらしいです。

因みに、アズキにも豆の色はいろいろあって、中には白小豆なんてのもあり、珍しい小豆の白あんに加工されるそうです(普通の白あんは前回取り上げたインゲンマメの手亡豆あたり)。

アズキのうち、豆がより大粒で煮崩れしにくい高級品種が「大納言」で、豆の直径が1.8分≒5.46mm以上あって、かつ、煮ても皮が破れにくい、腹が切れにくいものでなければならないとされる。この品種名の謂れは数々あるけれども、宮中で切腹を賜ることのない公卿の官位に因んだものというのが一番有名だろう。当然、こしあんとかじゃなくて、粒の形をそのまま残すつぶあんとか甘納豆なんぞに使われるわけです。
これもやはり北海道で多く作られる一方、兵庫県や京都府、つまり丹波篠山辺りで栽培されている「丹波大納言」もよく知られてますな。(丹波産の農作物って、黒豆にせよ栗にせよ小豆にせよ、どうしてこう大粒で立派なものが多いのかしら。)

同じササゲ属にはこれもある。

【ササゲ/Vigna unguiculata】
こちらはアフリカ原産。実はソラマメ同様に上を向いてつき、これが物を捧げ持つ様子に似ているから「ササゲ」の名がついたという説がある。これも豆の色は日本で一般的な赤褐色のほか、白・黒・淡褐色・紫など様々で、白い豆では黒い斑紋を1個持つものがあり、ここから英語ではblack-eyed peaというらしい(beanじゃないのねえ)。

また、普通のアズキは煮ると皮が破れやすいのに対し、こちらも大納言アズキと同様、煮ても皮が破れないことから、江戸の武家では赤飯にアズキの代わりに使われるようになったという。しかし現在、少なくとも東京のコンビニのお赤飯のおにぎりにはアズキが使われてます(下丸子近辺のセブンイレブンで確かめた限りでは)。
一方、新大陸でも米国南部~南米にかけて、アフリカ系住民などのソウルフードとなっているそうな。

亜種にはジュウロクササゲ/Vigna unguiculata subsp. sesquipedalisというのもあって(三尺ササゲ等とも)、これは主に、長く生長する莢を青いうちに収穫して食用に供するものである。

ふむ。マダガスカル固有種の着生ラン、Angraecum sesquipedale(日本固有種のフウラン/Neofinetia falcataに割と近縁である)の種小名と同様の変種名を持っているのであるな。
ダーウィンらによる植物と動物の共進化モデルの予測が行われたことで知られるこの蘭はアングレカムの中でも大型で、草丈1mを超え、白い花の直径も15cmほどになります。種小名は「sesqui」=「1.5」、「pedale」=「足」、つまり「1フィート半」(1 foot≒30.48cmで1.5 feet≒45.72cm)を意味し、これは花の距の長さを表しているという。ダーウィンの死後になって、その予測を裏付ける異常に長い口吻を持つキサントパンスズメガ/Xanthopan morganiiがご当地で発見されたというのも有名なお話。
ただし、この蘭の距(およびこの蛾の吻)にはそこまでの長さはないとして、この種小名は葉の長さを表しているという説も主張されているらしい。個人的にはよっぽどそっちの方が無理があるように思うけど、アングレカム属の他種の葉に1.5フィートに達するものはないのかどうか、すぐにはわからないのでpendingです。

閑話休題。ジュウロクササゲではこれが莢の長さを表していることになるけれど、Wikipediaのこの植物の項に『「sesquipedalis(半尺)」と付けられているが、さやの長さは30 - 40cmと1尺以上にもなる』と書かれているのははなはだ不正確と思う。
明治時代以降、大工が用いる曲尺(かねじゃく)では1尺=10/33m≒30.30cm、呉服屋の用いる鯨尺(くじらじゃく)ではその1.25倍とされているので、ざっくり言えば「尺」≒「feet」ということになって、上記は『「sesquipedalis(1.5フィートあるいは1.5尺)」と付けられており、さやの長さは30 - 40cmと1尺以上にもなる』とでもするのが妥当ということになろう。

まあ、いずれにせよ、家庭菜園でちょっと作っとけば、莢を二、三本採ってくりゃ一家の晩ご飯の付け合わせにはもう十分、なボリュームではあるわけですw。
小学校に上がるか上がらないかの頃、父親の実家ですっごく細長ーい莢の豆を作っていたことがあって、目を瞠った記憶がある。今思えばあれがジュウロクササゲではなかったか。

で、ですねえ。またconfusingなのは、ササゲ属というのはインゲンマメ属と近縁であり、かつては後者に入れられていた種もいくつかあるらしいんですね。そのせいか、今でもネット上でササゲの類をインゲンマメ属としてあるものはかなりあります。
普及度や知名度では多少インゲンマメに劣るかもしれないけれど、これらササゲ類の豆を青いうちに莢ごと食するという場合、確かに見た目も調理法もさやいんげんとよく似てるんですよね。

「ササゲ」の名前つながりでもう少しだけ脱線してみよう。

【キササゲ/Catalpa ovata】
こちらはマメ科とは程遠いノウゼンカズラ科キササゲ属の中国原産の落葉高木だが、細長い実がササゲ類の莢に似ていることからこの名がある。この実には利尿作用があって、昔から腎臓の薬として用いられ、同属のトウキササゲ/Catalpa bungeiとともに日本薬局方に記載されている。
えーと、この木は世田谷の九品仏浄真寺の境内にひっそりと1本植わってたけど、今もあるんだろうか。

2019年8月24日 (土)

似て非なるもの - インゲンマメ vs ベニバナインゲン vs フジマメ vs 三度豆 vs 手亡豆

ダイズのことを書いたついでに出しとこうか。
ずっとずっと前から気になっていたことなんですが・・・。「隠元豆って一体何物?」ってこと。調べてみたら、これがまたすごくややこしそうなんですが。(因みに「豆」の次は「芋」を予定。)

【インゲンマメ/Phaseolus vulgaris/kidney bean】
マメ科インゲンマメ属。サイトウ/菜豆・ゴガツササゲとも呼ばれる。つるあり品種とつるなし品種がありますねえ。原産地はメキシコあたりで、日本には17世紀にヨーロッパ → 中国を経由して伝わったとされる。1654年に明国から渡来し日本の黄檗宗の祖となった隠元隆〓(〓は「王竒」を1文字にした字:りゅうき)が日本に持ち込んだのは、後述のフジマメだったという説もあるそうな。

どうも、現在「いんげん豆」と呼ぶと生の(未成熟な)さやいんげんのことを指し、乾物の豆となると別の名前で呼ぶような気がする。
インゲンマメという植物種の中では、種子の色により、赤いんげん豆として金時豆、白いんげん豆として大福豆や手亡豆/手芒豆、茶色の斑入りとなる鶉豆や虎豆等の系統がある。子どもの頃、福岡では半分白、半分斑入りの豆を「虎丸うずら豆」と称して売ってた記憶がある。これが虎豆のことだと思う。
英名のkidney beanは実がkidney=腎臓の形をしていることからインゲンマメ全体を指す呼称だが(無駄にこだわると、そんなこと言ったら金時豆だって鶉豆だって凹みがほとんどなくて丸っこいと思うし、ソラマメ/Vicia faba/broad beanの方がよっぽど腎臓形だけど)、日本で「キドニービーンズ」として販売されているものは特に米国産の赤インゲン豆/red kidney beanのこと。同様に「ピントビーンズ」は鶉豆/pinto beanの輸入品で、「pinto」は「色を塗った」という意味のスペイン語由来である。

【ベニバナインゲン/Phaseolus coccineus】
【フジマメ/Lablab purpureus】
インゲンマメと混同されがちなこれらは、近縁の別種だそうな。
紫と黒の混じり合った特徴的な色合いの豆をつけるベニバナインゲン(ハナマメ・ハナササゲ・白花白実品はシロハナマメ/シロバナインゲン)はメキシコ高原原産で冷涼地に適する。
フジマメ属フジマメ(センゴクマメ・アジマメ・ツルマメ)は対照的にアフリカ・アジアの熱帯生まれで温暖な気候を好み(とは言え中部地方や北陸地方でも伝統野菜として作られている)、これは(日本では)主に若い豆を莢ごと食するもの。葉が紫色のものもあって、観葉植物としても用いられるのだとか(そんな鉢植え見たことないけど)。我が国には9世紀以降度々導入されたというから、隠元禅師の時代より前からあったものということになる。

Wikipediaには「関西ではフジマメをインゲンマメと呼び、インゲンマメはフジマメ、サヤインゲンは三度豆と呼ぶ」とか「関西ではフジマメをインゲンマメと呼び、インゲンマメはサンドマメと呼ばれている」とか出ていて、だんだんわけがわからなくなってきます。てことは、京都のタキイ種苗の園芸カタログに載っている「インゲンマメ」は、横浜のサカタのタネのカタログにある「インゲンマメ」とは違うものなのかしらん?(今どきそんなことはありません↓)

Sakatakidneybeankentucky Takiikidneybeankentucky


では「三度豆」とは何なのか。

【三度豆】
これは「年に三度穫れる豆」の意味で、インゲンマメのほか、さやえんどうを表すこともあるらしい(じゃあ、スナックエンドウやスナップエンドウは三度豆なの?そうでないの?)。つまりは、乾物を食するとか、莢を剥いて中の豆のみ供するとかの隠元や豌豆ではなく、若いうちに莢ごと食するものは1年に3回も収穫できる、ということでしょう。

そして、ツル的関心事は次の問題。

【手亡豆/手芒豆】
お饅頭の原材料の欄に時々「手亡豆」とか「白手芒」とか書いてあることがあって(福岡&東京銘菓のひよこ饅頭も確かそう)、昔、友人とこりゃ一体何なんだという話になったことがあった。
これは上述のとおり白いんげん豆の品種で、小粒品が「手亡豆/手芒豆/てぼうまめ/てぼまめ」(毛亡豆とも)、大粒品が「大福豆/おおふくまめ」と呼ばれる由。
「手亡豆」という不思議な字面は、一説に「手」=蔓がないことに由来すると、一説に栽培に「手竹」=支柱が不要なことから来たとされ、これに忌み言葉的に「くさかんむり」をつけて「手芒豆」とも書いたらしい。つまりは「つるなしインゲンマメ」の一種ですな。こちらが主に白餡に加工されるのに対し(ツルもこの豆の実物を見たことはありません、幻の手亡豆。)、「大福豆」は煮豆用高級品種ということになる。「斗六豆/とうろくまめ」とか「十六寸/とろくすん」とかの別名もあって、ツルの母親も「とろくすん」って呼んでたっけ。でっかい白いきれいな豆で、お正月のおせちにしか登場しない晴れの日の別格のお豆さんという感じだった。「とろくすん」というこれまた印象的な名前は、この豆を長径方向に十粒並べると六寸(18cm強)になるというところから来ているそうで、初めて由来を知りました。大きな白い甘納豆になってるのもこれね。
ベニバナインゲンの白実品のシロハナマメとの違いは、どうやら「へその部分までが真っ白」というところにあるらしい。

因みに、インゲンマメの類は程度の差はあれ蛋白質の有毒成分を有するので、生のまま、あるいは不十分な加熱で食することは避けねばならない。Wikipediaにも「白いんげん豆食中毒事件」てのが載ってるぐらいです。

2019年8月18日 (日)

【おまけ編】浦島再生伝説(たろうくん&ひめちゃん・ゆめたろう・たけちゃん・テンシャ君)

  (承前)

武豊町のキャラ公募、次点まで深掘りしてみます。

と、その前に。
実はご当地には以前からこんなペアキャラが存在している。

愛知県知多郡武豊町
観光PRキャラクター
たろうくん&ひめちゃん
Tarokunhimechan

すんごく無個性。言うまでもなく、[浦島太郎]と[乙姫]です。2013年からゆるキャラGPに参戦してるようですが(成績?見ざる聞かざる言わざるってのがツルの情ってもんよ)、詳細はわからない。

さらにはこんなものも。

愛知県知多郡武豊町
イメージキャラクター? キャラクターマーク?
ゆめたろう
Yumetaro

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武豊町に伝わる「浦島太郎伝説」、[浦島太郎]と[亀]には、優しさ・素朴な風土、そして[波]には自然の豊かさ・将来への広がりを表現している。
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これも詳細はまるで不明だけれど、2004年にオープンした武豊町民会館がこのキャラに因んで「ゆめたろうプラザ」という愛称をつけられているので、おそらく「たろうくん&ひめちゃん」よりさらに古いものということだろう。

これらを念頭に置いて見渡してみると、いろいろ読み解けてくる気がする。
「最終候補作品3点を対象として、武豊町内の小中学校に在籍する児童・生徒による投票を実施」した結果は以下のとおりだった。

愛知県知多郡武豊町
武豊町公式マスコットキャラクター

Taketoyotownchararesults

1位 1,693票(46.3%)
みそたろう
福添歩美(大阪市)
Afmisotaro 

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武豊町の町の花[さざんか]をつけ特産品である[豆みそ樽]を頭にかたどり、腰には[たまり]をつけ、浦島太郎伝説の[浦島太郎]に扮し、元気いっぱい武豊町をPRしています。着物には[町章]が入っています。
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2位 1,420票(38.8%)
たけちゃん
増田繭美(宮城県仙台市)
Masudatakechannext

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浦島太郎伝説と味噌蔵が有名なので甲羅が[味噌樽]で頭に[みそ]を乗せた[カメ]のキャラクターにしました。
頭には町の花[サザンカ]をつけています。
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「鴨が葱背負ってやってきた」ではなく「亀が味噌背負ってやってきた」である(こんなもの背中にしょって着ぐるみ化したら動きにくうてしゃーないがな)。しかし、浦島太郎が亀にチェンジしただけ。歩美のサザンカが紅八重桜ならこちらは一重椿の和生菓子という具合。練切にようありまんな、こういうの。

てなところは軽く流すとしても、ツルの頭の中にはこのキャラが浮かんだ。

【2017.07.19「成熟に恥じないように」】
東京都千代田区
一般社団法人 社労士成年後見センター東京
マスコットキャラクター
(優秀賞)らいさ
村瀬まゆ美
〔2016年12月発表〕
社労士成年後見センター東京 キャラクター(村瀬案)


亀感、薄れてきてますが。

3位 545票(14.9%)
テンシャ君
信田(のぶた)和哉(愛知県半田市)
Nobutatenshakunnext


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全国で武豊町にしかない直角二線式の円形木板張り井桁状[転車台]をモチーフにしました。歴史ある鉄道文化を持つ武豊町が、輝かしい未来に向けたレールを走り続けることを願っています。
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味噌樽で2点の次はいきなり鉄道施設ネタかいな・・・。住民の生活に、子どもたちの未来に直結するものかよと思ったりしたんだけど、調べてみたらこれはこれで大変面白い。
「旧国鉄武豊港駅転車台」(ただし非稼動)は、1999年8月、「総合的な学習の時間」に町の史跡を調べ歩いていたご当地の小学5年生2名によって、土砂に埋まり草に覆われた状態で発見されたものだそうな。この子供たちの要望が町に通じ、その後復元・保存・整備が行われて遂には国の有形文化財に登録されたという数奇ないきさつを持つ。現在は「回転ポッポ台」なる愛称がつけられているというんですが、現役だった当時は地元で「とろんてんぷ」と呼ばれていた由。すなわち英語の「Turntable」が転じたんですねえ。ストーリーとしてもキャラクター愛称としても十分に魅力的、だったのに。

そう言えばGWに行った京都(練切もいただいてきました)で訪れた水族館は、京都駅近くの梅小路蒸気機関車館(より古くは梅小路機関区)があったエリアを再開発したもの。蒸気機関車館も京都鉄道博物館と名前を変えて再出発してます。扇形の車庫とターンテーブルは健在だそうな(そっちは見に行ってないけど)。

もとい。
結局、本公募は浦島伝説に豆味噌を塗りつけるというキャラ更新を行っただけで、新しい町の姿はやはり何も見えてこない。前回、『そうした議論を反映しない形でこうした「ゆるキャラ」を制定する』と断じた理由はここにある。つまりは町の将来について、何の議論も交わされなかったということじゃないですかね。

みそたろうとたろうくん&ひめちゃんペアやゆめたろうとの今後の関係についてはわからない。しかし、さすがに併存は難しいだろうと思います。

2019年8月17日 (土)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その236:みそたろう)

(承前)

ほんとに早いもので、既に二十四節気も「立秋」の候に入ってしまったけれど、今年ほど「新年度に切り替わる」という意識の薄い春もなかったのではないだろうか。平成 → 令和という「新時代の幕開け」感、あるいは「一つの時代の終わり」感に取って代わられた印象で。新元号発表の関係でメディアがApril Foolのフェイクニュース(とは言わんのかしら)を自粛した、なんてこともあったようだし。

通常、3月の年度末にはご当地公募モノの結果発表が増える傾向にあったのが(他の四半期末にもそういうところはあるけれども)、今年はそうでもなかった気がする。「ゆるキャラ」への社会的関心の低下に加え、天皇家の代替わりがこんなところにも影響を及ぼしたのではないかと考えたりする次第。

さて、そんな中でも一族は地味に活動を継続しているようです。塩崎社中のこのところの変化点と言えば、「塩崎歩美/あゆみ/アユミ」名義がすっかり影を潜め、「福添歩美」名義が優勢になってきたことぐらいですかね。正直、「塩崎栄一」「塩崎歩美」の二枚看板をこれ以上並立維持していくことはリスキーに過ぎると意識しているのだと思う。(その一方で、「山口 類」なんて新顔も登場させているわけだけど。)

新元号発表当日の4月1日に敢えて結果発表をぶつけてきたのが次のキャラ公募。

愛知県知多郡武豊町
武豊町公式マスコットキャラクター
みそたろう
福添(ふくぞえ)歩美(43歳)
Afmisotaro 

まあ、いろんな意味で塩っ辛いわ(笑)。地方版のm(__)m町制65周年ネタと、国家と天皇家の元号ネタと、どっちの方がニュースバリューがあるかってなことは考慮されなかったわけだw。平成最後の、ということなのかもしれんけれども(いやいや、むしろ実質的には令和最初の、と見るべきか)、平成どころか昭和風っす。

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武豊町の町の花[さざんか]をつけ特産品である[豆みそ樽]を頭にかたどり、腰には[たまり]をつけ、浦島太郎伝説の[浦島太郎]に扮し、元気いっぱい武豊町をPRしています。着物には[町章]が入っています。
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キャラがキャラに扮するという高等戦術によるてんこ盛り。しかしこれを浦島太郎だとわかる人は、そしてサザンカだと正しく答えられる人は、町外には1割もいまいて。因みにヤブツバキ/Camellia japonicaの基本花色が赤であるのに対し、サザンカ/Camellia sasanquaは白です。それにご当地名物なのは「樽」じゃなくって「みそ」の方でしょ、きっとw。

日本の味噌というものは8割方が米から作られ、麦味噌は主に中国四国・九州で、豆味噌は東海地方を中心に5%程度ずつ作られているに過ぎないそうな(残りは「調合味噌」)。子供の頃、ツルの家では麦味噌の味噌汁も割と普通に出てたけど、それは福岡だったからなんだ!一つ賢くなりました。麦粒の筋が残るのが嫌いだったけどねー。
で、「たまり/溜り」とはもともと、豆味噌を絞った液体のことだった。つまり大豆由来、そりゃ醤油の一種ですから。江戸の中頃まではこちらが醤油の主流だったとか。これもやはり、現在は主に東海地方で作られているそうです。

しかしだよ。なぜこれは民間企業キャラではなく官製のご当地キャラたり得るのか。味噌会社がご当地(人口 4万人強)には何軒あるというのだよ。つまりね、今後も味噌と浦島伝説だけでご当地が食っていけるのかよ。地域振興を支えていけるのかよ。外向きの宣伝効果は期待し得るかもしれないにせよ、内なる眼が見えてこない。

ご当地の自治体やコミュニティがその辺りの施策を考えていないとは思わないけど、そうした議論を反映しない形でこうした「ゆるキャラ」を制定することは、やはり安易であり失当であると思う。
そこへの考慮なくしての「神マーケティング」(犬山明彦の言葉だったっけ)など、決してあり得ない。

さらに言うと、「豆味噌キャラ」ではなく「味噌キャラ」デザインなので、その意味では「武豊町のゆるキャラ」というより「日本国のゆるキャラ」を表したものになっちゃってる気がする。「味噌=日本!?」という疑問を持ったアナタ、それはそのまま武豊町キャラに対する上述の違和感に通じます。

返す刀で。

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最終候補作品3点を対象として、武豊町内の小中学校に在籍する児童・生徒による投票を実施し、最優秀賞作品1点、優秀賞作品2点を決定します。
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だから、子どもたちだけで選ばせてはダメなんだってば(一族作品を選んだことに異を唱えてるわけじゃありませんよ、ここは)。
オリンピック/パラリンピックみたいな期間限定のイベントキャラならまだいいかもしれない。でもこの場合、「次代を担う者たちの澄んだ目で決めてもらおう」という美辞麗句の下、大人たちが次代への責任を放棄することになっているのではない?
巧言令色、少なし仁。(ア、「令和」の「令」がここにも登場してます表情ほっ。)

うーん。今に向こうを張って、例えばアヲハタからブルーベリージャムのカップを頭にした「ジャム王子さん」やら、Haagen-Dazsからカップアイス頭の「チョコミンちゃん」やらが出てきちゃったらどうするよ。味噌樽だのたまり醤油だのよりよっぽど今風、令和ふう。

結局、キャラ制定後最初に町が実施したのはプリントポロシャツの予約販売。町職員の夏の制服にでもする以外、需要があるとは思えんのだけれど。

2019年8月12日 (月)

【脱線編】京急 vs 京福、駅名大決戦

(承前)

「○○台」「○○野」「○○が丘」がオンパレードの東急と対照的な駅名センスなのが、横須賀から品川に向かう京浜急行の本線ではないかしらん。

I CAME FROM 横須賀
 作詞:阿木耀子
 作曲:宇崎竜童
 歌: 山口百恵
 (1977.05.21リリース アルバム「百恵白書」より)

♪横須賀から 汐入 追浜 金沢八景 金沢文庫

 汐風の中 走ってゆくの
 赤い電車は白い線

 駅の名前を 空で言えるの
 横須賀マンボ・Tシャツね

 I came from 横須賀
 あなたに会いに来た
 I came from 横須賀
 あなたに会いに来た

♪文庫過ぎて 上大岡 井土ヶ谷 日ノ出町 横浜まで

 窓を開ければ 緑が飛ぶの
 快速特急 音立てる

 扉の近くに 陣取りながら
 呪文のようにつぶやくの

 I came from 横須賀
 あなたに会いに来た
 I came from 横須賀
 あなたに会いに来た

♪横浜から 鶴見 川崎 品川 ここまでの道

 小さな屋根が 集まっている
 歴史のあともあるけれど

 あいにく私は 詳しくないの
 心は走る線路なの

 I came from 横須賀
 あなたに会いに来た
 I came from 横須賀
 あなたに会いに来た

山口百恵のアルバムに入っている、一種のご当地ソングです。「汐入」は「しおいり」、「追浜」は「おっぱま」。「井戸ヶ谷」は実際の駅名は「井土ヶ谷」だけれども、なぜ違っているのかわかりません。
阿木は多分、一番初めの部分を書きたかったんだと思う。歴史と伝統、みたいなものが名前自体に備わっている。

「金沢文庫」なんて、東京に来る前ツルはなんと床しく趣き深い名前だろうと思っていた。実際にはごくフツーの小さな駅でしたがね(笑)。確か、山野草や野生ランの神様、故 鈴木吉五郎翁(熱帯魚の世界でも大家として知られ、日本で初めてエンゼルフィッシュを輸入した人です)の春及園は金沢区の富岡駅の近くだったと思う。
金沢文庫と上大岡の間には屏風浦(びょうぶがうら)なんて駅もあります。

そうそう、「歴史のあともあるけれど」というのは、ツルは生麦駅辺りのことを指しているのではないかと思ってきた、「生麦事件」の。この歌でいうと、横浜と鶴見の間。

話変わって。

この京急に太刀打ちできるものというと、京都市の京福電鉄の嵐山本線(いわゆる嵐電)と北野線しかないだろう(あいにく奈良には 詳しくないの)。路面電車に毛が生えた程度のマイナー路線ですが、まあ見とくれやす。

〔嵐山本線〕
四条大宮
西院(さい)(注:阪急電鉄京都線にも同じ駅名があり、ただしそっちの読みはフツウに「さいいん」)
西大路三条
山ノ内
嵐電天神川
帷子ノ辻(かたびらのつじ)
蚕ノ社(かいこのやしろ)
太秦広隆寺
有栖川
車折神社(くるまざきじんじゃ)
鹿王院(ろくおういん)
嵐電嵯峨
嵐山

難読駅名、てんこ盛り。終点の「嵐山」がピシリと引き締めます。「太秦」ぐらい今どき誰でもわかるだろうけど、「車折」はさすがにツルも初め読めなかった。つまりは「折る」は「裂く」に通じるんだろう。

嵐電の本線に途中から合流してくるのがこれ。

〔北野線〕
北野白梅町(きたのはくばいちょう)
等持院
龍安寺
妙心寺
御室仁和寺
宇多野
鳴滝
常盤
撮影所前
帷子ノ辻

ううう、これまたはしたないまでに寺社仏閣のラインダンス状態。
北野白梅町は北野天満宮のあるところです。もちろん梅の名所ね。この手の「大字+小字」を重ねた的な町名(冠称というらしい)に名作なし、というのがツルの基本的スタンスですが(どんなんや)、これはまあ別格かねえ。

で、北野白梅町に対抗し得る東の横綱となれば、東京都中央区の日本橋蛎殻町(にほんばしかきがらちょう)ぐらいしか思いつきません、すぐには。

2019年8月11日 (日)

【加筆編】エダトモ vs えだきん、商店街大決戦(招き猫・えだぽん・えだきんぎょ・ぎょぴちゃん)

(承前)

えだものがたり、続けます。
前回引用したるこの事にて候↓。

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優秀賞には[江田]の文字をモチーフにした「えだぽん」と、江田駅周辺の街路樹[ハナミズキ]を体の一部にデザインした「招き猫」が選ばれている。
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神奈川県横浜市青葉区荏田
江田駅周辺商店会 edatomo
エダトモ公式キャラクター
〔2016年4月20日発表〕

(優秀賞)
招き猫(*)
しろごま(ペンネーム)
Shirogomamanekinekonext

(優秀賞)
えだぽん
ICO(ペンネーム)
Icoedaponnext

(*)プラットフォームはやすひさ式標準テンプレートによる表情あっかんべー

e.g.
【2016.09.03「井の中の 傲る蛙は 久しからずや」】
宮城県大崎市
大崎市社会福祉協議会
イメージキャラクター
おおさきちゃん
井口やすひさ
〔2016年8月発表〕
おおさきちゃん 

あん?どっちの作者名も確かに見たことがあるぞ。

【2017.06.25「北の駅から ― その1」】
北海道天塩郡幌延町
糠南駅
秘境駅キャラクター
ぬかにゃん(ネコVersion)
しろごま(福岡市東区)
〔2016年11月発表〕
ぬかにゃん


ああ、これも[ネコ]だったか(ネコなんですっ)。糠南駅と下沼駅のキャラクターをそれぞれ公募した時の片割れです。
公募最中の同年8月に両駅ともJR北海道から廃止の方針を突き付けられ、町が維持管理費を負担して「当面」存続することとしたほか、「あなたが守る秘境駅プロジェクト」と銘打ち、「ふるさと納税」に人的支援の「駅保全活動」を加えて存続の道を模索している。駅舎の塗装とか、夏の草刈や冬の除雪とかの作業自体をイベント化してるわけです。維持苦最前線、しろごまは当然知っているんだろうな;-)。な?

もう一つの名前はここ↓で目にしていた。何やら奇妙にまた北海道に吸い寄せられちゃいました。

北海道函館市
箱館会
函館観光イメージキャラクター
(優秀作品)
ICO(ペンネーム:40歳:神奈川県)
※ 画像非公表
〔2016年4月25日デザイン発表〕
(cf.【その182】)

ああ、これも2016年4月の発表だったか。こともあろうに東京五輪の再公募エンブレムの発表と同じ日にってやつ。

江田の公募でちょっと面白いのは、神奈川ジモティのICOは単なる[地名]盛りの[USA/Unidentifid Small Animal]系だったのに、福岡のしろごまの方が駅前の[ハナミズキ]並木というローカルネタを用いたことだろう。そこまではWikipediaにも書いてないもんねえ(ガイダンスが出ていたのかしら)。

どうでもいいけど、江田駅は横浜と東京の城南地区を結ぶ東急、つまり東京急行電鉄の田園都市線の駅で、この路線周辺ってやたらハナミズキを植えまくってある印象なんだよね。この樹、ツルは好きじゃないんだけど(cf. 2008.04.29「Re:お早よう晴れ」)。
これは東急が鉄道を通して街づくりを進めていった時代を反映しているのだと思う。駅名も然りで、「つきみ野」「すずかけ台」「青葉台」「つくし野」「あざみ野」などなど、没個性のオンパレード。
バブルに向かう1980年代前半に大ヒットしたTVドラマ「金曜日の妻たちへ」の舞台とされた「たまプラーザ」なる駅もある、本当に。ツルも若い頃、この辺りに住んでいて、住所はまさかの「美しが丘/うつくしがおか」だった。当時は緑区だったよな。
因みにハナミズキは四弁花なので、「えだまる」の頭に盛られた梅花風の「綺麗なお花」がこれであるということは絶対にない。かといって、橙色花が入っているからウメでもあり得ない。

閑話休題。
「えだ」の地名は、ややややこしいことになっている。

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(Wikipedia)

荏田(えだ)は、神奈川県横浜市青葉区と都筑区にまたがる地名。現行行政町名として青葉区荏田町・荏田北一~三丁目・荏田西一~五丁目、あざみ野南一~四丁目及び、都筑区荏田南一~四丁目・荏田東一~四丁目・荏田南町・荏田東町がある。
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で、駅は青葉区側にあって、それは「江田」なわけ。そう言えばあざみ野にも昔住んでたなー、1年ほどだったけど。

そして都筑区側の荏田には、こんな商店街キャラが10年ほど前から。

神奈川県横浜市都筑区荏田南
荏田南近隣センター商店街(えだきん商店街)
ゆるキャラ
えだきんぎょ
Edakingyo

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(2018.10.25 タウンニュース 都筑区版 抜粋)

港北ニュータウンの住宅街にある商店街を盛り上げようと地域住民が考案したえだきんぎょ。当時、荏田南在住の漫画家に金運や開運に縁起の良い[金魚]をモチーフにしたキャラクターをデザインしてもらい誕生した。
商店街内で「酒と米 うちの」を営む内野 敦さんによると、キャラ誕生当初は商店会主催のお祭りのチラシに印刷し、マスコットとして地域にアピールしていたという。その後、2012年のハロウィンイベントで同商店会の宮原勇貴副会長らがえだきんぎょの手作り着ぐるみを登場させた。現在のキャラは業者に依頼し、作成した二代目になるという。
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一見して、TVアニメにもなった「きんぎょ注意報」by 猫部(ねこべ)ねこの「ぎょぴちゃん」を思い出したのだけれど、詳細はわかりませんでした。

Nekobegyopichan

あんまり似てないかあ。

とても着ぐるみにできそうもないデザインなのもまた時代を映していると思うけれど、それでもとにかく着ぐるみありで活躍しているわけです。

横浜市の内陸部にある港北ニュータウンは街開きしてからかれこれ40年ほどになる。「えだきん」はその第Ⅰ期にスタートしたそうな。

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◎徒歩ルート
東急田園都市線「江田駅」東口徒歩25分(約2キロ)
横浜市営地下鉄グリーンライン「都筑ふれあいの丘駅」「センター南駅」徒歩20分(約2キロ)
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ま、バス路線もありますけどね。地の利のやや不便なところから、周辺地区からお客を引っ張ってくるほどの吸引力は目指していないんじゃないかと思う。駅近至便を売りにできる「エダトモ」に比べ、その問題には早くから真剣に向き合ってきたのかもしれない。
であれば、手作り十年選手の「えだきんぎょ」も内向きの性格づけだったことになろう。そこは「エダトモ」が何を求めて「えだまる」を作ったのかさっぱり判明しないのと対照的。
昨年はえだきんぎょの声優オーディションを行ったそうな。対象は地元の一般住民(プロはNG)。今年4月からはえだきんぎょキッズダンサーズ第2弾も大募集!!の由。

2019年8月10日 (土)

告知

2019.08.07、@niftyから、以下の各稿の削除を条件に本ブログの一時停止を解除する旨の通知を受けた。

 

2019.01.25「【INDEX:一応完結】ご当地ナンバー第3弾 = 地方版図柄入りナンバープレート第2弾 作者先生リスト」

2019.06.15「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ①」

2019.06.16「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ②」

2019.06.28「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ③」

2019.06.29「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ④」

2019.06.30「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ⑤」

2019.07.06「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ⑥」

2019.07.06「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ⑦」

2019.07.06「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ⑧」

2019.07.06「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ⑨」

2019.07.06「【危急存亡編】『@niftyよりご連絡いたします』 ⑩」

 

また、これらとは別に;

 

2018.12.30「【告発】松戸ナンバープレート選考に不正の疑いあり」

 

についても、2019.06.08、@niftyから、刑法第230条の名誉毀損罪のかどで「侵害情報の送信防止措置請求」があった旨の通知を受けた。

2019年8月 4日 (日)

♦️♠️改元記念Special企画♥♣️【特別編】令和こんちは!PNまつり!! 第23弾(えだまる)

(承前)

とは言いながら、実はめっきり平成遺産モノなんですがね汗汗

今回は[USA/Unidentified Small Animal]系を一つ。

神奈川県横浜市青葉区荏田
江田駅周辺商店会 edatomo
エダトモ公式キャラクター
えだまる
まりも(ペンネーム)
Marimoedamaloriginal2  →  Marimoedamalfinal

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まぁるい体の『えだまる』は江田駅周辺商店会に出没する、ちょっと不思議なえだまめの妖精です。帽子には[えだまめ](商店街で楽しむお客様をイメージ)、綺麗な[お花]、[史跡]を配し、[エコバッグ]を手に楽しくお買い物しています。
-----

地名から盛りアイテムを決めたという珍しいパターンです。リデザインによってえだまめ風味、薄まっちゃってるけど。
2016年4月20日発表で、募集締切の5日後に結果発表したという、今どきなかなかお目にかからないタイトなスケジュール感www。類似調査なんぞやっとるヒマはなかったハズ。
(因みに、さらにその5日後の4月25日には野老朝雄の東京オリンピック/パラリンピックの再公募エンブレムが発表になっている。ということは、佐野騒動より後だったにもかかわらず上記の日程だった、ということだ。危機感の欠如とは恐ろしいものである。)

選考側がやっつけなら、応募側もひどい手抜きだと思いますね。背面図を描く際に左右反転しそびれているので、妙なことになってしまっている。最低限の作法ぐらい守りなさいよ。
お客を豆粒に例えたってのも・・・・・・何だかひやひやします表情嬉しい汗(実は巧妙な論理のすり替え;ホントは「豆粒をお客に例えた」のだろうけれど)。「綺麗なお花」というのも相当異例な表現。普通は市の花とか町の花とかにかこつけるもんだけど、これは自治体キャラではないからそうもいかなかったんでしょう。まあ、植物のことには基本、興味関心のない(デザインを生業としているのなら、そこは驚くべきことだとツルには思えるが)塩崎一族であってみれば、これもまたむべなるかな。
極めつけは「史跡」の一言で片付けられた建造物。調べてみると、どうやら1861年(文久元年)に建立された「荏田宿常夜燈」らしい。ご当地も東海道の裏道沿いの宿場だったわけで、高さ230cm、1989年12月に横浜市の地域史跡に登録されたという代物です。

-----
(2016.04.28 タウンニュース 青葉区版 抜粋)

〔前略〕

北海道から九州まで、年齢も9歳から80代までと、幅広い層から168点の応募があった。商店会員による一次、二次投票と役員による決選投票を経て、最優秀賞に県外から応募のあった「えだまる」が選ばれた。優秀賞には「江田」の文字をモチーフにした「えだぽん」と、江田駅周辺の街路樹「ハナミズキ」を体の一部にデザインした「招き猫」が選ばれている。
-----

この記事、ある意味すごいよねえ。次点キャラの盛りアイテムのことは書いてあるのに、採用された「えだまる」の姿については何も言及がないのだから。

して、「まりも」を名乗るこの作者は誰なのか。
ずいぶん悩みました、特に(a)塩崎一族なのか、それとも(b)八谷早希子なのかという辺りで。

(a)で考えていくと、まず以下の2点に突き当たる。

【その14】
秋田県鹿角市
JR花輪線全線開通80周年 イメージキャラクター
彩ちゃん(応募案)
佐藤秀子(大阪市)
〔2011年7月発表〕
彩ちゃん(応募案)


【その67】
広島県江田島市
アダプト制度 マスコットキャラクター
アダプトくん
今井弘実(大阪府)
〔2013年10月発表〕
アダプトくん


これもあったか。

【2019.05.06「無明の闇 29」】
静岡県浜松市北区細江町
奥浜名湖商工会 細江支所
ほそえハートゆるキャラ
(優秀賞)姫ちゃん
M.S(大阪府)
〔2014年3月発表〕
Mshimechannext


鍵は[花]ネ(^.^)b。え!?こんな花なぞ誰にだって描ける?そりゃもうごもっとも。
因みに佐藤秀子と今井弘実は、どちらも塩崎一族の数ある別名義に含まれると愚blogでは考えております。一族の頭には、「江田」と聞いた瞬間、2年半前に作った「江田島」キャラのことが真っ先に浮かんだのではないか・・・?

そしてもう1点、見逃せないのはこの存在やね。

【その100】
青森県上北郡野辺地町
ご当地キャラ
じ~の
塩崎まさよ
〔2012年6月決定〕
じ〜の


先年、野辺地町の常夜燈は実物を見る機会があったけれど、230cmどころではなかった気がするぞ。野辺地のものが海辺の「常夜燈公園」として再整備され、観光資源としての役割も与えられているのに対し、荏田のものは特段そういったことはないようです。ネットで調べると、「東名高速道路方面から荏田宿の屋並みに入ってしばらく歩くと、民家の入り口脇に常夜燈が建立されている」とか「ここは、交通量が多いので路駐厳禁です」とかの記載にぶち当たるもん。

一方、(b)の説を考えたのは、図柄というよりペンネームから。八谷の居住地は江別市。江別市は札幌市に隣接しており、国の特別天然記念物マリモ/Aegagropila linnaeiの生育する道東の阿寒湖とは約230km離れているとは言え、同じ北海道なわけです。
図柄だけではおいそれと判断しかねるってもんで。

でも結局、自信はないけど現在は(a)説に傾いている。ツルの知る限りにおいて、八谷は今までペンネームや別名義を用いたことはない(これとてさほど強力な根拠にはならないが)。一方、「まりも」の持つ女性的なイメージは、塩崎一族の使用してきた(と見られる)様々なペンネームの傾向と一致する。
もう一つ、両者の相似する画風の中での相違点として、左右対称性への固執度合いという問題。八谷がとりわけ左右対称のキャラデザインを好むのに対し、塩崎家ではそれはほとんどタブーに近い(だから上掲の「姫ちゃん」などは例外的である)。

となると塩キャラ判定、一応下せるってことですかね。

2019年8月 3日 (土)

【加筆編】キャラクターからの回帰?(三島市CSR・磐梯山ジオパーク)

このところ何やら図らずも隠れ高柳順子まつりの様相を呈してきておりますが、それも今回で多分打ち止めです。

高柳の公募応募作品はほとんどがキャラクターであり、ロゴマーク/シンボルマークの類いを愚blogで取り上げたことは皆無である。しかし、ご当地キャラクターの新規制定がめっきり減ってしまった現在、それも徐々に変わってきつつあるのかもという話で。

以下、今年4月に発表されたばかりの、高柳のお膝元で行われた全国(多分)公募です。

静岡県三島市
三島市版CSR認定制度 認定ロゴマーク
高柳順子(三島市:グラフィックデザイナー)
Takayanagimishimacitycsr

今年度から始まった制度だとか。
MIKAWAはもちろんMIHARA、MIURAにも使えるよね、なんてところはおいといて、きれいで上品なデザインではある。けど、惜しむらくは図案と文字のセンタリングが微妙に取れてない感じです。

-----
ロゴマークのコンセプトとして、[ブルーの3本ライン]は、三島市の「三」をモチーフに、道・せせらぎ・未来・継続性・成長がイメージされており、三島市の花でもある[桜]は5片の花びらで「企業」「消費者」「労働者」「行政」「教育機関」を表し、共に助け合う協同を表現しています。また、社会貢献の道は「花道」。花が咲いた後は必ず実がなることから、活動の結実を象徴しています。
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〔事業名称〕
「CSRグッドパートナーみしま」
長田康雅(静岡県御殿場市:中学生)

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この名称には、「三島市と企業で、寄り添い良いパートナーとして活動・社会貢献に取り組んで行く」という思いがあり、事業の目指すべき方向性が表現されているとともに、親しみやすい名称となっています。
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「作者コメント」というよりむしろ「選者講評」です。中学生がほんとにこんな文章まで書いたのかしらん。
その長田は今年1月、地元の「御殿場エコサポーター」ロゴマーク公募の次点にも入賞していた。次代を担う公募ガイダーの卵ということなんでしょう。

そして高柳センセ。桜の花を描いといて「花が咲いた後は必ず実がなる」は違和感が大きいと思いますよ。少なくともソメイヨシノにはほとんど実がつかない。桜桃つまりサクランボとは違うんです。
正確には市の花は「三島桜」と呼ばれるもので、ソメイヨシノの起源を探る研究の中から生まれた実生品種なので(cf. 2013.02.18「三島宿、ひともとの柳いと高きぞありける:その1」)、ひょっとしたらこれにはばんばん実がつくのかもしれませんが。(その可能性は低いと思うけれど。)


しかし、ツルが最も強く違和感を覚えるのは、「CSRを認定する」という思想そのもの。CSR/Corporate Social Responsibilityって、行政がお墨付きを与えるような性格のものでしたっけ?
企業価値が売上規模とか利益水準とかROEとかの財務情報だけでは測り切れなくなってきて、GovernanceとかComplianceとか環境対策とか商慣習とか雇用問題とかの非財務情報が一定の比重を占めつつあることは理解しているし、全世界レベルでSDGs/Sustainable Development Goalsすなわち「持続可能な開発目標」の議論も大流行りです。時代はまさにFairnessへ表情あっかんべー
評価指標としては、上場企業なら端的に言えば株価にもこうした要素が反映されるようになってきている(つまりこの場合評価を下すのは投資家ということになる)、しかして地場企業の場合は。
そう考えてくると、ご当地のこの制度にも何らかの妥当性は見出せるのだろうか。そんなに簡単なことじゃあないとは思いますがね。正直、非上場企業の場合は水面下では不公正な取引慣行も多いのではあるまいか。その贖罪符としてこの事業が働く側面もありはしないのか。

それにさ、高柳は2011年に三島市広報戦略アドバイザーになったわけで、そこでこういうところに顔を出してくるとは正直思わなかったんだよね。お膝元においては公募なぞ卒業だったのかとばかり。
どうですかね、担当なすった三島市産業文化部商工観光課商工労政係さん(18文字)。Fairnessはどのように担保される/されたのか。それとも、現在すでにその職務には就いていないのでしょうか。

調べ直してみると、高柳のマーク類、古くはこんなものも見つかった。

福島県耶麻郡猪苗代町・同 磐梯町・同 北塩原村
磐梯山ジオパーク協議会
磐梯山ジオパーク シンボルマーク
高柳順子(静岡県三島市:グラフィックデザイナー)
 Takayanagibandaisangeopark_1

東日本大震災発生の3日前に発表されたものです。

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(2011.05 広報きたしおばら No.350 抜粋)

3月8日に磐梯町の中央公民館で開催した公開講座の会場で、「シンボルマーク」の発表を行いました。
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この広報紙には;

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名称:「磐梯山を見上げて」

コンセプト 磐梯山の[B]の文字がモチーフ
力強い筆のラインで[磐梯山]を圧倒的な存在感で描いています。昔から人々は磐梯山に励まされ、勇気をもらい、磐梯山を見上げる事が生活の一部になっていたのでは…と想像。山を渡る[白い◆]は神事に扱われる紙垂であり、磐梯山に登り、崇拝する人々を表現しています。山の下の[3つの輪]は猪苗代湖をはじめとする磐梯山を取り囲む湖沼群に生まれる波紋。神聖な雰囲気を演出しています。すべてを見下ろしているような[太陽]は雄大な磐梯山の豊かな自然の象徴であり、人々の想いがひとつになって熱く燃えているのを表現しています。
-----

と書かれていたが、日本ジオパーク認定(2011年9月)を経た今、微妙に変えられている。

-----
テーマ
磐梯山を見上げて

コンセプト
磐梯山の[B]の文字がモチーフ
力強い筆のラインで[磐梯山]の圧倒的な存在感を表現

山を登る[白い四角]は神事に扱われる紙垂(しで)であり
磐梯山にのぼり 崇拝する人々を象徴

[3つの輪]は猪苗代町、磐梯町、北塩原村を表現し
猪苗代湖に生まれる波紋で神聖な雰囲気を演出

[太陽]は、雄大な磐梯山の豊かな自然の象徴であり
人々の想いが一つになって熱く燃えている様子
-----

「山を渡る紙垂が人々のお山への信仰心を表す」としたところは素晴らしいと思う。しかし、「3つの輪」が対象町村(の数)を表すという、平成大合併時の自治体章公募にも極めてありがちだった改変はどうにもいただけない。でもピリッとくるのはやっぱり;

「磐梯山を圧倒的な存在感で描いています」
 ↓
「磐梯山の圧倒的な存在感を表現」

ってところですかね(^O^)。てにをは一つで、前者じゃ工藤和久あたりとおんなじだもん。それほど「圧倒的な」力で迫ってくるデザインだとも思えないし、湖の中に島が浮かんでるみたいだし。

まあ、いずれもマーク類に目鼻をつけてキャラクター化するの愚を犯さなかった点、然るに自治体章的「丸にブーメラン」一辺倒に頼るでもなかった点については、具象と抽象とのバランスを適度に取ったと評価していいんですかね。

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