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2019年9月17日 (火)

似て非なるもののおまけ - サンマ王国の凋落

(承前)

前回挙げたサンマの記事は3月の話だったけれど、それから半年経って次の報道が出ていた。やっぱりサンマもさっぱり不漁という不景気話で。

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(2019.09.07 朝日新聞 抜粋)

秋の味覚「サンマ」の漁の出足が、大不漁となっている。今秋に日本近海に来遊する量の予測からその恐れは出ていたが、現実になってきた。スーパーや飲食店はサンマの確保に四苦八苦し、店頭の値段も上がって食卓に影響が出ている。
サンマの水揚げ量日本一を誇る北海道・根室の花咲港。秋の漁が8月上旬、小型船を皮切りに解禁、同月16日までに戻ると衝撃が走った。水揚げはほぼゼロ。22日に中型船が実質的に「初水揚げ」をしたが、その量は17トンで、昨年の120トン強を大きく下回った。
26日に大型船の帰港が始まったが、昨年のこの時期の量には及ばない。サンマ漁船の古林 勲機関長は、「魚群がなかなかいないうえ、魚体も小さめ。例年になく漁は厳しい」と話す。
毎年恒例の「根室さんま祭り」にも暗雲が漂う。9月21、22日に開き、会場で箱詰めの生サンマを販売して開催費に充てる計画だが、不漁で必要量を確保できるかがわからない。実行委員会の関係者は、「来年以降は開催時期を後にずらすことも考えないといけない」と頭を抱える。
宮城県気仙沼市の気仙沼港では8月27日に初水揚げがあり、60トンを超えた昨年の1割強の8トンだった。6割が130グラム未満と小さい魚が多い。
東京・目黒駅前で9月8日に開かれる「目黒のさんま祭り」は今年、炭火焼きのサンマを冷凍物にすることに。毎年生サンマを送ってくれた岩手県宮古市が、不漁で祭りに必要な7千匹を確保できなかった。
祭りのサンマは、「専門店や料亭でもなかなか味わえない『トップクラス』の味」と新鮮さを売りにしてきた。急きょ、北海道産への切り替えも検討したが、脂の乗りが良いものを集められなかったという。祭りの実行委員長の中崎政和さんは、「今回で24回目だが、こんな事態は初めてだ」とため息をつく。
同県大船渡市で8月25日にあった恒例の復興支援の恩返しイベントでも同様に、炭火焼き用の生サンマが冷凍になった。生サンマの販売も、「後日発送」とした。
漁業情報サービスセンターによると、8月に全国で水揚げされたサンマは約1千トン。約9千トンだった昨年どころか、48年ぶりの大不漁だった2017年(約7千トン)にも届かない。市場での平均価格(1キロあたり)は642円。昨年(316円)の倍に跳ね上がった。
渡邉一功・漁海況副部長は、「今秋のサンマ漁の出足は、過去約50年間で最低水準とみられる」と話す。
08年は34万トンあった日本のサンマの水揚げ量は、15年以降は10万トン前後と不漁続きだ。水産庁は、日本近海の海水温上昇で、温かい水を嫌うサンマが近づかなくなったことに加え、中国や台湾の漁船による公海での漁が本格化し、資源が枯渇していることが原因とみている。
国の研究機関「水産研究・教育機構」の予測では、今秋に日本近海に来遊するサンマの量は、比較できる03年以降で17年に次ぐ少なさだった。このため大不漁の恐れが出ていたが、予測通りの出足になっている。
不漁続きの近年は、漁場が従来よりも沖合にできる傾向がある。水研機構は、9月下旬になれば来遊量が増えると予想するが、今年の漁場は近年よりもさらに沖合になると見ている。
沖合だと燃料代がかさむうえ、往復に時間がとられ、漁の時間が短くなる。鮮度の維持も課題になる。冷凍設備が無く、沖合で漁ができない小型船も少なくない。同センターの渡邉副部長は「9月下旬以降も厳しい水揚げの状況は続くのではないか」と予想する。

〔後略〕
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出た。サンマの話題になると必ずと言っていいほど書かれる「目黒のさんま」ネタについては、割と知られていることじゃないかと思うけど、目黒界隈で焼きサンマがタダで食えるお祭りは2つある。2019年でいうと・・・;

9月8日(日)
第24回目黒のさんま祭り
@目黒駅前商店街(品川区上大崎二丁目)

※同日は深更から翌未明にかけて台風15号が首都圏を直撃したけど、朝から夜半までは雨も基本的に降ってなかったんです。

9月15日(日)
目黒のさんま祭(第43回目黒区民まつり(目黒のSUNまつり)の一環として)
@田道(でんどう)広場公園(目黒区目黒一丁目)

※目黒区民センターに隣接する公園で、目黒駅からは700mほど離れている。

の週替わり、目黒駅(品川区にある)の東側(山手線の内側)と西側(同 外側)に分かれて。後者はついおとといの開催でした。

これらのイベントは以前から岩手県宮古市(上大崎方) vs 宮城県気仙沼市(目黒方)の漁協同士の面子をかけた代理戦争でもあったけれど、さらにいろんな思惑が絡んできて、だんだん浅ましさを増している気がする。

上大崎方では;

・和歌山県日高郡みなべ町産の備長炭
・徳島県名西郡(みょうざいぐん)神山町産のスダチ
・栃木県那須塩原市産の辛味大根の大根おろし

のご当地産品がお約束ごとになってきているらしい。

目黒方でも;

・大分県臼杵市産のカボス

が添えられるとか。

実は、目黒方の「目黒のさんま祭」(ああ、ややこしいわ)でも一昨年は冷凍サンマを使うことを余儀なくされたので、上記記事がそこに一切触れていないのは不自然に思える。今年も上大崎方同様、冷凍ものかと思っていたら、2日前の13日に気仙沼で水揚げがあって5千匹の生サンマを出せたそうです。

ついでに言うと、「大型船による通年操業」の件について何も書かれてないのも不思議。

企業城下町化による地域振興が常にリスク含みで捉えられる(cf. 2018.06.09【その213】・2018.06.11 「平成とともにパジェロ、去る(?)」)のに比べ、農林水産業や手工業などの伝統産業によるそれは安心感をもって受け止められやすいだろう。しかし、それも・・・。

もう、無理してやるのなんかやめりゃいいのに、古典落語の馬鹿噺に便乗した都会の祭りとか。資源枯渇が叫ばれてる時に無料で食わせたりするのってどうなのよ(試算すると、2つの祭り合計で1.5トン程度にはなる)。この7月も環境省が「土用の鰻はご予約を」つっただけで大炎上したじゃん。
結局のところ、「獲る漁業からつくる漁業へ」などと謳ってみても、水産業においては自然を手なずけて利用する度合いが農林業に比べ格段に低いということなのだろうなあ。

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