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2019年9月16日 (月)

似て非なるもの - ズワイガニ vs タラバガニ vs ケガニ:二杯目

(承前)

カニだけじゃないよねえ。例えば駿河湾の特産、サクラエビも不振を極めている。2018年の秋漁は全面休漁となり、2019年春漁は解禁されたものの漁果は振るわなかった。

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(2019.06.01 産経新聞 抜粋)

記録的な不漁が続く駿河湾で水揚げされるサクラエビ漁をめぐり、静岡県桜えび漁業組合は1日、当初の予定を5日前倒しし、今年の春漁を5月31日に打ち切ったと発表した。産卵エビが増加したことが理由で、資源保護を優先した。総水揚げ量は、春漁として記録が残る平成元年以降で最低となった昨春の312トンを大きく下回る85・3トンにとどまった。

〔後略〕
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ここも1994年から毎年5月3日に開催されている「由比桜えびまつり」が今年は中止(2014年も中止されており、好不漁の波が激しくなっている様子;cf. 2014.05.28「公募ガイダーのモチベーション:2」)。代わりにこの日は、静岡市清水商工会由比支所が中心となって新たに「由比いいもんまつり」を開いた由。

スルメイカもシラスウナギも記録的不漁が続く。

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(2019.02.19 日刊水産経済新聞 抜粋)

JF全漁連のまとめによると、昨年の全国のスルメイカの水揚げは生鮮、冷凍合わせて4万1697トンと全漁連の1984年以降の統計史上最低だった前年を23%も下回り、ワースト記録を更新した。平均単価は1%高のキロ567円と、不漁の“圧力”に抗しきれず、2年ぶりに上昇に転じた。
国内スルメイカ漁はこれで5年連続の前年割れ。各年の減少幅も大きく、2014年に14万トン超あった生産規模は、5年間で3分の1以下に縮小した。

〔後略〕
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(2019.03.22 株式会社ニューラル サステナビリティ研究所 サイト抜粋)

鹿児島県と宮崎県で3月19日までに、今漁期のニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)漁が終了した。

〔中略〕

鹿児島県では、2018年12月10日に漁を解禁し、3月10日に終了。許可採捕量1,869kgに対し、実績は136.2kg。前年同期比に比べ7.2kg増えたが、過去5年で見ると2番目に少ない。宮崎県でも3月19日に漁を終了し、許可採捕量500kgに対し実績は73kgで、統計開始した1994年度以降最低だった。うなぎ養殖漁の県別生産量は、1位鹿児島県、2位愛知県、3位宮崎県で、1位と2位の県ですでに深刻な不漁が確定した。他県では4月まで漁が続くが、高知県、静岡県、千葉県、茨城県、徳島県でも、今年は大幅な不漁になる見通し。

〔後略〕
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どうも1ヵ所記載ミスがあるようだけど。

「釘煮」で知られる春の味覚イカナゴ(半年近く夏眠する魚である)も各地で大不漁と報じられている。

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(2019.02.17 兵庫かわら版 抜粋)

〔前略〕

平成31年2月15日兵庫県水産技術センター(明石市)は、イカナゴの新子(稚魚)漁が、兵庫県内の瀬戸内海全域で不漁となる見込みと発表しました。
不漁の予報は3年連続です。
兵庫県のイカナゴ漁獲量は、平成14年頃までは1万5千トンから3万トン程度で大きく増減を繰り返していたのですが、平成15年以降は1万トン程度で推移。
一昨年、昨年は極端な不漁で、それぞれ852トン、1,621トンと、極端な不漁になっています。

〔後略〕
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(2019.03.12 みなと新聞)

伊勢湾と三河湾のイカナゴ(コウナゴ)について、愛知、三重両県の船びき網漁業者が11日、今期の漁を見合わせることを決めた。禁漁は4年連続。試験びきでイカナゴがほとんど水揚げされず、今年の操業もできないと判断した。
両県の水産試験場が1~2月、両湾で行った調査では、コウナゴがほとんど採取されなかった。3月9日に3地点で行った調査では、約20分間で2~48尾しか獲れなかったのを受け、漁業者は正式に漁を断念した。
両県では例年2月下旬~3月に漁が解禁し、4月まで食用、5月まで生餌用として水揚げされていた。しかし2016年に稚魚が激減し、初の禁漁となった。親魚の保護により資源の回復を図っているが、「湾口付近にある渥美外海に近年、暖水流が流入し、冷水で生息するイカナゴの親魚が増えない環境が続いている」(愛知県漁業生産研究所)。
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(2019.05.09 みなと新聞)

福島、宮城県のコウナゴ(イカナゴ稚魚)漁が過去に例がない不振に見舞われた。福島県下で5月上旬現在まで初漁がなく、このまま終漁を迎える見通し。一方、宮城県では序盤から漁模様が上向かないまま先月27日までに約26トンで終漁。両県ともに過去最低の生産となった。
福島県は例年、3月下旬から4月初めの間に解禁、初漁がある。しかし今年は、4月に入ってからも漁期前調査で満足な魚群が見えない状態が続いていた。相馬双葉漁協は「調査に出ても手のひら1杯程度しか入らなかったという報告がある」と説明する。他魚種の操業を行いながら様子を見ていたが、「魚は今も見えていない。例年なら5月初めごろまでの操業で、このまま終漁となりそう」(相馬双葉漁協)。
既に例年7月ごろからスタートするシラス試験操業に向けた準備を進めているという。関係者は「コウナゴがなかったため、今年は6月からでも操業できるような体制をとる。操業時期は今月中旬に行う会議で話し合う予定」としている。
宮城県は4月2日の初漁が前代未聞の水揚げゼロとなり、同9日に100キロを水揚げしてシーズンがスタート。しかし、その後も漁獲がまとまらないことに加え、小サイズ中心の組成が続いた。大不漁だった昨年の825トンから97%も減少。「これほど少なく、激減したのは初めて。過去最低の水揚量だ」とJFみやぎの担当者は話している。
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そのシラスだって不安定な状況が続いているわけだが。

そんな中で禁断の舵を切ったのはサンマ。

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(2019.03.07 時事通信 抜粋)

水産庁は7日、大型船によるサンマ漁の通年操業を認めることを決めた。これまで一定期間のみとしていたが不漁が続いているため、柔軟な操業ができるよう規制を緩和する。これを受け一部の漁業者は、5~7月ごろに日本の沖合や太平洋の公海で操業を始める見通しだ。

〔中略〕

サンマ漁は例年7月ごろから小規模漁業者から始まり、大型船の漁はサンマが日本近海にやってくる8~12月に限定してきた。しかし、近年は不漁が続き、大型船の漁業者が通年操業を認めるよう同庁などへの働き掛けを強めていた。
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となると思い出すのは、1992年から3年間全面禁漁とした秋田のハタハタ。資源回復の成功例だぐらいに考えてたら・・・。

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(2019.03.21 秋田魁新報 抜粋)

秋田県や県漁協でつくるハタハタ資源対策協議会は20日、秋田市土崎港のホテル大和で今季のハタハタ漁を総括する会合を開き、2018年漁期(18年9月~19年6月)の漁獲量は実質的に漁が終わった2月末現在で605トンと、漁獲枠(800トン)の76%だったと報告した。前年実績の481トンを26%上回ったものの小型魚が多く、漁獲金額は1995年の禁漁解禁以降最低の3億3820万円にとどまった。県水産振興センターは「日本海北部の資源量は増加傾向にない。漁獲を抑える方策が必要だ」と訴えた。

〔後略〕
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空恐ろしい数字が並ぶ。ご当地物産で地域興し、どころではない。

一方で、従来は南方の魚のリスクという認識だったシガテラ中毒も、昔から普及している食用魚での発生(イシガキダイやヒラマサでの報告例もある)が増えてくるのではないかという気がする(注意すれば防げるはずのアニサキスなんかより、なんぼか深刻な問題だと思う)。
もう、海の底は狂っているのだろうか。80年代頃から囁かれていたことかもしれないが。

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