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2019年10月 3日 (木)

YouTubeに対する徳島地裁の仮処分命令に思うこと

(承前)

「スラップ訴訟」の件を報じた1ヵ月前には、毎日は次の件も報じていた。

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(2019.08.27 毎日新聞)

発光ダイオード(LED)製造大手、日亜化学工業(徳島県阿南市)が、動画投稿サイト「ユーチューブ」に職場環境をおとしめる動画を掲載されたとして、米国のサイト運営会社に動画の削除を求めた訴訟で、徳島地裁がユーチューブ側に削除などを求める仮処分命令を出したことが27日、分かった。
日亜化学によると、命令は8日付。動画の削除に加え、発信者情報の開示も求めた。サイト運営会社は命令に応じる方針という。
訴状によると、昨年4月、元従業員を名乗る何者かが、テロップとナレーション付きで現場の衛生状態や、パワーハラスメントがあるなど、職場環境を中傷する動画を投稿した。
日亜化学は昨年6月に「事実ではない」として削除を依頼したが、ユーチューブ側は「名誉毀損に当たるか判断できなかった」として応じなかったという。このため10月に提訴し、仮処分も申し立てた。
日亜化学は「動画は事実に基づかない内容で、仮処分命令が出され、相手側にも理解いただいていることはありがたい」としている。【大坂和也】
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日亜化学と言えば、過去に社員だった中村修二(現 米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)が青色LEDの開発で2014年にノーベル物理学賞を受賞した後、中村と訴訟バトルを繰り広げたことでむしろ注目を浴びたとこですな。

ツルが注目するのは、『ユーチューブ側は「名誉毀損に当たるか判断できなかった」として応じなかった』という点。例の松戸ナンバープレートの件でniftyが取ったのと同様の態度です。

そりゃ、運営側が名誉毀損という民法上の賠償責任の有無、ないしは刑法上の名誉毀損罪の該否を判定することに及び腰になることは十分理解できる。何よりめんどくさいやね。判断は司法の手に委ねる、というのが従来の考え方では最も堅実なところだろう。

しかし、今後、こうしたケースは一層増えてくるはずで、この問題にはきちんと解決をつけるなり、社会のしくみを作っておくなりしないと混乱が大きくなると思います。
少なくとも、運営側の管理責任は増大していかざるを得ないだろう。どうあっても、事象とそれへの対応との一定程度の類型化をしなければならない時がやってくるのじゃないかと。その動きは日本からではなく、欧州からでもなく、米国から起こってくるものと思う。(権利の問題というより、公正/Fairnessの問題だから。)
如何。

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