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2019年10月 2日 (水)

「スラップ訴訟」の行方

このところ世間をアレコレとお騒がせの「NHKから国民を守る党」、通称「N国」絡みで、少し(^_-)。

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(2019.09.26 毎日新聞 抜粋)

〔前略〕

◇ライター「独裁国家に近づいていく」
「批判できないというのは民主主義において致命的で、このままみんなが黙ってしまうと独裁国家に近づいていく。ファシズムの初めだと思っている。議員2人の政党だけでなく、たとえば与党がやり始めると、本当にみんな何もしゃべれなくなる。今回の判決は、民主主義を守るうえで大事な判決だったのではないか」
24日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した「選挙ウオッチャーちだい」さん=本名・石渡智大さん(41)=は、記者団に訴えた。
ちだいさんは昨年6月、立川市議選に立候補し、当選した久保田 学氏について、「立川市に居住実態がほとんどない」とする記事を書き、久保田氏から「名誉毀損だ」などとして同11月に200万円の賠償請求訴訟を起こされた。久保田氏は今年5月に訴訟取り下げの意向を示したが、ちだいさんは同6月、「正当な表現活動を萎縮させる目的のもとになされたスラップ訴訟だ」などとして約120万円の賠償を求めて反訴した。

◇地裁「提訴は著しく相当性欠く」
千葉地裁松戸支部の判決は、久保田氏が東京都江戸川区平井のマンションで昨年3月に作成した動画で「平井を引き払って落ちたらどうすんの?住む場所なくなっちゃうじゃん」などと発言していたことや、立花党首が今年5月作成の動画で「この裁判は、そもそも勝ってお金をもらいにいく裁判じゃなくて、いわゆるスラップ訴訟。裁判をして相手に経済的ダメージを与えるための裁判の事をスラップ訴訟というんですよ」などと発言したことを認定した。
そのうえで、「原告は、被告が本件記述を真実と信じたことについて相当な理由があることを知りながら、あえて本訴を提起したもので、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものと認めざるをえない。よって、原告による本訴提起は、被告に対する不法行為を構成する」などと指摘。反訴したちだいさんの訴えを一部認め、久保田氏に78万5600円の支払いを命じた。

N国の立花党首は24日夜、判決について取材に「判決文を十分に見ていない。控訴してしっかり反論していく」とコメントした。一方、ちだいさん側の弁護士も「相手が控訴してくれば、こちらも控訴する」としている。

◇言論活動「萎縮」の懸念
専修大の内藤光博教授(憲法)によると、スラップ訴訟とは「政府、地方自治体、政党や大企業など、政治的・社会的・経済的に優位にある団体や集団、個人などが、反対意見や異議申し立てを行う市民、市民団体やジャーナリストなど力の弱い立場にある側を相手取り、言論活動を抑制することを目的に、名誉毀損訴訟など高額の賠償を請求する民事損害訴訟」をさす。恫喝訴訟とも言う。反対者や批判者、異議申立者の言論を封じることが目的なので、訴訟の勝敗は問題ではなく、敗訴しても、「訴えたこと」で目的が達成される。
スラップ訴訟は、被告側に敗訴した場合の損害賠償や裁判にかかる高額の費用、時間的拘束などを恐れさせ、反対意見や異議申し立てなどの言論活動を思いとどまらせる「萎縮効果」を与え、訴えられた被告だけでなく、被告以外の市民やジャーナリストなどの言論活動にも大きな萎縮効果を与えるという。
最近では、沖縄県宮古島市の市民6人が市を相手取り起こした住民訴訟をめぐり、「市が敗訴した市民6人を名誉毀損で訴えようとした事例はスラップ訴訟にあたるといえる」(内藤教授)としている。

◇識者は「画期的な判決」
内藤教授は「今回の訴訟は、裁判の勝敗が目的ではなく、自己に対する批判意見・反対意見に萎縮効果をもたらし、反対意見を封じ込めるために提起されたものといえ、明らかにスラップ(恫喝)訴訟といえる。本判決では、訴え自体の違法性を認めていることから、スラップ訴訟の問題性を念頭に置いたうえで、スラップ訴訟被害の救済を認めた画期的な判決と評価できる」とコメントする。
さらに、今後の課題として「市民や市民団体・ジャーナリズムなどを相手取るスラップ訴訟と見られる事案は、増加の一途をたどっている。アメリカでは、1980年代からスラップ訴訟に対する認識が高まり、いくつかの州では、スラップ訴訟被害防止法が制定されている。規制する法律が存在しない日本では、憲法が保障する表現の自由を守るために、具体的な事件における民事裁判の手続きの中で、スラップ訴訟を制約する法論理を組み立てることが急務といえる」と指摘している。【大場伸也/統合デジタル取材センター】
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東京都立川市の市議選に立候補する3ヵ月前の昨年3月まで東京都江戸川区平井に住んでいたことを暴いたわけ。

「スラップ訴訟」は英語で言うとSLAPP、Strategic Lawsuit Against Public Participation。むろん、「平手打ち」を意味する "slap" の連想を呼ぶネガティブなイメージの言葉だろう。

フリーライターの姿にどうしても自分を重ねてしまうし、憲法学者の言葉は示唆に富む。公募ウォッチャーのツル的には「政府、地方自治体、政党や大企業など」の例示の中に「大学」も入れてほしいところですなww。
ま、愚blogの場合は民事責任ではなく刑事責任をちらつかされたわけですが。

まあね、NHKとN国の間も似たところはあるのかもしれない。「優位」の点では微妙かもしれないけれども。
N国は本当に控訴するんだろうか。いやしくも、良識の府、参議院の議員先生が率いる公党の関係していることだから、するんだろうなあ。たとえその党首の不用意な発言が(イロイロ)あるとはいえ。

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