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2019年11月16日 (土)

【加筆編】校章と校歌に刻まれるもの(新十津川小学校)

(承前)

 

学校統合に伴う校章やら校歌やらの公募を調べていた時、こんなものにぶち当たった。

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(2018.11.26 新十津川小学校 学校だより ふるさと 第9号 抜粋)

過日、11月10日に開校10周年記念式典が行われました。多くのご来賓の皆様、保護者の皆様、そして地域の皆様にご来校をいただき心より感謝申し上げます。

【校長式辞より抜粋】
顧みますと、平成21年4月に新十津川小学校と花月小学校、大和小学校、吉野小学校が統合し、新生新十津川小学校が誕生しました。4校の百年以上の歴史と伝統が継承され現在の教育活動に至っています。改めて、これまで新十津川町の教育のためにご尽力された方々に衷心よりお礼を申し上げます。
統合時、新たな校章と校歌が制定されました。校章については、図案を公募し、東京都のグラフィックデザイナーである彦根 正氏のデザインに決定しました。新十津川のSの形をベースに「ピンネシリ岳」と「石狩川」「徳富川」の雄大な自然環境を配し、「小」の文字は町の花「ツツジ」を示し、子どもたちの限りない成長への願いを込めたものです。
校歌については、どのような言葉を校歌に入れたいか4校の児童に書いてもらい、統合推進委員会で編集し作詞をしました。それをシンガーソングライターである五十嵐浩晃氏に作曲していただいたのです。「ピンネ」「ふるさと」「文武の心」「徳富川」「輝く空」「未来の夢」など、ふるさと新十津川を愛する子どもたちの純新な心の声が伝わってくる詩です。
本日、五十嵐浩晃氏に校歌指導をしていただけることになっております。五十嵐様、本日はよろしくお願いします。

〔後略〕
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彦根自身の言葉を借りれば「よくもまあ10年以上前の事を掘り出していますね」である(爆)。
「徳富川」の読み方については後ほど。

北海道樺戸郡新十津川町
新十津川町立新十津川小学校
校章
彦根 正(東京都:グラフィックデザイナー)
Hikoneshintotsukawaelementaryschool Hikoneshintotsukawaelementaryschool2

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Shintotsukawaの[S]をベースに、[ピンネシリ岳]と[石狩川][徳富川]の雄大な自然環境を配し、また、[小]の文字は町の花[ツツジ]の色を示し、のびのびとした子どもたちの限りない成長への願いを込めました。
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そして、五十嵐浩晃!確か北海道出身だと思って調べてみたら、やはり美唄生まれ、苫小牧育ちの道産子です(1957.03.04~)。「愛は風まかせ」(1980.05.21リリース)でデビューし、明治チョコレートのCMに使われた「ペガサスの朝」(1980.11.01リリース)のヒットがありましたネ。どちらも作詞はちあき哲也、作曲は五十嵐浩晃。その後は知らなかったけど😓、還暦越えてまだ音楽活動やってたんだ!


校歌
作詞:新十津川町児童
   統合推進委員会
作曲:五十嵐浩晃


ピンネのやまを あおぎみて
とおきふるさと とつかわの
ぶんぶのこころ うけつぎて
はげまんわれら しんしょうの
かがやくそらに のぞみあれ


ははなるながれ とっぷがわ
あいするまちに ほこりもち
あすのじだいを ひらかんと
まなぶはわれら しんしょうの
みらいのゆめに ひかりあれ
ひかりあれ

ツルはなぜか福岡で1度ライブに行ったことがあって(多分高3だったことになる)、トークがすごくつまらなかった印象が強く残っている。歌声は確かに爽やかそのものだったんだけどねーー。

ご当地が奈良県吉野郡の十津川村にルーツを持ち、今なお十津川村を「母村」と呼んで130年にわたる交流が続いていることは前に書いた(cf. 2018.10.13「校章による統合新設校ペアリングの試み:7」)。「とおきふるさと とつかわの」の歌詞はそれを踏まえたもの。また、「ぶんぶのこころ うけつぎて」も、孝明天皇(明治天皇の一代前の天皇である)の勅により吉野の十津川郷士の村に開かれた塾「文武館」のことを引いているのだろう。いかにもアイヌ語らしい「徳富川」の読みもここで判明します。

冒頭に挙げた校長式辞は次のように締め括られている。

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〔前略〕

この校歌と校章に見守られながら、統合以来、歴代の教職員の真摯な教育実践とそれに応えた子どもたちの躍動した姿により本校の教育が充実・発展したものと考えます。
この十年の節目を契機に、これまで諸先輩が築かれた輝かしい伝統を継承し、さらには、新たな飛躍を目指して、全教職員が使命と自覚を新たに次世代の学校創りに全力を傾注する所存であります。
終わりになりますが、記念式典の開催にあたり、深いご理解とご支援・ご協力を賜りました町理事者、教育委員会、新十津川小学校PTAの皆様、並びに関係各位に深く感謝申し上げると共に本日ご臨席の皆様のご健勝とご多幸を祈念し式辞といたします。
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その「真摯な教育実践」がどのようなものであったか、「次世代の学校創り」はどのようなものとしていきたいのか、特色が少しも語られていないのが食い足りない。
それはご当地公募にさして価値を見出ださなかったガイダーのデザインについても同じことである。丸ブーとイニシャルと山と川と花だけで、人間の暮らし、それぞれの特色がよく表されるとは思わない。校章デザイン作法が何より優先するとは思わない。

敢えて言えば、そうした願いは、児童たちも参画したという校歌歌詞にいくらか込められていると言えようか。しかし、それを一枚の布に織り上げるのはまた別の話です。こちらの心に訴えかけてくるものがここにはない。

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