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2019年12月31日 (火)

【加筆編】むすんで、つないで:第四結節(24時間テレビTシャツ・フラワーメーカー)

(承前)

 

[正方形] + [正三角形]のみで構成された作品となると、2017年夏、次の商業イベントで華々しく用いられたものを挙げないわけにはいかないだろう。簡単にこれがル-ツだと決めつけることはできないけれど。

 

日本テレビ放送網株式会社
24時間テレビ40 愛は地球を救う
チャリTシャツ
野老朝雄(48歳:アーティスト)
Tokoro24hourtvtshirts

 

「告白 〜勇気を出して伝えよう〜」をテーマとした40回目の節目に用いられたもの。野老的には2016年4月に東京五輪エンブレムが採用されてから1年余り経ち、アレコレ刈り取りに入っとられた時期だと思われます?。
そうかあ。TOKOLO PATTERN MAGNETでも2019年の(再)発売の際「四角と三角のマグネットをつなげることで、ハートやお花などの形もつくれます」と謳われていたから、それをわかりやすく図式化したのがこれということになるのか。
でも。

 

ツルはテレビをこの数年見ないけど(そしてこの番組は数十年と見てないけど)、今でも「サライ」歌ったりしてんのかしら?マラソン誰が走るかで大騒ぎしてるのぐらいは知ってますがね。ほんまに「もうやめようよ」ですわ。「一杯のかけそば」的「涙のファシズム」はこれにも当てはまると思う(cf. 2014.12.13「海津市キャラ間もなく命名、だというのに。」)。

 

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(2017.06.15 日本テレビサイト 抜粋)

 

描かれているのは『花』
花は、世界共通でみんなを幸せにするモノ。そんな花を幾何学的な『野老ワールド』に。

 

デザインに使用されているのは、シンプルな[正三角形]と[正方形]。しかし、それをつなぎ合わせることでPOPで温かみのある[花]が生まれました。
さらに、その組み合わせを変えることで、様々な花に姿を変えます。
それは、「個性・多様性」の時代を表現するとともに、「1つ1つの力は小さくても、力を合わせれば、どんな花も咲かせることができる」というメッセージが込められています。
カラーバリエーションは、新色のネイビーとオレンジを含めた全5色。
同じ花でもTシャツの色によって様々な表情を見せてくれます。

 

野老朝雄さんコメント
『告白の種が花咲き、色づきますように。』
そんな想いを込めてこのチャリTシャツを作りました。
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個性と多様性の時代だあ?そんなこたぁ1970年代から言われてたぜ。(もっとも、その頃の「多様性」とは、“Variety” や “Versatility” であって “Diversity” とは呼ばれていなかったのではないかと思うが。)
そして野老本人は、このデザインについて「つなげる」「つながる」という言葉を使ってはいない。個人的見解ながら、野老は色無地の四角と三角をパズルのようにつなげていくこと自体にはさほど興味がないのではないかという気がする。大切なのは、その中に画かれた個々の唐草紋様(や菱形の中に表された四角形)が無限に執拗に連鎖して群れを成していくことの方だったろう。

 

もちろん、「いやいや、この企画を通じて世の中の人と人とがつながることで云々」てなことを言うのだろうけれど、日テレのプロデューサーあたりは。
でも、真実それは誰ともつながってはいないの。稀薄な人間関係の中でのsolitaireに過ぎない。言ってること、わかるか?デザインの一番のエッセンスを骨抜きにされている気がする。

 

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(2017.06.15 ORICON NEWS 抜粋)

 

シンプルな[正三角形]と[正方形]でできた[花]がビタミンカラーで彩られた『野老ワールド』が完成。
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いいや、単色より鮮やかだ、とは思わんぞ、野老ワールドの場合。

 

そして、イベント開催が近づくとこんなお遊びも「展開」された。

 

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(2017.08.16 Twitter 日テレ24時間テレビ アカウント)

 

あなただけの『花』がつくれる“フラワーメーカー”ができました。好きな色・形が選べます。バリエーションは100万種類以上!どんな『花』をつくろうかな。
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Tokoro24hourtvflowermaker

 

そして民草は踊ったわけ。

 

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Tokoro24hourtvflowermakerpink Tokoro24hourtvflowermakerpinkjony Tokoro24hourtvflowermakerpinktamachan

 

別に、百万種類の中からツルが気に入ったものというわけじゃなくて、ネットからランダムに選んだだけ。実際にはこの[花]のすぐ上に自分の名前が入れられるようになっていたけれども、省略します。

 

つまりは、「チャリTシャツの収益金はチャリティーになります」とSNSの24時間テレビアカウントに書かれていた趣旨もいつか置き去りにされていった形。BGMはやっぱりSMAPのあの歌ですかね、パーソナリティを務めた嵐ではなく。

 

これも「つながる」デザインの実践だったというの?でもそれってポピュリズム、あるいはスラックティビズムです(cf.【その211】)。

 

まあ、それぞれの花は同系色でまとめられていたようだから、それがせめてもの救いさっ。ツルは初め、用いられたのは5色だと思った。つまり、五輪カラーの青・黄・黒・緑・赤の五色から黒を抜いて紫を加えたもの、というより端的に言えば、一般受けのよかった五輪招致エンブレムのカラーリング。

 

【2013.10.22「Olympics & Expos その3」】
東京2020オリンピック・パラリンピック 招致エンブレム
島峰 藍
'20東京五輪招致エンブレム

 

だからやはり東京オリンピック/パラリンピックのことは意識の端に乗っけていたんだろうと。(ジャニーズおたくなら「いいえ、嵐の5人をイメージしてるんです」とかこつけるところだったろうが。)
しかしそうじゃなくって、ピンクを加えた(あるいは橙と赤なのだろうか?)6色遣いだったんですね。

 

となると、赤・橙・黄・緑・青・紫の六色の虹から成るRainbow FlagがLGBTの象徴である(因みに、これが1978年に考案された当初は虹の七色にピンクを加えた八色の旗だったとか)ことが思い出されてくる。
そういうことだったのかな?(大伏線)

 

さらによく見ると、基本パターンはそんなに多いわけじゃなさそう。TOKOLO PATTERN MAGNETや五輪エンブレムの菱形パズルとは違って各ピースのポジションは固定されており、自由に組み上げていくことはできなかったようです。つまり、型に嵌まっているわけ。
それぞれの花はどれも濃淡4色ずつの色無地となっている。つまりぬり絵と同じ、4色の。昔懐かしい「四色問題」(今じゃ証明が成立したので「四色定理」と呼ぶそうな)のことを思い出してしまいましたとさ。
・・・と思ってたけど、「白」を含めれば5色になるのか!!「白」あるいは「無色」を用いることによって全体のフォルム/輪郭の多様性が確保されているというのは大変興味深いことだが。

 

「フラワーメーカー」の話は、野老の友人という松川昌平が作成した、菱形パズルの組市松紋を用いたプログラム「ランダム・エンブレム・ジェネレーター」の件を思い起こさせる(cf. 2018.02.12「オリンピック/パラリンピックエンブレムの組市松紋のパズルを作ってみた(下段)」)。ひょっとしたら、これも松川の手になる代物だったりしたのですか?

 

野老はその松川とのトークセッションも行っている様子。当然、これも「東京五輪エンブレムの秘密を語る」な内容なわけ。

 

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(2019.09.27 日本オリンピック委員会サイト 抜粋)

 

日本オリンピックミュージアム(JOM)は10月6日(日)、東京2020大会のエンブレムをデザインした野老朝雄さんと、建築家の松川昌平さんをゲストにお迎えし、スペシャルトークショー「東京2020エンブレムに隠された法則とその魅力」を開催いたします。

 

「日本のオリンピック・ムーブメントの発信拠点」として9月14日に開館したJOMでは現在、グランドオープン企画展「日本のオリンピックを創る -東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会-」を開催中(12月25日まで)。今回は本企画展の関連イベント第1弾として、大会エンブレムをテーマにゲストのお2人からさまざまなお話を伺います。
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場所は国立競技場のすぐそば@新宿区代々木。前回書いた、野老が廣村正彰と一緒に出た「モリサワデザインフォーラム ~東京2020オリンピック・パラリンピックエンブレムとピクトグラムのデザイン ~」@千代田区のわずか4日後です。やっぱし超売れっ子ちゃんである。頭が高いっ。(定員50名ですがね^^;)

 

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■松川 昌平(まつかわ・しょうへい)
1974年生まれ。1998年東京理科大学工学部建築学科卒業。1999年000studio設立。2009~11年文化庁派遣芸術家在外研修員および客員研究員としてハーバード大学GSD在籍。2012年より慶應義塾大学SFC環境情報学部専任講師。建築の計算(不)可能性を探究。アルゴリズミック・デザインの研究、実践を行なう。共著に『設計の設計』INAX出版(2011年)。訳書に『アルゴリズミック・アーキテクチュア』彰国社(2010年)。
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というわけで、いささか中途半端ながら、今年もこれで書き納めです。いつまでダラダラ加筆してんだというところはおいといてだねえ(滝汗)。
2019年はツルにとっては激動の年でしたが、東京にやり残したことは(多分)ないし、高校卒業以来ほぼ40年ぶりの博多での生活にも少しずつ慣れ、新しい会社にも居場所を見つけてきているところ(苦笑)。そこはほれ、全国レベルでのいわゆるUJIターンの中でも福岡の人気は別格だそうですから。
梱包箱130個にも及んだ引越荷物の整理はぼちぼち。20年空き家にしといた実家の水廻り全般のリフォームやら、親の遺した三千冊の本の処分やらの方が超大変だけど、一方で庭仕事を思う存分にできるのが嬉しい、東京に戻る日時を気にしいしいではなく。

 

来る年にも沢山の幸いと喜びが皆様を待っていますように。

 

(続く)

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