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2019年12月14日 (土)

【加筆編】Liaisons Dangereuses entre Dessin et Politique: 第5(伊勢志摩サミット市民会議・大阪サミット(関西版))

(承前)

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2016年の伊勢志摩サミットでは、開催を支援するためとしてご当地独自のマークも作られた。しかも、県と市とで都合2つ。
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県民会議版のほか、会場となった賢島(かしこじま)のある志摩市ではこんなものが制定された。県民会議版よりさらに1ヵ月早く、2015年9月に発表されている。

三重県志摩市
伊勢志摩サミット市民会議
ロゴマーク
堀江 豊(広島県:グラフィックデザイナー)
2016horieiseshimasummitshimacity

また出たー、ガイダーならではのこの既視感!しかし厳密にはこれは伊勢志摩サミットのための公募デザインというわけではない。
以下、同市が刊行した「伊勢志摩サミット記念誌」より抜粋。

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政府のサミット公式ロゴマーク、県民会議のシンボルマークの制定時期が定まっていなかったこと、またマーク使用にあたり制限があったことから、市民会議では、志摩市誕生10周年を記念して平成25年度に制定した「志摩市シンボルマーク」を一部変更し、期間限定のサミットバージョンを作り、伊勢志摩サミットに関する市内における周知・啓発活動等に用いるシンボルマークとしました。
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三重県志摩市
シンボルマーク
堀江 豊
Horieshimacitysymbolmark

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志摩の[し]をモチーフに、豊かな自然環境と共生し、志摩の魅力を発信・PRするひろがり・[笑顔]を表し、志摩の目指す姿をイメージし、デザインしました。
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うまいこと、「10」をモチーフにしたデザインではなかったわけです(笑)。
書き込まれた「新しい里海のまち・志摩」は、「募集テーマ」として出された、いわば席題。これに沿ってシンボルマーク↑とキャッチフレーズ↓が募集された。

〔キャッチフレーズ〕
「未来を創る いのち輝く 志摩の海」
友久 健(神奈川県)

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豊かな海に恵まれた志摩市は「稼げる」、「学べる」、「遊べる」の新しい里海を目指し、そこから生まれる自然環境を保全しながら自然との共生を計り、かつ持続的に利用、活用して未来に向かって「いのち輝く」志摩市の活性化を推進させていく。作品は持続可能な、より豊かな未来へ向かって「新しい里海」に取り組む志摩市民の熱い想いを表現しました。
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つまりは「稼ごう」としたんかいっ(笑)。

そして今はこう落ち着いている。

三重県志摩市
志摩市ブランド推進協議会
ブランドマーク
堀江 豊
Horieshimacitybrandmark

〔ブランドメッセージ〕
「未来を創る いのち輝く 志摩の海」
友久 健

ottiee氏に倣って言えば;

・「上の文字列の円弧と下の文字列の円弧の中心を合わせないと気持ち悪くない?」

てなもんですな(大笑)。

ご当地ブランディングに使うのはまあ構わんさ。しかし、これを国際政治/外交イベント用のデザインにってのはどうなのよ???

考えてみれば、政府版のロゴは2015年9月25日まで募集がかけられており、この時期と言えば9月1日に佐野研二郎の五輪エンブレムが使用中止となったばかりの頃。政府関係者もピリついていたことと存じます。だから県民会議も市民会議も公募を回避したのかしらん。(そもそもその2団体が存在したことも奇妙な気がするが。)

しかし一番知りたいのはそんなところより、なぜこれらの団体が別途マークを必要としたかという点である。

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(2016.03.06 産経新聞 抜粋)

5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控え、開催をPRするロゴマークが複数存在していることに、開催地の三重県内を中心に戸惑いが広がっている。ロゴをめぐっては、政府版の決定より早く、三重県などのサミット三重県民会議が独自ロゴを作成。主会場の賢島を抱える同県志摩市もロゴを決めており、PRに役立てたい関係者らは「どれを使えばいいのか」と頭を悩ませている。

〔中略〕

3つのロゴが乱立する状況に、伊勢市の菓子製造業者は「後から政府のロゴが登場して、どれが良いのか分からない…」と困惑気味だが、「地元への貢献として県民会議のロゴを使っている」と話す。
こうした声に対し、県民会議事務局は「どれを使ってもらっても構わない。まだサミット開催の意義がすべての県民に浸透していないので、関心を持ってもらえれば」と説明している。
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いや、アンタの考えるべきところはそこじゃないから。

一体、2日間の政治イベントのために3種類のマークが必要だったのか、疑問に思う。万博や五輪やW杯などとは違い、サミットに一般人が関与できる度合いは限られているし、各国の政治家や官僚達は物見遊山にやって来るのではない。

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以上は2016年の伊勢志摩サミットの時のこと。しかし今年の大阪サミットでも、同様のことは起きた。


2019年G20大阪関西推進協力協議会
G20サミットロゴマーク(関西版)
2019ushigomeosakasummitkansai

政府版(公募は内閣官房が担当し、運用上の許認可等は外務省の管轄だった)の募集時には、注意事項として;


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※ 作品には、「G20」、開催年をあらわす「2019」、首脳会合開催地の大阪(OSAKA、Osaka)ではなく開催国をあらわす「JAPAN」又は「Japan」を必ず盛り込むこと
※ 大阪での首脳会合だけでなく、全国各地で開催される関係閣僚会合での使用も予定しているので、特定の地域を連想させるデザインを避け、幅広い地域で使用できるものにすること
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とあったのに、だ。そこがご当地としちゃご不満だったってことかいな。

(続く)

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