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2020年1月 3日 (金)

地方のチカラを引き出すために?

正月早々、次のニュースを興味深く読んだ。

 

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(2020.01.01 毎日新聞)

 

茨城県筑西市は1日、ふるさと納税の返礼品であるおせちセットの一部、357セットを昨年末までに寄付者に届けることができなかったと発表した。市内の受注業者「小野瀬水産」の生産が間に合わなかったためで、市は寄付金の返金や、別の返礼品の発送などの対応を検討している。

 

市企画課や同社によると、6種約2000セットを受注したが、357セットの生産が間に合わず、12月30日から31日の配達予定日に配達できなかった。31日午後以降、寄付者から「返礼品が届かない」と問い合わせが相次ぎ、問題が発覚したという。届かなかった返礼品は寄付額5万円と9万円で、3段重のグレードの高いものばかりだった。

 

同社のおせち受注数は全部で例年より約2〜3割増で、ふるさと納税向けの受注も昨年より4〜5倍も増えていた。同社の担当者は「例年通りの手順で生産可能と判断していたが、間に合わなかった。大手スーパーやネット注文のおせちなどで発送の遅れが出ている。年に1度の晴れの日に大変申し訳ないことをした」と釈明している。

 

同社のおせちは2016年度以降、返礼品として使用していたが、こうしたトラブルは初めて。市の担当者は「ご迷惑をおかけして申し訳ない」と話した。
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ひでえなあ。
ポイントは三つだろうか。

 

・なぜ、小野瀬水産は然るべき時点で対象者に連絡をしなかったのか

 

明るみに出たのは筑西市の方から小野瀬水産に連絡を取ったからであったという。しかも、『市が確認すると、1日に同社から「対応ができない」と、357セットの配送中止の連絡があった』(2020.01.02 読売新聞)とのことで、完全タイムアウトです。ビジネス上、あり得ない話で。
市にも監督責任は当然あろう。

 

・なぜ、受注が「昨年より4〜5倍も増えていた」のか

 

バズったわけですね。思いつくのはこのことで↓。

 

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(Wikipedia ふるさと納税 抜粋)

 

総務省は返礼品競争の是正のため、2017年春と2018年春に返礼品について寄付額の3割以下でかつ地場産品とするよう総務大臣名の通知を出した。この通知に強制力はなく2018年9月1日時点で寄付額の3割超の返礼品を送っている自治体は246市町村(13.8%)で、このうち174市町村が見直しの意向がないまたはその時期を未定とした。
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本件の場合、お高い方の「幸寿」の価格(税込3万円)は寄付金額の33%、「華琴」(はなこと:同 1万8,000円)は36%となる。因みに「幸寿」は国産伊勢海老や国産鮑煮を詰めたというのがウリだったようです。

なんかね、浅はかとしか言いようがない。納税者と受益者の歪み、地方と都会の歪みを増大させるだけのこの制度にはそもそも反対だが、(ついでに言うと、仕事柄、安易な株主優待にも株主総会土産にも賛成しかねるが、)例えば、高額返礼のため法改正によるふるさと納税の新制度から締め出されて国を提訴している大阪府泉佐野市と、過疎地ながら高齢者中心に「つまもの」の葉っぱビジネスに取り組んでいる徳島県勝浦郡上勝町(cf. 2017.08.14「丸ブー🌀艶競べ♥ [45]」)と、どちらが前向き、どちらが実業と言えるだろうか。因みに『2018年上勝町は「SDGs未来都市」に選定されました』由。(そりゃ、上勝町だって地ビールやらなんやらでふるさと納税を実施しているが。)

 

・本件で相当程度に落ちたご当地のReputationをどのようにすれば回復できるのか

 

これが一番難題だと思える。無論、「寄付金の返金や、別の返礼品の発送などの対応」のレベルの話ではない。もともと、ふるさと納税の実態は各Localityの発展を願ってというところからはかけ離れていて、一般に言われている効果やメリットは限定的だと考えているけれども、これで一旦不手際や不祥事が起きたら、そのダメージの方は大きいはず。乱暴に言えば全国に赤恥を晒したわけだから、小野瀬水産がというより筑西市が。話は「これで嫌な思いをした」357世帯にとどまらない。ピンチをチャンスに変える方策はあるだろうか。

 

よそから迂回する形で収入増をもたらすというのでは、単なるパイの食い合いで諸課題の解決策にはならないだろう。近視眼的な「ご当地」観念に頼ることは、長い目で見て危険ですらある。総務省が当初この制度を野放しにしたのは失策であったと思う。

 

ご当地塩キャラ「ちっくん」(cf.【その1】)も困惑気味です😜。

 

Afchickunsorry

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