【加筆編】むすんで、つないで:第十七結節(五千五十水玉紋様皿・LEAF TILE・PPP TOKOLO PATTERN TILE・野老紋様暖簾)
【前口上】
とうとう延期が決まっちゃいましたね、東京2020大会。それはそれでまたメディアが大騒ぎしている(株価は既に延期を織り込み済みのようだけど、怖いのはオーバーシュートとか首都封鎖とかのPandemic症候群の方ですね)。ツルが今聞きたいのは野老の延期に対するコメントです、トップアスリートたちではなく。そしてもう一つ、延期後もやっぱり真夏の東京で開催するの愚を犯すのか、そこだけね。
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(承前)
[有田×野老]展、展示品にもいろいろと顔なじみが。
五千五十水玉紋様皿(静図)
五千五十水玉紋様皿(動図)
早稲田大学でお会いしましたね。焼き物にすると飛び鉋のようにも見えてくる。
【第三結節】
LEAF TILE
これは「みかんぐみ」の手ぬぐいをパズルに仕立てたってところかな。
【第十結節】
と思っていたら、[有田×野老]展の時は「つる性植物の野老(ところ)の葉を文様化した」とされていたのだとか。ヤマノイモの葉っぱかよ!
前回取り上げたFRAMEFLAMEのブログには次のような記事も載っていて、少し驚かされた。
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(2012.10.18 抜粋)
FRAMEFLAME+TOKOLOCOM
10年前に企画展で制作・販売したトコロ紋Tシャツ。
野老朝雄が紋をつなげて紋様をつくり始めた初期の作品です。
〔中略〕
その後、みかんぐみとのコラボレーション企画のトコロ紋手ぬぐい。
そしてこの紋様が、フレイムフレイムでリングになりました!
〔後略〕
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このショップでは “Heart series” と銘打たれていた。
2019年の “LEAF TILE” は、2002年頃のTシャツの使い回しの手ぬぐいの使い回しの指環の使い回しだったんですね。著作権が留保されていれば、そして利害関係者が承諾していれば、何も問題はないのだろうけれど、ちょっとがっかり。
“LEAF TILE” は[有田×野老]展のワークショップに使われたものですが、その右手に見えているのはこれ。
PPP TOKOLO PATTERN TILE [Piecing Pieces Pattern]
これには兄弟分として、2019.09.20~11.24のこの展覧会@佐賀とほぼ同時期、2019.09.27~11.20に開かれていたイベント「NIHONBASHI MEGURU FES」@東京の一環として展示された作品がある(のれん展は09.27~11.04)
東京都中央区日本橋
NIHONBASHI MEGURU FES「めぐるのれん展」
野老紋様暖簾
日本橋界隈と言えば江戸の昔から三井のお膝元であり、現在もグループの中核企業が居並ぶ「三井村」として知られる(「三菱村」ならば丸の内である)。当然、三井不動産系のビルもひしめいており、そのうち「COREDO」はCOREDO日本橋(1999年閉店の東急百貨店日本橋店の跡地に建ったランドマーク。ツルは社会人になりたての頃、営業でこのデパートも担当してたんだけど、ぶっちゃけ、銀座~日本橋エリアのデパートの中では一等販売力が弱くて、いろいろ苦労したもんです)・COREDO室町1・2・3・COREDO室町テラスの各商業区画を総称した言い方。のれん展はCOREDO室町テラスの地下1階エントランスで行われた。
NIHONBASHI MEGURU FESの主催には東京都以下、『公益財団法人 東京都歴史文化財団』、『名橋「日本橋」保存会』(事務局のある日本橋の三越も三井グループで、その名も「三井」+「越後屋呉服店」から来ている)などいろいろな団体が名を連ねた。綴りが “Nihonbashi”(「修正ヘボン式」ということらしい)と、地下鉄の駅名表示等の “Nihombashi” とは異なるのは、中央区が「n」を正式な英語表記としているせいだろう。
COREDO室町テラスの入る日本橋室町三井タワーでは、秋のイベントに先立つ2019.06.05に、三井不動産が野老をスピーカーとしてトークイベント「個と群と律 ~紋と文様の話~」を開催していた(cf.【第三結節】)。NIHONBASHI MEGURU FESのサイトも同社が運営しているから、実質的にはそういうイベントだったんでしょう。
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“現代の唐草紋様”として長年制作を続けている、「野老紋/PPP TOKOLO PATTERN」はどの辺を合わせても紋様がつながります。江戸時代より五街道の起点として、人や文化が行き交ってきた日本橋。一種類の版を24個組み合わせることにより、一つの円から広がっていく波紋のような紋様を描きました。
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その「一種類の版」というのは、この↓中に含まれていたものである。
【第三結節】
神奈川県横浜市
BankART Life
黄金町バザール
幟
今さらながら気がついたけど、2008年10月にオープンしたこのビル↓のフロアデザインもそうだったんだ!
【2017.09.12「阿波より藍をこめて・野老より永遠に;凝縮」】
大阪市北区
ブリーゼタワー 地下通路床面デザイン
Piecing Pieces Passage
これまた10年以上前からあったわけです。その意味でも、どこまでもつながっていくパズルだったとは。
このパターン↓との異同を探ってみるのもまた一興かと。
【2017.09.11「阿波より藍をこめて・野老より永遠に;拡散」】
徳島県
組藍海波紋
〔2017年1月発表〕
(続く)
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