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2020年4月11日 (土)

【加筆編のおまけ】色に頼らない行き方とは何か(ミュンヘン五輪エンブレム)

(承前)

 

野老デザイン、奥が深くてツルはまだ到底消化し切れてないけれど。

 

前回ちょっと引用した2019.06.27開催のモリサワ文字文化フォーラムの参加レポート、なかなか興味深いです。主催した株式会社モリサワのサイトに出ているもの(以前【2019.10.23「正十二角形、描けますか?」】で抜粋した記事とは別ものです)。
文章作法がめちゃくちゃなのが著しく感興を殺ぎますが、それはおいといて。

 

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オリンピックエンブレムの外角に合わせた組み方は53万9968通り、パラリンピックエンブレムの外角に合わせたものでいえば335万7270通りになるという結果が数学者によって立証されている。驚くべきことに、中心のパーツを削らず、大中小全てを60個敷き詰めた形の組み合わせは237億7949万2214通りもあるのだとか。
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前半部分の情報は【2019.10.23「正十二角形、描けますか?」】で引用した中にも出ていたけれど、フルピースで作ると23,779,492,214パターンあるとは知らなかった。一生遊んで暮らせそう😅。

 

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並べ方でいえば、例えば丸を3つ重ねた三角形と4つ重ねた四角形を隣り合わせにし、それを軸として回転させながら同じパターンを並べていくと、結果として19個の円からなる12角形が出来上がる。決して理論上だけの話ではなく1円玉などを用いて誰でも再現することができ、特別な道具を用いなくても簡単に作ることができる。これは野老氏いわく「そうなってしまう」としか言いようのないもの、数学で言えば「定理」とも言えるものであり、これがいわば紋様を作る上の「律」となる。
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これ、ツルはすぐにはピンとこなかったけど;

 

【第二結節】
Tokolomusubiwhite Tokolomusubiindigo

 

 

【第十二結節】
Tokoro1000lightspattern

 

とを結びつけてみて初めて得心がいった。この風呂敷デザインに組み込まれている正三角形と正方形の各頂点を中心として円を描いていくと、17個の合同な円 ――正三角形や正方形の一辺の長さを直径とする―― が現れるという方法論ね(全体の中心にある一つをお忘れなく)。

 

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このエンブレムは時として「ランダムだ」「対称形ではない」と言われる事があるそうだ。しかし野老氏は「3回回転対称である」と言う。解説を聞けば聞くほど、このエンブレムに込められた「律」がはっきりと見えてくる。
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うんうん、すごく納得激しく同意。でもここの部分は平野敬子女史への皮肉ですかね。

 

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組市松紋のパターン化である「組市松紋様(英名:HARMONIZED CHEQUERED PATTERN)」は、野老氏が以前から行ってきた試みだ。パターンの組み方もエンブレム同様、ひとつのコンポーネントを増殖させていくことがベースとなっているが、この場合はエンブレムのようにある形に収めるのではなく、タイリング(タイルのように敷き詰めていくこと)の作業となる。その後、条件を設けて余分なパーツを削除したり付け足したりすることで、誰でも簡単にアニメーション的に動きを生み出す事が可能だという。
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組市松紋と組市松紋様との関係を明記したものは今まで見つけていなかったので、意を強くした。
「余分なパーツを削除」というところは既に実践されていて、オリンピック版の扇子や団扇がそうだったんですね。

 

【第十三結節】
Tokolotokyo2020olympicsensuflowerstorm

 

Tokolotokyo2020olympicuchiwawinddance

 

これらのパターン↑は、パラリンピック版↓からピースを外していったものなわけ。

 

Tokolotokyo2020paralympicsensuharmonized

 

Tokolotokyo2020paralympicuchiwamultiwave

 

「色」のことについても触れられている。

 

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1972年のミュンヘンオリンピックの時は黒一色のエンブレムが発表されたという。そこで野老氏は「黒以外で強いものを目指そうとした」ことにも言及した。ここで、2〜3ヶ月の間屋外にさらされたオリンピックのポスターの写真が映されたが、下部にあるオリンピックシンボルは、赤と黄の輪が色あせて見えなくなってしまっている。残されたのは緑と青と黒だが、青と緑はどちらがその色かは認識できないほど青みがかり、同系色に見える。対して上部のエンブレムははっきりと形が残されており、「藍色が強い」ということが確かに伝わってくる。藍色がもつ強さは、野老氏の中でアスリートの強靭な身体、鍛え上げられた筋肉のイメージと重なる。
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ああ、そういう話し方をしたのか!上述で引用したところでは;

 

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採用された「藍色」は日本の伝統色だ。色褪せしづらく防虫作用もあるとして古くから日本人に親しまれてきたこの色を、野老氏は「黒を除いた時に強い色」と語る。
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と低温度にさらりと書いてあるだけだったんだけど。
しかし、その半世紀近く前のエンブレムなんて、世界のどれほどの人が記憶にとどめているだろう。

 

ミュンヘンオリンピック
エンブレム
オトル・アイヒャー/Otl Aicher

Aicher1972municholympicsemblem

 

あー、全然記憶になかったけど、いかにも野老好みの意匠やねー。「光の冠/Strahlenkran」と呼ばれているそうな。2年ほど前に渋谷の東急HANDSで買った、小さい独楽みたいな隈 研吾のグッズにも似ているな(画像省略)。これで九曜紋とか作ったらキラキラしてるかも。

 

【2009.03.18「継継 家紋夜話」】

板倉巴(九曜巴)

Itakuratomoe

 

だったらというわけで、ついつい作ってみちゃいました、POWERPOINTとPAINTでちゃちゃっと。ミュンヘン五輪九曜紋😜。

 

Municholympicskuyo

 

・・・意外と面白くなかったかも・・・・・・💦💦。元が対称図形でないせいですかね。黒白反転させれば印象も変わるんかな。

 

実は全てのパーツは直線だけで構成されていて、曲線は一つも用いられていない!

 

組市松紋エンブレムが発表された当初、(佐野版エンブレムの時と同じように)地味で陰気だとか、カラフルな色遣いにすればずっとよくなるのにという声が割とあった。それは違うだろと強く感じたことを覚えているけど、モノトーンのアンモナイトのようなこの模様を野老が意識していたとは知りませんでした。

その後野老エンブレムの展開版は様々な彩りのものが出てきたけれど、やはりそこは妥協の産物ではなかったかと。

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