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2020年5月

2020年5月31日 (日)

与那国語消滅に抗するひと

世の中じゃ、2021年の東京五輪、コロナ影響で開催できなくなったらそのまま消滅させるなんて話がとうとうIOCのバッハ会長から飛び出して、東京(日本?世界?)の関係者は大騒ぎしてると思いますが、そんな面倒はしばし忘れて。

 

こんなLocality満点な話題を。

 

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(2020.05.13 Jタウンネット 地域の話題 抜粋)

 

「ハイムヌヤ ブールヌグラヌンキ ウヤシワリヨー」
これは、日本のある地域で使われている言葉だ。
食育のための標語として、通学路に掲げられていた。どんな意味かわかるだろうか?

 

20200513jtownnetyonagun

 

作者は現在大学生の東盛あいかさん。与中...与那国中学校(沖縄県八重山郡与那国町)在学時にこの標語を考えた。
使ったのは、祖父が使う地元・与那国島の方言「与那国語」(与那国方言)。標準語にすると意味は

 

「食べものは全部残さずにお召しあがりくださいね」

 

だという。

 

若い人にも「与那国語」を知ってもらいたい

 

〔中略〕

 

2020年5月8日、東盛さんがツイッターで自身が作った標語を投稿すると、

 

「イントネーションによっては北欧っぽい響きにも聞こえるかも」
「マレーシアかインドネシアの言葉みたい」
「ロシア語のカタカナ読みに見えたw」

 

など、外国の言葉に見えたという反応が。沖縄県や与那国島出身のユーザーからも

 

「県民だけどさっぱり分からない」
「島民でも分からぬ笑」

 

とコメントが寄せられていた。

 

文化庁のウェブサイトによると、与那国語は消滅の危機にある言葉で、ユネスコが2009年2月に発表した「Atlas of the World's Languages in Danger」(第3版)では、「Severely endangered」(重大な危険)と評価されている。
Jタウンネット編集部が11日、東盛さんに取材したところ、与那国語は島内でも60代以上の高年層が使う言葉で、「私達若者世代では少しの単語は分かっても、聞くこと話すことは困難です」とのことだ。

 

標語を考えたのは8年ほど前。当時、与那国中学校は食育に力を入れており、30人ほどの全校生徒に対して食育に関する標語を考える課題が出されていた。そこで東盛さんは、インパクトのある標語にするために与那国語で作ることを閃き、祖父と母に教えてもらいながら考えたという。
標語に使われている単語がそれぞれどんな意味なのか東盛さんに聞くと、こう解説してくれた。

 

「ハイムヌヤ=食べものは
ハイムヌは食べ物という意味です。日本語の食らい物(kuraimono)が変化したものです。

 

ブールヌグラヌンキ=全部残さずに
ブールが全部という意味で、ブルとも言ったりします。語源は日本語の(諸)に対応しています。
ヌグラヌンキは残さずにという意味。ヌグラヌンは残すの否定形。

 

ウヤシワリヨー=お召あがりくださいね

 

ウヤン=召し上がる

 

~ワルン=~(し)なさる
動詞の連用形に接続して<尊敬>を表す。
ウヤシワリでもいいんですけど、ヨーをいれると柔らかい響きになるんです」

 

標語を書くとき、東盛さんは「多分、同世代にはこの標語の看板を見ても分からないだろうな」と思っていた。それでも与那国語を使ったのは、若い世代が与那国語を知ってもらいたいと考えたから。

 

「これ見て誰か与那国語の分かる人に意味を聞いたら、私が母や祖父に聞いたみたいに、与那国語の継承にもつながると思いました」(東盛さん)

 

立て看板を見た観光客が、通りすがりの「島のおばぁ」に意味を聞き、教わったこともあるそうだ。

 

新型コロナの影響で大学に戻れず、島で過ごす日々
東盛さんは、与那国語辞典で調べたり、祖父や島の人、母や親戚に聞きながら与那国語を学んでいる。
標語を考えた中学生時代は、与那国語を話す祖父と、それに日本語で答える母の会話を聞いて耳に馴染みはあったが、今ほど理解はできていなかったという。それを今、詳しく説明できるのは熱心な勉強の成果だ。

 

「私は今、コロナの影響で大学を通ってる場所に帰れず、地元である与那国で祖父と2人暮らしをしています。
その間、改めて島の歴史や自然や生き物、地形、言葉を勉強しています。中学生まで島にいたのに、この歳になってもまだまだ知らない事はたくさんありました。それで最近は皆に与那国島の事を知って欲しくて島関連の事を多くツイートしています」

 

と東盛さん。与那国での生活を記録した映像も撮影し、公開している。映像では祖父が与那国語で東盛さんに話しかける場面もある。これも、東盛さんが与那国語を学んだからこそ実現したシーン。

 

「祖父は、昔は私に対して日本語ばかりでしたが、最近私が理解してると思って与那国語と日本語半々で話してきます。与那国語で話してる時に分からないと、聞き返せば日本語で教えてくれます」(東盛さん)

 

映像での二人の会話はあたたかく、やさしい響きだ。
孫が自分の言葉を学んでくれる、受け継いでくれる、というのはお祖父さんにとってどれだけ喜ばしいことだろう。消滅の危険があると言われている言葉ならばなおさらだ。
東盛さんのような若い世代の人々によって、与那国語が生きた言葉として継承されていくことを願わずにはいられない。
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Jタウンがこの記事につけた見出しは『島民でも分からない? 「与那国語」で書かれた食育標語が難解すぎてもはや呪文』で、もううんざり。「~すぎる」の濫用が許せんっ👊👊👊、ですね、スマホ界にまだまだ慣れとらんおっさんとしては。必要以上に感情を強調するなんてことは、団塊の世代の年寄りあたりにやらせとけ。

 

のっけから周辺事象。
やっぱり琉球語って、母音が弱勢に流れるんですねえ。

 

8年前の標語が今でも街角に掲げられてるとしたら、それはそれで誰も見向きもしないのどかな田舎っぽさ丸出しですが、それでも人が振り向くのは、それが「沖縄」「与那国」だからだろうとは思う。
島の言葉というのは、固有性が高くてその分しぶとく生き残るものかと思っていたら、今どきどこでもそんなことはなくて、多かれ少なかれendangeredだのthreatenedだのの状況のようです。人以前に言葉が消滅し文化が衰退していく。

 

日本最西端のこの島(東京から最も離れた島でもある:直線距離2,000km超;台湾までは111km)から大学行く子って、どのぐらいいるんだろう。
因みに人口は1,722人(2020.04.30現在)、平成後期の15年間ほど漸減傾向にあったのが、2016年になぜか転入がズドンと400人近くあり、その後はほぼステイの状態が続いている。一体何があったんだろう?
と思ったら、これだったか。

 

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(Wikipedia)

 

安全保障上重要な位置にあるため、2016年に陸上自衛隊の与那国駐屯地が開設されて沿岸監視隊が配備された。この配備により、自衛隊員とその家族250人が移り住んで、人口の15%近くを占めるようになり、島民の生活に変化が生じている。
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あー、そういうことでしたか。

 

ふと気になって調べてみると、愚blogで「与那国」の単語を使ったことって一度もないかと思ったら、二度ありました。これが三度目ね。

 

さらに調べてみると、東盛あいか嬢は町立与那国中学校から石垣島の沖縄県立八重山高等学校(郷土芸能部が有名なとこやな)に進み、その後なんとm(_ _)m京の都に攻め上って、京都芸術大学(*)の芸術学部映画学科俳優コースに在籍する現在3回生のようです。

Pandemicまで含めて、つくづく興味深い取り合わせだと思うなあ。がんばりんしゃい。

 

(*)2020.04.01に「京都造形芸術大学」から名称変更したばかりの私学。その際は京都市立芸術大学が不快の念を表明して話題になったっけ。
ツルが京都で学生してた頃はまだ4年制大学(1991開校)がなくて、「京都芸術短期大学」でした。まあぶっちゃけ専門学校的扱い。つまりは瓜生山ですよ、学校法人瓜生山学園。

 

それにしても、コロナ禍がこんなところにも影響を及ぼしているなんて、ですが、この作者にとっては、おそらく、(高校に入って?)一旦島を離れたからこそ、そしてまた一時帰島しておじいちゃんとの日々を過ごしているからこそ、子供の頃に閃きで作った懐かしい標語を見直してみる気になったのではないかと思う。何事も前向きに考えてみよう。ツルももう少し福岡全般のことを知ろう。

 

・・・福岡でコンビニのATMを使うと博多弁の音声で応答するところがあって(他のご当地でもそうだろうな)、そりゃまそれでうんざりする時もあるけど。

2020年5月30日 (土)

勝海麻衣活動再開の報に接して思うこと

cf.
2013.01.22「Pakuri Goes Round & Round...」
2014.11.08〜24「『@niftyからのご連絡』二発目」
2014.11.30「まるで狙ったかのように ―― 「忘れられる権利」」
2016.04.17「丸ブー🌀艶競べ♥ [16]」
2016.05.26「それでも忘れてあげない ―― 「忘れられる権利」」
2017.08.27~31「やっぱり出てきたか ―― 「忘れられる権利」vs「知る権利」」
2019.06.15~07.07「『@niftyよりご連絡いたします』 ①~⑩」

 

ここんとこ、通期決算発表やら株主総会準備やらでえらく忙しくしてたので(しかもコロナだしテレワークだし!株主総会ばかりは開かなくて中止でおっけ、というわけにはいかんからなあ、法律上、上場規則上)、あれこれ溜まってまして。やっと一息ついたところで、危険を冒してこのネタを取り上げます。
決して諦めない、ツル。

 

アノ元「美人すぎる銭湯絵師見習い兼現役大学院生(モデルもやってます)」につき、こんなことが報じられていた。

 

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(2020.04.02 日刊スポーツ)

 

盗作騒動で炎上した元銭湯絵師見習いでモデルとしても活動していた勝海麻衣さんが、過去の騒動をあらためて謝罪し、活動を再開する意向を示した。
勝海さんは2日、ツイッターを更新。手書きの声明文をアップし、「現在、私は特定の事務所には所属しておらず、大学院は休学しております」と近況を報告した。
続けて「昨年、作品制作にあたり既存作品を模倣してしまった件に関して、作家の方々、作家を応援支援されている方々、そして今まで私がお世話になっていた大切な方々、関係者の方々、本当に数えきれない方々を巻き込み傷つけてしまいました」と騒動に言及し、「自身が発端となっていたにもかかわらず、皆様の名誉を回復することが出来ませんでした。改めてお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と謝した。
「約1年間、今回のことを考えることのない日はありませんでした。反省、懴悔の毎日でしたが、自分という人間と向き合う時間でもあり、甘え、勉強不足、様々な事柄に対する真摯な姿勢の欠如を改めて実感しております」と反省。「今後は、ご指摘をいただいた著作・知的財産に関して知識を深め、作品制作、表現を再開しようと考えております」とし、「引き続きご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げます」と呼びかけた。
勝海さんは2019年3月に東京都内で開かれたライブアートイベントで描いた虎の絵が、イラストレーター猫将軍氏の作品に極めて似ていると指摘され、騒ぎとなった。勝海さんは当時、自身のツイッターで、猫将軍氏の作品の構図をそのまま無断使用したものと認めて謝罪。勝海さんが所属していた当時の事務所も謝罪声明を公式サイトで発表していた。
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たったの「約1年間」の「活動停止」で!まだ東京芸大の院やめてなかったんだ!そっちの方が驚きです。言い換えれば「文章の書けなさ」がモロに顕れてきた感じ、ツイパク問題もあったしな。
SNSには、静止画・動画ともに新作らしきものがアップされているが、「このぐらいの画力だとちょっと厳しいな」というのが率直な印象。そりゃ、ツルの百万倍もうまくてらっしゃるんですがね。
「反省」は内的問題であるから問わないとして、外的行為である(はずの)「懺悔」が何を意味しているのかは不明。今後「知識を深め」るだけで問題が解決していくのかというと、そのようには思えないけど。

 

しかし、そこの辺りを突っ込むより。

 

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(2020.04.03 週刊実話 抜粋)

 

〔前略〕

 

彼女の言葉に、ファンからは、
《復帰を信じて待ってました。これからも応援します》
《この日をどれだけ待ったことか! 応援していますので頑張って!》
《勝海ちゃんおかえりなさい。今後のご活躍を楽しみにしています》
などといったエールが送られている。

 

「勝海さんが今この時期にあらためて謝罪したのには、明確な意図があるでしょうね。勝海さんは盗作が発覚した当時、自身のSNSをすべて非公開にして逃亡。その後、ネット上では『シンガポールで写真家として活動している』というウワサがありましたが、実際、表立ったことは何もしていなかったようです。医者の家庭で育ち、お嬢様学校に通うなど、誰もがうらやむ人生を送りながら、パクリ作品を発表し続け、最後は“平成最後のパクリ女王”という不名誉な称号が与えられる始末。もはや芸術家として活動することは絶望的ですが、このあたりで今一度みそぎを果たし、表舞台に復帰したいと画策しているのでしょう」(ネットメディア編集者)
もっとも、彼女が何度謝罪をしようが、世間の目は冷ややかだ。何より、今は新型コロナウイルスの感染拡大防止に世界中が躍起になっている最中。むしろこの時期になぜあらためて謝罪文をツイートしようと考えたのか、間が悪いにもほどがあるだろう。

 

ネット上には、
《芸術家とは名乗らず、盗作模写専門家と名乗るならありなのかなと。あれだけのことをして同じ世界に戻れるとは思えない》
《世間はコロナで大騒ぎだから、しれっと復帰するにはちょうどいいと思ったのかな?》
《この盗作騒動は本当に悪質でタチが悪かった。復帰は勝手だが、こんな人間を誰も使わないでしょ》
《絵は真似る力があるだけ良いとして、ツイパクして注目を集めるのは、人としてダメだろう?》
《コロナ騒動に紛れての謝罪…。本気で反省なんてしていない》
などといった辛らつな声が続出している。
しばらくの間は外出を控え、活動を“自粛”した方が賢明だと思うのだが…。
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やっぱり、「ネット上の賛否」両論を書き抜いて、ちょちょいと記載を追加しただけ(ツルも似た手法を取っているからこそ実感するけど、アタクシの場合は「ちょちょいと」ではございませんことよ)。
結局、メディアもいいように「SNSの声」を利用しているじゃないか。「辛らつな声」と「誹謗中傷」は紙一重。例えば「石田純一コロナ感染問題」も同じでしょ。それが「木村 花テラハ問題」で、取り返しのつかない事態が生じたとなるとガラリと論調を変えるのはどういうことなのか。煽るだけ煽って、その後は素知らぬ顔で新たな正義のマスクをかぶる。

 

「コロナ騒動に紛れて」という批判については、ツルは全く同意しません。「この非常時にアートなんかやってるなんて」という意識が透けて見え、それは芸術全体に対する蔑視、冒瀆だと思う。従って、週刊実話の論調ひいては編集方針にも大きな疑問を感じる(この取り上げ方にはほとんど悪意を感じる)。

一方でツルは、あれだけあからさまにわかりやすい盗作騒ぎを起こした勝海は芸術の世界に二度と戻ってきてはいけないと考えるし(モデルやタレントとしての活動は敢えて問わない)、大学は「本学の品位と信用を失墜させた」という理由により退学させるべきだと考えるし、担当教官(東京藝術大学大学院美術研究科第8研究室(デザイン専攻描画・装飾研究室が改称したらしい)准教授)押元一敏は何を指導していたのか、勝海の復学後に何を指導していくのか知りたいと思う(なお、このところ毎年度末近くに行われていた同研究室在籍者による「O+展 オープラス」は、今年は開かれなかった)。しかし、それは批判的文脈ではあるにせよ、誹謗中傷では決してない。

 

つい最近も仕事の上で会社法上の「取締役の欠格事由」について議論する機会があって(別にツルの会社でそういう問題が起こったということじゃありませんよ)、簡単に言えばそれは「悪いことした奴と杜撰な奴は取締役になれません」という規定なので、大学や大学院の場合はどうなんだと思う次第。

一般論としては、盗作や剽窃や類似の判定に困難が伴うことは事実だろうし(知的財産権の世界の話としてはそこにも一定の基準はあるわけだけど、それはそのまま一般社会の認識として当てはめるにはユル過ぎるというのがツルの基本的考え)、それらとインスパイアやオマージュや二次創作といったものとの境界が本質的に引きにくいことも理解はするが、勝海のケースはそうしたレベルを遥かに超えていると断じる。(くどいけど付言すると、勝海サイドは「杜撰な奴でした」で本件の幕引きを図ろうとしているきらいがあるけれども、ツルはそのようには捉えないということです。)

「復活の機会を与えるべきではないか」という論については、前に「忘れられる権利」について書いた時からずっと考えてきていて、やはり無条件にこれを認めることには賛成できず、社会の秩序・安定を乱さないことをどうやって担保するのかという点をまず明らかにした上での話と考えますが、どうでしょう。個人の権利に対する制限をかける考え方であることは間違いないが。

 

結局のところ、創造活動における「倫理」の問題がどう扱われているのかそこのところがわからない、というところに帰結してしまいそうで、それも我ながらどうかなあとは思うけれども、そこから先に進めないのが門外漢の悲しさ。しかし少なくとも、検証の仕組みが明らかにされていないこと(いわゆる名門大学ほど「象牙の塔」の体質はいまだに残っていると思う)は改めていく必要がある、このままでは済まずその方向で世の中は進んでいくと考えます。

 

書いててだんだん、窮屈な社会になっていくんだなと思えてくるけどね。
人はそれを「社会の成熟」と呼ぶ。今回のようなリスクの発現(新型コロナウイルスの件はさておき)から何を学ぶか、学んだ成果を後世の我らに対して堂々と胸を張って言えるか、そういうことだろう。

 

(カッコ書き、多過ぎ?)

2020年5月27日 (水)

♣♦️緊急事態宣言解除記念企画♠♥【特別編】コロナ禍なんか吹き飛ばせ!PNまつり!! 第24弾!(K&H健康ランドキャラ)

(承前)

 

もう半年近く、塩キャラ塩ロゴのことを忘れてTOKOLOデザインにうつつを抜かしていたので、全国の塩キャラファンないしはアンチ塩キャラファンにおかれてはStay Homeに際しても張り合いのないことだったでせう(んなこたねえか)。いくらめっきり下火になったとは言え、まだまだ在庫はあるんです。
てなわけで、「日本モデル」で緊急事態を取り敢えず脱した今、脳天気にまいります。敢えて変化球から。

 

山梨県甲府市
株式会社クア・アンド・ホテル
クア・アンド・ホテル健康ランド キャラクター
(愛称未定)
MOMIJI
MomijikurandhotelcharaoriginalMomijikurandhotelcharafinal

 

うううむ、怪しい。久しぶりに見るとやっぱし好きになれん、こげん脳天気かとやら。ほっこりとかしまっせん。
民間企業の公募キャラです。同社の運営する健康ランドは、山梨県笛吹市(ふえふきし)の「石和(いさわ)」・長野県塩尻市の「信州」・静岡市清水区の「駿河」の3つあって、その共通キャラという位置づけ。
現在、次のように説明されている。

 

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お客様の笑顔と安全を見守る癒しの妖精♪
健康ランドの[お風呂のゆげ]から生まれた。
好きなものは
お風呂!
お客様の喜ぶ顔!
そして歌う!食べる!寝る!
早起きはちょっぴり苦手で
最近はお箸トレーニング中だとか。
天然でマイペースなのんびり屋さんだけど
お風呂のマナーはしっかり守ります!
頭の[ハート]は周りを明るく元気にしちゃうみたい。
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[桶]+[手拭い]+[温泉マーク]+[ナイフ&フォーク]+[八分音符]+[ハート]+[暖簾]+[ロゴマーク]を盛った[USA/Unidentified Small Animal]系、とてんこ盛りMethodはご当地キャラと同じ。お箸うまく使えないからナイフとフォークなんですねきっと。風呂入って飯食ってカラオケ、が売りなんでしょうが、つまりはお風呂の充実したビジネスホテルってとこらしい(「温泉」とは一言も言ってませんよ)。
ネット上、「信州健康ランドは温泉ではありません」という情報が見つかる。石和も「人工温泉」らしいです(石和温泉にあるのに、だぜ)。優良誤認せしめるものではないのか、なんてことはギャーギャー言わんけど、ただ、競合も多くてリピーター需要掴むのはなかなか大変だろうなとは思う。

 

でもとにかく塩キャラ判定、再びトライ。つまりはこのキャラクターが塩崎一族の作品か否か、「MOMIJI」が一族のPNなのか否かという問題です。今回とりわけハイレベルなのか、それともツルの鑑識眼が落ちたのか、難しいですねーーー、肯定否定それぞれ根拠があって。

 

①〔肯〕一族の旧作「にゃがのはら」、「なかのん」、「くだまる」との相似性が高いこと

 

【その179】
群馬県吾妻郡長野原町
マスコットキャラクター
にゃがのはら
福添歩美
〔2016年1月発表〕
にゃがのはら

 

【その224】
長野県中野市
環境保全シンボルキャラクター
なかのん
塩崎榮一
〔2018年12月発表〕
なかのん

 

【その223】
山口県下松市
下松市公式マスコットキャラクター
くだまる
福添歩美
〔2019年3月発表〕
くだまる

 

②〔肯〕PNが植物名(花の名)を用いていること、および女性作者を連想させるイメージのものであること(末尾参照)

 

③〔否〕塩キャラと見るには左右対称性が強過ぎること(ただしこの非対称性志向は最近弱まってきつつあるようである)

 

④〔否〕目にハイライトが用いられていないこと(ただし①の各作品に加え「しょさまる」の例がある)

 

【その178】
北海道苫前郡初山別村
イメージキャラクター
しょさまる
塩崎榮一
〔2016年8月決定〕
しょさまる

 

⑤〔否〕目の位置がわずかに高いこと

 

⑥〔否〕口の形が[W]型でないこと

 

⑦〔否〕頬の「🌀」は塩キャラにはあまり見られないこと(ただし古くは「にっちー」、「さんぞくん」、「ぎ~のくん」、「ふるっぴ~」、最近では「みそたろう」の例がある)

 

【その51】
宮崎県日南市
観光イメージキャラクター
(優秀賞)にっちー
塩崎まさよ
〔2011年8月発表〕
にっちー

 

【その36】
長野県松本市
松本商工会議所
松本山賊焼応援団
マスコットキャラクター
さんぞくん
塩崎あゆ美
〔2012年8月デザイン発表〕
さんぞくん

 

【その132】
沖縄県国頭郡宜野座村
マスコットキャラクター
ぎ~のくん
福添あゆみ
〔2012年10月発表〕
ぎ~のくん

 

【その133】
北海道古平郡古平町
古平町商工会
マスコットキャラクター
ふるっぴ~
塩崎歩美
〔2014年11月決定〕
ふるっぴ~

 

【その236】
愛知県知多郡武豊町
武豊町公式マスコットキャラクター
みそたろう
福添歩美
〔2019年4月発表〕
Afmisotaro

 

渦巻きの向きは全部同じ。

 

ツルの結論は、初めは否定説だったけど、今の判断で言うと肯定説かなあ。

 

昨年公募にかけられて、今年3月末にデザイン発表されたようですが、大変間の悪いことにこれが新型コロナウイルス感染拡大の最中で、愛称募集があえなく締め切り延長となっている。
当初は4月末まで募集される予定で、その後「4月8日からの自主休館に伴い、応募期間延長を検討しております。決定次第、改めてお知らせいたします。(4/7)」とされたんですが、さらにその後この状態は少なくとも連休明けまでほっぽらかされて、05.24に久しぶりに見てみたらようやく「4月8日からの自主休館に伴い、当初の4月末までの予定を期限延長し、6月末までとさせていただきます。」になっていた。施設自体の再開予定はまだ明らかにされていない。
なお、「公募ガイド」サイトには「健康ランドキャラクターの名前募集」として、「※この公募情報の応募は終了しました」と誤った情報が掲載されている。ま、当初の情報だけで機械的にやってるんでしょう。

 

さて、どうなることやら、いろいろ。

 

(優秀賞)
天野穂積
村瀬まゆみ

 

(プラチナ賞)
PonyTeam
はるねこ

 

(社長賞)
草野敬一

 

(石和健康ランド賞)
しらくらゆりこ

 

(信州健康ランド賞)
池田克也

 

(駿河健康ランド賞)
むぎ

 

(特別賞)
こみゆ
前田昌克

 

(敢闘賞)
山下良治
ヘポニカ
ハナ
TakeLoop
横井美香
なみの
ゆりゆりのゆり
さとうもぐも
巴(島根県:2点)
ひろりん(2点)
カッピィ
武川美裕
ちゃえ
武藤幸奈
田丸久美子
なににぬこ
檜山裕之
emirabi

 

(キッズ賞)
ウズ
高橋のの颯
高木ももは
草薙由紅
岡本結愛
岡本結翔
牛山柚空
浅井実紗

 

なんでこんなに入賞が多いんだよ😔。

 

はー、久しぶりにがっつり調べたら、疲れたわ。歳は取りたくないもんだで(そこだけは塩崎栄一や駒井 瞭、井口やすひさ辺りの執念に感じ入る、そこだけは)。温泉にでもつかりに行きたいもんじゃがのう。

 

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〔参考データ①:塩崎一族名義Index〕
愚blogで取り上げてきた、ツルが一族の名義と判断しているものを列挙すると次のとおりである。

 

塩崎栄一 / 榮一 / えいいち / エイイチ
塩崎歩美 / あゆみ / アユミ
塩崎まさよ / マサヨ

 

福添歩美 / あゆみ
福添ゆういち

 

塩崎栄一郎
塩崎ともよ

 

今井泉州
今井弘美/弘実
今井好美
小田切 卓
小野寺 卓
佐藤 修
佐藤健二
佐藤英子
佐藤秀子
佐藤優子
滝沢 卓
滝沢優子
長崎信次
長崎チヨ
房本勝幸
房本正美
山口 類

 

ざっと数えて20点余りに及びます。
他に、誤記かと見られるものの;

 

塩崎螢一
塩野栄一
塩田アユミ

 

の表記例もある。

 

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〔参考データ②:塩崎一族Pen Name Index〕
愚blogで取り上げてきた、ツルが一族のPNと見なしているものを列挙すると次のとおりである。(本Subseries登場順)

 

シナモン
ジャスミン(塩崎マサヨ)
こころ
HIMAWARI
カノン
ふきのとう
大阪府 月猫
LaLa
フォルム / 大阪府フォルム
パレット
マカロン(塩崎栄一)
オリオン
コスモス
一休(塩崎榮一)
大阪市 YAMATO
たんぽぽ
春さくら
さくさくら
マロン
かすていら
森田モアイ
神無月
KOUME
まりも
MOMIJI

 

まあ、ぶっちゃけ自信の持てないものも一、二ありますけどね。ほとんどが女性性を強調したネーミングで、そこに意図というか作為というか、不自然なものを感じてしまう。

2020年5月26日 (火)

アナタの番です!?

ツルもこのところテレワークに入っていて、めでたく6月1日(月)から通常出勤に戻るんですが、こげなニュースがネットに載っていて、笑った。禿同。

 

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(2020.05.25 Jタウンネット)

 

「いきなりフル勤務は...」 緊急事態宣言が早めに解除された福岡からのメッセージが笑えない

2020年5月25日、首都圏の1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除された。

 

首都圏よりひと足早く、福岡県では14日に緊急事態宣言は解除され、15日から外出自粛や休業要請などが緩和された。そんな福岡から、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。

「緊急事態宣言を早めに解除した福岡からのメッセージ」だという。

 

緊急事態宣言を早めに解除した福岡からのメッセージだ。

良く聞いてくれ。

・いきなりフル勤務辛い

・おひるねしたい

・オヤツの時間ほしい

・フル勤務辛い

・接客業の口の回らなさすごい

・喉の筋肉の衰えを感じる

・フル勤務マジ辛い

休み明けは時短にできるならしてあげて頼む。

- にわかはんぞー @17時に帰宅したい 2020年5月21日

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メッセージの中身は、「おひるねしたい」「オヤツの時間ほしい」などといった内容だ。「フル勤務辛い」が何度も登場しているのが笑える。何かと自由だった在宅ワークが終わり、本当に辛かったのだろうということが伝わってくる。

このツイートには約6万件の「いいね」が付けられ、今も拡散中だ。ツイッターにはさまざまな声が寄せられているが、その反応の一部を見てみよう。

 

「口が回らなくなってました」

まず接客業の人からは、こんな感想が届いている。

 

「接客業です。自分で何言ってるか分からないくらい口が回らなくなってました」

「口の回らない接客業してます。800円を『はっぱくえん』、館内着を『きゃんないぎ』と言ってしまって笑いが止まりません」

「時短で接客業してますが、このままでいいと正直思ってます。 もう直ぐ通常時間に戻りそうですが無駄に長い営業時間は要らないと感じました」

 

またこんな報告や意見もあった。

 

「溜まっていた出荷と入荷が一気に来て時短どころかいきなり残業の嵐になり、足の筋肉の衰えのため生まれたての小鹿状態になってる倉庫勤務です」

「確かにフル勤務は辛い〜 今週は慣れずにきつかったので、今日(金曜日)ズルっちゃったよ」

「接客じゃないけど会社まで行くのがめんどくさい せめて今後も在宅継続でがっらがらの通勤ロードに戻して」

 

在宅勤務、テレワークのリズムに慣れてきた人たちも多いようだ。なかには、「在宅勤務は、もはや基本的人権のはずでは」といったコメントまであった。

 

「緊急事態宣言を早めに解除した福岡からのメッセージ」を笑っている場合ではない。首都圏の1都3県と北海道の皆さん、今度はあなたの番だ。

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正確には「緊急事態宣言が解除された」のじゃなくて「緊急事態措置が解除された」のだと思いますが、そんな枝葉末節はほっといちゃる。

 

ほんとだよねえ。東京のラッシュアワーの電車とか、「3密こわい」を知ってしまった今では恐怖の対象でしかないんじゃなかろうか。

福岡市も実は道路渋滞の激しい土地で(特にツルの住まう南区)、それはツルが昔住んでた高校まで時代とほとんど変わってなかったというのが、昨秋約40年ぶりに戻ってきて驚きもしたし、ご当地の現状に対して一番不満でもあるところ。(好きなところは他にたくさんあるけど。博多っ子の博多好き度合いは他の都市に比べてもかなり高いと思う(要出典?))。公共交通手段のメインとなってるのが電車や地下鉄ではなく西鉄バスなんですよね。

 

テレワークなるものを実際初めて経験して、邪魔が入らず業務に集中できるという利点も実感してるし(今日は社長からいきなし電話が入ってきてびっくりしたけど)、自由に息抜きできることも事実だし(これ、精神衛生上大切。ツルは仕事の合間に庭に出てちょこっと草取りをする「15分除草」ルールば自主策定しました😜。1日2~3回励行しよります)、一方でメリハリがつきにくい、従ってWork Moreになりやすい(オフィスなら定時が来れば人がだんだん帰っていって、それじゃあ自分もってなるけど、在宅だとそこら辺が目に入らないし)、ちょっとした些細な情報共有が一番面倒でいちいち各位に電話かけまくらんといけん、などということも改めてわかりました。

 

生活上、ツルが一番イタかったのは、飲み屋がどっこもこっこも閉まってしもうたことですかねえ(実は呑み助)。髪を切るのも2ヵ月近く控えていたから自分史上最長のロン毛になってました。

 

アー、来週からまた会社行くのかあ💨💨。(緊急事態措置解除とテレワーク終了との間に2週間もズレがあるのは、ツルが巧妙に立ち回ったせいだと思し召せ。)

2020年5月24日 (日)

【加筆編】デザインとパロディの関係/批判と忖度の境界(NUMBER 1 SHIMBUN):下

(承前)

 

Pothecaryno1shimbuncover

 

ツルは別に、これを「露骨過ぎ」とまでは考えないし、しかし「秀逸なデザイン」とも全く思わない。二次制作であるにしても、どうにもやっつけ仕事に見えてしょうがないんですね、作品のクォリティとして。フォントを野老作品に合わせてあったりはするけれど。
そうした意味合いでは以下のどちらにも劣るだろう。

 

【2013.10.22「Olympics & Expos その4」】
パロディ2

 

パロディ3

 

そして、むしろこっちの方↓がCorona Versionとしてはふさわしいんじゃねえのと思ったぐらい。

 

Rhombicpuzzle13dartboard2kyotouniversity

 

東京五輪エンブレムが発表された1ヵ月後の2016.05.30、京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会工学のブログの「準周期タイリング」と題する記事の中に挙げられていたものです。専門用語ぎっしりで難しいぞー。ツルは書いてあることがほとんど理解できませんでしたが。
紙でざっと作ってざっと組んでいったものらしい。作ったところがところなだけに、ウイルス画像というより「なんちゃら物質の光学的構造/現象を撮影することに世界で初めて成功した画像」な感じ(適当)もいたします(笑)。

 

ちょっと驚いたのは、同ブログでは既にこの時点で十角形だの八角形だのの組市松紋アナログパズルまで作ってあったことで、前々回書いた「必ず正方形が出現するようにするには、正N角形のNは4の倍数」とか、「ピースの種類数は、{(N ÷ 2)- 1}をさらに2で割って(端数が出る場合はroundupして)得られる数」とかが正しい(らしい)ことも取り敢えず確認できました。

 

そしてだよ。
朝日はなぜ、この4月1日発行の「会員向けの月刊誌」の表紙のことを、コロナ感染の沈静化が多少なりとも見えてきた5月中旬になって記事にしたのか、そこが一番問題だと思う。外国人記者クラブは同業と言えば同業、ライバル関係と言えばそれもまた然り。そこを忖度する意識/無意識はなかったか。

 

記事の書きぶりも最近ありがちなSNS上の意見の単なる両論併記スタイルだし、作者のコメントもどっちつかずの大風呂敷。「東京五輪の開催延期と新型コロナを関連づけるのは妥当だ」と言っていながら、そして「コロナ五輪と揶揄される」恰好のネタを自ら提供しながら、「東京五輪が新型コロナと結びついて記憶されてしまうのは不幸だ」と言ってるんですね、この作者。ツルとしては、このデザインが「東京五輪と新型コロナを結びつける」以上の役割をどれだけ果たすものなのか、甚だ疑問に思うが。
ジャーナリストともあろう者が、その立ち位置のふわふわ加減を突っ込まんでどうする。結局は「ロンドンでわー」の「デワの守」の煙に巻かれてきただけじゃないのかなあ。「ロンドンもなー」という「ブゼンの守」な話を引き出すことはできなかったわけでしょ。
その一方で、専門家といってもタップリ感あるおじいちゃん2人が雁首揃えてコメントというのもねー。結局StereotypeあるいはDogmatismだと思うんだよね、この記事自体が。
こと芸術が絡むと、朝日ってつまらないよなあ。

2020年5月23日 (土)

【加筆編】デザインとパロディの関係/批判と忖度の境界(NUMBER 1 SHIMBUN):上

cf.
2016.05.06「野老案に目がテン!第4回」
2016.09.16~17「パロディの不在」
2018.08.16「デザインとパロディの関係 / 批判と悪意の境界」

 

やっと、長い長いTOKOLOネタを書き了えたと思った矢先の先週末の土曜日、こんな記事を見つけちゃった。

 

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(2020.05.16 朝日新聞)

 

日本外国特派員協会の会員向けの月刊誌「NUMBER1 SHIMBUN」の4月号の表紙が賛否を呼んでいる。東京オリンピック(五輪)の大会エンブレムを、新型コロナウイルスに見立てたデザインを掲載。ツイッターでは「露骨すぎ」「風刺が利いている」などの声が上がってる。

 

五輪エンブレム、コロナで風刺 デザイナーが語った意図
月刊誌は毎月1日に発行され、協会のウェブサイトでも全文を公開している。4月号は新型コロナの特集号だった。表紙のデザインは五輪のエンブレムに似た図柄で、新型コロナを意味する「COVID-19」の文字が記されている。
このデザインについて、ツイッターなどでは「オリンピック中止しろとの皮肉ですかね。露骨過ぎてセンスが良いとは思えません」と批判的な投稿がある一方、「秀逸なデザイン」との書き込みもあった。
表紙をデザインしたのは東京在住の英国人デザイナー、ポセケリ・アンドリューさん(58)。新型コロナに関する情報が日々変化するなか、「いま、何が起きているのか」をインパクトある形で描いたという。麻生太郎副総理の「呪われたオリンピック」発言や、五輪延期が発表された後に日本国内の感染者数が急増したことへの疑問にも着想を得たという。

 

「人々はギリギリまで予定通り五輪を行うことを望んでいたが、いよいよ延期は避けられず、五輪中止の可能性も現実味を帯びてきている。『コロナ五輪』と揶揄されるどころか、五輪が新型コロナの『被害者』となってしまうかもしれない可能性もある」と意図を話す。「風刺には、権力に対して真実を語る、という重要な役割がある」とも語った。

 

大会組織委員会は「大会エンブレムと新型コロナウイルスがあたかも関連しているようにデザインされ、遺憾」としている。組織委で働く男性は「コロナウイルスが終息する道筋も見えない中でまだ開催する気なのか?と問われているように思えた」と語る。

 

イラストレーターで風刺漫画家の山藤章二さん(83)は「パロディーは圧倒的に力をもった側が庶民のセンスとずれているときに使うと『快哉』ということになる」とした上で「ウイルスの問題は医療の崩壊といわれるようなシリアスな問題なので『痛快なパロディー』とはいい難い」と話す。

 

風刺漫画家の橋本 勝さん(78)は「世界中で大問題になっているコロナは描くべきテーマだが、人間の営みを自分たちで規制するしかないという側面もあり、描くのが難しい」と語る。(西村奈緒美、荒ちひろ)
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作者への「込めた思いやツイッター上の反応について」のインタビューも別途紹介されている。

 

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(2020.05.16 朝日新聞 抜粋)

 

〔前略〕

 

――デザインにはどのような意図があるのか。

 

このデザインは新型コロナウイルスが日本に与えた影響について表したものであり、そこには当然、東京五輪も含まれる。人々が抱く疑問を投影したもので、日本政府や開催都市を批判する意図はない。なぜなら私たちはまだ、最善の策について十分な知見を持ち得ておらず、政府や東京都を批判するには時期尚早と考えるからだ。
外国特派員の多くは政府を批判するよりも、読者の疑問に答えられるような情報や「真実」を提供しようとしている。このデザインが投げかけているのは「日本で今、何が起きているのか」「五輪延期の意思決定に新型コロナはどのような影響を与えたのか」ということだ。

 

――ツイッターには「露骨過ぎる」といった投稿もある。

 

その指摘はよく理解できる。しかし、暗喩として五輪延期と新型コロナを関連づけるのは妥当だと思う。私はこのデザインに五輪のエンブレムを使うべきか、時間をかけて考えた。エンブレムをデザインした野老朝雄さんには申し訳ない気持ちもあるが、デザイナーという立場で仕事をしている人であれば理解を示してくれるのではないか。

 

――一方、東京五輪と新型コロナを関連させて東京五輪を「コロナ五輪」と呼ぶ声もある。

 

五輪は巨大なイベントで、批評に耐えうる対象だ。例えば、私の出身国で開かれた2012年のロンドン五輪は大会前、多くの批判を受けていた。「大会組織委員会は権力を持ちすぎている」「ロンドンは五輪を必要としていない」など。しかし、終わってみると大会は成功したと受け入れられた。その意味で、東京五輪が新型コロナと結びついて記憶されてしまうとしたら、福島第一原発事故によって日本全土が放射能に汚染されたかのようにいうのは誤りであるように、それは不幸なことだと思う。もし中止になれば、「コロナ五輪」と揶揄されるどころか、コロナの「被害者」となってしまうかもしれない可能性もある。

 

――風刺にはどのような役割があるか

 

このデザインはまさしく風刺だが、表紙は一つのスナップショットであり、雑誌の内容を知らせるポスターの役割も持つ。表紙は端的に伝わるものであるべきだし、ある時には新聞の政治漫画のようでもあるべきだ。(聞き手・西村奈緒美、荒ちひろ)
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すごく後味が悪い。

 

件の表紙はこれです。

 

公益社団法人 日本外国特派員協会/Foreign Correspondents' Club of Japan
NUMBER 1 SHIMBUN
April 2020 Vol. 52 No. 4 表紙
Andrew Pothecary
Pothecaryno1shimbuncover

 

冊子版も400円でお求めになれるみたいだけど。

 

まず「ポセケリ・アンドリュー」の表記を不思議に思って調べてみると、やはり日本風の “last name first” のようです。日本ではそれで通してるんですかね。それとも。

 

ポ氏は2016年8月には「英国人デザイナーが教えるアルファベットのひみつ/Alphabet Secrets Revealed by a British Designer」なる書籍を出しており(いやマジで)、Amazonでは;

 

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「アルファベットの文字にはこんな意味があったのか!」
「英語圏人はどのような印象を持つのか?」など、A、B、C…の成り立ちや英語圏での使われ方がわかります。

 

本書は、日本やイギリスで活躍している英国人グラフィックデザイナーが、英語のアルファベットの一文字一文字について、それぞれの成り立ちや歴史、英語圏人が各文字に持っている印象、そしてデザインに用いるときのグラフィック的な意義などを解説していく内容の本です。

 

〔後略〕
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などと説明されている。邦題と英文タイトルがいささか異なるのが何だか胡散臭いけど。

 

あたしゃそんなの、Chris Van Allsburg(米国)の絵本 “The Z Was Zapped” (1987)で学びましたがね。26文字が遭遇する様々な災厄を鉛筆画で描いたという大人テイストのAlphabet Book。とにかく美しい本です。もちモノクロ。邦訳はさすがに出ていません。

 

Vanallsburgthezwaszapped

 

ポ氏については、上記著書の刊行当時;

 

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英国出身。日本在住歴13年のフリーランスグラフィックデザイナー。書籍、広告、エディトリアルデザインなど、印刷物のデザインを幅広く手がけている。雑誌『J@pan Inc』のために来日、英国に帰国後、『The Daily Telegraph』(デイリー・テレグラフ)/『The Sunday Telegraph』(サンデー・テレグラフ)に参加。商業部門のアートディレクターに就任し、4年間勤務する。2006年にフリーランスデザイナーとして再度来日、日本に移住する
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と紹介されていた。てことは今年で日本在住17年になるのか。

 

朝日の記事に戻ってと。
山藤のコメントには到底賛同し難い。
ついでに言えば、今般の件で医学界には重大な責任があると考えている。ツルは大学時代の3年目、さる病気で7ヵ月間余り大学病院に入院した経験があって(丸々1年休学しました。その最後の辺りで、別の病気で同じ病院に入院していた母親を亡くしました)、卒業直前にはまた別の病気で別の大学病院に2ヵ月ほど入院したこともあって(卒業試験は病院から受けに行ったっけ)、現場の医療者達の献身的努力については今でも鮮明に覚えているし、感謝している。
しかし、上記のことはそうしたレベルとは全く別の話。院内感染の問題(当時の関心の中心はMRSA/メチシリン耐性黄色ブドウ球菌/Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureusであって、Virusではなかったとは言え)は80年代の当時からあったのであって、やがては来るであろうPandemicのことも主治医のドクターとよく話していた記憶がある。学生だったから、怖い物知らずでそんな話題もばんばんぶつけることができたんです。
長い月日が流れ去ってPandemicが非常にわかりやすい形で現実化した今、この40年近くの間、医学界、特に疫学界は何をしていたのだと思うわけ(日本に限った話ではないが)。

 

山藤の考えは、現在の閉塞状況と同調圧力を端的に示すものに他ならないと思う。シリアスな状況だからネタにできないというのであれば、パロディや諷刺などというものの依って立つ場所はないじゃないか。山藤と言えば長く週刊朝日の似顔絵塾やら何やらの連載を続けたことで知られているけれども(嫌いでした。あの路線の「特徴をよく捉えた」的な有名人の似顔絵を目にすると、今でもうんざりする)、そんなのパロディストの在り方としてはどうなのかと思う次第。
橋本の言に至っては、だから何が言いたいのだと思うけれども、これらは結局、記事を書いた側の咀嚼不足によるのではないかと思えてくる。

 

(続く)

2020年5月17日 (日)

【加筆編】むすんで、つないで:最終結節(Rhombus Study / Rotonda)

(承前)

 

≪くゎっくゎっくゎっ、普通に終わるなどと思うたか、愚blogが。≫

 

ツル的原点に立ち戻り、もう一つだけ触れておこう。

 

Rhombus Study / Rotonda

Tokolorhombusstudyrotonda2008

 

詳細はわからないけれど、2014年6月、ミツバコウサクショという建築事務所がそのオープン記念としてオフィス内のギャラリースペースで開催した、「野老小個展(トコロココテン)/Small Solo Exhibiton of TOKOLO」なる企画展に出品されたもの。“Study” というからにはこれも習作扱いだったはず。作品クレジットに「2008」とあるから、2016年4月発表の東京五輪エンブレムの具体的ルーツはやはりその10年近く前からあったのだと言えそうです。

(東京都新宿区にあった約11畳分のこの小さなスペースは今から2年ほど前にクローズし、事務所そのものも遠く離れた兵庫県神戸市中央区に移転している。)

 

“Rhombus” は「菱形」で、 “Rotonda” もその系列のラテン語か何かかしらと思ったら違っていて、「円形またはそれに近い多角形で、(多くは)ドームを持つ部屋または建物」のことなんだそう。各ピースの形じゃなくて全体の多角形に着目したネーミングだったか。「円形建築」と訳されるらしいです。“round” に近いんかね。

 

一見して、これ↓に似とるなあとか思うでしょ。

 

【第五結節】
PAPER RHOMBUS PUZZLE
02. GOLD
Tokolopaperrhombuspuzzle02gold

 

ところが決定的に違うところがある。今まで見慣れてきた正十二角形ではなく、正十六角形でできてるんですよ!!!!それに伴って、と言えばいいんだろうか、構成する菱形ピースの種類も、五輪エンブレムやPAPER RHOMBUS PUZZLEの3種類より1つ多い。
これ↓と同じ「律」が働いているとすれば、周囲が十六角形なら4種類の菱形ピースが必要になることも頷けるなあ(適当なこと言ってますが💧)。

 

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【2018.02.06「オリンピック/パラリンピックエンブレムの組市松紋のパズルを作ってみた(上段)」抜粋】

 

3種類の藍色の長方形は、それぞれ、一つの時計の文字盤(正十二角形[小])の;

 

・12時-1時-6時-7時を結んだもの(長方形[小])
・12時-2時-6時-8時を結んだもの(長方形[中])
・12時-3時-6時-9時を結んだもの(長方形[大])

 

である。

 

3つの四角形

 

そして、それぞれの長方形の2本の対角線に平行な辺を持つように、外接する菱形[小]〜[大]を描けばよろしい。
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それがこうなっていると考えたわけだが。

 

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・内角が30°と150°の菱形[小]・・・24個
・内角が60°と120°の菱形[中]・・・24個
・内角が90°と90°の菱形[大]・・・12個
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的確ではなかったかもしれぬ。

 

厳密には;

 

・12時-1時-6時-7時を結んだもの:30° & 150°:12個
・12時-2時-6時-8時を結んだもの:60° & 120°:12個
・12時-3時-6時-9時を結んだもの:90° & 90°:12個
・12時-4時-6時-10時を結んだもの:120° & 60°:12個
・12時-5時-6時-11時を結んだもの:150° & 30°:12個

 

なのであって、組市松紋を構成する菱形ピース(またはその菱形に内接する長方形ピース)の60個というのは、内角(または対角線の交差角)が360° ÷ 12 = 30°ずつ変化する5パターン × 12個の総体ないしは合計、と捉える方が正鵠を射ていたかもしれない。いや、きっとそうだろう。「3種類」とばかり見ていては真実に近づけなかったわけだ!!

ああ、だから[大]の数は[小]や[中]の半分だったのか!(正確には、そのように見えていたのか、と言うべきだろうが。)

 

数式化すれば、N角形(取り敢えずNは偶数としておく)の菱形パズルの場合、菱形ピースの個数nは;

 

n = N ×{(N ÷ 2)- 1}

 

で求められる。
ピースの種類数は、{(N ÷ 2)- 1}をさらに2で割って(端数が出る場合はroundupして)得られる数、ということになる。
これが「律」、というものなのか?

 

以上のことは、十二角形の組市松紋で下記のピンク色を塗ったピースの並び順に目が止まったことから考えついた。

 

Tokorododecagonrhombusstructure

 

ああ、どこまでもきれい、cleanでneat。これで何度目だか知れないため息をまたつかされる。

 

これって、正十二角形の隣接する二辺の半分ずつを使って菱形を12個作って外周に接して敷き詰め、そこでできた内側に同様の菱形を12個敷き詰め、さらにその内側に接して菱形を12個敷き詰め・・・と配置していくと、中心は一番細身の菱形が12個並ぶ、という律でもあるんだね。

 

このパズル↓の柄の並びにちゃんと注目を払っていたら、もっと早く気がついたかもしれないものを。

 

【第五結節】
PAPER RHOMBUS PUZZLE
01. GRAY
Tokolopaperrhombuspuzzle01gray

 

いや、これ↓を見ていた時も何も思わなかったからなあ。ツル愚鈍。(でもこれには菱形の補助線が入っていたわけじゃないからね。)

 

【2019.10.14「東京オリンピックエンブレムに「120 °回転対称」の兄弟が!!!!」】
公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)
東京2020 NIPPONフェスティバル
マーク
東京2020 NIPPONフェスティバル

 

ということはだ。
16時まである正十六角形の時計を仮想してみた場合(それは即ち、1日を32時間に分ける、従って1時間を45分にする、あるいは1分を45秒にするということかもしれない)、こうなるはずである。

 

・16時-1時-8時-9時を結んだもの:22.5° & 157.5°:16個
・16時-2時-8時-10時を結んだもの:45° & 135°:16個
・16時-3時-8時-11時を結んだもの:67.5° & 112.5°:16個
・16時-4時-8時-12時を結んだもの:90° & 90°:16個
・16時-5時-8時-13時を結んだもの:112.5° & 67.5°:16個
・16時-6時-8時-14時を結んだもの:135° & 45°:16個
・16時-7時-8時-15時を結んだもの:157.5° & 22.5°:16個

 

今度は22.5°ずつ変化していくのだね。で、ピースの種類は(ダブりを控除すれば)4種類、個数は7パターン × 16個で112個。おぉーー。適当に書いてて実際に数えてみたわけではないので、お暇のある向きはお確かめ下さい。(ついでに言うと、上述の「種類数」のくだりで「小数点以下で端数が出ない」場合、つまり、N=14のように偶数だが4の倍数ではない場合にはどうなるか、および、N=7のような奇数の場合にはどう処理できるのかというところも未確認だけれど。)

 

ひょっとしたら、hexadecagonから習作を始めて、最終的にdodecagonにたどり着いたなんてことなのかもしれないな。

 

Tokolododecagonrhombusstudy

ここ(本人のスタジオらしい)には、同じデザインの十二角形バージョンが登場している。

 

2の4乗の16より、2の2乗 × 3の12の方がビジュアル表現の幅は広がるだろう(左右対称ではなく回転対称を前提とする奇数の「3」を味方に引き入れる意味は大きいと思う)。見方を変えれば、各内角が157.5°の十六角形パズルでは、同じく各内角が90°の正方形と60°の正三角形のピースだけで構成することはどうしても不可能なはず。TOKOLO紋的にはどうなのよ、それって。

 

そして一方、ストライプ柄の “Rotonda” はスクエア模様の組市松紋に姿を変えていった、とか。

 

オリンピックエンブレム 

 

まあ、世の中にゃ組市松紋ジェネレーターを作っちゃった猛者もいるわけだし、実際にN=1,000をパラリンピックエンブレムに応用したなんて画像もネットに出ていたぐらいだから、これらのことどもも調べ尽くされていて、今さら小手調べのうちにすら入らないだろうけれど。

 

・・・というところまで書き上げて念のため調べてみたら、上述の未確認ポイントに関連して、エンブレム発表後すぐ、多摩美術大学講師(当時)の山辺真幸氏がTwitter上でこんなことをつぶやいてました。

 

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(2016.05.03)

 

エンブレムのように必ず正方形が出現するようにするには、正N角形のNは4の倍数。
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あ、そっかそっか、そうなるのか。つまりはN角形の中心点から水平に直線を伸ばしたところ(普通の時計の3時と9時、16時間時計の4時と12時)に頂点が来てないと正方形は作れない、ということであるな。
やれやれ。自分が考えつくぐらいのことはほとんど世の中の誰かが既に考案済みだ、という好例。

2020年5月16日 (土)

【加筆編】むすんで、つないで:第二十三結節(佐賀大学講義ポスター)

(承前)

 

さて。

こうして見てくると、津軽の刺子、阿波の染物、有田の焼物、いずれも[藍色]で特徴づけられるところ(あるいは、[藍色]で特徴づけられたいご当地?)なんですね。他の色、特に臙脂色が用いられているのはなにがしか東京/中央からの発信という性格のあるもの。(そりゃ、塩竈の企画展ポスターの臙脂や信州上田の黒白の組六紋なんてのもあるし、かと思うとお江戸日本橋三井村の暖簾は藍色だけど。)

例えば。

 

2019.09.03
佐賀県西松浦郡有田町
国立大学法人 佐賀大学
有田キャンパス 特別講義
Tokolo2019sagaunivspeciallecture

 

同キャンパスは、このところ度々取り上げている[有田×野老]展(2019.09.20~11.24)が開催された佐賀県立九州陶磁文化館と同じ町内にあり、セラミック分野の教育・研究のために2017年4月に開設された新拠点。この企画展に合わせて講演と実習が持たれたものです。
でもちょっと呆気にとられた。

 

このデザイン自体は同展で立体作品として展示されているし;

 

【第十七結節】
五千五十水玉紋様皿(動図)
Tokolo5050dotsplatemotion

 

有田の磁器は白肌と紺青のコントラストが魅力の一つでもあろうからして、そこいらはわかるんだけれど、でもこのレクチャーの3年前の臙脂色のカラバリなんだもん。

 

【第三結節】
2016.11.23
早稲田大学
一般公開特別講義
野老朝雄「個・律・群 INDIVIDUAL AND GROUP」
Tokolo2016wasedaindividualandgroup

 

鏡像になってるところも違うけどね、一応。
紋様制作で千本ノックの時代を経たというのなら、まだ在庫もあったろうに😁。それに、将来志向的な観点から言えば、【第十五結節】で取り上げた「遠心図皿」は[有田×野老]展に先立ち2019年6月に野老がご当地を訪れて作ったものであり、時期的には佐賀大学分にも当然間に合ったわけで。

 

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(2019.06.28 西日本新聞 抜粋)

 

〔前略〕

 

今回の有田滞在中には、李荘窯業所で新作を試作。ろくろの遠心力と呉須の飛散を利用した絵付けを試みた。「単体の『個』とグループの『群』、ルールや制約を意味する『律』という思考を繰り返しながら、『つなぐ』『つながる』文様のための技法を作り出してみたい」と言う。

 

〔後略〕
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そういう考えがあったのならば、ご当地で手ずからものしたその新作を講義の告知にも使うことではだめだったのかね。

 

Tokolo2019aritaxtokoloexhibition

 

Tokolocentrifugalplate1 Tokolocentrifugalplate2

 

ダメだったんでしょうね、やっぱり。

 

このくらいで矛先を収めてと。
結局、これらはJapan Blue, TOKOLO Blueというよりご当地ごとのLocal Blueというべきもの。野老のワーディングを借りれば、“Individual” Blueということになるのかもしれない。その中での[有田×野老]展は、現時点での集大成だったろうと思う。ツルはその頃東京と各地で就活ばっかやってて、時間を惜しんで佐賀の有田まで行かなかったのが今さら悔やまれます。

 

そして全ては今年の夏、ここ↓に一旦集約される(ことになってた)わけだ、個から群へと、律をもって。

 

オリンピックエンブレム パラリンピックエンブレム

 

ならばここらで新潟とか金沢とか辺りのご当地でもう一発ぐらい花火を打ち上げとけば、日本全国津々浦々感が一層増しますよ、野老先生。残された時間はもうあまりないけど😜、なんて思っていたらコロナウイルス騒ぎでオリパラどころじゃなくなって、とうとう東京2020大会も蜃気楼のように遠のいちゃいました。緊急事態宣言、まさに色即是空、空即是色。この数日、ようやく収束に向かう兆しが見えてきたけど、ゴールはどこにあるのやら。
ここはもう、気持ちをすっぱり切り替えてひたすら前向きに、銭コの荒稼ぎがまだまだできるべえ、ぐらいに考えりゃいいんではないかと😔😔。
つまりは、「展開性」を一番実践・発揮していたのは野老朝雄本人なわけですから。決して間口の広い作風とは言えないのに。

 

もう一つ、野老は母校東京造形大学の50周年の際、インタビューに答えてこんなことを語っていた。

 

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(2016.10.24 デザイン情報サイト JDN 抜粋)

 

いまの自分と学生時代の自分がもし会ったとしたら、向こうは「何で平面やってるの?」とびっくりするんじゃないかな。それくらい違っている。だから今後も、自分が70歳くらいになって何をやっているかも正直わからない。ただ僕、卒業制作で学校の模型をつくったんですが、学校への思いはその時から変わらないです。作家としてもがんばりたいけど、いつかは学校をつくりたい。学校と言っても単位をあげたり教育するされるという場ではなくて、アリストテレスのスコラ学が生まれたような、頭がいいヤツがいるぞと人が集まるような場をつくるのが夢なんです。
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実は、あの最も頭がいいヤツが集まってる(という)スクールには既に;

 

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2020東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを考案した野老朝雄さんが講師を務める授業が教養学部にあります。授業名は「個と群-紋様デザイン」。1回4時間超の授業を5日間で行う集中講義で、1・2年生がアート制作の演習に取り組みます。
東大側の担当は、芸術創造連携研究機構に名を連ねる舘 知宏先生。
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てなもんがあるそうな。知りませんでした。【第十五結節の軋み】で取り上げた2017.10.16~22の「CONNECT」展に、東大大学院准教授の舘 知宏が参加したのがきっかけとなった由。

 

Tokolo2017exhibitionconnectflyer

 

俊英を集めたAcademiaを作りたいという野老の願いはとりあえず形を取り始めたわけだ。

 

東京五輪が終わったら(2021に?あるいはもっと後に??)、野老はもう、従来の場所へは戻ってこないのではなかろうか(銭コの問題を別にすれば)。だからといって、建築出身だからといって、野老が三次元テセレーションの世界に突入するともちょっと考えにくい、数学が苦手とか、定規とコンパスだけで云々とか言ってたので(Tessellationの説明はめんどくさいから省略)。百枚の遠心図皿の作品群を見るつけてもそう思えてならない。

 

Tokolocentrifugalplates

 

もちろん、平面にもやり残したことは多くあるのだろうけれど。

 

(完)

2020年5月10日 (日)

【加筆編】むすんで、つないで:第二十二結節(ENEOSグローブ企業広告)

(承前)

 

えー、本Subseriesの前回の〆に珍しく硬めなことを書いたので、いつもどおりのMicro的意地悪目線に戻って。

 

2019年元日から使われ始めたというこの会社の広告が、ですねえ。

 

東京都千代田区
ENEOSグローブ株式会社
広告デザイン
野老朝雄(アーティスト)
Tokoloeneosglobecorporatead1

 

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(2019.01.09 同社発表資料)

 

【広告デザインコンセプト】
当社は、「人とのつながり」を、さらに大切にしていきたいと考えています。インターネットやAIが普及し、人との接点が希薄になりつつある現代社会において、定期的なボンベ配送やガス機器の点検などで、お客様と直接ふれあうことが出来るのが、LPガスに携わる私たちです。今後さらに進む高齢化社会も他人事ではありません。LPガスを通して、様々なご家庭のかたとご挨拶したり、お話ししたりすることには、社会的に大きな意味があると考えます。このデザインは、「LPガスを通じて、人と人がつながる」社会を目指す姿勢を表しています。

 

【野老朝雄氏の思い】
今回の企業広告を制作するにあたり、以前訪れたことのある被災地で、たくさんのLPガスボンベを目にしたことを思い出しました。そして、LPガスの利便性や重要性を再認識したのです。人の手から手へ届けられるLPガスは、同時に人間の温かさも届けることができます。それは、被災地で不安な生活を送る方々にとって、どんなに貴重なことでしょう。今回のデザインは、ENEOSグローブの「人とのつながりを大切にしたい」というメッセージに共感し、[人(ひと)]を表す【HITOBITの紋】でどこまでも広がる、人のつながりをイメージして制作しました。年齢や考えを超えて、人と人がつながる、多様性のある世界を願っています。
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【HITOBITの紋】については、同社サイトでも『「人(ひと)」を表す紋』とわざわざ別途紹介されている。

 

Tokoloeneosglobecorporatead2

 

ENEOSグローブ株式会社/ENEOS GLOBE Corporationは、液化石油ガス/LPガス/Liquefied Petroleum Gas/LPGの元売企業(非上場)。

 

設立
2004.12.01

 

主要株主
JXTGエネルギー、三井物産、丸紅

 

資本金
1億円

 

総資産
103,428百万円(2019年3月期、以下同)

 

売上高
296,543百万円

 

営業利益
3,904百万円

 

経常利益
4,791百万円

 

純利益
4,260百万円

 

大企業です、資本金以外は。

 

しかしだよ。現在の世相↓に照らしてみると、このデザインが皮肉にも空恐ろしいモノに見えてきちゃう。

 

Avoid3cs_japanese

 

つまりはそういうことです。「つながる」ことはもはやどれもこれもクラスターね。

 

こんなのも思い出されてきて。

 

【2017.06.09「その公募の投票1位は正に盗作ではないのか」】
2025日本万国博覧会誘致委員会
2025日本万国博覧会 誘致シンボルマーク
投票候補①
2025大阪万博誘致シンボルマーク 投票候補①

 

候補3点を一般投票にかけて、最多得票を集めながら採用を逃した作品。投票3位にして優秀賞を得た彦根 正は、これを「素人の作品かと思いました」と評した。

 

震災復興とか人口減少とか気候変動とか、日本(と世界)が今後も長きにわたって抱えていく問題から人心を逸らす五輪や万博といったお祭り騒ぎの人寄せイベントなんぞより、生真面目なコンセプトだったはずだけど(「LPガス」を「郵便」に置き換えてJPの広告にも使えるね、なんてことは置いといて、だ)。2年目に入って、この会社は今後もこのデザインを使い続けるんだろうか。東京五輪エンブレムを作った偉いデザイナー先生の作品を。

 

おまけ。
ツルは昨秋福岡に戻ってきた時、実家の、つまり現在の自宅のガスをプロパンガス(*)のままにするか都市ガスに変えるか、だいぶ迷って結局は災害時のリスクを取って前者にしました。てことはそれだけコロナ感染のリスクもしょい込んだのかしら😆、あはは。
(*) 俗に言う「プロパンガス」は「LPガス」と同義語である。しかし厳密にはLPガスはプロパン/C3H8とブタン/C4H10の混合。家庭用ではプロパンの比率が高いことから「プロパンガス」の名で呼ばれてきた。一方「都市ガス」はメタン/CH4が主である。ここら辺、アナタも高校の化学の授業で習ったハズよ、ハズなのよ‼️
文系のくせに化学部に入っていたツルは、ここら辺のアルカンつまりメタン系炭化水素の名前を炭素数の増える順に「10人のインディアン」の歌に合わせて「♪メタン エタン プロパン ブタン、ペンタン ヘキサン ヘプタン オクタン、ノナン デカン ウンデカン ドデカン・・・」と歌って覚えたものであります。これだと「12人のアルカン」になっちゃうんだけどね。懐かしいなー。覚えてるもんだなあ。

 

(続く)

2020年5月 9日 (土)

【加筆編】閑散とした博多駅から(シャボン玉石けん110周年・シャボンちゃん)

テレワークとなってるツルですが、それでも時には実出社しないと仕事が回らない。(1週間に1回出社すれば、5営業日中1日出社ということで「8割削減」はクリアできるわな😜。)
で、そんな出社のために先日、すっかり寂れてしまった博多駅コンコースを歩いていた時のこと。サイネージの画面にこんなものが映し出されていて、ちょっとあっけにとられた。

 

福岡県北九州市若松区
シャボン玉石けん株式会社
創業110周年 ロゴマーク(?)
Shabondamasoap110thanniversary

 

え゙?!これ↓とコンセプト似過ぎやん!

 

【2014.03.09「野獣の花輪、増殖繁栄」】
大阪市東住吉区
サラヤ株式会社
Happy Elephant ブランドコンセプトマーク(?)
Happy Elephant

 

少なくとも、[ゾウ]、[ウミガメ]、[カエル]、[ハチ]、[生命の木]ぽいのはかぶっている(そういう問題じゃないか)。

 

こんなのもあったし↓。

 

【2014.02.28「野獣の花輪に護られて(1)」】
環境省
生物多様性条約第10回締約国会議/COP10
ロゴマーク&スローガン
〔2009年10月決定〕
CBD/COP10(和文)

 

サラヤのことでは次のように書いた。

 

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「ボルネオの生態系の頂点にいるゾウが幸せなら、生き物たちも幸せになる。」というコンセプトで;

 

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ボルネオにいきづく多種多様な生き物たちが楽しく暮らしている様子をシンボル化しています。生物多様性が続くことを目指して開発された「ハッピーエレファント」の願いがこめられています。
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と説明されている。

 

「ヤシノミ洗剤」で知られてきた同社が新ブランド「Happy Elephant」を立ち上げたのは2012年のこと。「持続可能なパーム油を原料とする」「石油系合成界面活性剤は不使用」「ボルネオ保全トラストへの寄付」などを謳っている。結構気合いが入ってます。
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片や、今年2月に110周年を迎えたというシャボン玉石けんの方はこうである↓。

 

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シャボン玉石けんの原料油脂であるパーム油やパーム核油は、熱帯雨林の直接的な破壊を防ぐため、農園拡大の抑制に努めるマレーシアから取り寄せています。マレーシアの農園では、持続可能なパーム油の生産に取り組んでおり、パーム残渣(パームの皮や種)を再利用してボイラー燃料などのエネルギーへリサイクルするなど環境にも配慮しています。弊社では、品質の維持や環境保全の視点を持って、定期的に現地のパーム農園・プラントの視察を行っています。
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念のため書いておくと、ボルネオ島は北部のマレーシア(サバ州・サラワク州)と小国ブルネイ、南部のインドネシア(カリマンタン)からなる。

 

〔追想〕
福岡県大牟田市に住んでいた小学生高学年の頃(1970年代半ばです)、先生から「北九州のこの会社は昔合成洗剤を作っていたのだけれど、社長がひどい湿疹に悩まされていて、国鉄から石けんの注文が入ったのをきっかけにそれを使ってみたら嘘のように湿疹が消えた、そこで一大決心をして合成洗剤製造をやめ石けんに切り替え・・・、社員もやめて大変な苦労をしているけれど・・・」云々と教わった記憶がある。
背景としては、三井三池炭鉱の町大牟田はツルが生まれた翌年の1963年11月に三川鉱で大爆発が起こり450名余りの死者を出した記憶がまだ生々しかったとか、クラスメートに犬猫病院のお嬢さんがいて、そこの病院が水俣病の原因解明の発端の一つとなった「狂い猫」の症例(漁師の家の飼い猫が、有機水銀が高濃度に蓄積された魚を食べていた結果、重篤な運動障害を起こしたもの)を報告していたとか、そんなことがあったと思う。
〔追想終わり〕

 

つまり、確かに企業カラーが極めて似通ってるんです、両社は(いずれも非上場)。クリーンなイメージでいかにも「Sustainable」とか「SDGs」とか「Slow Life」とかの流行り言葉が似合う感じ。

 

てことは、シャボン玉石けんの現社長(イケメンです、昭和風の)もサラヤのマークを知っていたはずだと思うんですがねえ。しかし、Business ModelやEthicsが似てるからといって、シンボル類やCIも似てていいのかっていうと、そこはもちろん別の話。企業戦略上も不利だと思う。

 

長いこと、企業のアニュアルレポート(今は「CSR報告書」「企業行動報告書」等と合体して「統合報告書」の方が主流になったと認識している)の環境活動パートといえばどこも「青空に映えるブナの木の新芽」だの「柔らかな土から萌え出たばかりの双葉」だのといったビジュアルばかりだった。それってイメージの貧困だろとデザイナーを恫喝して(笑)、全く傾向の違う剛直なものに仕上げたなんてことがあったっけ。
そういう表層的なの、もうみんな飽き飽きしててアナリストは誰も読んでくれないという危機感を持ったの。

 

因みに、「0」のところは「シャボンちゃん」というキャラクター(同社サイトでは「シンボルマーク」としても記載されている)で、1975年4月から使われているという45歳のベテラン赤ん坊です。

 

Shabonchan

 

赤い[リボン]がついてるから女の子ということらしい(結構仰天)。1975年と言えばツルは中1だったのか。このキャラクター、昔から嫌いだったんですよねえ。特に産毛が表してあるところと黒目だけなところがイヤで。「♪青いお空がほしいのね 飛ばしてごらん! シャボン玉♪」というCソングも大嫌い。ダイナミックレンジの狭~い、古臭~い女性ボーカルの音声がどうにも、で(この手のママさんコーラス風なのがすごく苦手)。このCM、福岡/九州ローカルなのかと思っていたら、どうやら全国区らしいですが😞。
ただ、次のエピソードも子供の頃から知っていた。

 

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(Wikipedia シャボン玉石けん 抜粋)

 

1970年代当時、北九州市では洞海湾は「死の海」空は「七色の空」と呼ばれるほどの公害に悩まされており、婦人会を中心に『青空がほしい』をスローガンに反公害運動を展開していた。「青空…」のフレーズは、そのスローガンに無公害せっけんを重ね合わせて着想されたものである。
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今考えると傲岸不遜だけれど、その頃、「北九州市は公害の街だけど、福岡市は公害があんまりなかもんね」という捉え方は一般的だったと思う、福岡市民の間では。だから今でも50代以上の年齢層はそこの固定観念から抜け切れていないような気がします(多分、それは全国的にも)。

 

東京ではない「地方」で堅実な企業、きちんとした会社、と言われているところこそ、実はこういう「守り」の部分がなおざりにされやすいのではないかと気づき始めている今日この頃。知識や情報に乏しいということはもちろんあるのでしょうが、どうしても殿様気質が抜けないというところに問題の本質があるような気がしている。

 

事のついでにぶった斬っておくと。

 

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(同社サイト)

 

直営店のご案内

 

シャボン玉石けん本社
シャボン玉石けん本社の受付にて商品をご購入いただけます。通信販売限定の商品やグッズもご購入可能です。
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そんなもの、「直営店」とは言わんでしょうよ(他には直営店はなし)。そのビジネスセンスの悪さ。

2020年5月 5日 (火)

断密の街、博多から(壇蜜さんごめんなさい)

世の中このところ例の「3密」を断つ以外ナニもすることがないんじゃないかという勢い。既に5月にして今年の流行語大賞は「3密」に決まりじゃないとかいな。「新型コロナウイルス」は、流行語大賞ではなく流行病大賞ネ。
西鉄バスで博多駅に出てJRに乗って通勤してたツルもハイリスクグループだってことで早々にテレワークになりました。在宅勤務、最高。朝寝できるけん(これこれ)。

 

テレビは飽きるほどコロナコロナの大合唱だし、壇蜜さんもがんばってます。

 

Danmitsuavoid3cs

 

04.08頃から拡散しているファン画像だとか。平常時だったらこっち↓の方がフツウだとあたきゃ思うがね。

 

Danmitsuavoid3csfake

 

なんとなく80年代篠山紀信風にレイアウトもちょちょいといじってみました。三密、断密。(気が向いたらもう一度ぐらい手を入れるかも。)

 

とは言え、緊急事態宣言の最初の対象地域となった7都府県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府・兵庫県・福岡県;これが世に名高い「当初7州」である)に愛知や京都を差し置いて選ばれてしまった福岡では断三どころではないという話で。(因みに、その後対象地域が全国になってからの特定警戒都道府県は、北海道・茨城県・石川県・岐阜県・愛知県・京都府を加えた13地域、歴史上これを「特定13州」という。)

 

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厚労省は初めは「3密」の言葉を使っていなかったんですね。それがすぐにこうなった。

 

Avoid3cs_japanese Avoid3cs_english Avoid3cs_chinese

 

これ、うちの会社のエレベーターにも貼り出してあります(日本語版だけだけど)。「エレベーターの中は3密です!」の自作ポスターと並べて。やれやれ┓( ̄∇ ̄;)┏。
英語じゃ “Three Cs” なんですねえ、3密。まあ、そもそも現時点で外国語版なんて要るのかよという問題はあるとしてだ(笑)。博多駅も去年のクリスマス頃はわんさか中国系観光客とかがいて、イルミネーションを撮りまくってたのが嘘のよう。今やデパートも全てのショッピング街もレストラン街も飲み屋街もクローズしてて、火の消えたような寂れ方とはまさにこのこと。コンコースで開いているのといったらみどりの窓口と土産物のKIOSKの一部と臨時に弁当だけワゴン売りに来てるどこぞの店舗ぐらい。まあ、そこは東京だって大阪だって名古屋だっておんなじことでしょう。

 

「当初7州」の福岡県でも同趣旨のチラシを作ったようなんですが(実際に印刷をかけたかどうかは知らない。現状に鑑みて、web上で発信/拡散した方が効果的かも)、よく見るとこれがこれもんでくさ。

 

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2020.04.02に発表されたもの(らしい)。『1つでも「密」にあてはまるような場所は避けてください』となっていて、厚労省が『イベントや集会で3つの「密」が重ならないよう工夫しましょう』→『日頃の生活の中で3つの「密」が重ならないよう工夫しましょう』と推移しているのより厳しい。福岡県民のどれだけがこれをきちんと理解しているだろう。

 

『不要不急の、関東圏・関西圏への移動や、海外渡航は控えてください』という表現にも結構ピリッときます。「大都会や海外行って病気もらって帰ってくるな」という発想がほの見える。福岡県は当初から九州・山口(特に福岡県人はこの言葉がお好き;微伏線)の中では突出して感染者数が多いのは事実だから、自県が周辺県に感染を蔓延させるリスクも考慮せにゃいかんやろうもん。「回りにウイルスまき散らしてくるな」になぜ考えを巡らさなかったのか、形に顕さなかったのか。

 

程なくしてこのチラシからは期限の記載が消されたようです。

 

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詳細は今となっては不明だけど、冒頭のハコ書きの不自然なレイアウトと、『※』を削除しそびれているところからして、こちらの方が後に作成されたのだと思う。

 

さらには、04.07に国から緊急事態宣言が発令された前後と思うけど、「週末の」の言葉が外された。

 

Avoid3cs_fukuokacityto0419

 

つまりは諸外国と同じ。「コロナと向き合う日常」にほんとになっちゃったわけです。

 

05.06までが忍の一字の我慢と辛抱、ということになったのに合わせたバージョンも作られた。

 

Avoid3cs_kitakyushucityto0506

 

しかしこちらは「3密回避」でいいことになってるので、そこは福岡市と北九州市で方針が違うのかもしれない。
でも相変わらず『関東圏・関西圏への移動や、海外渡航は控えてください』は残っているなあ。九州ロゴマーク(愚blog未収録!)なるものまで作って「九州はひとつ」というんなら(山口は遂にオミットされるのだな?な?)、「県境を跨ぐ移動は控えろ」ぐらいの手当てはしとくべきやろ。井の中の蛙、視点の狭さ。
「イベントや集会など」の例示も変わっていなくて、厚労省バージョンと乖離が生じている。ここは住民の意識づけにも影響を及ぼすところだから、直さなきゃダメだと思いますよ。「イベントや集会に限らず」でなきゃいけないということでしょ、この事態は。

 

そして結局これでは流行を抑え込めず、05.31まで「宣言」が継続することが昨日政府から発表された。「自粛」「休業」以外他にやれることがほとんど何もなくて、これだけで今月一杯でほんとに収拾がつくのか、また再延長がかかるのではないか、経済的に困窮を深めていくだけなのではないかと社会は疑心暗鬼ですよね。自分のしていることに確信が持てない状況に、人間はどこまで耐えられるか。

 

♪僕の我慢が いつか実を結び
 果てない波が ちゃんと
 止まりますように
  (「ハナミズキ」一青窈 2004.02.11リリース:作詞 一青窈:作曲 マシコタツロウ:編曲 武部聡志)

 

この状況が百年続いたら困るけど。「※5月31日まで」と書き直せば済むという問題ではもちろんない。

 

それにしても焼鳥屋で一杯とか、また早くしたいなー。

2020年5月 3日 (日)

【加筆編】むすんで、つないで:第二十一結節(「サッカーボール」みたいなの。)

(承前)

 

TOTOやLIXILの発行物を見ていて、こういうカタログ的なもの(?)がなにがしか商業ベースで出てくるということからしても、やはり今までのTOKOLO Style的なものはそろそろ終焉に近づいているのではないかと思う(逆説的ですが)。あとはこれぐらいですかね。

 

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(2016.04.25 産経新聞)

 

少数激戦の最終候補4作品の中から、2020年東京五輪・パラリンピックの新エンブレムに選ばれたのは、市松模様を配した「組市松紋」だった。デザインした東京都在住のアーティスト、野老(ところ)朝雄さん(46)は、日本の伝統色である藍色で「粋な日本らしさ」を表現。「潔い表現ができればと思った」と狙いを語った。

江戸時代に「市松模様」として広まったチェッカーデザイン。野老さんは形の異なる3種類の四角形を組み合わせ、国や文化、思想などの違いを表現した。

五輪とパラリンピックの両エンブレムとも45個の四角形で構成される。野老さんは「同じピースを使うことにこだわった。それが平等の精神、大会の精神とも合うのではないかと思った」と語る。

東京造形大学デザイン学科(建築専攻)卒業。建築家で美術家の江頭 慎氏に師事し、定規やコンパスを使って描ける単純な図形の組み合わせで、平面や立体のアート作品を制作する活動を展開してきた。

作品を藍一色で表現したことについては「(日本伝統の)漆と金箔のような潔い表現ができればいいと思った」と語り、「大会が開かれるのが、夏なので涼しげなものにできればと思った」とも。エンブレムを立体的に表現し、サッカーボールに貼り付けるなどの展開も考えているという。

応募の原点となったのは幼少期の体験だ。「子供のころから五輪にあこがれがあった。幼稚園で金メダルを作ったとき、もっとかっこいいのを作りたい、と。ぼくはアスリートにはなれないけれど、関われるならデザインだと思った」と笑った。

作品Aと呼ばれた「組市松紋」は、エンブレム委では最多13票を獲得した[引用註:委員長を含め総勢21名]。選考した宮田亮平委員長(文化庁長官)は、会見で「ただ一色を使い、寡黙でありながら多弁である」と講評した。

審査では、国民から寄せられた意見を各委員に紹介し、参考にした上で投票を行った。国民の意見は「シンプルでいい」「日本の粋を感じる」などの一方、「色使いが地味」「華やかさに欠ける」などの意見も。委員からは「目がちかちかする」との声もあったため、専門医から意見聴取も行い、健康面の配慮もしたという。

宮田氏は「エンブレムはまだ生まれたばかりの赤ちゃん。2020年には愛され、世界に羽ばたいていくことを願う」と述べた。
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発表当日の報道です。「漆と金箔のような潔い表現」というのは佐野研二郎エンブレムについても言えることではあったろう。そして野老は黒漆の次に強いものとして藍を選んだわけだ(cf. 2020.04.11「色に頼らない行き方とは何か」)。あれから早くも4年、そう、曲がりなりにもあと少しまで来ているはずだった、が。2020年にはとうとう羽ばたけなかった、鳥にしあらねば。

 

美術手帖のサイトに出てたけど、「サッカーボール」は早くに平面から抜け出して陽の目を見ている。

 

Tokoloexhibitionconnecball1

 

地球儀にたとえた方が文脈上は都合がよかったかな。
2017年10~11月に渋谷で開かれた「野老朝雄展 CONNECT」(cf. 2020.04.05「第十五結節の軋み」)で展示されたもの。正方形つまり組市松紋のピース「大」は使われてないようですがね。思ってたより当たり前のサッカーボール模様だったので肩透かしを食らった。これだったら数年前に青森県の十和田市現代美術館で見たバルーンによる空間充填の作品(作者忘れた、確か海外作家だったけど)の方が面白かったぞ。

 

と思ってたらこんなのも出されてた・・・

 

Tokoloexhibitionconnectball2

 

長方形「小」は、平面では狭角12個で360°になるのに対し、この球形では8個で組まれている。
一体、全部で何個のピースで構成されているのだろうとか、この多面体(重力で潰れてしまって見えるけどそこは目をつぶるとして)に外接する真球を考えた場合、全ての長方形/正方形ピースの全ての頂点はその真球に内接しているのだろうか、などなど頭の中に?マークが飛び交います。PAPER RHOMBUS PUZZLEの三次元版、売り出してほしいなあ。

 

どこかでこんなものを見た、と記憶を辿ったらこれでしたか。

 

【2016.02.25「悪夢、退散❗」】
東京都大田区
大田区シンボルマーク
高橋恵佑
大田区シンボルマーク

 

2016年2月の発表以来、相変わらず一向に活用されている気配がないのが残念です、ツルが出ていったご当地で。
(榮一作のテンプレ大田区PRキャラ「はねぴょん」の方はそれなりに出番が多かったようで、それも残念です。着ぐるみは確か作ったはずだけど、COVID-19蔓延の今は活用のしようもないだろう。着ぐるみの「内臓」なんて、いろんな意味で「密」のてんこ盛り。そこでしょうことなしに県知事のマスクに描かれちゃったのが宮城県の「むすび丸」、アハハ。)
(でも、昨年11月に大田区を去るに際して区役所に転出届を出しに行った時、はねぴょんの缶バッジ売ってるのを見つけてついつい200円も出して「大」を買ってしまったことは、ツル自身の黒歴史。いくら「こんな馬鹿なこと日本中の自治体がこぞってやってたんだぜ、平成の時代って」と一世代後に声を上げるためだったとは言え(≧∇≦)b。)

 

戦時中か戒厳令下にも似た(ツルもそんなものは体験したことがないけど)COVID-19 Pandemicの状況が、ある意味で震災後より悪いのは、「絆」の創出すら許さないというところだろうと思う。東北を旅行して、熊本の産品を買って経済を回そう、みたいなことも全滅なわけです。(ツルが今、傘寿ほどの老爺なりせば、「老い先短いこの身の上、今コロナで身罷るも3年先に老衰で消えるのも同じじゃあ、See Naples and Die!!」とか何とか言って豪華客船欧州クルーズに出かけちゃったりしたろうか。)

 

「つながる」ことは限りなく「悪」に近くなっているし、「共生」の方策も軒並み絶たれている、この半年で。日本人がこの10年試行錯誤しながら育ててきた新たな価値観と美徳が崩れてしまうのではないか、そこを一番懸念している。Value and virtue, that is a problem.

全てのものごとには必ず終わりがあるから、いくら日本国政府の「緊急事態宣言」が延長されようと、世界中の死者が何十万人を超えようと、この事態もいつかは終息する。その時にどうしていくのか、人口急減下の我が国の「次の十年」 --あるいはおそらく今後30年近くは続くであろう令和という時代?-- わわ考える上においてはとりわけ重大なポイントだと思います。

地域は、日本は、世界は、その時にも「つながる」ことを続けられるか。

 

(続く)

2020年5月 2日 (土)

【加筆編のおまけのおまけ】謎が謎呼ぶ九畳篆・跋

(承前)

 

くそぉ、3回に収めきれなかったじゃねえかよ💦💦。

 

あれこれ見てきて、草冠以上に、「最外周をできるだけ埋める」のが難しいのは、より単純な形のウ冠ではないかと思う。野老もここには腐心しているように見える。

 

【2020.01.25「第七結節」】
Tokoroheartsutra

 

【2020.04.18「第二十結節」】
Tokoloformisvoidtile0

 

Tokorokanji_void1Tokorokanji_void2

 

【2020.01.25「第七結節」】
Tokorosendenkaigiaward

 

Tokorokanji_promotecore

 

前者(正確にはウ冠ではなく穴冠なのかな)は11×11マス(だけどタイルの実物は枠がついて13×13マス)、後者はもともと29×29マスだけど実質17×17マス(また17だ!)。

 

文字の最外周を埋めるために、わざわざ冠の左右の先端を本来とは逆の上向きにはね上げて処理してるんですね。
「宣」の下の横棒のイジり方もスゴいけど、これは四角錐で三次元化する意識が働いていたものと思われます。外周の正方形の対角線上以外で折れ曲がることを極力避けてある感じで、3重の隔壁で囲ったのも同じことかと。ど真ん中に1マスだけ点を打っている(「3マスの横棒」ではなくて)のもその絡みだろう。このデザインだったからピラミッド型のトロフィーが生まれたんやな。

 

一方これ↓だと、同じウ冠/穴冠でも違うアプローチをしてるんですねえ。

 

【2020.01.25「第七結節」】
Tokolokannomuseum2007poster

 

Tokorokanji_stove

 

塩釜市の正式表記、塩竈市の「竈」の字です。23×23マス使ってあるけど実質的には21×21マス。2007年の展覧会のポスターだから、2014年には世に出ていた「空」、2016年作の「宣」とは時期的にもかなりの開きがある。
同市の主張としては、おらがとこの「しおがま」は「かま/釜」じゃなくて「かまど」の意味だべ、元から字が違うってなことになるんでしょうが、そこより何よりツル的には、もう一方の字を旧字体にすると「鹽」で、「藍」に似てくるってところが気になって気になっておえんずら。
「鶴」(正字は「鶴」、つまり「隺+鳥」ではなくて「ウ冠+隹+鳥」です)と対になる「亀」or「龜」に似てるところも、むろんツル的注目ポイントっす。野老センセは気づいてたろうなあ。

 

でだよ。「最外周を埋める」ためだろう、亀のしっぽを伸ばしてぐるりと取り囲んでいる 。∵そうしないと回りに隙間が出てしまうから(上辺は何とかやれるとしても、下辺左側にはどうしても隙間が残る)。その意味で、マス数は減らせそうにない。

 

しかしだから一方で、取り巻いたしっぽにウ冠の上の短い縦棒をくっつけざるを得なかったんですね。もう一つ、「穴」の上半分と下半分の間に隙間が開いてないところも「空」とは異なる。
これらを解消しようとすると、(ツルがトライした限り、)行・列ともに4つずつ増やして25×25マスにまでしなければいけないようです。(ほんとかしら?他にいい方法はないものかしら?)

 

Tokorokanji_stove_25x25grid

 

でも、このようにしても特段デザインとしての魅力がアップするわけではなし💦💦。

 

ただ、これを見ていて、ひょっとして「亀」あたりなら偶数の方眼でもできるのかもしれんなあとは思った。今後の宿題にしよう、「鶴」ともども。
ゆくゆくは、野老先生が子供の頃からお気に入りだったという「漢委奴國王」も手中に収めてみたいものです、律を厳格に守りつつ。

 

Goldseal

 

改めて、漢字というものがデザインの宝庫であることを思い知らされた感じ。香港の看板やネオンの風景がNY(や東京)のそれに比べて雑駁な印象をどうしても免れないのも、そのことの裏返しでせう。
10年ほど前、グアム ~ ミクロネシア ~ ハワイと2週間かけて大旅行をしたことがあって、アメリカ合衆国とは言え漢字の風景も多いグアムやハワイと、別の国とは言えアルファベットしか目にしないミクロネシア連邦(現地語はあるが英文字で書き表される)とをIsland Hoppingで渡り歩いてそのように思ったことを覚えている。

 

それにしても、ああ、楽しかった。作業が。あの旅行もだけど。

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