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2020年5月 3日 (日)

【加筆編】むすんで、つないで:第二十一結節(「サッカーボール」みたいなの。)

(承前)

 

TOTOやLIXILの発行物を見ていて、こういうカタログ的なもの(?)がなにがしか商業ベースで出てくるということからしても、やはり今までのTOKOLO Style的なものはそろそろ終焉に近づいているのではないかと思う(逆説的ですが)。あとはこれぐらいですかね。

 

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(2016.04.25 産経新聞)

 

少数激戦の最終候補4作品の中から、2020年東京五輪・パラリンピックの新エンブレムに選ばれたのは、市松模様を配した「組市松紋」だった。デザインした東京都在住のアーティスト、野老(ところ)朝雄さん(46)は、日本の伝統色である藍色で「粋な日本らしさ」を表現。「潔い表現ができればと思った」と狙いを語った。

江戸時代に「市松模様」として広まったチェッカーデザイン。野老さんは形の異なる3種類の四角形を組み合わせ、国や文化、思想などの違いを表現した。

五輪とパラリンピックの両エンブレムとも45個の四角形で構成される。野老さんは「同じピースを使うことにこだわった。それが平等の精神、大会の精神とも合うのではないかと思った」と語る。

東京造形大学デザイン学科(建築専攻)卒業。建築家で美術家の江頭 慎氏に師事し、定規やコンパスを使って描ける単純な図形の組み合わせで、平面や立体のアート作品を制作する活動を展開してきた。

作品を藍一色で表現したことについては「(日本伝統の)漆と金箔のような潔い表現ができればいいと思った」と語り、「大会が開かれるのが、夏なので涼しげなものにできればと思った」とも。エンブレムを立体的に表現し、サッカーボールに貼り付けるなどの展開も考えているという。

応募の原点となったのは幼少期の体験だ。「子供のころから五輪にあこがれがあった。幼稚園で金メダルを作ったとき、もっとかっこいいのを作りたい、と。ぼくはアスリートにはなれないけれど、関われるならデザインだと思った」と笑った。

作品Aと呼ばれた「組市松紋」は、エンブレム委では最多13票を獲得した[引用註:委員長を含め総勢21名]。選考した宮田亮平委員長(文化庁長官)は、会見で「ただ一色を使い、寡黙でありながら多弁である」と講評した。

審査では、国民から寄せられた意見を各委員に紹介し、参考にした上で投票を行った。国民の意見は「シンプルでいい」「日本の粋を感じる」などの一方、「色使いが地味」「華やかさに欠ける」などの意見も。委員からは「目がちかちかする」との声もあったため、専門医から意見聴取も行い、健康面の配慮もしたという。

宮田氏は「エンブレムはまだ生まれたばかりの赤ちゃん。2020年には愛され、世界に羽ばたいていくことを願う」と述べた。
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発表当日の報道です。「漆と金箔のような潔い表現」というのは佐野研二郎エンブレムについても言えることではあったろう。そして野老は黒漆の次に強いものとして藍を選んだわけだ(cf. 2020.04.11「色に頼らない行き方とは何か」)。あれから早くも4年、そう、曲がりなりにもあと少しまで来ているはずだった、が。2020年にはとうとう羽ばたけなかった、鳥にしあらねば。

 

美術手帖のサイトに出てたけど、「サッカーボール」は早くに平面から抜け出して陽の目を見ている。

 

Tokoloexhibitionconnecball1

 

地球儀にたとえた方が文脈上は都合がよかったかな。
2017年10~11月に渋谷で開かれた「野老朝雄展 CONNECT」(cf. 2020.04.05「第十五結節の軋み」)で展示されたもの。正方形つまり組市松紋のピース「大」は使われてないようですがね。思ってたより当たり前のサッカーボール模様だったので肩透かしを食らった。これだったら数年前に青森県の十和田市現代美術館で見たバルーンによる空間充填の作品(作者忘れた、確か海外作家だったけど)の方が面白かったぞ。

 

と思ってたらこんなのも出されてた・・・

 

Tokoloexhibitionconnectball2

 

長方形「小」は、平面では狭角12個で360°になるのに対し、この球形では8個で組まれている。
一体、全部で何個のピースで構成されているのだろうとか、この多面体(重力で潰れてしまって見えるけどそこは目をつぶるとして)に外接する真球を考えた場合、全ての長方形/正方形ピースの全ての頂点はその真球に内接しているのだろうか、などなど頭の中に?マークが飛び交います。PAPER RHOMBUS PUZZLEの三次元版、売り出してほしいなあ。

 

どこかでこんなものを見た、と記憶を辿ったらこれでしたか。

 

【2016.02.25「悪夢、退散❗」】
東京都大田区
大田区シンボルマーク
高橋恵佑
大田区シンボルマーク

 

2016年2月の発表以来、相変わらず一向に活用されている気配がないのが残念です、ツルが出ていったご当地で。
(榮一作のテンプレ大田区PRキャラ「はねぴょん」の方はそれなりに出番が多かったようで、それも残念です。着ぐるみは確か作ったはずだけど、COVID-19蔓延の今は活用のしようもないだろう。着ぐるみの「内臓」なんて、いろんな意味で「密」のてんこ盛り。そこでしょうことなしに県知事のマスクに描かれちゃったのが宮城県の「むすび丸」、アハハ。)
(でも、昨年11月に大田区を去るに際して区役所に転出届を出しに行った時、はねぴょんの缶バッジ売ってるのを見つけてついつい200円も出して「大」を買ってしまったことは、ツル自身の黒歴史。いくら「こんな馬鹿なこと日本中の自治体がこぞってやってたんだぜ、平成の時代って」と一世代後に声を上げるためだったとは言え(≧∇≦)b。)

 

戦時中か戒厳令下にも似た(ツルもそんなものは体験したことがないけど)COVID-19 Pandemicの状況が、ある意味で震災後より悪いのは、「絆」の創出すら許さないというところだろうと思う。東北を旅行して、熊本の産品を買って経済を回そう、みたいなことも全滅なわけです。(ツルが今、傘寿ほどの老爺なりせば、「老い先短いこの身の上、今コロナで身罷るも3年先に老衰で消えるのも同じじゃあ、See Naples and Die!!」とか何とか言って豪華客船欧州クルーズに出かけちゃったりしたろうか。)

 

「つながる」ことは限りなく「悪」に近くなっているし、「共生」の方策も軒並み絶たれている、この半年で。日本人がこの10年試行錯誤しながら育ててきた新たな価値観と美徳が崩れてしまうのではないか、そこを一番懸念している。Value and virtue, that is a problem.

全てのものごとには必ず終わりがあるから、いくら日本国政府の「緊急事態宣言」が延長されようと、世界中の死者が何十万人を超えようと、この事態もいつかは終息する。その時にどうしていくのか、人口急減下の我が国の「次の十年」 --あるいはおそらく今後30年近くは続くであろう令和という時代?-- わわ考える上においてはとりわけ重大なポイントだと思います。

地域は、日本は、世界は、その時にも「つながる」ことを続けられるか。

 

(続く)

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