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2020年5月16日 (土)

【加筆編】むすんで、つないで:第二十三結節(佐賀大学講義ポスター)

(承前)

 

さて。

こうして見てくると、津軽の刺子、阿波の染物、有田の焼物、いずれも[藍色]で特徴づけられるところ(あるいは、[藍色]で特徴づけられたいご当地?)なんですね。他の色、特に臙脂色が用いられているのはなにがしか東京/中央からの発信という性格のあるもの。(そりゃ、塩竈の企画展ポスターの臙脂や信州上田の黒白の組六紋なんてのもあるし、かと思うとお江戸日本橋三井村の暖簾は藍色だけど。)

例えば。

 

2019.09.03
佐賀県西松浦郡有田町
国立大学法人 佐賀大学
有田キャンパス 特別講義
Tokolo2019sagaunivspeciallecture

 

同キャンパスは、このところ度々取り上げている[有田×野老]展(2019.09.20~11.24)が開催された佐賀県立九州陶磁文化館と同じ町内にあり、セラミック分野の教育・研究のために2017年4月に開設された新拠点。この企画展に合わせて講演と実習が持たれたものです。
でもちょっと呆気にとられた。

 

このデザイン自体は同展で立体作品として展示されているし;

 

【第十七結節】
五千五十水玉紋様皿(動図)
Tokolo5050dotsplatemotion

 

有田の磁器は白肌と紺青のコントラストが魅力の一つでもあろうからして、そこいらはわかるんだけれど、でもこのレクチャーの3年前の臙脂色のカラバリなんだもん。

 

【第三結節】
2016.11.23
早稲田大学
一般公開特別講義
野老朝雄「個・律・群 INDIVIDUAL AND GROUP」
Tokolo2016wasedaindividualandgroup

 

鏡像になってるところも違うけどね、一応。
紋様制作で千本ノックの時代を経たというのなら、まだ在庫もあったろうに😁。それに、将来志向的な観点から言えば、【第十五結節】で取り上げた「遠心図皿」は[有田×野老]展に先立ち2019年6月に野老がご当地を訪れて作ったものであり、時期的には佐賀大学分にも当然間に合ったわけで。

 

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(2019.06.28 西日本新聞 抜粋)

 

〔前略〕

 

今回の有田滞在中には、李荘窯業所で新作を試作。ろくろの遠心力と呉須の飛散を利用した絵付けを試みた。「単体の『個』とグループの『群』、ルールや制約を意味する『律』という思考を繰り返しながら、『つなぐ』『つながる』文様のための技法を作り出してみたい」と言う。

 

〔後略〕
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そういう考えがあったのならば、ご当地で手ずからものしたその新作を講義の告知にも使うことではだめだったのかね。

 

Tokolo2019aritaxtokoloexhibition

 

Tokolocentrifugalplate1 Tokolocentrifugalplate2

 

ダメだったんでしょうね、やっぱり。

 

このくらいで矛先を収めてと。
結局、これらはJapan Blue, TOKOLO Blueというよりご当地ごとのLocal Blueというべきもの。野老のワーディングを借りれば、“Individual” Blueということになるのかもしれない。その中での[有田×野老]展は、現時点での集大成だったろうと思う。ツルはその頃東京と各地で就活ばっかやってて、時間を惜しんで佐賀の有田まで行かなかったのが今さら悔やまれます。

 

そして全ては今年の夏、ここ↓に一旦集約される(ことになってた)わけだ、個から群へと、律をもって。

 

オリンピックエンブレム パラリンピックエンブレム

 

ならばここらで新潟とか金沢とか辺りのご当地でもう一発ぐらい花火を打ち上げとけば、日本全国津々浦々感が一層増しますよ、野老先生。残された時間はもうあまりないけど😜、なんて思っていたらコロナウイルス騒ぎでオリパラどころじゃなくなって、とうとう東京2020大会も蜃気楼のように遠のいちゃいました。緊急事態宣言、まさに色即是空、空即是色。この数日、ようやく収束に向かう兆しが見えてきたけど、ゴールはどこにあるのやら。
ここはもう、気持ちをすっぱり切り替えてひたすら前向きに、銭コの荒稼ぎがまだまだできるべえ、ぐらいに考えりゃいいんではないかと😔😔。
つまりは、「展開性」を一番実践・発揮していたのは野老朝雄本人なわけですから。決して間口の広い作風とは言えないのに。

 

もう一つ、野老は母校東京造形大学の50周年の際、インタビューに答えてこんなことを語っていた。

 

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(2016.10.24 デザイン情報サイト JDN 抜粋)

 

いまの自分と学生時代の自分がもし会ったとしたら、向こうは「何で平面やってるの?」とびっくりするんじゃないかな。それくらい違っている。だから今後も、自分が70歳くらいになって何をやっているかも正直わからない。ただ僕、卒業制作で学校の模型をつくったんですが、学校への思いはその時から変わらないです。作家としてもがんばりたいけど、いつかは学校をつくりたい。学校と言っても単位をあげたり教育するされるという場ではなくて、アリストテレスのスコラ学が生まれたような、頭がいいヤツがいるぞと人が集まるような場をつくるのが夢なんです。
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実は、あの最も頭がいいヤツが集まってる(という)スクールには既に;

 

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2020東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを考案した野老朝雄さんが講師を務める授業が教養学部にあります。授業名は「個と群-紋様デザイン」。1回4時間超の授業を5日間で行う集中講義で、1・2年生がアート制作の演習に取り組みます。
東大側の担当は、芸術創造連携研究機構に名を連ねる舘 知宏先生。
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てなもんがあるそうな。知りませんでした。【第十五結節の軋み】で取り上げた2017.10.16~22の「CONNECT」展に、東大大学院准教授の舘 知宏が参加したのがきっかけとなった由。

 

Tokolo2017exhibitionconnectflyer

 

俊英を集めたAcademiaを作りたいという野老の願いはとりあえず形を取り始めたわけだ。

 

東京五輪が終わったら(2021に?あるいはもっと後に??)、野老はもう、従来の場所へは戻ってこないのではなかろうか(銭コの問題を別にすれば)。だからといって、建築出身だからといって、野老が三次元テセレーションの世界に突入するともちょっと考えにくい、数学が苦手とか、定規とコンパスだけで云々とか言ってたので(Tessellationの説明はめんどくさいから省略)。百枚の遠心図皿の作品群を見るつけてもそう思えてならない。

 

Tokolocentrifugalplates

 

もちろん、平面にもやり残したことは多くあるのだろうけれど。

 

(完)

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