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2020年5月17日 (日)

【加筆編】むすんで、つないで:最終結節(Rhombus Study / Rotonda)

(承前)

 

≪くゎっくゎっくゎっ、普通に終わるなどと思うたか、愚blogが。≫

 

ツル的原点に立ち戻り、もう一つだけ触れておこう。

 

Rhombus Study / Rotonda

Tokolorhombusstudyrotonda2008

 

詳細はわからないけれど、2014年6月、ミツバコウサクショという建築事務所がそのオープン記念としてオフィス内のギャラリースペースで開催した、「野老小個展(トコロココテン)/Small Solo Exhibiton of TOKOLO」なる企画展に出品されたもの。“Study” というからにはこれも習作扱いだったはず。作品クレジットに「2008」とあるから、2016年4月発表の東京五輪エンブレムの具体的ルーツはやはりその10年近く前からあったのだと言えそうです。

(東京都新宿区にあった約11畳分のこの小さなスペースは今から2年ほど前にクローズし、事務所そのものも遠く離れた兵庫県神戸市中央区に移転している。)

 

“Rhombus” は「菱形」で、 “Rotonda” もその系列のラテン語か何かかしらと思ったら違っていて、「円形またはそれに近い多角形で、(多くは)ドームを持つ部屋または建物」のことなんだそう。各ピースの形じゃなくて全体の多角形に着目したネーミングだったか。「円形建築」と訳されるらしいです。“round” に近いんかね。

 

一見して、これ↓に似とるなあとか思うでしょ。

 

【第五結節】
PAPER RHOMBUS PUZZLE
02. GOLD
Tokolopaperrhombuspuzzle02gold

 

ところが決定的に違うところがある。今まで見慣れてきた正十二角形ではなく、正十六角形でできてるんですよ!!!!それに伴って、と言えばいいんだろうか、構成する菱形ピースの種類も、五輪エンブレムやPAPER RHOMBUS PUZZLEの3種類より1つ多い。
これ↓と同じ「律」が働いているとすれば、周囲が十六角形なら4種類の菱形ピースが必要になることも頷けるなあ(適当なこと言ってますが💧)。

 

-----
【2018.02.06「オリンピック/パラリンピックエンブレムの組市松紋のパズルを作ってみた(上段)」抜粋】

 

3種類の藍色の長方形は、それぞれ、一つの時計の文字盤(正十二角形[小])の;

 

・12時-1時-6時-7時を結んだもの(長方形[小])
・12時-2時-6時-8時を結んだもの(長方形[中])
・12時-3時-6時-9時を結んだもの(長方形[大])

 

である。

 

3つの四角形

 

そして、それぞれの長方形の2本の対角線に平行な辺を持つように、外接する菱形[小]〜[大]を描けばよろしい。
-----

 

それがこうなっていると考えたわけだが。

 

-----
・内角が30°と150°の菱形[小]・・・24個
・内角が60°と120°の菱形[中]・・・24個
・内角が90°と90°の菱形[大]・・・12個
-----

 

的確ではなかったかもしれぬ。

 

厳密には;

 

・12時-1時-6時-7時を結んだもの:30° & 150°:12個
・12時-2時-6時-8時を結んだもの:60° & 120°:12個
・12時-3時-6時-9時を結んだもの:90° & 90°:12個
・12時-4時-6時-10時を結んだもの:120° & 60°:12個
・12時-5時-6時-11時を結んだもの:150° & 30°:12個

 

なのであって、組市松紋を構成する菱形ピース(またはその菱形に内接する長方形ピース)の60個というのは、内角(または対角線の交差角)が360° ÷ 12 = 30°ずつ変化する5パターン × 12個の総体ないしは合計、と捉える方が正鵠を射ていたかもしれない。いや、きっとそうだろう。「3種類」とばかり見ていては真実に近づけなかったわけだ!!

ああ、だから[大]の数は[小]や[中]の半分だったのか!(正確には、そのように見えていたのか、と言うべきだろうが。)

 

数式化すれば、N角形(取り敢えずNは偶数としておく)の菱形パズルの場合、菱形ピースの個数nは;

 

n = N ×{(N ÷ 2)- 1}

 

で求められる。
ピースの種類数は、{(N ÷ 2)- 1}をさらに2で割って(端数が出る場合はroundupして)得られる数、ということになる。
これが「律」、というものなのか?

 

以上のことは、十二角形の組市松紋で下記のピンク色を塗ったピースの並び順に目が止まったことから考えついた。

 

Tokorododecagonrhombusstructure

 

ああ、どこまでもきれい、cleanでneat。これで何度目だか知れないため息をまたつかされる。

 

これって、正十二角形の隣接する二辺の半分ずつを使って菱形を12個作って外周に接して敷き詰め、そこでできた内側に同様の菱形を12個敷き詰め、さらにその内側に接して菱形を12個敷き詰め・・・と配置していくと、中心は一番細身の菱形が12個並ぶ、という律でもあるんだね。

 

このパズル↓の柄の並びにちゃんと注目を払っていたら、もっと早く気がついたかもしれないものを。

 

【第五結節】
PAPER RHOMBUS PUZZLE
01. GRAY
Tokolopaperrhombuspuzzle01gray

 

いや、これ↓を見ていた時も何も思わなかったからなあ。ツル愚鈍。(でもこれには菱形の補助線が入っていたわけじゃないからね。)

 

【2019.10.14「東京オリンピックエンブレムに「120 °回転対称」の兄弟が!!!!」】
公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)
東京2020 NIPPONフェスティバル
マーク
東京2020 NIPPONフェスティバル

 

ということはだ。
16時まである正十六角形の時計を仮想してみた場合(それは即ち、1日を32時間に分ける、従って1時間を45分にする、あるいは1分を45秒にするということかもしれない)、こうなるはずである。

 

・16時-1時-8時-9時を結んだもの:22.5° & 157.5°:16個
・16時-2時-8時-10時を結んだもの:45° & 135°:16個
・16時-3時-8時-11時を結んだもの:67.5° & 112.5°:16個
・16時-4時-8時-12時を結んだもの:90° & 90°:16個
・16時-5時-8時-13時を結んだもの:112.5° & 67.5°:16個
・16時-6時-8時-14時を結んだもの:135° & 45°:16個
・16時-7時-8時-15時を結んだもの:157.5° & 22.5°:16個

 

今度は22.5°ずつ変化していくのだね。で、ピースの種類は(ダブりを控除すれば)4種類、個数は7パターン × 16個で112個。おぉーー。適当に書いてて実際に数えてみたわけではないので、お暇のある向きはお確かめ下さい。(ついでに言うと、上述の「種類数」のくだりで「小数点以下で端数が出ない」場合、つまり、N=14のように偶数だが4の倍数ではない場合にはどうなるか、および、N=7のような奇数の場合にはどう処理できるのかというところも未確認だけれど。)

 

ひょっとしたら、hexadecagonから習作を始めて、最終的にdodecagonにたどり着いたなんてことなのかもしれないな。

 

Tokolododecagonrhombusstudy

ここ(本人のスタジオらしい)には、同じデザインの十二角形バージョンが登場している。

 

2の4乗の16より、2の2乗 × 3の12の方がビジュアル表現の幅は広がるだろう(左右対称ではなく回転対称を前提とする奇数の「3」を味方に引き入れる意味は大きいと思う)。見方を変えれば、各内角が157.5°の十六角形パズルでは、同じく各内角が90°の正方形と60°の正三角形のピースだけで構成することはどうしても不可能なはず。TOKOLO紋的にはどうなのよ、それって。

 

そして一方、ストライプ柄の “Rotonda” はスクエア模様の組市松紋に姿を変えていった、とか。

 

オリンピックエンブレム 

 

まあ、世の中にゃ組市松紋ジェネレーターを作っちゃった猛者もいるわけだし、実際にN=1,000をパラリンピックエンブレムに応用したなんて画像もネットに出ていたぐらいだから、これらのことどもも調べ尽くされていて、今さら小手調べのうちにすら入らないだろうけれど。

 

・・・というところまで書き上げて念のため調べてみたら、上述の未確認ポイントに関連して、エンブレム発表後すぐ、多摩美術大学講師(当時)の山辺真幸氏がTwitter上でこんなことをつぶやいてました。

 

-----
(2016.05.03)

 

エンブレムのように必ず正方形が出現するようにするには、正N角形のNは4の倍数。
-----

 

あ、そっかそっか、そうなるのか。つまりはN角形の中心点から水平に直線を伸ばしたところ(普通の時計の3時と9時、16時間時計の4時と12時)に頂点が来てないと正方形は作れない、ということであるな。
やれやれ。自分が考えつくぐらいのことはほとんど世の中の誰かが既に考案済みだ、という好例。

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