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2020年6月30日 (火)

【顚末編】カワウソ・バトルのその後

cf.
2014.11.12「失われた友を求めて」
2019.01.19~20「謎が謎呼ぶ、闇が闇呼ぶ」
2019.02.08~27「瓦解 崩壊 信頼 未来」
2019.10.09「涼しくなってもバトルは熱い」

 

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ここで「ちぃたん☆」との法廷闘争のその後の推移を追いかけたいけど、それは別稿に譲るとしよう。
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そのことですが、こういう具合。

 

前にどこまで書いてたかというと、2019年2月、須崎市が株式会社クリーブラッツに対し「ちぃたん☆」(同社社員の飼っていたペットで一時は須崎市の観光大使を務めていたコツメカワウソではなく、キャラクターの方である)の使用停止を求めて仮処分を東京地裁に申し立て、しかしこれが9月に却下され、さらに須崎市が10月に即時抗告することになったところまで。その後は如何に・・・?

 

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(2019.12.26 高知新聞 抜粋)

 

高知県須崎市がキャラクター「ちぃたん☆」の活動停止を求めた仮処分申請で、知財高裁は25日、申請を却下した東京地裁決定を不服とする須崎市の即時抗告を棄却した。

 

〔中略〕

 

須崎市によると、10月2日に知財高裁に抗告手続きしたが弁論での審理はなく、書面提出の段階で棄却された。一審決定と同様、クリーブラッツ社がちぃたん☆のイラストや着ぐるみを使用することに関し、須崎市側の黙示の許諾を認める決定だったという。

 

〔後略〕
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Oh, no! Bad Christmas present!!
こういうのを「門前払い」「取りつく島もない」「にべもない」などと言うんだろうな。

 

2019.07.08付の須崎市の仮処分申立 主張書面(08.06市長定例会見の資料として市サイトに載っている)には、次のような記載があった。ツルが一時的に路頭に迷ってた頃だわ、花の東京で。

 

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債務者は、一方で、コツメカワウソ「ちぃたん☆」を須崎市の観光大使に就任させるという名目で債権者に接近しつつ、他方で、上記意図を隠し、全く別のキャラクターの創作を依頼するかのように装って、債権者の職員に頼んで、しんじょう君をデザインした■■■を紹介してもらった。
そして、債務者は、事前に債権者からしんじょう君のデッドコピーのキャラクターを作ることについて何らの承諾も得ていなかったにもかかわらず、■■■に対し、「今後観光大使化なので非常に似せていただきたい」(甲14の39頁)などと申し向けて、しんじょう君をデッドコピーしたキャラクターのデザインを依頼した。
こうして、債務者は、平成29年9月、■■■から、しんじょう君をデッドコピーしたキャラクター「ちぃたん☆」のデザイン画を得て、直ちに、それを三次元化した着ぐるみを製作した。
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ここの「■■■」は「端広こう」ないしはその本名のことですね。「債権者」とは須崎市、「債務者」とは株式会社クリーブラッツ。
なるほどぉ。この作者もク社に騙されて類似キャラを作らされた、という構図になるわけね、この主張によれば。

 

本書面は須崎市側についた徳島市の弁護士法人 中田・島尾法律事務所が作成したものですが、割とすげえ理屈が並んでいて、読んでるこちらが赤面するような箇所がいくらかあります。

 

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債権者は、債務者から、コツメカワウソ「ちぃたん☆」を須崎市の観光大使に就任させ、須崎市のPRに尽力したい旨の申し出を受け、真実、債務者がそのような意図を有し、善意で申し出たものと誤信した。
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債務者は、事前に債権者の了承を得ることなく、平成30年1月18日に開催された委嘱式に際し、コツメカワウソ「ちぃたん☆」のみならず、しんじょう君をデッドコピーしたキャラクター「ちぃたん☆」を同席させた。
債権者は、事前に知らされておらず、当日、初めてキャラクター「ちぃたん☆」の参加希望を知ったが、めでたい委嘱式の場で、その参加を拒絶してトラブルになるのを避けるため、参加に応じざるを得なかった。
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ここはお上品に、「お人好し」あるいは「おめでたい」とだけ評しておきませう、ほんとは「大■■」と言いたいところだけど。(外からはそのように見えてしまうロジックの方向性をなぜ弁護士が追求していったのか、そこが知りたい。)

 

次のような記載も出てくる。

 

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そもそも、■■■は、債権者の単なる一職員に過ぎず、債権者がしんじょう君に係る著作権・商標権・商品等表示を債務者に利用許諾するにつき、対内的にも対外的にも何らの権限も有していない(甲47)。
また、債権者と■■■との■■■基本契約(甲8)は、しんじょう君のプロパティについて、ライセンスやデザイン変更を行う場合、その都度、事前に債権者の承認を要し(4条1項、3条4項)、重要な事項については事前に債権者と協議を行わなければならないほか(2条3項)、しんじょう君の従前の活動に支障が生ずるような■■■活動はできない(3条7項)ことを定めている。
このように、■■■は、第三者と■■■契約を締結するに当たっては、その都度、債権者の事前承認を必要としていたのであり、その地位は事務代行者というべきものに留まり、最終的な許諾等の権限は債権者にあった(そうでなければ、商標法31条1項ただし書にも反することになる(前述)。)。
まして、■■■は、第三者がしんじょう君をデッドコピーした標章につき商標出願することについて、同意する権限など有していなかった。
上記のとおり、■■■及び■■■は、しんじょう君に係る著作権・商標権・商品等表示の■■■、すなわち利用許諾につき何らの権限も有していない。
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ここの「■■■」のどこに「守時 健」「端広こう」が入るのか、そこは大変興味深いところです(妙なところまで伏字になってるようなのが気になるが)。須崎市が躍起となって「無権利者とのやり取りだから無効だ、しかも契約書すら交わしていない、現場サイドのメールのやり取りだけだ」と言い立てれば言い立てるほど、「そりゃこの担当者を散々好き放題にやらせといたからだろ」「市がちゃんと監督してなかったってことじゃん」というツッコミを呼び込むだけです。

 

スポーツ紙にも格好のネタを提供している。

 

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(2019.11.14 東京スポーツ 抜粋)

 

高知県須崎市のゆるキャラ「しんじょう君」のアニメ化はホントに実現するの!?同市が「しんじょう君」の著作権を侵害しているとして「ちぃたん☆」を管理する芸能事務所に、デザインや着ぐるみ使用停止の仮処分申請を東京地裁に行ったことが騒動になっている。その中で、東京地裁が「しんじょう君」のアニメ化計画に“ダメ出し”していたことが判明。もし実現しなければ、すでに出資している血税3631万円はいったい…。今、須崎市は大ピンチに立たされている――。

 

〔中略〕

 

「当初、須崎市と『ちぃたん☆』を管理する芸能事務所のクリーブラッツ社(ク社)は、関係者を通じて一緒に活動していました。須崎市が『ちぃたん☆』人気にあやかろうとしたのは間違いない。だからこそ、観光大使を委嘱したんです。『しんじょう君』と『ちぃたん☆』は似通っていますが、デザイナーを紹介したのが須崎市なのですから、当然ですね」(「ちぃたん☆」関係者)

 

〔中略〕

 

問題なのは「しんじょう君」のアニメ化計画のズサンさが法廷で明らかになったことだ。
須崎市は定例会見等で「国内外の企業から出資を募り、日本だけではなく、中国・台湾・香港をはじめ海外での放送を目指す」としている。「ダンデライオンアニメーションスタジオ」(ダ社)と原作共同開発契約を結んでいるのだが、その制作費は何と4億5000万円!須崎市によると、そのうち須崎市は原作開発費として3000万円、商標登録に関わる費用として631万円を18年度の補正予算に計上したという。
だが、これが極めて眉唾モノだという。アニメ関係者は「原作開発費とは、キャラクターデザインやプロットなどの素材を作成する費用のことですが、3000万円はハリウッドの有名コンテンツをアニメ化するぐらいの高額費用です。フルCGでもマックス500万円ではないでしょうか。事実、『ちぃたん☆』は50万円ほどで済んでいるはず。アニメ事情に疎い須崎市は、これを精査せずに出資している可能性が高い」と指摘している。

 

確かに、昨年12月14日の総務常任委員会の議事録を読む限り、議論不足は否めない。実は、東京地裁も「4億5000万円ものお金が集まり、国内外で活動するというが、それに関する詳細な企画書、試算書を出しなさい」と須崎市に指示した。しかし、同市は抽象的な資料しか提出できず、裁判所から「裏付ける客観的、具体的な資料がない」とダメ出しされた格好だ。もしアニメ化できなければ、血税3631万円はムダになる可能性が高い。
それだけではない。須崎市は「ダンデライオン社とともに大手企業と『しんじょう君』のゲーム化やアニメ化の案件を進めていた。『ちぃたん☆』の過激な動画のせいでなくなった」と主張したが、ク社がこの企業に確認したところ、中止になったのは、ダ社が具体的なビジネス試算書を提出していなかったことが原因だった。つまり、計画があやふやな上、行政が司法の場で虚偽の陳述をしたということだ。これはもう前代未聞の不祥事と言える。

 

本紙は、ダ社と須崎市に対し、事実確認したところ「須崎市とクリーブラッツ社の裁判なので、弊社がお答えするのは難しい」(ダ社ライツマネジメント室)、須崎市元気創造課も「係争中の案件のため、個別の回答は差し控えさせていただきます」とした。

 

来年1月26日には須崎市長選が行われる。楠瀬耕作市長(59)は「しんじょう君」を推進してきただけに、市民に納得いく説明をしない限り、影響は避けられそうにない[引用註:無投票で3選された]。

 

【ことごとく却下される須崎市の主張】今回の裁判で、須崎市は虚偽陳述だけではなく、荒唐無稽な主張をしているという。

 

「『ちぃたん☆』側が商業活動を行う上で須崎市の許可証を求めたとき、元気創造課の担当職員は『協議の結果、特に許可の必要はない』と回答したんです。それなのに、裁判では須崎市が『決裁権のない市の職員が勝手にやったことなので無効』と主張したんですよ」(事情通)
行政の窓口に出てきた担当者の発言が無効となれば、何を信じればいいのか…。当然、須崎市の主張は却下された。

 

また、同市は「ちぃたん☆」の過激動画によって、「『しんじょう君』の価値が毀損された」「市にクレームが来た」と訴えるが、実は「しんじょう君」も過去に過激動画を配信していたことが判明。「田畑に人を生き埋めにしたり、流鏑馬(やぶさめ)と称し、車の中からエアガンで的を撃ったりしています」(同事情通)と、完全に“ブーメラン”となっている。
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面白い記事ではあるけれど、ところどころロジックが?だし、「須崎市が『ちぃたん☆』人気にあやかろうとしたのは間違いない」という「「ちぃたん☆」関係者」の発言は一方的で、妥当なものではないだろう。
しんじょう君のゆるキャラグランプリ優勝は2016年11月、ク社のちぃたん☆制作着手は2017年9月。同市のふるさと納税額がしんじょう君効果で前年度比300倍の6億円となったのが2015年度(2016年3月期)で、翌年度にはこれが10億円に達していた(今はどうなんだろう)。だから、倣って言うなら、まず先に「ク社が『しんじょう君』人気にあやかろうとしたのは間違いない」ではないか。

 

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(2019.12.25 サンケイスポーツ 抜粋)

 

楠瀬耕作市長は「主張が認められず残念。棄却理由を精査し、対応を決定したい」とのコメントを出した。
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しかしその後は尻すぼみとなり、今年2月の守時の退職に到ったようである。

 

ああ、筋の悪い手合いが麻の葉の如く入り乱れておどろに大乱闘、な感じ。
ツル思うに、運営側、行政側にある大目的は「地域興し」のはずで、ご当地キャラはそのための手段に過ぎない。そのツールが非常に有効とされた時代は去り、新たな手法を模索する時代に入っているのだろう。それはまた、東日本大震災以降いささか安易に喧伝されてきた「絆」の再考を促すものだと思う。そう、それもコロナのせいで。

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