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2020年9月12日 (土)

【疫癘退散編】COVID狂想曲 Op.19 Mov.18(ニャジロウ・ウェイダー・ズネーモン・真田幸丸 バッジ類)

(承前)

 

もともと、ツルがやなぎはらによる新型コロナウイルス感染症対応のポスター作品群をこき下ろすのは、単一のテンプレートに機械的にパーツを載せていくだけの方法論に反発を覚えるからで、そこは塩崎一族などの大御所公募ガイダー(長らくご無沙汰してますが、ちゃんとウォッチは続けているのよ。もう少しお待ちを(^_-))のご当地キャラやロゴマークに対する批判と根っこを同じくしている。けれど、それだけではない。ここからは感性とか世界観とかの問題に入り込むんですが・・・。

 

本Subseriesを書き始めるより前、同じ絵面のコロナ対応ポスターを多く見つけて、これはおかしいぞと調べ始めた頃から気になっていたのがこれ。

 

Yanagiharanyajirobadges

 

秋田県?
秋田発の猫キャラクター
ニャジロウ
やなぎはらともみ
〔2007年発表?〕

 

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(2020.03.11 Facebook)

 

まさかこういうバッジを作ることになるなんて。。
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製作時期としてはポスター類に先立つようです。因みに右側に描かれているのが「ニャジロウ」でやなぎはらの昔の飼い猫(~2011.05.18)の名前、左側の「ニャゴロウ」は現在の飼い猫のうちの一匹(2011.05.18~)の名前。

 

Yanagiharanyajiroasthmabadge Yanagiharanyajiropollenallergybadge Yanagiharanyajiropreventionbadge

 

ぜんそくなんだから、花粉症なんだから、咳やくしゃみしてても白い眼で見ないでねというもの。やなぎはら自身、花粉症に悩まされていることを明かしている。マスクがMUSTになる前だったから、「予防です」なんてものの需要も見込まれたんですねえ。もはや隔世の感あり。
世の中、この手のアイテムは他にも多く見かけるし(逆に「感覚過敏なのでマスクをつけられません」というものまで存在している)、同じ趣旨で、「○○県民です」と書かれたご当地外ナンバー車用のステッカーみたいなんもありますな。

 

ツルはこうしたものが嫌いなんですよねー、きれいごとかもしれないけれど。
これは、別にツルが病気になったことがないからってわけではない。その反対で、学生時代に2度も大病をして(肝臓と腎臓、肝腎なところをやられました)結構大変だった。人生に大きな影響を与えた経験です。40年近く前の話だけど、どちらも幸い治った後、社会人になってからは病気らしい病気を一つもせずに過ごしてきたことが不思議にさえ思える時がある。
かかったのは、一つは伝染しない病気、一つは伝染する病気だった。図らずも両方体験してみて、「うつる病」の方がStigmaは確かに強い、一方でTraumaが断然強いのは「うつらない病」だというのは実感したところ。人のせいにできるものじゃないので自分で葛藤して自分で闘うしかない。だからツルは、「コロナじゃなくて花粉症ですから」とか、「STDじゃなくて母子感染ですから」とか、そんなことは決して言わないと決めたんです。
病気というものの本当のしんどさは、人と全く同じように生活していたのに自分だけがなってしまった(と思い込む)悔しさにあると思う。それを背負い込まされることに比べれば、そんな Stigma なんざ屁でもないっす。正面から立ち向かってやるわ。

 

もう一つ、これは最近の話で・・・。
今年の2月半ば、ツルは私用で数日間上京していた。コロナ感染がじわじわと増え始めていた頃。それは「空中庭園」の舞台だった大田区下丸子のマンションの売却の絡みでどうしても行く必要があったからだけれど、もう一つ目的があった。都内でデザイナーをやっている旧友が一人、前から甲状腺ガンを患っており、肺に転移したため放射線治療を始めたということで、会っておかなくちゃと思ったからです。入院先に見舞いに行くことになるかと思ってたらさっさと退院してて、喫茶店で会ったのだけれど・・・。
やっぱり咳き込んじゃうんだよね、しばしば。本人は「『コロナじゃないです』って紙に書いて胸に貼っときたいぐらいだわ」なんて言ってたので、上述のような体験談を冗談めかして話したりした。「アンタ、クリエイターなんだからそんなつまんないこと考えなさんなよ」てなことも織り交ぜて。(まだやなぎはらともみ作品のことは知らなかったが。)

 

世の中から謂れのない迫害を受ける、その代償をなぜ被害者側が払わにゃならんのだ。見方を変えれば、こういうものは自分に降りかかるStigmaを他に転嫁しようとするものなんじゃないかと考えるわけですが。そして加害者側は、ぜんそくや花粉症の患者を白眼視するだけじゃなく、新型コロナウイルス感染症の患者に対しても同様に攻撃するんです(岩手県でも初感染の時に発生したでしょ)。闘うべき相手はその「自粛警察」的差別意識そのものでしょうが。その際これらのバッジは何の役にも立たない、というより、むしろ有害です。「わたしコロナじゃないもん」という思いが「うつりません」の一言に覗いている。無関心とは、(「被害者」の側からの)新たな差別の温床ではないの?ツルはこうしたものを当たり前と思う社会になって欲しくない。

 

でもこの手のものは特に今般、世の中にぞごぞご出てきたし、受けがいいんでしょう、やなぎはらはニャジロウ版以外も作成している。

 

Yanagiharauederpollenallergybadge Yanagiharazuneemonpollenallergybadge Sanadayukimalpollenallergybadge

 

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(2020.04.03 真田幸丸 Facebook)

 

このご時世「周囲の目が気になり、くしゃみがしづらい」という花粉症患者のみなさんに向けてこんな缶バッチ(57mm)作りました。(デザイン やなぎはらともみ)
4月4日(土)から上田市内の下記各店にて各限定20個 1個500円(税込)で販売いたします。

 

〔中略〕

 

・ウェイダー(青) 柳町屋 [URL]
・ズネーモン(緑) 原商店 [URL]
・真田幸丸(赤) 御菓子処千野 [URL]
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Yanagiharauederpollenallergybadge2 Yanagiharazuneemonpollenallergybadge2

 

長野県上田市
ご当地ヒーロー
六文戦士ウェイダー
ズネーモン
〔2012年三次元デザイン発表〕

 

悪者の行動隊長ズネーモンの両脇に描かれているのはチュックレーという手下キャラ。

 

長野県上田市
うえだ原町一番街商店会
オリジナルキャラクター
真田幸丸
〔2009年10月発表・2012年12月やなぎはらによりデザインリニューアル〕

 

文言はニャジロウ版の「くしゃみエチケットを心がけています」から「せきエチケットを心がけています」に変わっている。厚労省のご指導よろしく「せきエチケット」なる新習慣が一気に市民権を得たことに伴うものだろう。
それはまあいいのだけれど、コピーライトのクレジットには微妙な問題が。

 

誤:六文銭ウエイダー映像製作委員会
正:六文戦士ウェイダー映像製作委員会

 

のはずです。どうもこういうところ、仕事が雑に見えてしょうがない。(他にも例があるんだけれど、回を改めて(^_-)またいずれ。)

 

ああ、もう感性が違い過ぎる。

 

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【参考データ】

 

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(2020.03.18 朝日新聞 抜粋)

 

花粉症によるくしゃみ、ぜんそくのせきが、新型コロナウイルスによるものと誤解されないようにするバッジが、飛ぶように売れている。川崎市中原区丸子通1丁目のハンドメイド雑貨店「エピリリ」では注文が一日千件を超え、店を臨時休業するなどして発送作業に追われている。
エピリリで取り扱っているのは、ネットでも販売されている「ぜんそくマーク」と呼ばれるバッジ。店主で消しゴムはんこ作家の牧野美和さん(38)も店で扱うことを決め、知人とともにデザインしてバッジに仕立てた。

 

〔中略〕

 

「せきがつらいが、電車の中で白い目で見られるから、途中下車する」「ヘルパーをしているので、安心してもらうためにバッジをつける」。店を訪れる客からそんな切実な訴えを聞く。牧野さんもぜんそくの症状があり、「せきがとまらず、周囲から白い目で見られるときの気持ちは、みんな分からないと思う」と話す。
ここまで注文が殺到するとは思っていなかったが、困っている人がいることは実感した。「電車内で白い目で見る人がいるのが問題。バッジが必要なくなる状態になって欲しい」

 

〔後略〕
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(2020.07.02 朝日新聞)

 

新型コロナウイルスの感染者がいまだに「ゼロ」とされている岩手県。都道府県をまたぐ移動の自粛要請は解除された今も、県内の一部の飲食店には「県外者お断り」の貼り紙が残る。「県内在住者です」とのステッカーを貼った県外ナンバー車も。「県外」と「県内」を区別する意味や問題点を探った。

 

〔中略〕

 

ウイルスは県境で止まらない。「県内在住者です」という表示は「私は感染者ではありません」との趣旨を含むが、誰もが無症状感染者の可能性があり、科学的な根拠はない。表示自体が新たな差別につながる恐れがある。
「県内・県外の表示で排除されるのが、自分や自分が愛する人だったら?」。精神科医の香山リカさんはそうした想像力や違和感を大切に、と呼びかける。
感染のリスクを少しでも避け、互いの不安を和らげたいとの気持ちは理解できるとした上で、市民の「善意」や「正義」が差別につながった例としてハンセン病の歴史をあげる。自分たちの住む県内から患者を無くそうという「無らい県運動」は、官民一体で患者を収容、隔離した。元患者とその家族に対する差別は今も残る。
「県外の人かどうか調べて可視化するのはプライバシーを暴くことでもある。『命が最優先』『非常時』という正しさの前に安易に受け入れてはいないか」。香山さんは懸念する。

 

〔中略〕

 

諏訪赤十字病院の森光玲雄・臨床心理士は、実際に行動に移すのは少数だとしつつも、こうした行為には「お上のお墨付き」を得たと捉える住民の意識が背景にあるとみる。
「国や都道府県が繰り返す『ステイホーム』のメッセージで、足並みをそろえない対象を攻撃してもいいと、お墨付きを得たかのように感じる人もいる」と指摘。「自治体は感染予防をアピールしがちだが、差別を助長しないような言葉も併せて発してほしい」と話す。
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いかにも朝日が好みそうなネタではあるけど、論旨の平仄は合っていないと思う。

 

(続く)

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