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2020年10月 2日 (金)

三井住友信託銀行等の株主総会議決権行使集計問題についてのどこよりもわかりやすくて詳しくてためになる解説(の試み):前編

このところ、総会ギョーカイはこの話題で持ちきりです。

 

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(2020.09.02 日本経済新聞)

 

東芝が7月末に開いた定時株主総会で、大株主らによる事前の議決権行使書の一部が無効扱いになっていたことが2日、分かった。東芝側は郵送された議決権行使書が期日までに届かなかったためだとしている。ただ同社によると大株主の3D・オポチュニティー・マスター・ファンドが、期日の3日前の消印があると主張している。
3Dは株主総会で取締役選任を求める株主提案を提出していた「物言う株主」。9月2日までに議決権行使書の一部が無効扱いになっていると東芝側に主張して、発覚した。
東芝は議決権行使書を管理する三井住友信託銀行などに調査を依頼した。無効扱いの議決権行使書は約1300通。この無効になった議決権によって、車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)らの取締役選任案の議決結果に影響は出ないとみられる。
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Activist Fund が株主提案してきて、当のその株主の議決権行使がカウントされてないという事態が判明して、会社側は行使書葉書(総会会日の前日に会社側 -厳密には、その「株主名簿管理人」- に到着することが要件とされている)が届いていない、株主側はいやそんなはずはない3日も前に出したのに、と相互に主張して、株主名簿管理人を巻き込んでの大騒ぎになったわけです。
株主側はうたぐったでしょうね、会社側が何か不正な手心を加えたのではないかと。

 

しかし真実は意外なところにあった。なかなか事情が込み入っている。

 

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(2020.09.18 ロイター)

 

東芝は18日、株主総会前日の7月30日までに持ち込まれながら有効に集計されなかった議決権行使書は1139枚で、議決権数は5万8747個だったと明らかにした。比率では全体の1.3%で、総会議案の結果に影響は与えなかったとしている。株主名簿管理人の三井住友信託銀は、他の企業にも影響が生じる可能性があるとしている。
東芝は、一部の株主から、議決権行使書を提出期限の3日前の7月27日に郵送で発信したが議決権行使結果に反映されていなかったとの指摘を受けた。三井住友信託銀と郵便物を扱った日本郵便に、議決権行使書の配送、集計状況の調査を要請し、報告を受けた。
議決権行使書の集計業務を担う三井住友信託銀の子会社「日本株主データサービス(JaSt)」では、通常時には議決権行使書が配達されると同時に行使書の数が記載された交付書を受け取り、その配達日に受領したと扱う。3、5、6月の繁忙期は、集計時間を確保するため、通常時と異なり、本来の配達日の前日朝に受け取る「先付け処理」をしており、本来の配達日を到達日として扱っている。
今年は新型コロナウイルスの影響で総会を延期する企業が相当数あったとして東芝の総会があった7月も繁忙期として扱った。30日に持ち込まれて有効な議決権として集計されなかった議決権が5万8747個だった。郵便局から31日付の交付証を受領しており、集計対象外にした。日本郵便は、該当する行使書は遅くても30日には三井住友信託銀に到着していたと考えられ、レシートの押印は翌日の日付で得ていたとしている。

 

<三井住友信託、受託先約970社に影響も>
三井住友信託銀は、1600社の受託先のうち約970社に影響が出る可能性があるとしている。JaStに出資するみずほ信託銀行も同日、「集計締切日における郵送受付分の議決権行使書の取り扱いに関して、その集計方法の妥当性について、再度慎重な検証を要する」とし、確認を進めていると明らかにした。
東芝は、社外取締役のみで構成する同社の監査委員会が外部の法律事務所とともにその結果の相当性を検証している。三井住友信託銀と日本郵便の報告の一部に整合しない部分があり、両社に追加の確認を求めるとしている。
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先付け処理???海千山千の総会屋、じゃなかった総会担当者のツルも聞いたことないわいそんな裏技(因みに昨年11月に転職する前のツルの勤め先の株主名簿管理人は三菱UFJ信託銀行だったが、転職後のは三井住友信託銀行である)。もちろん、会社指示でやったとか、そんなんじゃないわけで。
とにかく、株主名簿管理人に落ち度あり、ということになったわけです。

 

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(2020.09.23 日本経済新聞 抜粋)

 

東芝の株主総会を巡り、議決権行使の集計を受託した三井住友信託銀行が適切に事務処理せず、一部の株主の意見が反映されない事態が起きたことが分かった。取締役選任の賛否などを記した海外投資ファンドの書類が期限内に届いたにもかかわらず、集計から外れていた。会社法で保障する株主の権利を損ないかねず、説明責任も問われる。

 

〔後略〕
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いやいやいやいや日経はん、「説明責任」って誰のことを指しているのよ。本件で東芝には責任は全くないではないか。当然、東芝は「はめられた」と大激怒でしょうな。情報収集してみたら、海外投資家がだいぶカリカリきとるらしい。東証も問題を重く見て、9月29日には全上場会社および証券代行機関(株主名簿管理人)向けに「大変遺憾であり深刻な事態である」的な通知文を出している。三井住友信託(&みずほ信託も?)の誰かの首が飛ぶでしょうなあ。

 

ツルの私見ですが、本件の本質は「会社法で保障する株主の権利を損なう」とかいったことではなく、専ら次の点にある(それ以上のものではない)と考えます。

 

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(2020.09.23 日本経済新聞)

 

〔前略〕

 

実務上の利便性を優先した措置だが、周知されず、企業や投資家など大半が実態を把握していない。電子化が遅れ、業務負担が重いために問題が生じた側面もある。

 

〔後略〕
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そう、発行会社の知らないところで、というのが問題。「周知されず」の一言が非常に重い。ツルだって東芝の総会担当者の立場だったら「信義則違反だっ!」と叫ぶだろうし、「いえいえ、できるだけ早く行使内容を集計に反映させようと、いわばよかれと思ってやっていた実務だったんですよ」とか何とか説明を受けようが納得はしません。そりゃ、6月の株主総会集中時期に株主名簿管理人がどこも大変な苦労をしていることは重々承知してますが。

 

そして結局みずほ信託にも本件は飛び火し、9月24日、両行は「謝罪」に追い込まれた。

 

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(2020.09.24 ロイター 抜粋)

 

東芝の株主総会で一部の議決権行使書が期限内に届いていたにもかかわらず結果に反映されていなかった問題で、集計業務を受託する三井住友信託銀行は24日、同様の問題が975社で確認されたと発表した。
同行は午後5時から会見を開く。
みずほ信託銀行もまた、371社で同様の処理がされていたと発表した。集計作業は、三井住友信託との共同出資会社である日本株主データサービスに委託していた。同行は午後6時半からオンライン会見を開く。

 

〔後略〕
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えー、謝罪までオンラインで!!あったらしー?。

 

因みに上記の三井住友信託の数字には、子会社の東京証券代行の受託分38社、日本証券代行の受託分46社を含んでいる。早い話が、証券代行ムラのうち4社がアカンことをやっとったっちゅう話になったわけ。

 

(と、ここまでやっと書き上げたと思ったら、今度は10月1日に東証がシステム障害を起こして全銘柄終日取引停止という前代未聞言語道断の椿事に立ち至った。同日夕方にはトップ以下が雁首揃えて「謝罪」です。今日は無事再開してるけど、今度は東証&富士通の責任者の首が刎ねられるに違わんやね。)

 

(続く)

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