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2020年11月21日 (土)

I’ve Never Been to Me/愛はかげろうのように(34年目の宿題):2番

(承前)

 

日本語版がまたひどくてねー。一般に知られてるのは椎名 恵(1959.08.13~)によるバージョンだと思う。

 

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LOVE IS ALL 〜愛を聴かせて〜
 日本語詞:麻生圭子
 歌:椎名 恵
 (1986.11.05リリース)

 

幼い頃に描いてた
そしていつしか忘れた 夢の続きが
あなたに逢って今鮮やかに
この胸に満ちていく Ah目覚めてく

 

Love is all
女なら何よりも 愛を選ぶわ
たとえそれが苦しみでも かまわない
そうよ
遠くても大切な ものが見えるから
生きていける
You know my love is true

 

逢えない夜の数だけ
信じることを覚えていくわ
嘆くことより何ができるかを
今日もまた確かめて Ah瞳を閉じる

 

Love is all
誰だって弱いから 愛されたいわ
いつだって温もりが 欲しくなる
だけど
あなた以外の人は愛せないから
強くなれる
You know my love is true

 

Love is all
愛だけは越えられる すべてのものを
真実の愛ならば眠らない
Sweet fairy
I'm waiting what you just take out me
It's really my dream
I want the wedding bell

 

Tonight
Everything is you

 

I want the wedding bell
Everything is you
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麻生圭子は当時アイドルもの中心にばんばん書きまくっていたヒットメーカーです。内容の薄っぺらい曲のクレジット見てみたらこの作詞家だった、てことがよくあった気がする。かと思うとToshitaro(稗島寿太郎)の「Am9にジェイ 〜鋭角ボーイでいてくれよ〜」(えーまいなーないんすにじぇい:1985年リリース:太陽誘電のカセットテープ That’s のTVCM曲)みたいなとんがった詞も書いてたのになー。

 

原詞の持つ意味性と価値観は全て失われ否定され、何の深みもないつまらないラブソングになってしまった(ばっさり全否定)。「女なら何よりも 愛を選ぶわ」とか「誰だって弱いから 愛されたいわ」とか、Stereotype オンパレードで嫌になる。英語フレーズも内容なんかどうだっていいのね。80年代的洋楽カバーの悪しき典型という気がします(cf. 2020.02.22「Goin’ Back to China」)。

 

一方、原詞の薫りは、椎名版より前の1982年10月に、「聖母たちのララバイ」でノリにノっていた23歳の岩崎宏美(1958.11.12~)がライブで歌ったバージョンが、割と荒削りな詞だけどよく伝えてます(訳詞者不明)。

 

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愛はかげろうのように
 歌:岩崎宏美

 

ねえ lady どうして幸せが
訪ねてこないと悲しまないで
あなたの見てる夢は 多分
きのうまで追いかけてきた 私の夢

 

華やかなスポットライト 浴びる暮らし
美しい思い出を 作る恋
だけど心の片隅でつぶやく私
誰のために今生きてるの

 

Hey lady 自由とさみしさは
同じ顔をしてる双子だったの
あなたの夢を縛るものは
私にはこの孤独癒すぬくもり

 

欲しいものを手にしたつもりだったのに
笑顔に忍び込むこの虚しさ
それはきっとささやかな暮らしに抱かれた
愛のやすらぎを知らないから

 

(台詞)
ねえ 幸せって何かしら
腕の中で眠る子供の重み
喧嘩しては赦し合い
抱き合う相手
ありふれているのに
世界に二つとないあなただけの毎日が
多分 幸せ

 

一人まどろむこの両手が 探しているの
もう一つの人生を 生きてる私
それは素顔の幸せを 見慣れたあなた
誰かのために生まれ 生きてゆく夢

 

誰かのために生まれ 生きてゆく夢
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ツルは中学生の頃、アイドル岩崎宏美の大ファンでした。だからこのバージョンの方を先に知っていて、4年後に椎名版が出た時には「何じゃこりゃー」と思ったものです。昨年の福岡Uターンの際、パッケージメディアの類を処分してきてしまったので訳詞者が誰かわからないのが残念。
当時、椎名版の詞を誰が書いたのかはすごく気になっていて、そしてそのままになって、それが今回の大統領選で記憶の奥底から再び浮かび上がってきて、遂に判明した次第。
もちろん、別の作品を作り上げたのだ、という言い分はあるでしょうが、ね。

 

歌唱力を武器に岩崎宏美はアイドルから大人の歌手への階段を軽やかに駆け上り、ミュージカルやテレビドラマへの出演、外務省のジャパンウィーク事業におけるエジプトのピラミッドとスフィンクスの前での公演、チェコのプラハ交響楽団と共演したレコーディングなど芸域を着実に広げて成長していった。
一方私生活では、1988年に結婚して益田弘美と名乗った(お相手は旧三井財閥の重鎮益田鈍翁の玄孫/やしゃごだったため御曹司との玉の輿婚と騒がれた)ものの、1995年に離婚して岩崎宏美に戻った。二人の子供の親権を取れなかったことが一番残念だったと述懐している。そして2001年には声帯ポリープの手術、その頃からの甲状腺の病気など、浮沈はいろいろあるわけです。
それらを知ってこの歌詞を眺めると感興が深まる。今ひとたび、今だから、この歌を歌ってほしいと願っています。

 

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さて。なんでこの歌を愚blogで取り上げたかというと、このたびのアメリカ大統領選でジョージア州が大激戦区だったから。(因みにカリフォルニア州は無難にバイデンが獲った。)

11月11日段階で、開票率99%でバイデンが247万1,981票(得票率 49.5%)、トランプが245万7,924票(同 49.2%)とバイデンが勝利に王手をかけていたが、その差は僅か1万4,057票、0.3ポイントに過ぎなかった。同州の基準では、票差が0.5ポイント未満の場合は再集計を請求することができる。まーねー、がさつなアメリカ人のやるこったからねー。で、約500万票を全て再集計することになったわけ。手作業で期限の11月20日(現地時間)、つまり実質的に日本時間の今日までに終わらせなくちゃいけない。これで仮にトランプが勝ったとしても同州の選挙人は16人であり、合衆国全体のバイデン306 vs トランプ232という獲得選挙人数からして結果は動かないけど(法廷戦術を除けば)。

日本の感覚としては、「再集計なんて赤っ恥だよ、ちゃんとやれよ全く😔」といったところだと思うけど、それがアメリカ人の考える Fairness というものなのだろう。2000年(ブッシュ(子) vs ゴア)の選挙戦で、フロリダ州で再集計(その結果次第でどちらが大統領になるか決まるという緊迫した状況だった)が行われた際、アメリカ人の友人とそんな議論を戦わせたのを覚えている。

 

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【2020.11.22 追記】

 

再集計の結果は、11月19日(現地時間)に出ていたようです。バイデンが247万5,141票、トランプが246万2,857票、票差は1万2,284票となったらしい。
「らしい」というのは、「バイデン247万4,507票、トランプ246万1,837票で1万2,670票差でバイデンの勝利確定をジョージア州政府が発表した」とも報じられているから(2020.11.21 BBC(日本語版)記事)。おそらく、最終時点と確定時点の差なのだろう。
Bloomberg(日本語版)は「当初の集計結果ではバイデン氏の得票数が1万4,007票上回り、得票率で約0.3ポイント上回っていた」としており、これも微妙に数字が合わない。

 

しかしそこよりも、CNN(日本語版)で「全体として5,800票余りの未集計票があり」と出ていることの方が気になる。え、5,800票も!?という感じです。「未集計票」の意味するところが不明確だけど、普通に解釈すれば、どこぞの倉庫にでも未開封のまましまい込まれた投票箱があった、的な感じじゃないかしらん(投票者の意思を判別し難く無効票扱いとしていたものを再判読の結果有効票とした、のではなく)。

票差が縮まったことに伴い、再々集計を(今度は機械的スキャンにより)行う可能性もあったとのことですが、結局現地時間の20日の最終期限までにそれをやったという報道もないから、これで投票結果としてはほんとに一件落着なんでしょう。
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♪I've been to Georgia and California
 anywhere I could run
 I've been to paradise, but I...

 

これが今回の政治的に正しいオチ。

 

・・・誰か、叶姉妹二人に出演してもらってこの曲(原曲の)の新しいPV作ってくれないかしら(爆)。メラニアちゃんでもいいけど。それが今回のエンタメ的に正しいオチ😜。

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