【福岡の風物詩編】夏の大濠猪追物 & 冬の天神猿追物
さて、コロナコロナで明け暮れたこの年も押し詰まりまして。
ツル的に今年の福岡のローカルニュースで一番面白かったのは、真夏の熱い捕物劇のこれでした。
写真が全てを物語る。
2020年8月5日(水)早朝、福岡市中央区にある大濠公園に突如姿を現した一匹のイノシシが大騒動の大活劇を巻き起こしたという話。先頭の兄ちゃんの足先の角度も絶妙にイイですねえ(一歩間違えば警察じゃなくて半世紀前の革マル派か中核派だが😆)。
この公園の中心となっている「大濠」は福岡城の外濠だった池で、周囲2kmある。ツルが通っていた筑紫丘高校でも冬のマラソン大会はこの池を3周(女子は1周)するコースでした、確か。一帯は福岡市の中心も中心、一等地の住宅街+繁華街というエリアで、イノシシが出るなんて思ってもみないようなところです。ツルが住む南区老司なんかとはわけが違う(*)。
まあ、早い話が、上野の不忍池にイノシシが出た、みたいな感じ。
(*) 39年ぶりに再び実家に住み始めてから半年ほどの間に、庭で白昼にイタチを2回も見たのは仰天しました。嵐の夜に路上でアナグマらしき獣に出くわしたのにもびっくりした。中学や高校の時には決してそんなことはなかったのに。どんだけ田舎化しとるんや、福岡市南区老司ww、と思ったけど、都市化に伴って棲息域を拡げる生き物もいる。佐賀平野に特異的に分布するカササギもそうで、戻ってきたら老司の自宅でも普通に見るようになっていてこれまた驚いてるところです。尾の長い黒白ツートンカラーのお洒落な姿。飛翔力が弱い鳥なので、山や森があるとそこを飛び越えられないのだそうな。
各地で🐗や🐵が出たなんていう話は愚blogでも何度か取り上げてきたけど(cf. 2017.12.15【無明の闇(その23)】・2019.05.08「猿に始まり・・・」・2019.10.16「野獣の都 ⊂(^(工)^)⊃」)、160万都市のど真ん中でイノシシですよぉ。せいぜい150万人の神戸市なんかとは違うのよぉ😜。それだけでご当地ニュースとしては十分なインパクトがあったけど、このネタがツル的にツボだったのは、上掲の報道写真があの絵巻物にあまりに似ていたから(今回は類似がどうの模倣がこうのという話じゃありませんが😄)。
みんな大好き、国宝 鳥獣人物戯画の甲巻の一場面です。ツルも気づいて大笑いしたけど、ローカルニュースどまりの話だと思っていた、当時は。だから、これがネットの話題になっていたなんてことはつい最近まで知りませんでした。
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(2020.08.05 13:25 Twitter)
TLで「イノシシ騒動が鳥獣戯画」とかわけのわからないことを言ってる人が多かったので検索したらそのままだった。
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うはは、そのとおり。撮影したのは毎日新聞の須賀川 理カメラマンで、「この躍動感すげーわ」な賞讃が渦巻いていた。これら↓もこのカメラマンの撮影です。
うほっ、なんなんだこの異様なまでのリアル感(マスクしてるから年号も刻み込まれてる!😅)。動画よりよく緊迫感を伝えているのかもしれんなあ。城址の石垣の間を駆け抜けていく音まで聞こえてくるようです。
♪ああー 果てしない 夢を追い続け
ああー いつの日か 大濠駆けめぐる
しかし、このイノシシ君、その日のうちに御用と相成った由。西日本新聞が伝えたところによると「体長約1メートル、重さ約40キロの雄で、同日殺処分された」のだそうな。まだ若い個体だったんでしょう。南無阿弥陀仏。
このカメラマンの名を再び目にしたのは、それから4ヵ月後のこと。ついこないだの12月3日(木)から5日(土)にかけて、今度はニホンザルが一匹、こともあろうに中央区天神に迷い出た。こちらは文句なしに福岡市の中心地、というより九州最大の繁華街。東京で言えば銀座、大阪なら梅田、京都なら四条河原町といった場所で、当然「現場は騒然」となったわけ。さすがにこれにはたまげました。初めは東区の方で目撃されてたらしいんですが、どうやって天神までやって来たんだろう。
街路樹に登ったり大規模再開発中の工事現場に現れたりと大ハッスルした後、近くにある福岡市役所(!)の地下駐車場に逃げ込んだため、警察だけではなく市職員まで駆り出され、一説に130人体制になったとか、サル一匹に。加えて報道陣も詰めかけた。棒やら網やら吹き矢(鎮静剤入り)やら檻(🍌入り)やらを使い、夜には駐車場自体を封鎖するなどだんだん騒ぎが大きくなっていった。
この時にも須賀川カメラマン、出動してたんですねえ。
「イノシシ騒動のあのカメラマンだ!さすがに躍動感が違う」と話題になったわけ。ツルはこれで夏の猪版鳥獣戯画のバズりを知った次第。
須賀川 理という名前にはどうも引っかかりがあったので調べてみたら、2013年の報道写真展で企画部門奨励賞を受賞した作品が記憶に残っていたのだった。東日本大震災後、福島県相馬郡飯館村(いいたてむら)の自宅の縁側で満開の桜を見ている老夫婦と、その1年後に同じ縁側で同じ桜を黒枠の写真に入った妻と一緒に見ている夫という二枚組写真です。ある意味誠に残酷な時の流れを切り取ったもの。強い表現をする人だなあと思っていた。福岡に来ているなんて知りませんでした。
さて、大都会見物としゃれ込んだサル君、2日後には地下駐車場でタイホされた。こちらはNHKによれば「体長が50センチほどで4歳から5歳くらいのオスのニホンザルとみられ、けがはなく元気な様子」だったとか。元いたらしい東区の山奥に返されたということですが、同じ四つ足、同じ害獣でありながらこの扱いの違いは何ゆえよ。
とにかく、初冬のリアル・サルゲッチュだったわけ。
以上、微妙にご当地のPRを交えながらお送りしました。南区老司も今にイノシシやらサルやらシカやらが走り回るようになるのかしら、ツルも用心せにゃ😁。
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コロナ問題に世界中が振り回された苦しい一年も、あと1時間でおしまいです。個人的には、でも、福岡へのUターン転職が2019年ではなくこの2020年だったら(あるいはCOVID-19のPandemicが2020年ではなく2019年だったら)、どんなオソロシイことになっていただろうと考えると、髪の毛が逆立つような、ごっそり抜け落ちそうな思いに打たれます、ほんとに。結果的ながら、「地方移住」をある意味先取りしちゃったわけですしねえ、わっはっは。新しい勤務先は、コロナでダメージも蒙ってるけどメリットも享受してるという会社なので、そこで株式やら会社法やら金融商品取引法やらの今までのスキルを活かして仕事ができるというのは、まあそこそこ Happy Go Lucky なのかな。
新しい年、皆様にも佳きことがたくさん訪れますように。
― Inspired by「大都会」クリスタルキング(1979.11.21リリース)―
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