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2020年12月 6日 (日)

【加筆編】あやし妖かしクロニクル(カムロちゃん)

愚blogは基本的に、公募によるご当地キャラクターやご当地ロゴの制定プロセスにのみ関心があるので、その後の運用状況にはほとんど食指が動かないんですが・・・
それでも、先に相次いで取り上げた千葉県の印旛郡酒々井町と印西市(cf. 2020.11.15「草の根分けて探し出してまいりました:四本目」・2020.11.22【無明の闇 その32】・2020.11.23「Who wants a cheap Rhinoceros?」)の両方に隣接するこのご当地のニュースは気になっていた。

 

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(2020.01.21 千葉日報 抜粋)

 

佐倉市は、人気のご当地キャラクター「カムロちゃん」が、3月31日を最後に「佐倉おもてなしキャラクター」を卒業すると発表した。卒業後は市の公式キャラから退き、独自の活動を展開するという。
カムロちゃんは、市在住の漫画家で、イラストレーターの「誰(すい)か」氏が制作。2010年1月1日号の広報紙に掲載された4こま漫画「ふりむけばカムロちゃん」でデビューし、同年4月から佐倉・城下町400年記念事業のイメージキャラとして市の魅力を発信してきた。
18年3月で同記念事業が終了し一度は「お役御免」となったが、市民からキャラの続投を望む声が多く寄せられたことなどから、市のPR役に “再就任”。おもてなしキャラとして活動していた。
市によると、デビューから10年が経過し、ご当地キャラを取り巻く環境も変化する中、期待される役割を十分に果たすことが困難となった。一方、作者の誰か氏にはカムロちゃんの魅力向上や活躍の場を外部に求めていきたいという意向があり、協議の結果、卒業が決まったという。
3月に卒業式を行う予定。4月以降は誰か氏が運営し、独自に活動をしていくという。

 

〔後略〕
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カムロちゃん引退、である(ワカルかな?^^;)。ああいや、卒業か。

 

まず手始めにお城の歴史からいくと、戦国時代に千葉氏の居城として本佐倉城が現在の酒々井町本佐倉と佐倉市大佐倉に跨がって築かれ(酒々井町「勝っタネ!君」のモデル千葉勝胤は三代目城主)、その後、江戸期に入ってから土井利勝が佐倉市城内町の佐倉城を完成させて佐倉藩の藩庁としたのが1610年(これに伴い本佐倉城は廃城)。もちろん、本佐倉城も佐倉城も今は城址が残るのみ。土井利勝は秀忠・家光時代の幕府老中として大きな権力を握った人物である。

 

で。

 

千葉県佐倉市
佐倉・城下町400年記念事業 イメージキャラクター → 佐倉おもてなしキャラクター
カムロちゃん
誰か(佐倉市:漫画家・イラストレーター)
Suikakamurochan

 

漢字で書くなら「禿ちゃん」。一般的には遊郭の太夫に側仕えする[おかっぱ頭]の女の子のことですが、ここではご当地の江戸時代の史料「古今佐倉真佐子/ここんさくらまさご」にある「佐倉城内では書院の杉戸に描かれた禿が夜ごと絵から抜け出して遊んでいる」という話を基にしているそうな。
都市伝説あるいはそれを生む/好む心理(一般的な怪談や妖異譚と違うのは、現存する個別具体的な建造物/構築物の上に固着して発生/存在するという点ではないかと思うけど、違っているだろうか?)は、江戸期でも21世紀でも実は変わらないものなのじゃないかしらん。

 

400歳のガキのくせに、妖怪のくせに、着物姿のくせに、アイシャドウにアイラインにマスカラまでメイクばっちり。着物の柄の[桜]はむろん、佐倉の名にし負う市の木。
大衆百科事典 Wikipediaの「カムロちゃん」の項には次のような記載がある(抜粋)。

 

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2010年(平成22年)が1610年(慶長15年)に土井利勝が佐倉藩主となって400年目にあたる事にちなみ、佐倉城築城に要したとされる7年間(2010年度-2017年度)にわたり、佐倉市の歴史・文化・魅力を全国に発信する事を目的とした佐倉・城下町400年記念事業が執り行われている。
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え?2010年度~2017年度だったら8年間になるじゃんよ。調べてみると、築城に要したのは確かに7年間のようで、一方「平成22年度(2010年)から8年間を期間とした記念事業は、平成30年3月31日、ついに終幕を迎えます」と同市サイトに出ている。妙な具合に記載を端折ったから事実関係に狂いが生じちゃったんですな。その後、同事業の終了した後の2018年4月からは肩書を微妙に変えて2年間、市との関係が継続してきたわけですが。

因みに、同項には現在に至るまで「卒業」の件は出ていない😵。最終編集は2019年4月なので、「卒業」発表時点でも既に1年近くはほっとかれてたわけだ😖。

 

しかしだよ。どうせ中長期にわたるなら、佐倉市は400年記念事業を東京五輪の2020年夏まで延長してキリのいい10年間(+α)にするという軌道修正は考えなかったのかしらん?佐倉の名を世界に発信するまたとない機会だ、てな考えに市長が取り憑かれたりしそうじゃん(妖かしの力をもってすれば特に)。五輪の開催が決定されたのは2013年9月7日、延期が発表されたのは2020年3月24日である。

 

うーむ。愚blogとしては、2018年4月の「もち-うさぎ」の新潟県西蒲原郡弥彦村キャラ卒業(cf. 2018.05.09「糸の切れたキャラは何処へ行くのか」)や、2017年11月の秋田県「スギッチ」の作者意向による引退(cf. 2017.03.11「国体キャラの推移」)なんかを思い出してしまうなあ。もち-うさぎ作者の maki(最近は発信内容も落ち着いてるようです)が今は横浜市に住んでリモート操作状態となっていたのに対し、誰かはご当地現住のジモティである。何を意図してのことだったのだろうか。
高知県須崎市「しんじょう君」のアテンド、守時 健が効率的なキャラクター運営を目指して市役所を退職したのも、ほぼ同時期の2020年2月末。

 

カムロちゃんももち-うさぎも、キャラクター制作者が運営者の立場に変わる、あるいはその立場を兼ねることを意味する。しんじょう君も似たようなもの。ゆるキャラブームが遠く去った今、役所に管理を任せていたのでは出番も少ないし、自分で運営に乗り出した方がぶっちゃけ実入りも多い、みたいなことなんだろうか。逆に言えば、作者側に何らかの権利が留保されていた(あるいは作者側がそのように考えていた)レアケースだからこそ出てきた話、ということになりそうだ。
ツルは今まで、ゆるキャラ運営はごく一部の例外を除いてまず儲からない(らしい)と認識していたので、そこの危険を冒してでも、事業の全責任を取る覚悟で独立するという決断を下したところの具体的戦略を知りたい。それにこれ、今までの公共事業モデルからハローキティみたいな利潤追求モデルに転換するということでもあるわけですよね??
個性的なキャラクターはやっぱり非公募なんだ、と思うとともに、「熱量」を帯びた人が側にいるのなら一応は安泰なのかと思いますけれども。

 

あるいは、お城の杉戸絵が400年後に甦ったように、カムロちゃんも今から400年の後、いや、そこまでいかなくとも100年後の「佐倉・城下町500年」の2110年、突如復活を遂げたりもするだろうか(だから引退じゃないってば)。

 

それにつけてもタイミングが悪いです。このたびの「卒業」はCOVID-19蔓延によるものではないらしいが、3月29日の「第39回佐倉朝日健康マラソン大会 ~小出義雄メモリアル~」で予定されていた卒業式は大会ごと中止になってしまった(参加料は返還されず、TシャツやQUOカード等の参加賞送付で対応したものの事務局の手許には前年の2倍以上、1,000万円超の次回繰越金が残った)。2021年3月28日を予定していた第40回も既に2022年3月27日(+_+)への延期が発表されている。他のご当地イベントも今年はほぼ全て中止されており、来年の見通しも立っていないだろう。どんなところにご当地キャラクターの出番はあるのだろうか。

 

いずこのキャラにも斉しくアゲインストの寒風が吹きつける歳の暮れ。

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