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2021年1月 3日 (日)

似て非なるもの - 柚子胡椒 vs かんずり

(承前)

 

柚子胡椒のこと、もう少し深掘りしましょう(つくづくヒマ人やわ。実際には全く暇じゃないけれど。)

 

柚子胡椒は基本的に大分のもので、ご当地の一村一品運動の中で成長していった物産だと捉えている。今では福岡県産のものもあって、ちょっとびっくりします。基本的に緑色(鴬色?)をしたペースト状だから、青いユズ(の果皮)と青トウガラシをすりつぶして塩を加えて作るわけ。材料はそれだけ。中には赤いのもあって、それは熟したトウガラシと黄熟したユズを使う。たいがい塩雲丹と同じようなガラス瓶に入って売られてます。

大変辛味と塩気が強いので、ほんの少しずつ使うものです。一瓶あれば数年保つ(笑)。七味唐辛子(そう言えば、福岡では七味より一味の方が一般的みたい。うどん屋に置いてあるのもたたいてい一味唐辛子だけだったりします)やわさびが使える場面ならたいがい使えるんじゃなかろうか。つまりはテーブル用の調味料というかスパイスといった役どころで、少量でも柚子の香がぱっと立っていい感じ。湯豆腐なんかの鍋物のポン酢の薬味というのが最も一般的な使い途だろうけど、塩焼鳥とか、あるいは白身魚の和風カルパッチョにもよろしいです。天ぷらに添える抹茶塩の代わりにもできるんじゃないかな。前々回も書いたけど、夏ならツルは素麺もこれがなくてはダメです、きっぱり。

 

ツルの友人に料理の得意な新潟出身の男がいて、新潟の「かんずり」なる調味料をもらったことがある。やはり「何にでも合う」系の、柚子胡椒によく似た香辛料です。こちらは基本的に赤い。秋口に収穫した赤唐辛子をまず塩で下漬けして、それを雪国のこととて冬の最中に数日間雪の上に晒す工程が入るので、「かんずり」の名前もそこから来ている(かんづくり → かんづり?)のだと思います。山菜などを刻んで入れたバージョンもあり。

 

似ているとは言え、大きく違うところもあって、それはまず、かんずりは発酵食品であるということ。柚子と唐辛子と塩までは材料も同じだけれど、かんずりには米糀が入る。初めて味わった時ツルは、なるほど確かに柚子胡椒に糀が加わった感じのマイルドな風味ぢゃわいと思いました。ま、柚子胡椒の方がストレートに「柚子&唐辛子!!」なわけ。

ほんとは、この系統の食品は日本各地で北は青森から南は沖縄まであって、何らかの形で糀/麹を用いるものがほとんどなので、これが加わらない柚子胡椒の方が変わり種のようですが。
作る時期も、青柚子と青唐辛子を使う関係上、柚子胡椒では夏から仕込みが始まるという点が違います。

 

こうして見ると、北国のかんずりの方がだいぶ南国の柚子胡椒より手間がかかっているみたい。3年も熟成させて、最後にもう一度寒気に当てて完成するというんだもん。柚子胡椒は割合簡単に自家製も作れるようです。

 

今回調べていて初めて知ったけど、「かんずり」は新潟県妙高市の「有限会社かんずり」の登録商標なんだそうな!!柚子胡椒が各社から競って販売されているのとはやはり対照的です。

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