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2021年10月

2021年10月31日 (日)

🈴連載9周年記念企画🈴 義務教育期間終了 抜き打ち試験【正解&解説編:後半】

(承前)

 

選考結果は次のとおりとなった。

 

Kofuhealthycityresults

 

(最優秀賞)
青木孝至(大阪府四條畷市)(候補(8))
Aokikofuhealthycity

 

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応募者のコメント
健康づくりには積極的に身体を動かすことは欠かせません。「まずは動き出そう」ということを伝えたくて、準備運動([ストレッチ])をして歩き出す人をイメージしました。そして、[ウォーキング]で誘導してくれているのは[武田信玄]。[軍配]を持たせました。

 

投票者のコメント
◎分かり易く、元気が出る。軍配が甲府らしさを出している。
◎準備運動から歩き出す。ストーリー性があっておもしろいと思いました。軍配をもった武田信玄の発想に拍手です。
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(優秀賞)
①安藤亮司(甲府市)(候補(3))
Andokofuhealthycity3next

 

②井口やすひさ(群馬県高崎市)(候補(6))
Yasuhisakofuhealthycity6next

 

③塩崎榮一(大阪市)(候補(10))
Ekofuhealthycitynext

 

(6)はもちろん、やすひさですとも。コンセプトからしてもビジュアルからしても。

 

そもそも、初めの設問をあのような形で立てたのは、どの作品もコンセプトが貧弱だと感じた中、(8)だけが、作者がこの席題に対して何を考え何を伝えようとしたのか明確に述べていたからで、一頭地を抜いていた。「甲府市だから「K」だ」とか、「まず市章だろ」「いやいや武田信玄」とかの型に嵌まったガイダー思考ではないんです。

 

そのように読み取った上でビジュアルを見てみれば、やはり、「健康」にまともに向き合っていないものが多過ぎる。例によって全くそこに触れていない榮一の(10)ややすひさの(6)は言うに及ばず、(5)や(7)も「健康」ではなく「スポーツ」がテーマになっていて、微妙なズレがあるように思われる。(9)など「神奈川国体のロゴマークです」なんて言われても信じちゃうだろう。(3)の「運動着」も、一目瞭然それとわかるようにはビジュアルが作り込まれていない。
対して(8)は、「健康ってこういうことでしょ」「体動かすことって楽しいよね」が最前面に出されている。

 

そりゃ、(8)についても、「健康づくり=運動じゃないやん」とか「複数キャラ遣いの異時同図法は禁じ手だろ」とかの批判があり得ようことは否定しません。「栄養のバランス」、「暴飲暴食を避ける」、「十分な睡眠」、「禁煙(-.-)y-~~」、「熱中症予防」、「定期的な健康診断」、「ホームドクターを持つ」、「笑う(^O^)」、そして今どきは「感染症を避ける意識」なんてのも大切だろう。でも、各地に続々と生まれた「健康都市宣言」「健幸都市宣言」というものが、日本社会の高齢化に対応した「人生百年時代」や「健康寿命」の考え方に根差していることに鑑みれば、ウォーキングとウォーミングアップを主役に据える(8)がウケたのも納得がいく。多分、ランニング/ジョギングの(9)ではなかったんですよ。コロナ以降、朝に夕に世のお年寄りが気合い入れてウォーキングする姿はほんと増えた気がするもん。
そして、このビジュアルにおいて信玄公はメインではない。これが武田信玄だとわからない人でもデザインとしてちゃんと成立するようになっているんですね。

 

調べてみると作者の青木は、2018年12月に地元の起業イベント「地方創生ビジネスコンテスト 第1回みんなの夢AWARD in 四條畷」で準グランプリを獲得しており;

 

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青木孝至さんは、鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師でありなんとボート競技日本代表チームトレーナー、日本オリンピック委員会強化スタッフ(医科学)として国内各地、時には世界をまたいで活躍されています。本市ではスポーツ推進委員も務めていらっしゃいます。
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と紹介されている。「健康運動指導士」の資格も持っているらしい。いわば健康づくりのエキスパートで、コンセプトがしっかりしているのも道理。やっぱり生なかの「公募ガイダー」発想とは訳が違っていたわけです。

 

最後にネガティブなおまけ。
ご当地の「健康都市宣言の概要」として示されているのは次のような内容だった。

 

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健康都市宣言

 

自分の健康
自分の健康は自分で守り、日頃から心と体の健康管理に努めます。【人】

 

子どもの健康
家庭や学校での健康教育を通じ、子どもたちの健康づくりに努めます。【地域】

 

地域の健康
地域の人々の交流により仲間意識を高め、地域全体で協働による健康づくりに努めます。【地域】

 

企業の健康
地域と企業が連携し、地域ぐるみで健康に働ける環境づくりに努めます。【地域】

 

まちの健康
良好な生活環境の維持向上を図り、市民と地域の健康づくりを応援するまちの実現に努めます。【まち】
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思ったよりグダグダでびっくりしました。具体性がここまで欠落してるなんて。玉虫色で、例えば10年後に成果の総括をしようという時になって、肯定評価・否定評価のいずれも好きなように下せる形に仕込んであるわけ(キビシイねぇ)。
隠しようもなく無理くり感が漂うのは、先立って2018年3月に策定された「健康都市こうふ基本構想」で、「健康づくりの3本柱」として「人」(=自助)・「地域」(=共助)・「まち」(=公助)を挙げたことに起因している。菅 義偉前首相が好んで使ったフレーズです。公助すなわち自治体が担う役割の比率がちょっと低過ぎるんでないかい、そんな社会で年老いていきたくないわ、とダダをこねても詮ないことでしょうが。

 

(6)が「甲府市民全員参加=楽しく、笑顔が絶えない健康づくり」としていたのも、十分条件ではなかったことにはなりそう。自助と、せいぜい共助までしか表してないと考えられるじゃん。もっともこれは候補作品全般に言えることであって(採用された(8)を含め)、結局のところ大きな断層が生じているのは「宣言」自体のコンセプトとロゴマークのコンセプトとの間なのかもしれない。

2021年10月30日 (土)

🈴連載9周年記念企画🈴 義務教育期間終了 抜き打ち試験【正解&解説編:前半】(甲府市健康都市宣言・甲府市章・京都市略章・特定保健用食品)

さて、解答編。【設問1】・【設問2】、まとめてまいりましょう。

 

まずは基本の答え合わせから。コメントとビジュアルのマッチング。

 

山梨県甲府市
健康都市宣言 ロゴマーク
(一般投票候補作品)

 

(1)
歴史と文化が調和した自然豊かな甲府市をぐるっと360度見渡して、健康であることを喜ぶ人をイメージしました。
これからも健康であり続けようと、大きく深呼吸する人の姿がKOFUの「K」になっている様子を表現しました。
Kofuhealthycitycandidate1

 

(2)
甲府の頭文字Kをモチーフに擬人化(市民)し、ブドウのイメージと重ねました。
また、下部のオーバルは甲府盆地、豊かな自然環境を意味し、高々と指を突き上げ宣言するポーズにより市民地域行政が一体となり健康都市を目指す事を表現しました。
_amano_kofuhealthycitycandidate2

 

愚blog的観点から言えば、何と言っても問題なのはこの(2)だけれど、これについては後ほど。

 

(3)
戦国武将「武田信玄」が健康志向で運動着を着ている姿をキャラクター化し、マークのデザインにしました。
軍配には「甲府市健康都市」という文字が入っており、この目標に向かって、甲府市民に采配を振るうイメージになっています。
Andokofuhealthycity3next

 

なんで「甲府市健康都市宣言」を2つも入れたのか、他に何も思いつかなかったのか?それに、なぜ “Kofu City Healthy City Declaration” と英文表記が必要だったのか、さっぱりわかりませんね。変な英語になってる気がするし。

 

(4)
甲府市民全員参加=楽しく、笑顔が絶えない健康づくりをイメージ。
甲府市の「甲」の文字をモチーフ。健康都市宣言のレンダリング[引用註:原文ママ]もひと工夫しました。
Kofuhealthycitycandidate4

 

“rendering” はこの際 “lettering” のミスじゃないでしょうかねー、どう見ても(笑)。

 

(5)
甲府市民の元気な姿と市章を融合し、健康で活力に満ちあふれる甲府市を表現しました。人型は、健康の「K」であり、甲府の「K」でもあります。市民一人ひとりが、地域とのつながりを深め、元気にくらせるまちづくりをイメージしています。
Kofuhealthycitycandidate5

 

「健康の「K」」はさすがに無理があるだろう(失w)。ひっくり返すと頭のお皿にダイヤモンド嵌め込んだカッパにも・・・見えんか。

 

甲府市の市章が、京都市の「略章」に似ているのはなぜなんだろう。

 

山梨県甲府市
市章
Kofucity

 

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割菱は武田氏の家紋をとり、亀甲は「甲」の字の象形文字と市の長寿を意味します。
また、亀甲の頭尾四肢を内側に伸ばして連接すると、「本」の字となり「府は本なり」と言われることから、甲府の「府」を意味します。
割菱の色は甲府の特産であるぶどうの色、そして白地は平和を表現しています。
(明治39年10月制定)
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言ってることがよくわからん。「本」じゃなくて「木」になるだけだろうに。

 

京都市
略章
Kyotocityabbreviated

 

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京都市紋章は,昭和35年1月1日京都市告示第306号で制定され,「京」の字を図案化したものを御所車でかこみ,唐草を配したもので,色は金色と古都を象徴する紫色の2色を用いています。
また,略章は,明治24年10月2日京都市告示第36号で決められたもので,京都市紋章が制定されるまでは,き章とされていました。
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ほんっっと、交ぜ書きはやめてよね。「徽章」なのか「記章」なのかわからなくなるじゃないか。(いやそりゃ、「記章」だったら交ぜ書きにはしますまいが。)

 

(6)
甲府市健康都市宣言の名称から、甲府・健康「K」と「市章」をモチーフに、市民の交流を“笑顔”で表し、多様な健康づくりの連携による絆と魅力発信をイメージしています。
Yasuhisakofuhealthycity6next

 

コメント読んだだけでおわかりですね、あの大御所ガイダーです。

 

(7)
甲府市の空は富士の山とともに耀きどこまでも美しくて健康的・・・。家族や友人、会社で働く人々と共にのびのびとジャンプアップ!「健康都市宣言」にふさわしく、躍動感あふれて美しい・・・。そんな甲府市民のよろこびと心意気を謳いあげています。
Kofuhealthycitycandidate7

 

「富士の山」が描き込まれていないのがとても意外、逆に。

 

(8)
健康づくりには積極的に身体を動かすことは欠かせません。「まずは動き出そう」ということを伝えたくて、準備運動(ストレッチ)をして歩き出す人をイメージしました。そして、ウォーキングで誘導してくれているのは武田信玄。軍配を持たせました。
Aokikofuhealthycity

 

(9)
KOFUの「K」を人に見立てて生き生きとした動きのあるデザインで健康を表現しています。
健康意識を高め、健康づくりし健康維持に努めることを円形で表しました。
Kofuhealthycitycandidate9

 

色彩に洗練を感じないし、これが一番、コンセプトとビジュアルの間の断層が大きいと思う。
えっと、東京オリパラエンブレム再公募の次点にこんなのなかったっけ。

 

2020年 東京オリンピック・パラリンピック
エンブレム
(最終候補作品 B)つなぐ輪、広がる和
久野 梢
東京五輪エンブレム再公募 最終候補作品B

 

全然似てねーか💦。
でもやはり、この(9)で表されているのはHealthやFitnessというよりSportsやAthleteではないかという気がする。

 

(10)
甲府市「健康都市宣言」ロゴマークで「甲府市」の頭文字をローマ字の「K」をモチーフにし、地域の人々のスポーツに浸しむ[引用註:原文ママ]姿と子どもたちの笑顔と共に描きデザインしました。
Ekofuhealthycitynext

 

これが榮一作品だったわけ。

 

【設問2】の画像中、Fakeだったのはこれ↓です。

 

Specifiedhealthusefoodsbluefake

 

元ネタはこれ↓。

 

消費者庁
特定保健用食品マーク
Specifiedhealthusefoodsblue

 

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(Wikipedia)

 

特定保健用食品
効果や安全性の審査で健康の維持増進に役立つ科学的根拠が認められ消費者庁長官から表示が許可された食品。通称「トクホ」「特保」と呼ばれる。健康増進法に基づく特別用途食品に含まれる。
-----

 

コンビニの飲料コーナーなんかでよく目にするやつね。「健康」がこうして表現されていることは共通してるわけww。実際には色指定はされていないようで、カラーリングは様々なものがある(違和感のない色合いのものを持ってくるのに骨が折れました😜)。
これを混ぜたのはもちろん、(1)あたりに似てると思ったからさぁ。

 

(続く)

2021年10月24日 (日)

🈴連載9周年記念企画🈴 義務教育期間終了 抜き打ち試験【出題編】

愚blogで【もうやめようよ、ご当地キャラとか。】Seriesをスタートしたのは2012.10.14だったので、早いもので何とまあ9年が過ぎちゃったんですよ。小学校1年生だったのが花の高校生になろうかってなもん。よくまあ無事で・・・・・(T^T)。(50歳だったおっさんが59歳になろうがそこは別に変わりゃせんばってん)

 

で、いきなりの出たホイですが、試験編。まあ、今回は単なる通過儀礼、クイズ程度のレベルですけん、難しいもんじゃなかでしょうけど。でもFairなひっかけつきにしてあるとよ(^^;)。

 

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【設問1】
以下の9項目は、前回【その258】で挙げた「甲府市健康都市宣言」ロゴマーク公募において、同市が2020.12.01~18に行った一般投票の際、各候補作に付された「応募者のコメント」である。(ただし、塩崎榮一の次点作品は除いている。)
このうち、最優秀賞として採用された作品に係るコメントはどれか、理由とともに答えよ。

 

(1)
歴史と文化が調和した自然豊かな甲府市をぐるっと360度見渡して、健康であることを喜ぶ人をイメージしました。
これからも健康であり続けようと、大きく深呼吸する人の姿がKOFUの「K」になっている様子を表現しました。

 

(2)
甲府の頭文字Kをモチーフに擬人化(市民)し、ブドウのイメージと重ねました。
また、下部のオーバルは甲府盆地、豊かな自然環境を意味し、高々と指を突き上げ宣言するポーズにより市民地域行政が一体となり健康都市を目指す事を表現しました。

 

(3)
戦国武将「武田信玄」が健康志向で運動着を着ている姿をキャラクター化し、マークのデザインにしました。
軍配には「甲府市健康都市」という文字が入っており、この目標に向かって、甲府市民に采配を振るうイメージになっています。

 

(4)
甲府市民全員参加=楽しく、笑顔が絶えない健康づくりをイメージ。
甲府市の「甲」の文字をモチーフ。健康都市宣言のレンダリング[引用註:原文ママ]もひと工夫しました。

 

(5)
甲府市民の元気な姿と市章を融合し、健康で活力に満ちあふれる甲府市を表現しました。人型は、健康の「K」であり、甲府の「K」でもあります。市民一人ひとりが、地域とのつながりを深め、元気にくらせるまちづくりをイメージしています。

 

(6)
甲府市健康都市宣言の名称から、甲府・健康「K」と「市章」をモチーフに、市民の交流を“笑顔”で表し、多様な健康づくりの連携による絆と魅力発信をイメージしています。

 

(7)
甲府市の空は富士の山とともに耀きどこまでも美しくて健康的・・・。家族や友人、会社で働く人々と共にのびのびとジャンプアップ!「健康都市宣言」にふさわしく、躍動感あふれて美しい・・・。そんな甲府市民のよろこびと心意気を謳いあげています。

 

(8)
健康づくりには積極的に身体を動かすことは欠かせません。「まずは動き出そう」ということを伝えたくて、準備運動(ストレッチ)をして歩き出す人をイメージしました。そして、ウォーキングで誘導してくれているのは武田信玄。軍配を持たせました。

 

(9)
KOFUの「K」を人に見立てて生き生きとした動きのあるデザインで健康を表現しています。
健康意識を高め、健康づくりし健康維持に努めることを円形で表しました。

 

【設問2】
以下の10点は、上述の「甲府市健康都市宣言」ロゴマーク公募の一般投票の対象となった候補作である。(ただし、上述の榮一作品は除き、代わりに無関係なFake作品を1点紛れ込ませている。)
このうち、採用された作品およびFake作品はそれぞれどれか答えよ。

 

Specifiedhealthusefoodsbluefake Kofuhealthycitycandidate9

 

Kofuhealthycitycandidate4 Aokikofuhealthycity

 

Kofuhealthycitycandidate7 Kofuhealthycitycandidate5

 

_amano_kofuhealthycitycandidate2 Yasuhisakofuhealthycity6next

 

Andokofuhealthycity3next Kofuhealthycitycandidate1

 

     以 上

2021年10月23日 (土)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その258:甲府市健康都市宣言・柏崎の海キラキラ未来プロジェクト)

(承前)

 

スポーツネタの次は健康づくり。

 

山梨県甲府市
健康都市宣言 ロゴマーク
(優秀賞)
塩崎榮一
Ekofuhealthycitynext

 

何遍こういうの見てきただろうか・・・。カラフル[丸ブー]に[顔]入れて。

 

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甲府市「健康都市宣言」ロゴマークで「甲府市」の頭文字をローマ字の[K]をモチーフにし、地域の人々のスポーツに浸しむ姿と子どもたちの笑顔と共に描きデザインしました。
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ほれ、ここにも「○○○で・・・」の置き字があるでしょうが。
「浸しむ」は無論「親しむ」のtypoだろうけど(願わくば榮一のミスではないことを)、一体どう打ったらこんな変換が出てきたのだろう?甲州弁でも「ひ」と「し」の区別がつかなかったりするんだかね。

 

このところ(2002年の健康増進法がそもそものきっかけだったのだと思う)、全国中で「健康都市」だの「健幸都市」だのを宣言する自治体がえらく増えてきた(ご当地は2019年9月に宣言)。今や健康の維持増進は生涯にわたっての国民の義務とされておりますからね。喫煙者なんて非国民扱いですな(-.-)y-~~~。
当然のようにロゴマークやらシンボルマークやら定めるケースも多くて、公募ガイダーの小遣い稼ぎの資金源の一端となってるわけです。まあ応募内容は(全てとは言わんが)推して知るべしのひどいモノがたくさんある。いずれまた容赦なくぶった斬ることもあるでしょう、気が向いたら。

 

いかん、他に書くことが何も思い浮かばん・・・。

 

いや。
この公募が実施されたこと自体に違和感を覚える。結果発表されたのは2021年2月で、募集は2020年8月頃。つまりコロナ感染が拡大してからのことなのに、何もそこに対応しようとした形跡がない、「健康都市宣言」と銘打ちながら。

 

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甲府市では、令和元年9月に「健康都市宣言」を制定し、これを機に、市民が健康に対する意識をより一層高め、健康づくりに取組んでいく機運を高めていけるようなロゴマークを募集したところ、全国から70作品の応募をいただきました。
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「健康」や「健康づくり」の概念がすっかり変わってしまった今、“Before Corona” の思想を宿して作られたものに、今さらどんな価値があるのだと疑問を感じる。この「健康都市宣言」の政策自体、基本方針の変更を余儀なくされるはずでしょ?もっと言えば、このところのふわふわっとした「健康都市宣言/健幸都市宣言」の流れもこの辺りで一旦は途切れるのだと思う。そしてまた、“With Corona” を織り込んだ新しい「何か」が生まれてくるのだろう。

 

微妙に似てるような似てないようなコンセプトのところでもう1点。

 

新潟県柏崎市
「未来につなぐ柏崎の海」新プロジェクト → 柏崎の海キラキラ未来プロジェクト
ロゴマーク
福添歩美(グラフィックデザイナー)
Afkashiwazakiseafuture

 

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「未来につなぐ柏崎の海」の新プロジェクトロゴマークデザインで、柏崎の頭文字をローマ字の[k]をモチーフにし、美しく豊かな[海]を未来につなげたい思いでデザインしています。
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2021年7月4日に発表されたもの。もう半分忘れかけてるけど、この7月上旬というのはコロナ感染拡大の最中、ではなく、第4波と第5波の狭間にあった時点。色味は甲府市とほぼ同じ😓。[波しぶき]の表現は、地味ながら塩崎一族に特有のものである。[丸]が小さめで楕円化するのも塩崎流。そして歩美の頭には(父親の?)これもあったろう↓。

 

【その219】
神奈川県小田原市
漁港の駅 TOTOCO小田原
ロゴマーク
塩崎榮一
〔2018年8月発表〕
TOTOCO小田原

 

♪他人にきかれりゃ お前のことを
 自作・初出の作品と
 作り笑いで答える私

 

一体これはどんな企画なのかと思ったら、柏崎市サイトに「名称189作品とロゴマーク124作品の中から、市内観光関係者による一次選考で各5作品を選出し、柏崎ファンクラブ会員及び海水浴場関係者による最終選考で採用作品を決定しました!」と出ているから、つまりはオーシャンスポーツ推しかいと思ったらどうも微妙。

 

(プロジェクト名称)
柏崎の海キラキラ未来プロジェクト
塚谷隆治(千葉県:会社員)

 

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柏崎の海を核として、水産業・観光業・商業などが未来に向けてキラキラと輝くようにするプロジェクトであることを表現した名称です。
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キラキラ✨してるのは柏崎市産業振興部商業観光課観光振興係(18文字)のアタマかもしれない。因みに「柏崎ファンクラブ」に関するお問い合わせ先は柏崎市総合企画部元気発信課移住定住促進係(20文字)となっております、お間違いなきよう。

 

♪アレがゆとりの世代だと
 馬鹿にされても 夢がある
 それは地元の賑わう姿

 

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(2021.05.21 同市サイト 抜粋)

 

柏崎の海は古来より漁業や海運業で柏崎の礎を築き、近年は景観や食文化、レジャーで観光業・商業を支え、私たちの暮らしに寄り添い共に歩んできました。
今、市民の皆さんと一緒に、柏崎の海の魅力を未来につなげるプロジェクトを始めます。
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(2021.07.04 同市サイト 抜粋)

 

柏崎の海キラキラ未来プロジェクトとは
柏崎の海。古来は漁業や海運業で柏崎の礎を築き、近年は景観、食文化、レジャーで観光業・商業をささえ、私たちの暮らしに寄り添い共に歩んできました。
このプロジェクトは、海で活躍する事業者・団体などが日頃の活動やイベントなどの情報発信や補助金を用いた新たな観光商品の開発、柏崎市の重要な観光資源である「海」の魅力を、未来につなげることを目的とした取り組みです。

 

海での活動や楽しみ方について情報を発信します!
柏崎の海キラキラ未来プロジェクトに賛同された団体(事業者)の基本情報や海での活動を、市の広報やホームページ、SNSなどを通じて情報発信します。
また、個人の方から寄せられた海の楽しみ方も同様に情報発信します。
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結局何がしたいのかようわからん。わざわざプロジェクト化する理由は何なのかね。
えーと、こういうのを、「黙食」ポスターを考案した福岡のMasala Kitchen店主、三辻 忍氏は『高速サービスエリアのトイレで見かけるような「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」に通じる「結果的に矢がどの的にも当たっていない感じ」』と評したんだろうなと思ってみたり(cf. 2021.01.22「「コロナ」が作り出したもの - 「黙食」という言葉の強み」)。
というより、これまた “With Corona” 的なところがどう考えられているのかまるで打ち出されてないところが解せません。

 

― Inspired by「花街の母」金田たつえ(1973.06.10リリース:作詞 もず唱平:作曲 三山 敏)―

 

♪他人にきかれりゃ お前のことを
 年のはなれた妹と
 作り笑いで答える私

 

♪あれが子持ちの芸者だと
 バカにされても 夢がある
 それはお前の 花嫁姿

 

※金田たつえはこの歌の「娘」の立場で育った由。一方、この歌詞が作られたのは金田の生い立ちとは関係のない偶然だったそうな。

2021年10月17日 (日)

もうやめようよ、ご当地キャラとか。(その257:北名古屋市スポーツ協会・スポーツクラブのしろ)

(承前)

 

一月以上本編をほったらかしにしていたので、今さら改まってサァ書き始めましょうとなるとなんか変な気分。だって番外編書いてる方が面白いんだもん。
まーねー、何年も書いてて(実はこの「もうやめようよ、ご当地キャラとか。」Seriesを2012.10.14に書き始めてから丸9年を迎えたところです😱)いつも対象の塩キャラ/塩ロゴはこう似たり寄ったりばっかりだから、こっちも書くことがテンプレになっちゃってねーー、気が乗らないことだってあるのだよ。感性が鈍ったのかしら、それとも単に年を取って丸くなっただけかしら(おいおい)。あー、それは公募ガイダーにとっても同じことかいな。
まだまだ在庫はある中から、もはや昔懐かしい感もある[丸にブーメラン]系が令和の世に生まれてきた例を2回連続で見てみます。

 

まず、今年3月に発表されたこれから。

 

愛知県北名古屋市
北名古屋市スポーツ協会
シンボルマーク
福添歩美
Afkitanagoyacitysportsassociation

 

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北名古屋市スポーツ協会の頭文字[北]をモチーフにし、スポーツの普及と市民の体力向上と健康増進のためスポーツに親しむ姿をイメージしデザインしました。
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申し訳ないけど、いつ見ても「豚小屋」的に感じてしまう読み方であることよ。デザインは王道の[丸ブー]と言えよう。でも今さらそれかよと思っちゃう、平成大合併の時代じゃあるまいし。「スポーツ」がよく表されているとも思わない。早い話が「これは北名古屋市の市章です」と言われたらスルッと信じちゃうでしょうが。
日本語は少し不自由😁。「スポーツの普及・・・のためスポーツに親しむ姿」と読み取るのかな?だとしたら相当空虚な置き字アタマだ。

 

この団体も、2020年4月(思えば、2020.03.30に東京オリパラの1年延期が決定された翌月だった)に「北名古屋市体育協会」から名称変更しており、これも「「スポーツ」化」という世の趨勢に沿ったものと見られます。スポーツ庁はいつ解体されるのだろう(文部科学省/Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technologyの中に入っちゃえば十分でしょうよ)。

 

(優秀賞)
石黒真司(愛知県一宮市)
松岡光雄(新潟市)

 

じゃ、次。同作者の同分野の同月発表のものをもう1点😆。

 

秋田県能代市
スポーツクラブのしろ
シンボルマーク
福添歩美(グラフィックデザイナー)
Afsportsclubnoshiro

 

あー。[へのへのもへじ系]ですかあ。これまた万古不易ですなあ。塩崎一族の[丸ブー]は伝統的にww、「丸」が[楕円形]で小さめに表される場合が多いということはあって、これもそう。上掲の北名古屋市のようなケースの方が珍しいと思うのですが。

 

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コンセプト・イメージの説明
「スポーツクラブのしろ」のシンボルマークで、[のしろ]の文字をモチーフにし、地域の人々がスポーツを楽しみ健やかで活力のある地域社会の実現を目指すイメージをデザインしています。

 

採用理由
誰もがスポーツクラブのしろだと認識でき、色にインパクトがあり、スポーツを気持ちよくできる表現と文字の組み合わせで地域の人が健やかで活力ある地域社会の実現を目指す当クラブのイメージに該当する。
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まあねえ。北名古屋市のよりは身体動かしてるっぽい気はするけどさあ。それよりも馬鹿っぽい気がするんですよ、選考コメントが。41点の中から選んだというから、選択肢があまりなかった、まともなコメントも書きづらかったということでしょうな。
作者コメント冒頭に「○○○で・・・」と書くのは塩崎一族の昔からの常套手段で、「○○○」には公募対象がそのまま入る。これまた書くことがない時に使う意味レスな置き字(^_-)。

 

そう言えば、この10年前、一族にはこんなの↓もあったな。

 

【その169】
秋田県能代市
能代商工会議所
のしろブランド 認定シール
塩崎エイイチ
〔2011年2月決定〕
のしろブランド 認定シール

 

こっちだってスポーツネタになり得るわな。
実際に利用された形跡がどうも見つからないんですがね。東日本大震災の直前の決定だったから、何か影響を受けたのではないかと考えたりするのだけれど。
娘、いや別名義によるリベンジが果たされたということでしょうか。

 

//

 

何らかのアイキャッチならばよくて、シンボル/イコンとしての意味性や価値は問われないのだとすれば、ご当地デザイン公募は(応募側にとって)極めてCPの高い業とは言えよう、たとえ対価の価格破壊が続いている状況があるにせよ。
しかし、受益者たるべきご当地住民はそれで満足なのか。デザインなんてまるで興味ない派は除外するとして、質の高いものを求めるConnoisseur層の(潜在的?)ニーズに応えていくことは必要ないのかと思う。その思想がないのなら、公募ガイダーという存在などむしろ有害である。

 

・・・書いてるうちに案外ガッツリになっちゃった💦💦。

 

(続く)

2021年10月16日 (土)

【コトバ編】許すべからざる老醜メソッド(全国交通安全・成田市60周年・函館市電100周年・岩手冬季国体・デカンショ節)

(承前)

 

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村岡孝司(調べてみると今年78/79歳ということである:兵庫県丹波市)や村岡君代(丹波市)や村岡佳苗(丹波市)の一族が「かがやき」だの「きらめき」だののClichéを散りばめたり、同一の語句を使い回したりして “標語づくり名人” と持ち上げられているのに比べ(このことはまたいつか)、
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今回はその村岡一族について。こちらの想像を遥かに上回る凄い話がローカル紙に出ていた。

 

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(2020.08.22 丹波新聞)

 

標語・スローガン愛好家の世界で、6-7万点という応募数の多さから最難関の一つに数えられる「全国交通安全運動」の年間スローガンで、最優秀賞の内閣総理大臣賞を前人未踏の4度受賞。獲得した表彰状は500枚を突破した斯界の巨人・村岡孝司さん(78)=兵庫県丹波市柏原町柏原=に、制作の現場を見せてもらい、作品をつくるコツを教わった。年間20-30回入選する名人は、言葉が天から降って来る天才肌でなく、研究を怠らない努力の人だった。
ホテルマンだった27歳の時に、地元の氷上郡交通安全協会の標語で初入選。

 

〔中略〕

 

年間70-80のコンクールに応募。半数ほどは、毎年募集があるものという。「ゼロから作っていると思われがちですが、そうでもないんですよ」とノートを取り出した名人。前年に応募した作品が、1点ずつ丁寧に整理されている。

 

「前の年に応募した作品を点検して、五七五の順番を入れ替えたり、推敲して、ある程度つくります。捨てがたいものは、そのまま応募することも。クイズと違って正解がなく、審査員が一部入れ替わることもありますから」

 

既存作品のリニューアルの後、新しい感覚で作った作品を加えていく。自身の作品が採用されなかった場合もノートに結果を貼り、ライバルが作った採用作を鑑賞し、分析する。
コンテストの応募は、雑誌「公募ガイド」のほか、インターネットで探す。ネットで検索中に新しい用語と出会うことがあり、気になった語句をメモして語彙を増やしている。

 

〔中略〕

 

力を入れている全国交通安全運動のスローガンは、500点ぐらい作り、300点ほどを選んで応募する。印刷所でつくってもらった私製はがきに1点ずつ作品を書き、何十枚かずつ封筒に入れて送る。事務局がどんなふうに集計し、審査しているのか知らないが、「まとめて一度に大量に送るより、分けて送った方が目につく回数が増える気がする」。太いペンで丁寧に書くように心がけている。

 

これまでの獲得賞金の最高額は10万円。若い頃は知らない土地に行くのが嫌いで、新婚旅行にも行かなかった。しかし、表彰式に招かれるようになってから、旅行が好きになった。表彰式ついでに妻と名所を訪ねるのが楽しみという。

 

〔中略〕

 

現在、入選回数は957回。次の目標「入選1000回」にもう少しで到達する。

 

◆村岡さん直伝、作り方のコツ◆
・過去の入選作の傾向を調べる
・分かりやすさ、読みやすさ、覚えやすさ
・できるだけ命令口調は避ける
・漢字とひらがなをバランスよく
・募集要項をよく読み、主催側の要望を理解する
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20200729muraokatakashi

 

あれ?72歳の時は「喜寿までに1000点の受賞が目標」って言ってたのにそこは叶わなかったんだ、なんてことはさておきw。
一体この認識はどういうことなんだ???「リサイクルまずありき」を自らアピールするって・・・・・・。コンプライアンス意識のかけらもない。ツルに言わせれば小山田圭吾とさして変わりはしない、自らの不適切な行為を自慢げに語ったという意味で。それを無批判に報じた丹波新聞の報道機関としての見識もまた疑わざるを得ない。
もちろん、「こんなの当たり前だよ、何の問題があるんだよ」という考え方もあり得るだろうことは、頭では理解する。しかし、だったら次の事案はどうだ。
上掲の記事で「前人未踏」と評されている、「全国交通安全運動」(主催:全日本交通安全協会・毎日新聞社)の最高賞を得た4点の標語。

 

平成21年使用 交通安全年間スローガン
内閣総理大臣賞(最優秀作)
一般部門(歩行者・自転車利用者に対するもの)
「渡れそう 今なら行けるは もう危険」
村岡孝司(66歳:兵庫県丹波市柏原町柏原:会社員)

 

平成23年使用 交通安全年間スローガン
内閣総理大臣賞(最優秀作)
一般部門(歩行者・自転車利用者に対するもの)
「行けるかな 渡れそうでも 待つ勇気」
村岡孝司(68歳:兵庫県丹波市:無職)

 

【2015.04.21「十年に一度の逢瀬:6」】
平成27年使用 交通安全年間スローガン
内閣総理大臣賞(最優秀作)
一般部門A(運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの)
「早めから つけるライトで 消える事故」
村岡孝司(72歳:兵庫県丹波市:無職)

 

平成30(2018)年使用 交通安全年間スローガン
内閣総理大臣賞(最優秀作)
一般部門B(歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの)
「行けるはず まだ渡れるは もう危険」
村岡孝司(75歳:兵庫県丹波市柏原町柏原:無職)

 

これだけでも十分驚く。ツルは全く共感できないし、全くスゴイとも思わない。そんなやり方だから出来上がった作品がつまらねえんだよ。がっかりする人もいるでしょう。
主催者側は、どうしてこんなに似ているものを選んだの??審査の体制はどうなっているの???著作権についてはどう考えているの????ザルじゃん。「作者が同じだから似てくるのもしょうがないよね」という、ご当地キャラやご当地ロゴで何度も目にしてきたテンプレ擁護論が、ここでも横行しているの?
さらに、これ↓を重ねると、もっと愕然とする。

 

平成29年使用 交通安全年間スローガン
内閣府特命担当大臣賞(優秀作)
一般部門B(歩行者・自転車利用者に対するもの)
「まだ行ける 渡れそうでも 待つゆとり」
村岡孝司(兵庫県)

 

オソロシイでしょ。これが平成23年版で総理大臣賞を獲ったより後の作品なんですよ😡。まさに、ストックからアイテムを手あたり次第引っ張り出してきて盛り付けただけの話、塩キャラのてんこ盛りDogma同様に。
こうして作ってるわけだな、と思って探せばやっぱり次々見つかった。

 

【2015.04.21「十年に一度の逢瀬:6」】
兵庫県丹波市
丹波市制10年 PRキャッチフレーズ
村岡孝司
「人かがやいて10年 夢きらめいて未来」
〔2014年2月決定?〕

 

ご当地要素ゼロ、10年経ってりゃどこでも使える、阿波市↓でも。

 

【その127】
徳島県阿波市
阿波市制施行10周年記念事業 キャッチフレーズ
村岡君代(兵庫県丹波市)
「10周年 かがやく阿波市に きらめく未来」
〔2014年5月決定〕

 

(佳作)
村岡孝司
「輝いて10周年 さらに未来へはばたく阿波市」

 

千葉県成田市
市制施行60周年記念事業 基本テーマ
「歴史と共に60年 さらに未来へ 飛躍の成田」
村岡孝司(兵庫県丹波市)
〔2014年1月発表〕

 

安八町↓と取り替えっこ可能。

 

【2015.04.21「十年に一度の逢瀬:6」】
岐阜県安八郡安八町
合併60周年 記念キャッチフレーズ
(佳作)
村岡佳苗(兵庫県丹波市)
「ともに輝き60年 さらに未来へ きらめく安八」
〔2014年7月発表〕

 

//

 

北海道函館市
函館市企業局交通部
市電100周年キャッチコピー
「100年の 歴史を乗せて 夢・未来」
村岡孝司(70歳:兵庫県)
〔2013年3月掲示開始〕

 

ご当地要素ゼロ(その2)、100年経ってりゃどこでも使える。

 

岩手県八幡平市
特別国民体育大会冬季大会 スキー競技会
スローガン
「白銀に 映えるみんなの 夢・未来」
村岡孝司(兵庫県丹波市)
〔2021年7月選定:2023年2月開催予定〕

 

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白いゲレンデに映える選手はもちろん、スタッフや応援する人など大会に関係する全ての人の夢や未来が輝いて欲しいという願いを込めています。
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ご当地要素(ほぼ)ゼロ、寒冷地ならどこでも使えるし何にでも使える。

 

これは、新型コロナウイルス感染拡大のため2020年から2023年に延期された「燃ゆる感動かごしま国体」の冬季大会(のうちスキー競技会)のことで、愛称(「いわて八幡平白銀国体」by 熊谷幸平@岩手県一関市)とともに公募されたもの(よく考えるとちょっと不思議、どちらにも「白銀」が入っているのは何故)。
しかし現在、日本スポーツ協会のサイトには「白銀に 映える君らの 夢・未来」と修正されて載っている(@_@)。一体どんないきさつがあったやらww。

 

なお、鹿児島国体の延期時期が2023年と決定したのは2020年9月のことだが、その冬季大会は既に2020年1~2月、青森県八戸市・三沢市・三戸郡南部町と富山県富山市・南砺市で「氷都新時代!八戸国体」(スケート・アイスホッケー)・「とやま・なんと国体2020」(スキー)として開催済みだった。 延期後の鹿児島特別国体の冬季大会が、上記の岩手県八幡平市(スキー)と青森県八戸市・南部町(スケート・アイスホッケー)に決定したのは、それぞれ2020年12月と2021年3月である。つまり、夏の鹿児島が2023年となった後で別途新たに冬の開催地を決めたわけ(因みにその時点で、当初2023年に予定されていた佐賀国スポの冬季大会の開催地は決まっていなかった)。「開催済みだからもうやりません」とかじゃないんだ。岩手の愛称とスローガンが募集されたのは更にその後2021年5~6月で、あれやこれや大変なことです。

 

どの都道府県にも半世紀に1度回ってくる夏の本大会と違い、冬季大会、特にスキー競技会は寒冷地に集中していて(西日本での開催は1993年の鳥取大会を最後に途絶えている)、そういうところでは勢い開催頻度が高くなり負担が大きいとして敬遠される傾向にあるらしい。
2021年の今年予定されていて中止となった「三重とこわか国体」(延期の可能性ももうない;cf. 2021.09.22「とこまるの ゆくえ」)の冬季大会のうち、同じく中止された秋田県鹿角市の「美の国あきた鹿角国体」(スキー)は、来年の「いちご一会とちぎ国体」の冬季国体として2月に「美の国あきた鹿角国体2022」でリベンジ予定だとか(事実上の延期と言えよう)。一方、2024年に延期された佐賀国スポの冬季大会の場所は現在も未定である。こうした諸々自体、冬の開催地選びが毎回難航する現状を表しているのじゃないかしらん。

 

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兵庫県篠山市(現 丹波篠山市)
平成30年度 第8回日本デカンショ節大賞
「粋な浴衣で デカンショ踊る
 おらが女房に 惚れなおす」
村岡孝司(76歳:兵庫県丹波市柏原町柏原:無職)

 

【2015.04.21「十年に一度の逢瀬:6」】
兵庫県篠山市(現 丹波篠山市)
平成26年度 日本デカンショ節大賞
(優秀賞)
「デカンショ踊りを 教えた孫に
 今じゃ私が 手を引かれ」
村岡君代(兵庫県丹波市)

 

20140810muraokakimiyo

 

このお盆イベント「丹波篠山デカンショ祭」も、その後去年今年と2年続けてコロナのため中止された(君代が次点に入った平成26年度も豪雨災害でクライマックスの「総踊り」が中止になっているが)。フランスに住んで2年に1度しか帰国しないというお孫さんに手を引かれてまた行ける日はいつ来るんですかね。

 

もう、一族総出で勝手にやっとれ。

2021年10月10日 (日)

【加筆編】結局のところこの高齢のガイダーに如何なる評価を下すかの件(下水道標語・憲法改正川柳)

(承前)

 

そして遠藤は、純然たるコトバ界公募にも顔を出している。

 

公益社団法人 日本下水道協会・日本水道新聞社
第60回(令和2年度)下水道の日 下水道いろいろコンクール
標語部門
(入選)
「マンホール 郷土の顔です 誇りです」
遠藤克也(85歳:山形市)

 

ううぅ。これ、ご当地デザインマンホールのことを詠んでるんですねきっと。ツルが馬鹿にしてやまないところの(現代アートしてるww福岡市版を除く;2021.02.11「博多ラテンの血が騒ぐ?」)。マンホールが街の顔だとはゼッタイに思わんけど。

 

「絵画・ポスター」「書道」「作文」「標語」「新聞」のいろいろ5部門で募集されたもので、全体の応募総数は82,373点、標語部門だけでも6,017点という大型公募。2021年3月に決定されたというから、ついこないだじゃないか。

 

(国土交通大臣賞)
「下水道 雨水も汚水も すーいすい」
野村朱季(広島県呉市立阿賀小学校3年)

 

(日本水道新聞社社長賞)
「下水道 見えない努力 ありがとう」
森田 翔(茨城県下妻市立下妻小学校5年)

 

(入選)
「かりた水 キレイに返して リサイクル」
遠藤聖也スティーブン(茨城県北茨城市立華川小学校3年)

 

「げすいどう みずのおそうじ ありがとう」
佐々木謙伍(茨城県鹿嶋市立高松小学校1年)

 

「下水道に『いいね』をたくさん つけたいな」
松下弘美(58歳:埼玉県東松山市)

 

遠藤克也

 

「下水道 『きれい』が巡る 町作り」
海老原順子(65歳:茨城県桜川市)

 

うーん。国土モノとか交通モノとか防犯モノとかの標語の公募って、どうしてどれもこんなに薄っぺらいんだろう。
いや。大人からの応募作品がつまらないのかもな。

 

その点、非常に興味深いのが次の公募である。

 

新しい憲法をつくる国民会議(自主憲法制定国民会議)
第5回 憲法改正川柳コンクール

 

(入選作)
「改憲したい でも党略で 巳むを得ず」
遠藤克也(山形県)

 

「混迷の 世に改憲こそ 待ったなし」
遠藤克也(山形県)

 

毎年5月3日になると「護憲・改憲双方の団体が集会を開きました」と報道される、その前者の方です。2019年開催の「新しい憲法をつくる国民大会」で、この年は第50回の節目だった。こちらも2,636点を集め、「209句をまず入選作とし、その中から、特に、ひねりの効いた、考えさせられる七句を選び、大賞1、佳作6、とし、大会の壇上に墨書し」たのだそうな。

 

(大賞)賞金3万円 + 書籍「岸信介元総理の志 憲法改正」「国民投票のための憲法改正学」(同会議会長 清原淳平 編著)
「「しまった」では 済まぬ審議を 与野党で!」
まっさん(熊本県)

 

以下省略。ステージに貼り出された7点の入賞作はどれも最後に「!」か「?」がついていて、それは毎年同じだから、運営側で付したものと見られる。川柳公募を始める前はスローガンを数点貼り出しており、その頃から「!」「?」つきだったので、それを踏襲しているわけ😆。政治的信条は別にして、厳密には人心の機微を詠むという川柳の定義から外れていると思う。早い話が五・七・五のAgitation。

 

国民大会では毎回、入選句をまとめた小冊子を作るとともに、掲出句の講評を会長の清原が述べ、大会名物になっているらしい。同様のことは前回取り上げた創作漢字コンテストでも行われており、主催団体の一つ立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所の所長だった加地伸行による講評がネット公開されている。読み比べてみると非常に面白いですよ。

 

なお、翌年2020年の国民大会は新型コロナウイルス感染拡大のため開催中止となり、代わりに入賞作を墨書し会議室の壁に貼って記録撮影した。2021年も「無観客開催」となって、ホールで句の貼り出しと会長講演はやったそうな。ただし、web配信などというこじゃれた真似はやった形跡がないww(それでも両年とも川柳小冊子は作られているww)。

 

募集情報は公募ガイドオンラインや登竜門サイトにも載っていて、ちょっと笑えます。つまり、応募者が等しくこの団体の主張に賛同しているとは限らない、ということを意味するわけでしょう。(考えてみればそれも当たり前のことで、己の主義主張はどうあれ一定の成果を叩き出してくるのがプロフェッショナルというものかもしれない。デザイナーにせよコピーライターにせよ、「自分の好きなことだけやってます」ではなかろうし。)
もっとも、柳号(つまりペンネーム)による応募も多い中、遠藤は本名で出しているから、やはりこの団体の趣旨に賛同しているのだろうと思われます。推定年齢から計算すると遠藤は1935/1936年生まれ、日本国憲法が公布された1946年には11/12歳だったことになる。

 

//

 

とまあ、この米寿に近いガイダーのことを取り上げてきたわけですが、作家のCreativityという面から見ると、例えば同年齢の駒井 瞭が類似性は高く知的生産性は低いキャラクターマークやら、陳腐化した「夢」やら「未来」やら「新呼吸」やらを並べた歌詞を、あるいは、村岡孝司(調べてみると今年78/79歳ということである:兵庫県丹波市)や村岡君代(丹波市)や村岡佳苗(丹波市)の一族が「かがやき」だの「きらめき」だののClichéを散りばめたり、同一の語句を使い回したりして “標語づくり名人” と持ち上げられているのに比べ(このことはまたいつか)、なんぼかマシと思ったりします。

2021年10月 9日 (土)

【加筆編】突如湧き上がったこのガイダーへの下衆な興味の件(創作漢字・お墓デザイン)

(承前)

 

まさかこのガイダーネタでここまで引っ張るとは思いもしませんでしたが(笑)。

 

いろいろ調べた結果から言うと、遠藤克也は実はマイナーどころかマルチタレントな御老大だった、という話で。

 

まず、その年齢について。
2017年2月に結果発表された、平清盛公生誕九百年記念ロゴマーク公募(by 宮島観光協会@広島県廿日市市;採用 深川重一(G・デザイナー:大阪府和泉市);画像省略)の際に;

 

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【審査員特別賞】
◆ 最高齢応募者
駒井 瞭 81才 デザイナー 大阪府東大阪市
遠藤克也 81才 無職 山形県山形市
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として、この二人だけわざわざ年齢つきにして名前が載っている。(作品非公表なのが誠に残念だが。)
ひぇー、瞭くんと同年齢!!そら掛け値なしの大長老ですわ。現在は両御大とも85/86歳っちゅうことになり、数え年の米寿の来年まであと三月足らずと視野に入る(直近2020年の日本人男性の平均寿命は81.64歳)。両名ともファイザーかモデルナかアストラゼネカか、既に2回打ってらっしゃることでしょう。

 

次は、ビジュアル界とコトバ界のクロスオーバー公募について。Versatileな才能が花開きます。

 

産経新聞社・立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所
2017年 第8回 創作漢字コンテスト
(富国生命優秀賞(A部門))
音 ラン
訓(意味) よろめく
遠藤克也(82歳:山形市)
Endo8thkanjirannext

 

2018年 第9回 創作漢字コンテスト
(富国生命優秀賞(A部門))
音 ザン
訓(意味) ゆいごん(遺言)
遠藤克也(83歳:山形市)
Endo9thkanjizannext

 

まあ、趣旨は読んで字の如し。「A部門」は社会人・大学生を対象にしている。
「よろめく」っつっても別に艶っぽい意味ではない。[足乱]なら「たたら」(「踏鞴」と書くそうな)とか「らんびょうし」と読めばもっと印象深かったかも。
訓が「ゆいごん」とはちょっと苦しい(だってそれ音読みでしょ)。[言残]で「ザン」と読ませたらどうしても「讒言」をイメージしちゃう。「遺言」は厳密には「残す言葉」ではなくて「遺す言葉」なのだから[言遺]だろうが、それでは字面が「譴責」の「譴」(せめる・とがめる)に似てきちゃうし、「謎」みたいだ。そもそも「言い残す」には「言ってのこす」のほかに「言わないままにする」の意味もあるわけで。

 

かの時に 言ひそびれたる 大切の
 言葉は今も 胸に残れど
     啄木

 

閑話休題。
迫りくる老いと終焉を自ら意識しているであろうことが如実に感じられて、もはや数え年で還暦のツルも(ゲッ(>_<))身につまされます。秋草にすだく虫の音にも七草の花の色にもそぞろ来し方行く末が案じられる今日この頃よ。後期高齢者とか認知症予防とかのよそゆきの公用語では表し切れない、それは極めて個人的な体験だろう。
近い将来、高齢者を対象にした「Z部門」が必要になるんじゃなかろうか。あ、それじゃ「Z世代」とほぼ逆の意味になっちゃうか。だったら
「Ω部門」だ。

 

わたしはアルパでありオメガである
     新約聖書 ヨハネの黙示録

 

2019年11月発表の次のものになると、惜別の情は痛いほど感じられる、一層はっきりと形を取って。

 

東京都千代田区
一般社団法人 日本石材産業協会(石産協)
「こんなお墓があるといいな!」デザイン画コンテスト
(銅賞)遠藤克也(84歳:無職)
Endogravedesignnext

 

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モニュメント式の墓をイメージし、大型、小型にもOKというデザインです。
「愛」というテーマで[ハート形]を奥行きのある形にしました。
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なんとなく、立体感を無視してる気もしますけどね😅。募集内容は、「自分のお墓」を想定したお墓デザイン。それがまたコロナ禍発生直前というタイミングだったわけよ。シビれますな。

 

(金賞)賞金3万円
鶴野百代(会社員)

 

(銀賞)賞金2万円
佐藤圭子(43歳:パート)

 

(銅賞)賞金1万円
住田(すみた) 修(53歳:会社員)
遠藤克也
仲村千絵(54歳:主婦)

 

(特別賞:ジュニア賞(中学生以下対象)) 図書カード1万円分
古屋絵梨果(8歳:小学校3年)

 

どうでもいいんだけど、↑この公募の半年ほど前には似たような団体の似たような公募↓が行われていた。

 

東京都品川区
一般社団法人 全国優良石材店の会(全優石)
第1回 もしもあなたが自分のお墓をデザインしたら? コンテスト

 

(最優秀賞) 1点 賞金30万円 + 実際にお墓化
(優秀賞) 5点 賞金1万円(実際には4点)
(ジュニア賞(応募時点で中学生以下)) 1点 図書カード1万円分

 

2019年3月投票。大きく違うのは採用対価の額ぐらいですwww。まあ、石産協は全優石をまねただけなのかもしれない。ただ、全優石は作者名を一切公表していない。
全優石の応募総数408点から絞り込まれた一般投票対象18点 or 20点(*)の中にも似たようなモチーフとテイストのイラストが見つかるので、これもまた遠藤作品という可能性はあるかも。

 

_endo_gravedesigncandidate

 

(*) 投票時の本部広報では「18点」、発表時の東京支部ブログでは「20点」とされている。おそらくは失格した候補があったのだろうと思います、類似問題等々で。

 

(まだ続く)

2021年10月 3日 (日)

【加筆編】廻る因果の蛇の目の輪っか(大洲市シンボルマーク・大洲市章・大洲市ロゴタイプ)

(承前)

 

遠藤作品のロゴマーク/シンボルマークに目を向けると、更に2年遡った頃、こんなものが四国で選ばれていた。

 

愛媛県大洲市
(旧) シンボルマーク
遠藤克也(山形市)
Endooozucityformersymbolmark

 

1994年9月発行の「広報おおず」No.465、市制施行40周年記念特集号に381点の中から採用されたとして載っているもの。平成大合併の時に世を席捲した「丸にブーメラン」紋章の類いも、その10年も前から自治体に採られていたということにちょっと驚きます。「狂気」は微塵も見受けられないww。

 

この時には市章も制定されていて、この号には;

 

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大洲市では、大洲藩主加藤家の家紋[蛇の目]を一部修正し、職員の記章として昭和30年より使用していました。今年、市制施行40周年を記念して、この[蛇の目]を大洲市章として条例で制定しました。
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と出ている。もちろん、アルファベットのイニシャルが[O]であることも影響していただろう。
この市章は、次の節目の2005年1月、(旧)大洲市と喜多郡の長浜町・肱川町・河辺村が新設合併した自治体にもそのまま受け継がれた。

 

愛媛県大洲市
市章
Oozucity

 

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平成17年1月11日
大洲市告示第1号

 

○大洲市章の制定について
大洲市章を次のとおり定める。

 

規格
外円の直径は、内円の直径の2倍とする。

 

図柄及び色の意味
大洲藩主加藤氏の家紋[蛇の目]を基に図案化したもので、[青色]は清らかな肱川の流れ、人々の知的で澄んだ心を表している。
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いいですか、「青は知的」なのですよ(^_-)。

 

ツルは日本の家紋が子供の頃から大好き♥で、中学2年の夏休みの作品展に家紋を題材に取った平面作品を出して金賞もらった(それがきっかけで美術部入って部長やらされたりしたw)んだけど、それを自治体章に用いるとなると話は全く別。特に、昔の殿様の紋所を現代の都道府県や市町村のマークにするなんて(多いんですけどねそのパターン)、どんだけ封建的閉鎖的な土地柄なんだよぐらいに思っていた。ただのシンボルではなく権力性を帯びてくる気がする。だから笹龍胆の鎌倉市章とか丸に十の字の鹿児島市章とか武田菱の甲府市章とか、今でもコンセプト的に嫌い。歴史を重んじる街、というのとは違うと思う。

 

大洲市章もその点では同様だけれども、フォルムはこの上なくシンプル、色味もシンボルマークと同様の紺色です。つまりは遠藤シンボルマークは市章にインスパイアされたものなのだろうと見た。
しかし、このシンボルマークの方はもう使われていない。約20年後の2015年1月、合併10周年の際に次のものに取って代わられている。

 

愛媛県大洲市
(新) シンボルマーク
盛(もり) 秀雄(青森市)
Morioozucitysymbolmark

 

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大洲の[お]の字をモチーフに、水郷大洲市「肱川のうかい」をする姿を[清流ブルー]でイメージし、特産品の「みかん」と大地を照らす太陽を[フレッシュオレンジ]で表現しました。
マーク全体でさらなる10年へ走りだす「笑顔いっぱい!元気いっぱい!」の大洲市と市民の姿を重ね合わせてイメージ、シンボルマーク化したものです。
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応募総数、171点。20年前よりだいぶ盛り下がりました😁。
これのどこが鵜飼いなんだかね(-.-)y-゚゚゚。このブルーのどこが「知的」なんだかね(^_-)。やっぱりこれも市章を本歌取りしているというか、あるいは時代の流れに従って旧シンボルマークに[顔]をつけてキャラクター化してみたというか、な錯塩ガイダー風味です。駒井 瞭だったらどう描いてどう解説しただろう。「[お][お][ず]の文字を組み合わせ、少しキャラクター的にデザインし、21世紀をリードする大洲市が力強く飛翔発展する勇姿を象徴・・・」ぎゃははは。

 

でもなぜ、遠藤作品は20年間しか使われなかったのだろうか?一世代分にも満たない。
ブランディング戦略の王道から言えば間違っていると思う。「飽きられやすさ」から言えば遠藤版より盛版の方が勝っていそうだし、ロゴマーク/シンボルマークのキャラクター化という現象も2015年時点では既に退潮に向かっていたはず。そもそも遠藤版を選んだ時に、期間限定でという頭はあったのだろうか(もしもそうなら、盛版にも同じことが起きるのかもしれないが)。
継続性という点では「市章」と「シンボルマーク」の間に重みの差はないと考えていたが、そうではないのだろうか?デザインが古臭くなったからもう取り替えましょう、でいいの?真面目に考えれば、市章の意味性/役割とシンボルマークの意味性/役割が不分明だったということになるのかしらん。

 

実はこちらの方の公募のことは愚blogでも軽ぅく触れたことがあるんです、三巻一族ネタとして(cf. 2016.09.27「法三条 ――盗ル勿レ 騙ル勿レ 偽ル勿レ―― 三ノ巻」)。まさかここにつながるとは思わなかったけれど、もっと面白いことを発見しまして。

 

この時には市のシンボルマークの更新のみならず、ロゴタイプも新規制定された(>.<)。

 

愛媛県大洲市
ロゴタイプ
居関孝男(京都市)
Isekioozucitylogotype1
Isekioozucitylogotype2
Isekioozucitylogotype3

 

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大洲城の石垣、なまこ壁、山々をイメージさせた[角型]を一部に用いて描きました。

 

漢字は[直線]で一途な心を表現しています

 

ひらがなは[お]をつなぎ、市民の一体感を表現しています

 

ローマ字は、[円]をつかい、丸い心を表現しています。
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英文には無理があるよなあ。和文2種とは明らかにビジュアルの方向性が違うし、視認性悪いし「おずシティ」と読んじゃうしで。なぜ「O」(と「C」)を背面側に持ってきたのだろう?なぜここでは[角型]の◆が緑色ではないのだろう?

 

で、次点にはちょっと昔めのところも含めてテンプレガイダーがぞろりと居並んだ(画像は非公表)、その中にですねえ。

 

(優秀賞)
武智哲也(愛媛県松山市)
遠藤克也(山形市)
金津 博(新潟県上越市)
児島 満(宮崎市)
塩崎榮一(大阪市)
庄司義行(三重県四日市市)
田代 卓(たく)(東京都目黒区)
長谷川映路(えいじ)(愛知県春日井市)
深川重一(しげかず)(大阪府和泉市)
松岡光雄(新潟市)
三巻靖子(新潟県三条市)
三巻保征(新潟県三条市)

 

なんと、遠藤克也の名前が見える!!前にこれをネタにした時には気づいていませんでした。遠藤にとっては20年ぶりのご当地で「夢よもう一度」だったわけ。でもなかなか人生甘くない。人に歴史あり、ガイダーに栄枯あり、自治体に盛衰あり。

 

・・・ここまで来ると、このガイダー、一体何者なんだということが気になり始めまして。

 

(続く)

2021年10月 2日 (土)

【加筆編】頭のてっぺんに 毛が何本?(クリーンちゃん)

(承前)

 

この山形のガイダーのキャラクター作品が実際の使用に供されたのは次のご当地公募である。

 

山形県 東根市・村山市・天童市・西村山郡河北町
東根市外二市一町共立衛生処理組合 クリーンピア共立
マスコット
クリーンちゃん
遠藤克也(山形市)
(施設名称)
安達喜代美(山形県長井市)
Endocleanchanvol01initial

 

なんと今から25年前、1996年4月に発表されたもので、ゆるキャラブームの先達とされる2006年制定のひこにゃんから見たって10年も先輩!っすよ。この頃はまださほど狂気キャラでもなかったわけだ。
団体名は「ひがしねしほかにしいっちょうきょうりつえいせいしょりくみあい」と読むのですよ。決して「ひがしねしがい」と読んだり変なところで区切ったりはしないで下さいまし(いきなり下ネタかよ)。

 

つまりはごみ処理場が新しくなったのをお祝いしてのキャラです。二次元的真っ白お化けがご当地のキラーコンテンツ[さくらんぼ]を耳飾りにして --耳はないが-- 「レレレのおじさん」(1967年赤塚不二夫が少年マガジンに連載を始めた「天才バカボン」に登場)よろしく常に[箒]を持ってる感じ。当時はあまり着ぐるみ化も意識されていなかったのだろう。
藤子不二雄描いたところのオバQすなわち「オバケのQ太郎」(1964年、つまり前の東京五輪の年に少年サンデー連載開始)にもそこはかとなく似ている気はする。(「毛が三本」ではなく「毛が五本」であるが。)

 

そうかあ。なんとなくわかってきたぞ。遠藤の方法論は、まだ「ご当地アイテムてんこ盛り」Dogmaが確立される前の話なんだ。最も重視されたのは派手に盛り上げる「祝祭感」、「高揚感」。ドラッグみたいなもんですかね(笑)。でも案外嫌いじゃない、ツルは。

 

四半世紀を経てまだまだ現役ですが、とはいえ浮沈はいろいろあって、この組合そのものの歴史と絡めて足跡を辿ってみると興味深い(★印は広報関係)。

 

1960.04 組合設立(一部事務組合)
1963.03 し尿及びごみ処理施設(第一世代)完成
1968.06 天童市埋立地 埋立開始
1969.04 村山市埋立地(第一期) 埋立開始
1974.03 ごみ焼却処理施設(第二世代) 完成
1978.10 村山市埋立場(第二期) 完成
1983.05 汚泥堆肥化施設 完成
1984.03 不燃物処理・資源化施設 完成
1990.11 し尿処理施設(第二世代)完成
1995.02 ごみ焼却処理施設(第三世代)・粗大ごみ処理施設 完成
 ★1996.04 広報紙「クリーンピア共立」創刊号で組合愛称「クリーンピア共立」およびマスコット「クリーンちゃん」発表・指定ごみ袋やごみ収集車等にクリーンちゃんイラスト表示
 ★1997.02 Vol.2号 ~ 2002.03 Vol.7号 クリーンちゃん 掲載なし
2000.03 下釜最終処分場(河北町) 完成
2001.10 組合ホームページ開設
 ★2002.03 Vol.7号 「広報紙」→「広報」に表記変更
 ★2004.03 Vol.9号 ~ 2005.03 Vol.10号 クリーンちゃん 掲載なし
 ★2005.09 廃食用油リサイクル燃料利用車シンボルマークにクリーンちゃん採用
 ★2006.03 Vol.11号 「広報」→「広報誌」に表記変更
 ★2006.11 Vol.12号~ 年1回発行 → 年2回発行に
2010.03 リサイクルセンター 完成(運営業務委託事業者:山形中央ハイトラスト株式会社(河北町))
2010.04 プラスチック製容器包装類の分別収集開始
 ★2010.10 Vol.20 広報誌全ページフルカラー化
2012.03 し尿処理施設 「下水道投入方式」への改造竣工
 ★2015.10 Vol.30 クリーンちゃん 緑箒バージョン
 ★2017.03 Vol.33 クリーンちゃん ポーズバリエーション展開開始
 ★2017.10 Vol.34 クリーンちゃんの箒が無色に戻る

 

 

Endocleanchanvol17bluebroomhighlight Endocleanchanvol12bluebroom

 

Endocleanchanvol08bluecherry Endocleanchanvol19greycherry

 

Endocleanchanvol32greenbroom Endocleanchanvol19

 

ご当地のゴミ処理の高度化(および高齢化・人口減)と表裏一体を成していると感じられる。デザインも行ったり来たりしながらマイナーに変遷してきたようです。

 

地域住民にとっては、おそらく、「指定ごみ袋に描いてあるキャラ」というぐらいの感覚じゃないだろうか。着ぐるみ作ってどうこうという路線ではなかったようなので、二次元画像のバリエーションを増やしていくことが実際上必要だったと思うのだけれど、そうした展開が始まったのはやっと2017年になってから。とてもノンビリしていたということは言えると思う。その時にはもう、ゆるキャラブームは去っていた😢。
現在は「箒は黒で柄は無色」「さくらんぼにハイライトあり」で落ち着いているようです。

 

Endocleanchanvol21highlight

 

惜しむらくはこの広報誌に載せられた画像がどれも画質が粗くなっちゃってて、アップに堪えないことですかね。

 

(続く)

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