cf.
2021.06.12「増殖された眼、あるいは蛙の卵の方程式」
東京五輪が1年遅れで2021年夏に終わった後、2022年初頭には早くも北京冬季五輪が開かれて、さあ次に開かれる大規模イベントは何だとなると、日本では、2025年にやる(ハズの)大阪・関西万博です(因みに2024年の夏季五輪はパリ、2026年の冬季五輪はミラノとコルティナダンペッツォでの共催)。ロシアとウクライナが参戦、じゃなかった参加することはないんだろうなあ。
まあねえ。前にも書いた気がするけど、東京五輪も無観客だったわけだし、COVID-19も2025年まで姿を変えながらうち続きそうな雲行きだし、となると万国博覧会というもの自体、今後ちゃんと開催していけるのかな(どうしても1970年の大阪万博と比べちゃう。ツルは福岡の小学2年生だったから行かせてもらえなかったけど)。
少なくとも従来の「(予想)入場者数 ○○万人」的な捉え方はもうできないだろう。かといって、「ネット万博」みたいなものじゃ何の特別感も祝祭感もありゃしないって。(今回、主催者側は来場者数を約2,820万人と想定しているそうな。やれやれ。)
で、そのキャラクターのデザインが今年3月に発表されている。
公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
公式キャラクター
(愛称未定)
mountain mountain
(代表者)
山下浩平(1971年生まれ:デザイナー・絵本作家)

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・制作意図
ロゴマークをそのままキャラクターに出来ないかな?というアイデアから生まれました。「水の都」の[水]と一緒になることで、姿を変えられることをコンセプトに、ロゴマークをパーツに分けて、色々な形のキャラクターを考えてみました。生き生きとしたロゴマークのイメージを損なわない様に心がけました。
・特徴
このキャラクターに定まった形はありません。メインのデザインはあくまで形のひとつ。赤い部分は分裂し、青い部分は自在に形を変える。定まることはありません。万博に関わる全ての人々、一人一人の頭の中で、キャラクターは色々な姿に変化してゆきます。だからこそ、その形は、今の多様性の世の中から善き未来の姿をうつし出すことを願っています。
・ロゴマークとの関係性
生きているロゴマークは、ずっと「変わりたい」と願っていました。ある時、清い水と出会ったことで、色々な形に姿を変えることが出来る様になりました。その時から、ロゴマークはこのキャラクターと、ひとつになりました。ロゴマークは「なりたい自分になる」そう願いながら日々、より善き姿を求めて変化しています。想像する力がある限り、変化の可能性は無限大です。
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ふんふん。“metamorphose” というところがミソね(微伏線)。決して「清い水」の印象は持てないけど。てか、ご当地の川やら堀やらは断じて「清い水」ではないけれど。どちらかというとご当地の自慢ではなくご当地の恥である。
候補3点による意見募集の時には、こんなバリエーションも公表されていた。

こちらを見ると、またもや頭の中にハテナマークが飛びまくる。バリエーションの方は6点どれも「水」のイメージすらないもん。野老朝雄に倣って言えば、個と群の間には律が必要なんじゃないのww。
右上のは1970年万博の太陽の塔 by 岡本太郎へのオマージュですかね?(あたかも2020年東京五輪のエンブレム公募の際に1964年東京五輪の亀倉雄策デザインへの想いが散々語られたように。)
いや、そんなことより、こんなに姿を変えちゃって、同一性とかIcon性とか保てるん?ほんとにこうしたバリエーションを(あるいはこのコンセプトを)採用するん?それって本当に効果的なん?Practically speaking, 「定まった形がない」というコンセプトは貫徹しにくいだろうなあ。
でもとにかく、これ↓をネタとして使うことが御題だったわけです。
公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
ロゴマーク
TEAM INARI
(代表者)
シマダ タモツ/嶋田 保(1965年生まれ:有限会社シマダデザイン(大阪市浪速区))
〔2020年8月発表〕

♪生まれ ナニワの八百八橋
月も知ってる おいらの意気地
まあ、キャラクターの再キャラクター化みたいなもんだから、それなりの難しさはあったでしょうけど。
さて、ここからが本論。愚blog的にツボなのは、何と言っても、これ↓をリアルに追っかけちゃったこと。三次元から二次元へ、通常とは逆の流れで。
株式会社タカラトミーアーツ
フルーツゾンビフォンデュ
BUDOU
(企画(原案)・デザイン)
徳井伸哉
〔2019年3月発売〕

うははは、驚いた、ホントにそっくりになっちゃったwwww。ドンピシャやん、細部までよう似とらっしゃあ(´▽`)ノ

キャラクターデザインの採用対価は100万円、応募総数は1,898点に上った。そしてつい5日前、5月16日の午後3時までww、愛称の募集がかけられていたところ。こちらの採用対価は30万円、応募は33,197点に達した由。結果発表は「夏頃」とされている。
ベースとなったロゴマークでは対価が300万円で、さすがにナニワの太っ腹。東京オリンピック/パラリンピックエンブレムが2点合計で100万円だったのを遥かに上回ります(@_@)。
ロゴマーク制定当時、俗称として出回ったのは「いのちの輝きくん」または「コロシテくん」。今度もこの手の応募は一定数出てくるだろうなあ、特に「コロシテくん」はww(「特定の性別を思い起こさせるもの」は使えないというから、だったらもっとダイレクトに「コロシテ」だろうかww)。「表記は平仮名かカタカナに限る」という縛りも特別な意義を持っているように感じられます。キャラクターもゾンビだしwwww。
きっと、正式に愛称が決まった後もこの呼び名は秘かに生き残っていくんじゃないかしらん。皮肉にも「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを戴く万国博でwwww。
あっ‼️『ずっと「変わりたい」と願って』いたというより、『ずっと「生まれ変わりたい」と願って』だったんじゃね❔だから「コロシテくん」のネーミングが胸を打つのよぉヽ(^o^)丿
続報を待て!
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【2022.09.05 追記】
2022.07.18、愛称は「ミャクミャク」と決定された由。詳しくは【2022.09.03「照りつける陽射しが妖怪(もしくは神様)のいのちを滅し去る」】をご覧下さい。
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【参考データ①】
〔キャラクターデザイン選考委員会〕
(座長)
原 研哉 (グラフィックデザイナー)
(選考委員)
井口皓太(映像デザイナー/クリエイティブディレクター)
石川和子(一般社団法人日本動画協会 理事長)
江口あつみ(江崎グリコ株式会社 執行役員 経営企画本部コーポレートコミュニケーション部長)
齋藤精一(パノラマティクス主宰 クリエイティブディレクター PLLクリエイター)
シマダ タモツ(グラフィックデザイナー)
五月女ケイ子(イラストレーター/エッセイスト)
中川翔子(歌手・タレント)
畠山陽二郎(経済産業省 商務・サービス審議官)
堀井雄二(ドラゴンクエスト ゲームデザイナー)
守屋貴行(Aww,NION 代表取締役/プロデューサー)
〔デザイン審査 審査員〕
上西祐理(アートディレクター/グラフィックデザイナー)
金田享子(公益社団法人 日本サインデザイン協会 常任理事)
工藤“ワビ”良平(アートディレクター)
関本明子(グラフィックデザイナー/アートディレクター)
田中里沙(事業構想大学院大学 学長、宣伝会議 取締役)
永井一史(公益財団法人 日本デザイン振興会 理事)
中村至男(グラフィックデザイナー)
野村辰寿(アニメーション作家、多摩美術大学 グラフィックデザイン学科 教授)
原田祐馬(デザイナー)
平井りゅうじ(大阪芸術大学 キャラクター造形学科 教授)
三木 健(グラフィックデザイナー)
吉岡恵美子(キュレーター、京都精華大学 副学長)
和田敏克(アニメーション作家、東京造形大学 アニメーション専攻 教授)
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【参考データ②】
〔キャラクター愛称選考委員会〕
(座長)
仲畑貴志(コピーライター、クリエイティブディレクター)
(選考委員)
aiko(シンガーソングライター)
飯田朝子(言語学者、中央大学教授、日本ネーミング協会理事)
尾形真理子(クリエイティブディレクター、コピーライター)
柿原アツ子(川崎重工業株式会社 執行役員 マーケティング本部長)
シマダ タモツ(グラフィックデザイナー)
畠山陽二郎(経済産業省 商務・サービス審議官)
原 研哉(グラフィックデザイナー)
山下浩平(mountain mountain代表 デザイナー、絵本作家)
(1次審査 審査員)
安藤真理(グラフィックデザイナー)
家田利一(クリエイティブディレクター、コピーライター)
生駒達也(コピーライター)
川上 毅(コピーライター、CMプランナー)
川之上智子(コピーライター)
川原綾子(コピーライター)
笹尾 進 (コピーライター)
佐藤舞葉(コピーライター)
下津浦 誠(クリエイティブディレクター、コピーライター)
田中有史(コピーライター、クリエイティブディレクター)
西橋裕三(コピーライター)
西山智香(コピーライター)
船引悠平(コピーライター)
古屋彰一(クリエイティブディレクター、コピーライター)
松尾 昇(コピーライター)
安田健一(クリエイティブディレクター、コピーライター)
山中貴裕(コピーライター)
山中康司(コピーライター、CMプランナー)
山本俊治(クリエイティブディレクター)
米村拓也(コピーライター)
あ、飯田朝子は2019年に東京都多摩市50周年の公募キャッチコピー「くらし・たのし・たまし」を作ったガイダーだな(cf. 2021.11.14「〽️カネに恨みは数々ござる ネタに不足も数々ざる(四)」)。
― Inspired by「王将」村田英雄(1961.11リリース:作詞 西條八十:作曲 船村 徹)―
(そりゃ続くくさ)
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