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2022年7月24日 (日)

【加筆編】Mauvais Sang, Partout #11(境港市大漁旗)

(承前)

 

〆に入る前に、もう一度だけ。
前々回書いたカテゴリーのどれにも当てはまらない、ちょっとした変わりダネがありまして。調べてみるとなかなか面白い。

 

鳥取県境港市
大漁旗
駒井 瞭(大阪府東大阪市:グラフィックデザイナー)
Komaisakaiminatofisheryflag

 

(優秀賞)
細田香織(鳥取県米子市:フリーランスデザイナー:デジタルハリウッドSTUDIO米子卒業生)
又野進一(神奈川県小田原市:デザイナー)

 

ここには例の「駒井式ひらがな/アルファベットCryptography Method」は用いられてないので、何だかホッとします。簡単に言えば珍しく文字の視認性が高い、うははは。(「み」の字にゃ無理があるでしょうが。)
でも何のCreativityも感じられない公募ガイダーが「グラフィックデザイナー」を名乗ってるので、何だかゲッソリします(バッサリ)。
カラーリングは化学染料バリバリって感じなので、大漁旗という性格上いくら青海原に映える鮮やかで鮮やかな彩りが好まれるだろうとしても、好感は持てないが。

 

何ゆえ自治体が大漁旗なんてものを持っているのかというと、ご当地の境港が大漁に沸いた日に市庁舎正面2階外壁に掲揚、いや掲出するしきたりだそうな(それって漁業の盛んな土地では普通なことなの?)。

 

Komaisakaiminatofisheryflag2

 

「境港市」の文字の配置がちょっとおかしいのは、後から制定側で付け加えたものではなかろうか。

 

これは、もともとあった大漁旗↓が「老朽化が著しく」なったことに伴い、3代目デザインとして発表されたもの。

 

Sakaiminatofisheryflag2

 

2015年10月の市長会見時にはこんな質疑応答が残されている。

 

-----
【記者】
一般投票ではこのデザインが1位だったのか?

 

【産業部長】
4位でした

 

【記者】
駒井さんはどのような意図でこのデザインにされたのか?

 

【水産課長】
申込時にそれぞれコンセプトを記載してもらっています。それによると、境漁港に水揚げされるアジ、サバ、ブリ等で「さかいみなと」と「祝大漁」の文字を虹の7色に組み合わせ、1日1千トン以上の水揚げを誇る感動、躍進、ときめきの明るく元気な姿をデザインし、これはまた、21世紀をリードする境港市の境漁港が力強く飛翔発展する勇姿を象徴にしたものということです。
-----

 

いろいろヒンヤリしますなー。1位じゃなかったんですね。
水産課長氏、見事に駒井の意味レスClichéを鸚鵡返しとは(いいですか、「アジ、サバ、ブリ」でっせ;微伏線)。

 

この時にはこんなやり取りもあった。

 

-----
【記者】
9回目(6/16)の大漁旗掲揚時の魚種別水揚げ量は?

 

【産業部長】
マイワシが1200トン、マグロが30トンほどあがった日です。

 

【記者】
現在、大漁旗掲揚の基準は1千トンで、掲揚回数は9回だが、今後これより基準を下げることは考えていないのか?

 

【市長】
現在は基準を変える考えはありません。今マイワシが獲れだしているので、また1日2千トン以上というように基準を引き上げられればいいと思っています。
-----

 

だったら初めから主役のマイワシで「さかいみなと」を描いたことにすりゃよかったんじゃないっすか?ww
それにしてもなぜ、この記者は「基準を下げる」話なんか持ち出したのだろう。不審に思って深追いしてみると、ご当地の大漁旗システム、こんな経緯があった由↓。

 

・1981年:初代大漁旗作成・水揚量1日2,000トン以上で掲揚開始
・1991年:基準を4,000トンに変更
・1992年:2代目大漁旗作成
・1998年4月:2,000トンに変更
・2002年10月:1,000トンに変更
・2015年10月:3代目大漁旗作成

 

なんと、基準をだんだん切り下げてきてるわけ(@_@)。90年代が数値が一番大きかったというのも意外だけど。
しかも毎回変動幅がデカ過ぎますよ(´▽`)ノ。倍増させたり、半減させたり、それって漁師さんの現場感覚からかけ離れてるんじゃないの?小役人さんはナニを目的にコレをやっとられるん?

 

海の中がおかしくなってきているという話は、ツルが大学生だった80年代からあったと思う。農学部水産学科の院生だったサークルの先輩に聞かされたものです。

 

この間にはこんなものも作られたわけだ↓。

 

【2013.10.27「PNまつり 第5弾」】
鳥取県境港市
境港天然本マグロPR推進協議会
境港まぐろPR ロゴマーク
フォルム(66歳:大阪市生野区:グラフィックデザイナー)
〔2010年5月決定〕
境港まぐろPR

 

「フォルム」は塩崎一族の数あるペンネームの一つとツルが見なしている名義。大漁の基準値が1日1,000トンに切り下げられた後のブランディングだったんですね。因みに、本マグロすなわちクロマグロの旬は一般的には冬とされるけど、ご当地では初夏のグルメだとか。

 

目には青葉 山時鳥 本鮪

 

まあ、大型肉食魚のマグロに比べゃイワシなんて海の食物連鎖の低位の方で、「他の生き物に食われるために生まれてくる」という話もあるぐらい。いくら漁獲量があったって大して値もつかないだろうし、ブランド化には縁遠い魚なんだろうか。人間様の口に入る以外の用途も多そうだ。

 

こうした経緯があってのアイコンリニューアルだったわけで、21世紀になってから初めての大漁旗として「新しい」ものを創ろうという気概はきっとあったはずだけど、それはどこへ行ったのだろう。
次点の持田や又野の作品も検索をかければ見つかるけれど、それらも何らか「新しさ」は感じられる。しかしできあがりはなんだか昭和感たっぷりのデザイン・・・。なんか、中学生の課題提出みたいでもあるしww。

 

この大漁旗、製作から約7年が過ぎた今も現役です。2018年11月には水産PR用手拭いにもなった由。

 

Sakaiminatofisherytowels

 

おろ、まぐろ手拭いには塩ロゴも入っとうやん。
あれ???色数が減っとう😅。

 

KomaisakaiminatofisheryflagKomaisakaiminatofisherytowel

 

非売品だし、手拭いに9色(虹の七色+青+黒)も使うわけにはいかなかったんでしょうww。
そりゃまあ仕方ないとしても、「初夏・境港の天然本マグロ」とか「水産王国 境港」とか「カニ 水揚げ 日本一 境港」とか、どれもPR要素が強過ぎてデザインを汚してしまっている気がする。特に大漁旗バージョンが一番ヒドいよね。3回も繰り返さなくたっていいでしょうが。

 

境港や ああさかいみなとや 境港や

 

ご当地では2022年の今年は豊漁が続き、5月のうちに大漁旗掲揚が20回を数えるという新記録を打ち立てたそうです。しかし、これが20年前の2,000トン時代だったらどうだったんだろうと考えると、あまり手放しで喜ぶわけにもいくまいて。
主役はやっぱりマイワシとのこと。水産資源の減少が言われて既に久しく、このところ「●●の漁獲高が前年比9割減」みたいなニュースばかり目にしている感じだから(cf. 2019.09.15~16「似て非なるもの - ズワイガニ vs タラバガニ vs ケガニ」・2019.09.17「似て非なるもののおまけ - サンマ王国の凋落」)、イワシ風情であっても豊漁なのはいいニュースなんでしょうけど。ヒエラルキーの下位者が増えれば上位者たるマグロなんかもそのうち増えたりはしないかしらん(ねえよ)。
近年、ご多分に漏れず境港の漁獲高も数量・金額とも凋落傾向にあった。今年はどうなるんだろうか。

 

で、アジ、サバ、ブリはどこいったと?

 

(続く)

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