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2022年8月 6日 (土)

【攻撃 vs 防御編】(2) アナタのマチのUDってなぁに?(日野市・多治見市): Last Coup の末路

cf.
2016.05.12「アナタのマチのUDってなぁに?: First Coup」
2016.05.13「アナタのマチのUDってなぁに?: Second Coup」
2016.07.09「アナタのマチのUDってなぁに?: Last Coup」
2016.07.10「アナタのマチのUDってなぁに?: Last Coup のおまけ」

 

案外ヒマがかかった駒井斬り、なんでここまで深掘りしたのか、しかもいささか旧い作品ばっかり、というと、それはこのところこのガイダーの新作が見つからないからです。探しているんだけど。活動停止したんですかね。
もっとハッキリ言えば、駒井 瞭という公募ガイダーはもうこの世にいないのじゃないかと思っている。【#6】にも書いたでしょ。

 

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駒井はおそらく今年87歳。厚生労働省の「簡易生命表」最新版によれば、日本人男性の平均寿命は81.64歳。(ツルもあと20年ぐらいしか生存を期待できんわけかー。)
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だから、“Mauvais Sang, Partout/そこらじゅう、汚れた血”のタイトルも、初めは“Requiem du Sang Partout/血まみれレクイエム”にしようかと思っていたくらい。

 

しかし、死ねば罪咎が帳消しになるのかというと、決してそうは思わない、ツルは。作品の多くは、作者がいなくなった後も生き続けるからです。

 

≪人事は棺を蓋うて定まる≫

 

そんなわけで、駒井斬りの〆は、これの最終的な顚末について書き遺しておこう。

 

岐阜県多治見市
多治見市バリアフリーマーク
駒井 瞭
〔2006年度決定〕
多治見市バリアフリー

 

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多治見の[多]の文字を[ハート]で温かい心と、「バリアフリーの[B]」で市の豊かな自然を表現し、[高齢者]や[障害者]を親子が包み込む様子が描かれており、希望の[太陽]とみなぎる活力を[赤色]でイメージしています。
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東京都日野市
日野市ユニバーサルデザインまちづくり推進協議会
ユニバーサルデザインロゴマーク
駒井 瞭
〔2016年3月制定:2016年7月取消し〕
日野市ユニバーサルデザイン

 

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希望の[太陽]輝く多摩丘陵、多摩川の豊かな自然を背景として、「[ひ]・[の]・[し]」(日野市)の文字で、暮らしやすいまちへの温かな思いやりを[ハート]に、[車椅子の人]、[高齢者]、歩道、自転車道、踏切、駅、公共施設、バスの乗り場、トイレ、住宅などをモチーフに、「すべての人が暮らしやすいまち」が標準の日野市ユニバーサルデザインの明るく元気な姿を、誰にでも一目見てよくわかり広く親しみ愛されるようデザインし、これは又、21世紀をリードする「日野市のユニバーサルデザイン」が力強く飛翔発展する勇姿を象徴したものである。
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前にも書いたように、後者が前者との類似のため取消しとなったのはツルがタレ込んだからです、ぶっちゃけ。
10年経ったんだからいいだろうとばかりに使い回したケース。だからテンプレガイダーというものは信用できないし油断がならない。

 

2016.07.07に取消しが発表された後の制定側の対応はどのようなものであったか。

 

発表後程なく、広報紙にも記事が載った。

 

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(2016.07.15 広報ひの 第1379号 抜粋)

 

日野市ユニバーサルデザインロゴマークの採用取り消しについて
一般公募により3月1日に日野市ユニバーサルデザインロゴマークを制定しましたが、採用作品が応募条件を満たしていないことが判明したため、採用を取り消しました。新たなロゴマークの選定時期については未定です。
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さらに、その後の同協議会でも報告が行われている。

 

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(2016.07.20 第19回日野市ユニバーサルデザインまちづくり推進協議会 議事録 抜粋)

 

〔前略〕

 

(※次第とは進行の順序が変わっています。)
3.報告事項など
(3 )日野市ユニバーサルデザインロゴマークについて
委員:これはマークを決定しなければならないという決まりか何かがあって一般公募したのか。

 

事務局:ユニバーサルデザインを推進していくにあたり、推進や啓発に広く使用できるようなマークがあると便利だろうということで提案し、選定していただくような経緯であった。

 

委員:日野市だけのマークか。

 

事務局:そうだ。

 

委員:全国的に作らないと皆が混迷するのではないか。全国市町村でマークが全て違っていたら、どれがバリアフリーのマークか分からなくなるのではないか。日野市だけのマークは必要ないと思う。

 

事務局:現状としては、都道府県レベルや区市町村でオリジナルのマークを作っている。

 

委員:そういう決まりか。

 

事務局:決まりではないが、そのマークを見た方がバリアフリーやユニバーサルデザインを意識することや、そのPR効果を期待しマークをそれぞれ作成している。国レベルでのマークは今現在作成されていない。

 

委員:市によってマークが違うのでは意味がないのではないか。1番大事な対象者が混迷するのではないか。

 

委員:ご意見はよく分かるが、国には国の、都には都のマークがあり、福祉団体もそれぞれにマークを決めていることがよくある。日野市として誇りをもって示せるようなマークがあると良いと思い作ったものであり、是非必要だと思う。

 

事務局:トイレなどのピクトサインは共通のものがあるが、これはロゴマークということで、日野市がユニバーサルデザインに力を入れているということを示すために作成した。まだまだユニバーサルデザインというものが広く一般に伝わっていない部分もあり、全国共通のものがあれば良いがそれもなく、市民の方に少しでもユニバーサルデザインについて意識していただくきっかけづくりをという意味も込めて日野市独自で作成した。

 

委員:対象の方の意見は反映しているのか。

 

事務局:前回、前々回の協議会でも、ロゴマークを作りましょうということで、委員の方々の賛同も得られた上で作品の応募を行い、選定まで至っている。事務局としては、皆さん共通認識の中で賛同も得て行っていると考えている。

 

会長:このロゴマークは何かの適合を表すもの、基準を示すものではなく、ユニバーサルデザインに日野市が取り組んでいますということをアピールするための、言葉だけでなくマークとして示すものである。 このマークを見た人が「あ、日野市はユニバーサルデザインに取り組んでいるんだ」ということに気が付ける、そういう位置づけのマーク。日野市ユニバーサルデザイン推進条例の中には特にこのマークを定めるという規定はないが、これは日野市からの提案で、こういうことに取り組んでいきたいという姿勢を表したマークである。

 

委員:あまり納得はいかない。ユニバーサルデザインというと、世界全体で取り組むことであり、世界的にマークを決めなければならないことではないか。

 

会長:ユニバーサルデザインに関しては、世界的にみると色々な協会があり、それぞれロゴマークを作り、アピールしている。

 

委員:それを見て使われる方に支障が無ければ良いとは思うが、市によってマークが違うということで支障は起きないのか。

 

事務局:意見としては承る。東京都の会議の場では、都としてマークが作れないのか話はしていきたい。

 

委員:今回決まったマークと、類似すると言われているマークについて、似ている、似ていないについての判断はどのようにしたのか。

 

事務局:類似性について何をもって似ているとするかだが、商標登録を依頼した弁護士からは、仮に先に他団体にて使用されていたマークが商標登録をされていた場合、日野市のマークを商標登録しようとしても、類似性が認められるので商標登録できなかったという判断を受けている。

 

会長:デザインの中に使われていたパーツが同じということ、また全体の構成が2人の人が形を形成しているところが、類似しているという判断に至ったということか。

 

事務局:はい。

 

委員:検索手法が確立されるまでは再選定を見合わせるということだが、図形の検索についてはある程度、色々な検索によって類似しているものが見つかるだろうが、100%類似しているものを見つけ出すということは相当難しいのではないか。現時点で慎重になるということは、判断としてはよく分かる。現状の判断としてはそれで良いと思うが、検索手法が確立さるまでは再選定を見合わせるということは、もう選定しないと言っているようなものではないか。

 

事務局:商標登録を専門とされる弁護士からは、今の段階では、検索システムが完璧ではない、これについては日々進歩しているのでもう少し様子を見てから新たなマークの選定について考えてはどうかというアドバイスをいただいている。

 

会長:少し慎重に対応されたいということですね。

 

〔後略〕
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「なぜこんなものを選んだのか」というところから離れ、石頭の委員からは「個別のロゴマークなんて要る?」と蒸し返されて話が振り出しに戻っちゃった感。後出しジャンケンに事務局も内心舌打ちしたことでしょう。
その事務局にも実務上の落ち度はあって、商標登録の可否についてきちんと確認を取る前に対外公表しちゃったものと読み取れる?。

 

この時の会議では議題順を変更して本件を議事のしょっぱなに持ってきているから、同協議会としてもそれなりにインパクトのある事案と判断したのだろう。ただ、ちょっと不思議なのはこれが取消し発表後の事後報告だったことです。
どうやら採用に係る決定権は同協議会ではなく日野市長にあったらしい。

 

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(2016.01.26 第18回日野市ユニバーサルデザインまちづくり推進協議会 議事録 抜粋)

 

〔前略〕

 

(2)日野市ユニバーサルデザイン ロゴマーク 審査
○評価方法等について
ご意見・ ご質問等:特になし

 

○審査集計
事務局:では、集計結果がまとまりましたので事務局より発表致します。

 

事務局:1位から順に8位までを説明致します。1位は作品番号39番になります。2位が17番。3位が5番。同率で3位が20番です。それと5位が25番です。既に5作品出ているのですけれど、6位が同点で9番と24番ですね。そして同率8位が44番と48番です。全部で9作品をご紹介させて頂きました。

 

事務局:市長への推薦作品数が5作品程度という事ですので、1位2位が各1作品で3位が同率で2作品、5位が1作品となりましたので、この5位までの5作品を市長への推薦とさせていただこうと思いますが、今の結果についてご意見やご質問などはございますか。

 

各委員:(特になし)

 

事務局:では、上位になりました今の5作品を市長への推薦作品とさせて頂きます。

 

〔後略〕
-----

 

つまり本件取消しに係る最終責任者もまた市長 大坪冬彦(2022年8月現在も在任;社会福祉士でもある(@_@))だったことになる。

 

その後は現在に至るまで再制定は行われていない。それで6年も経ち、2022年3月からは「第二次推進計画」に切り替わったので、「もう選定しない」が現実化したと言っていいのだろう。結果的に、唱えられた異論が通ったわけです。

 

言うまでもないことだが、一旦決定・公表したものを無に帰すというのは、大変手間のかかる後ろ向きで非生産的な作業だろうと思う。本公募では、まず選考結果が2016.03に発表されて2016.04.01発行の「広報ひの」第1372号にも掲載された後、問題が持ち上がってからは改めて(?)弁護士に相談したり、市長のところに頭下げに行ったり、大わらわだったはずです。市民からの問い合わせやお叱りも多くあったろう。

 

駒井の行為はこうした無駄、or ケツ拭きを強いて日野市(と多治見市)に大きな迷惑をかけたものだが、似たようなことは他でも起こしているのではないか。少なくとも新潟市と五泉市の間にそんな緊張関係があったことは前に書いた。この意味で、駒井 瞭という公募ガイダーには否定評価を出すことしかできない。
駒井作品が今後生まれてこないのだったら、それはこうしたトラブルのリスク低減の一助にはなると思います。

 

公募ガイダーという存在が自己の利得のためにだけ制作を続けるなら、それは社会の損失だ。本件は非常にわかりやすい形でそれが表れたわけだが、他のガイダーだって心当たりのある――胸に痛みを感ずる――者は少なくあるまい。(ツルは今、公募ガイダーのMoral Hazardが一番ひどかったのは実は2009年頃だったのじゃないかと思い始めていて、でもその当否につきあれこれ考察中。)

 

もしもアナタがどこぞの自治体の首長かご当地ロゴ/キャラの選考委員だったなら、駒井はじめ大御所ガイダーリストに載っている者の作品は基本的に採用しない方が御身のためですよ😒。実際、さる団体からそうした趣旨の問い合わせを受け、そのようなアドバイスをし、そのようなスクリーニングがかけられたということもあったし😏。
まあ、これからも駒井のスゴい作品を見つけりゃまた斬りたくるだろうし、もしも新作が発表されればそりゃもうtop priorityで取り上げますけど。

 

こんな思いの時はやっぱり齋藤 史で締めよう。

 

今日や限りあすや終りと目守りつつ思ひ慣らし来ぬ死のときを死を (昭和五十一年)

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