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2022年11月26日 (土)

【Intermezzo】封印された想いの深さ(山南小学校) ♯1

(承前)

 

前回、兵庫県丹波篠山市(旧 篠山市)の統合新設校の校章を見た絡みで、Derivativeネタで一つ御機嫌を伺います。
と、その前に、同じ県内の丹波篠山市と丹波市(の間のドロドロ)についてお勉強。

 

両市は互いに隣り合っている。Wikipediaにはそれぞれ;

 

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丹波篠山市(たんばささやまし)は、兵庫県中東部にある市。丹波県民局管轄区域。2019年(令和元年)5月1日に篠山市(ささやまし)から変更された。
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丹波市(たんばし)は、兵庫県東部にある市である。丹波県民局管轄区域。
市名の由来は、市域がかつて丹波国の一部であったためで、同じ丹波地方の京都府福知山市と県境を接する。
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とある。

 

元を糺せば、まず、ふた昔余り前、1999.04.01に兵庫県多紀郡の篠山町・今田町(こんだちょう)・丹南町・西紀町(にしきちょう)の4町が新設合併して「篠山市」が発足した。この事例は「平成の大合併」の第1号とされることが多いものの;

 

1999.01.13付の自治省告示により、1999.04.01をもってこれらの4町を廃し「篠山町」を設置する

 

とされていたところ、そのすぐ後;

 

1999.03.23付の自治省告示により、1999.04.01をもって同4町を廃し「篠山市」を設置する

 

ことに変更されたという経緯があった。
これは、1998年の「市町村の合併の特例に関する法律」の改正により、合併時に「市」になるための人口要件が引き下げられたこと(4万人特例)に伴う駆け込み変更で、地元も意図していなかった棚ボタの市昇格だったらしい。国の政策により「第1号」に祀り上げられたという見方もあるようです。(その後、この要件は2000年の同法改正によってさらに3万人まで引き下げられており、ご当地以外に4万人特例の適用例はない。)

 

対して、兵庫県氷上郡(ひかみぐん)の氷上町・柏原町(かいばらちょう)・青垣町・春日町・山南町・市島町の6町が新設合併して「丹波市」が誕生したのは2004.11.01、平成の大合併華やかなりし頃。この時には、僣称であるとして周辺自治体からのブーイングが巻き起こった。Wikipediaには;

 

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氷上郡6町の合併にあたっては、新市名候補の公募がなされた。この結果では「氷上」の応募が最多となったほか、「ひかみ」が3位となるなど郡名(あるいは町名)に因んだ応募が比較的多かった。これに対し、氷上郡合併協議会は「ブランド力の活用」などの理由で応募数では2位の「丹波市」を合併協議会委員の投票により選定した。これに対して地元住民のほか、当時の篠山市(現・丹波篠山市)や綾部市など丹波地域内の周辺自治体などから見直しを求める声が上がった。これを受けて合併協議会は改めて検討を行ったが、「公募は人気投票ではなく、応募数は参考に留めるものである」「公正なルールに従って選定された」「旧国名を採用している事例はほかにも多い」といった理由により見直されることはなかった。

 

なお、一連の経緯については竹内正浩が平成の大合併で誕生した各地の地名を考察した著書『日本の珍地名』の中で「京都府をはじめ全国的な反発を買ったという“事件”」と評価している。
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と書かれている(抜粋)。うんうん、覚えとるわツルも。「京都府をはじめ」とあるのは、京都府には綾部市のみならず、当時、船井郡に丹波町(2005.10.11 同郡の瑞穂町・和知町と新設合併して京丹波町)もあったからです。歴史的に見れば、そもそも「丹波」or 丹波国というもの自体、現在の兵庫県北東部と京都府中部、そして大阪府北部にまで跨るものであり、しかも地理的には山地に隔てられた複数の盆地(篠山・福知山・亀岡)が散在する複雑な地域だったという事情がある。(京都市民の目線では、丹波と言ったらほぼ兵庫県の方でしょ、的な見方が強いんじゃないかと思うけど。)

 

実際的な面で最も影響を受けたのが、既に誕生していた篠山市。
「丹波篠山」と言えば特色ある農畜産物で知られ、「丹波黒大豆」や「丹波栗」などは昔からよく知られている。ツルも京都に進学した際、八百屋の店先で見かけてあまりの粒の大きさにびっくりしたものです(親元に送ったもん、丹波栗。黒豆も毎年暮れに「飛切」という一番いいやつ買って帰省してました)。
これは行政上の区分を超え、歴史的に一体となって発展してきた地域名と言えるわけで、そのブランド力の魔法と絡んで平成大リストラ時にイザコザが生じたという次第。

 

それから15年後、2019.05.01に今度は篠山市の方から強烈なカウンターパンチが飛び、自らを「丹波篠山市」と改称しちゃった。「令和」改元当日に火を噴いた最終兵器。
よく考えると、初めに篠山市ができた時に同様の批判はなかったのかよという気がするけれども、全国的知名度を誇るのはあくまで「丹波栗」「丹波黒大豆」, etc.であって、「篠山栗」「篠山黒大豆」なんて言い方は決してしない、篠山市産であっても。それに、「篠山町 and others」→「篠山市」だったからあまり目立たなかったんでしょう。丹波市の方は旧6町の名前には「丹波」が入っていなかったから騒動に拍車がかかった。

 

どんな込み入った事情と経緯と思惑があるにせよ、将来に禍根を残したという意味でよくないことだと思うでしょ。それは50年経っても100年経っても消えないと思う、言い換えればツルはそんなご当地に移住して住もうとは思わないもん。
いや、ここは前向きに(?)捉えて、友好都市ってのはよくあるけど、それに倣って「敵対都市」って言葉を作った方がいいかしらん。そういう鋭く切り結ぶ関係ってのが日本にいくつかあってもバチは当たるめえ。

 

冗談はさておき、解決策は一つだけある、両者が合併しちゃうことでっせ(市名は当然、新「丹波市」または新「丹波篠山市」であろう、ブランド戦略上)。だけど、遺恨の深さからして「令和の大合併」にはかからないだろうと思います。
とまあ前置きはこのぐらいにしておこう・・・。

 

時計は進んで現在を通り越し、丹波市では2023年4月に、(現)山南(さんなん)中学校・和田中学校を統合して新たな山南中学校が開校する予定である。

 

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(Wikipedia)

 

この山南地域の中学校統合で、旧・山南中央公園(丹波市山南町谷川、2021年5月閉園)の跡地に2023年4月に統合校を設置し、和田中学校の跡地に2026年度の全面開園を目指して新・山南中央公園(仮称)の整備が予定されている。
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耐震構造の問題なんかもあるんでしょうな。つまりは公園と中学校をとりかえっこする形なわけ。この公園は現山南中(こちらの再利用については不明)からほど近いところにあり、和田中からは7~8kmほど離れている(徒歩通学だとこどもの足なら片道2時間以上かかっちゃうのね😢。しかしスクールバスを運行するわけではなく、路線バスの増便・延伸のみで対応するのだとか)。公園整備より次世代教育の方が・・・ああいやいや。

 

これに伴って早くも新校章が募集されたのが2年半前の2020年9~12月。発表は2021年3月頃を予定していたのが、コロナ禍で延期され2021年7月となった。

 

兵庫県丹波市
丹波市立山南中学校
校章
村上太一(丹波市山南町)
Murakamisannnanjrhighschoolinitial

 

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(2021.07.20 山南地域市立中学校統合準備委員会だより Vol.13)

 

【デザイン趣旨・想い 等】
山南中学校の校章の[葉]と和田中学校の校章の[葉]を重ね合わせ、共に過ごしていく生徒たちを優しく包み込んで育んでいこうという想いを元にデザインしました。
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昭和っぽい(というより大正浪漫みたいな?)デザインやな、という印象ですが(ばっさり)、どうも何かがおかしい感じ・・・。
どうにも気になるので、斜めに傾けてみたり補助線引いてみたりしてやっと、違和感の正体がわかりました。

 

Murakamisannnanjrhighschoolinitialtest

 

六弁花に見立てた場合、内弁3枚の中心と外弁3枚の中心がズレているし(赤い大円と青い大円が重ならない)、右下の内弁は長さが足りないときている(赤い小円)。しかも、内弁と外弁はそれぞれ120度毎に配置されていない(青い小円2個と赤い小円)。デジタルで作ってるはずなのに、どうしてだろう。こんなのありなんですか??家紋だったらあり得ない話だけど。

 

なんか、ずっと見てるうちにだんだん三蝶咲きのシランの花みたいに見えてきた・・・。

 

Img_20220510_0942512

 

(続く)

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