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2019年2月15日 (金)

【加筆編】誰が為に梨は成る:下(船橋ナンバープレート・船橋市ナンバープレート・鳥取ナンバープレート)

(承前)

船橋版図柄入りナンバープレート候補あと2点、続けます。

<漁船と飛行機>(デザイン番号3)
船橋ナンバープレート(デザイン番号3)

こちらは視認性度外視の茜空。それにしても船橋市に空港なんて、ありましたっけ?
2012年5月に導入されたバイク用と見比べてみると、ははあなるほどという感じ(なお、バイク用はこのほかご当地のプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」バージョンも2016年9月から存在する)。

千葉県船橋市
オリジナルナンバープレート
上川祐司(42歳:船橋市:会社員)
船橋市ナンバープレート(応募案)

 ↓

船橋市ナンバープレート(最終版)

いやむしろこっちか。

(123cc以下用)
船橋市ナンバープレート(123cc以下用)

セガ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のデザイナーと同姓同名だそうです(真相不明)。

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「船橋」という名称には、この地域を代表する文化要素である[船]と[橋]が使われており、この要素を記号化して構成することがもっとも今回の表現としてふさわしいと考えました。また、プレートの形状そのものについても、地域要素を表した上部の[アーチ型]と、下部の[波型]を生かすことで、よりオリジナリティの高い印象を与える事ができたと思います。
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本来「船橋」とは、「船と橋」ではなく「船の(連結による)橋」の意味らしいですが。
丸7年経って、このバイク用プレートの効果/功罪を検証すべき時期には来ていると思う。それもやらずに次の段階へ進もうとするのは危険。外形だけわかりやすいものを差し出して「これが地域興しです」というのは、(ご当地キャラもふるさと納税も同じことだけど)本当はすぐ目の前にある問題から視線を逸らさせる、マイナスの効果も大きいと思う。

<船の街 ふなばし>(デザイン番号4)
船橋ナンバープレート(デザイン番号4)

こっちは「船の街」と謳いながら船を描き込んでいない、大変稀有なるパターンですsmile。つまりアルファベット[地名]入りの[夜景]というだけ。大分県宇佐市が似たようなものを作ったらきっと大変なことに・・・(苦)。

以上、候補5点中、1点だけ[梨]を表した作品が採用されたことになる。

1位 番号2 4,385票(47.6%) <梨とアンデルセン公園>
2位 番号5 2,311票(25.1%) <三番瀬から>
3位 番号1 1,095票(11.9%) <千葉県の中核都市>
4位 番号4  763票 (8.3%) <船の街 ふなばし>
5位 番号3  663票 (7.2%) <漁船と飛行機>
計     9,217票

うへえ、圧倒的票差だったんだ。それにしてもやっぱり、39点の応募のうちで候補を3点から5点に増やした必然性と妥当性は感じられませんな。

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こうしたあれこれを見せられて;

【2019.02.02「矢切渡、誰がものぞ:前編」】
千葉県松戸市
松戸版図柄入りナンバープレート
(特別賞)<フレッシュ松戸>
藤田裕子
松戸ナンバープレート(藤田案)

千葉県市川市
市川版図柄入りナンバープレート
(優秀賞)<おいしい「市川の梨」>

これらで本当にそれぞれのご当地の魅力発信、動く広告塔になり得ただろうかと疑問に思う。一晩寝たら、どっちが「松戸」でどっちが「市川」だったか覚えている自信はツルにはありません。悪くすると図柄入り第1弾で先行した「鳥取」のStealth Marketing大作戦である。

鳥取版図柄入りナンバープレート
<砂丘、大山、梨>
深石直希(20歳:島根県雲南市:島根デザイン専門学校研究科1年)
〔2017.08.09選考〕
鳥取ナンバープレート

ほら、これだって。

千葉県松戸市
松戸版図柄入りナンバープレート
(優秀賞)<やさしい、楽しい、おいしい町、松戸市。>
天野穂積
松戸ナンバープレート(天野案)

千葉県船橋市
船橋版図柄入りナンバープレート
<梨とアンデルセン公園>
鈴木香世
船橋ナンバープレート(最終版)

♪もうこれ以上 もうこれ以上
 ○○○○なんて しなくていいのよ

ま、「鳥取」だけは他の地域と取り違えることもないか。もっともそれは[梨]のおかげじゃなし(笑)。

― Inspired by「埠頭を渡る風」松任谷由実(1978.10.05リリース)―

(続く)

2019年2月14日 (木)

【加筆編】誰が為に梨は成る:中(船橋ナンバープレート)

(承前)

ご当地ナンバー第3弾に手を上げた千葉県の4地域はどこも結果発表が遅くて、まとめてアナウンスするのかと思いかけていた。結局「松戸」と「市原」は12月27日、「市川」は前回書いたように国交省提出期限当日の大晦日。

しかし上には上がある。「市川」と同じく「習志野」から独立した「船橋」なんて、その期限を過ぎた年明け1月9日(水)の発表だった(松の内すら過ぎていたわけね)。ツルは職業柄「決定後はまず適時開示だろ」というクチなので、逆パターンは意外だった。

前回こうも書いた。

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因みに「市川」の応募総数は66点と振るわず、これは例えば「出雲」(対象地域人口計 約19万人)の155点の半分にも満たない(市川市人口 約49万人)。
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しかし下には下がある。「船橋」では、市の人口約63万人にして応募39点・・・。国交省によって全国一斉に発表された17地域のご当地ナンバー第3弾のデザイン募集なのだから、応募数にさほど差がつくことはないだろうという仮説を立ててたんですがねえ。
それでも選考側はなぜか市民投票の候補作品を当初計画の3点から5点に増やしている。

採用作品については、かなり意外だった。

千葉県船橋市
船橋版図柄入りナンバープレート
<梨とアンデルセン公園>(デザイン番号2)
鈴木香世(船橋市)
〔2019.01.09発表〕
船橋ナンバープレート(応募案)

この[梨]はむしろ白雪姫のリンゴの形だよねえdespair。もう、<ふなっしーとグリム公園>てなものにした方がよいんじゃなかろうかsmile。正式名「ふなばしアンデルセン公園」とはいささか不埒な名称ですが、あのUSJを抑えて日本の人気公園だかの第3位に輝いたことがあるのがご自慢。敷き詰められた[花]の種類は不明、ヒマワリにしてもあまりに変だ。

・・・などと思ってたら、なんとまあこれが採用されたというので気を取り直して再チェックしてみると。

船橋ナンバープレート(最終版)

・・・リンゴが[梨]に変わっていた・・・案の定(爆)bombbomb。選考委員会が見過ごした(であろう)この小さな不具合、市民投票の際に炙り出されたものと見ました。
しかしこれってさ、作者の鈴木は「弘前」辺りにも出していて、リンゴの色をナシっぽくして出したのではないかという(合理的な?)推測が成り立つ。違いますか?あるいは単に、リンゴとナシを描き分けられなかっただけ??(辛辣)

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「船橋」といえば、[梨]と[アンデルセン公園]が近年特に注目を浴びていると感じています。ナンバープレートの図柄にすることで世間に広く知ってほしいと思いました。また、船橋の花である[ひまわり]を描き、明るい楽しい町「船橋」を表現しました。
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ハイハイ。ご当地の市の花は2種類あり、「子どもたちの夢を育む花」としてキク科ヒマワリ属のヒマワリと、「大切に守り育てる花」のキンポウゲ科センニンソウ属のカザグルマ。(一体どういうことなのだ、それは。)
つまりはサクラの花びらの散り敷いたお堀をヒマワリ畑に、弘前城を風車に置き換えてだねえ。

(優秀作品)
<三番瀬から>(デザイン番号5)
月星開理(つきぼし かいり)(船橋市)
船橋ナンバープレート(月星案)

ユーミンの初期の名曲の舞台となった場所です(大ウソ&大伏線)。

(優秀作品)
<千葉県の中核都市>(デザイン番号1)
小松崎 一(千葉県木更津市)
船橋ナンバープレート(小松崎案)

ツルの私見ではこれ、千葉といっても幕張メッセ(千葉市美浜区幕張)周辺のイメージなんですけど。
しかし周辺から反感買っただろうなあ、これに決まってたら。「中核市」は政令指定都市に次ぐものとして地方自治法に定められた制度で、ご当地を含め現在全国に54市ある。船橋市はその中で最多の人口を誇るらしい。「千葉県の中核都市」という言い方はその辺りを都合のいいように自分に引き寄せちゃった感じです。ご当地の魅力を発信するとして、「うちは千葉の中核都市なんですよー」happy02happy02って全国を走り回るわけ??
つまりは内向きの発想。

(続く)

2019年2月13日 (水)

【加筆編】誰が為に梨は成る:上(市川ナンバープレート)

(承前)

「ちぃたん☆」ネタでやや中断しましたが、ナンバープレートに戻りまして。

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「松戸」では他に、[梨]が寶滿作品を含め8点中5点に登場する(大伏線)。
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「松戸」がそうくるならば、「市川」はこうである。なんと、あり得ないことに昨年12月31日の発表・・・。Embargo?それとも市川市役所は大晦日にも開いてるの?
まずは採用作品から。

千葉県市川市
市川版図柄入りナンバープレート
<市川の梨と街と江戸川>(作品番号5)
田中初那(岐阜市)
〔2018.12.31発表〕
市川ナンバープレート

ツル的に見馴れたところで言えば、むしろ「大雨で水浸しになった東京都大田区下丸子辺りの多摩川河川敷」な感じです、[梨]を除けば。
市民投票における「作者アピールポイント」は次のとおり。

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市川市の良い点を盛り込むべく、都会過ぎず田舎過ぎないバランスや、名物である[梨]を表現しました。淡い緑・水色・黄色の爽やかな配色でシンプルに仕上げたので、老若男女使いやすいデザインになったと思います。
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結果発表時の「コンセプト」にはこう書かれた。

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市川の象徴である[梨]、都会の[街並み]、市川の自然代表としての[江戸川]を盛り込んだデザインにすることで、住みよい街・市川を表現。
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どうしてここまで違うんだろう。「都会過ぎず田舎過ぎない」が具合が悪かったのかしらん、それとも「老若男女」の「老」がまずかったのかしら。今や高齢ドライバーは免許証返上をきぃきぃせっつかれる時代。

残りの市民投票候補4点は全て優秀賞とされた。

(優秀賞)
<梨と花火>(作品番号4)
市川ナンバープレート(作品番号4)

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遠くから見ても[梨]がわかり、思わず梨が食べたくなるような、インパクトの強いデザインを目指しました。カラーは原色系を使わず、落ち着きのあるライトグリーンでまとめることで、視認性にも配慮しました。
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なんとなーくだが、垂水秀行作品じゃないかという気がちょっとするのだけれど。迫りくる梨の強さとか、豚の鼻pigにも見える切り口のユーモア加減とか。

<元気に!新しい流れをつくる「市川市」!>(作品番号2)
市川ナンバープレート(作品番号2)

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中央のブルーは「風」「川」をイメージし、流れや流行を表現。また、良き伝統や継承すべきものに対する「普遍」の意味を込めました。市民の鳥[ウグイス]が羽ばたく姿と[花火]はアクティブな様を表現しました。
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これのみ梨を扱っていない。しかし、はァ?全般的にちょっとずつ、でも全部変。つまりだ、市川市民は流行に流されやすいってことbleah!?夜にウグイスは飛ばないと思うし。
・・・ウグイスがシンボルで、川が流れていて、花火大会のあるご当地って、日本中に何ヵ所ぐらいあるんだろう。

あ!!ツルの出身地の福岡もある意味そうだ。いや、そう「だった」んだ。福岡市を流れる川と言えば、代表格は那珂川。歓楽街の「中洲」はその河口近くに形成された中州である(cf. 2017.10.30「似て非なるもの − 福岡 vs 博多 とか」)。福岡市の鳥はホオジロとユリカモメだが、福岡県の鳥は太宰府市の太宰府天満宮の梅に因むウグイス(福岡県章も梅花形である)(cf.【その189】・2017.05.11「丸ブーじゃないけどsun艶競べheart:もいちど」)。そして、市内のど真ん中、大濠公園では毎年花火大会が開かれてきた。今や150万都市になっちゃったご当地で、毎年40万人以上を集める巨大イベントに膨れ上がっていたわけですが、安全確保が困難となり、2018年をもって終了になってしまったんですねえ。観客のマナーの悪さもその理由の一つに挙げられているのが悲しいweepweepweep

<おいしい「市川の梨」>(作品番号3)
市川ナンバープレート(作品番号3)

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全体的に色味が落ち着いていて、さらにナンバーになるべく絵がかからないようにしたので、視認性に優れています。また、どんな車に合わせても雰囲気を壊すことなく市川市をアピールすることができます。
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これのどこが「ナンバーになるべく絵がかからないようにした」のだか、ツルにはさっぱりわかりません。逆だろ。

<市川のしおり>(作品番号1)
市川ナンバープレート(作品番号1)

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4本のしおりは「四季」を表しています。春の[バラ]・夏の[花火]・秋の[梨]・冬の[クロマツ](寒さにも強い木であることから)。また、整然と並べることで、ナンバープレート本来の数字の視認性を高めています。
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そんな馬鹿なぁ。松は四季を通じて変わらぬものの象徴でしょうが。どれか一つの季節の中に嵌め込む発想自体無理があるんだよ。最後の一文のロジックも妙でしょう?他の作品と比べて視認性に優れているとは全く思わない。

以上、入賞5点中4点までが[梨]入り。優秀賞が作品番号順に並んでないのは、得票順か審査評価順によったのだろう。
因みに「市川」の応募総数は66点と振るわず、これは例えば「出雲」(対象地域人口計 約19万人)の155点の半分にも満たない(市川市人口 約49万人)。都会ほどご当地ネタが盛り下がる一つの証左ではないかと思う。

― Title Inspired by the Movie "For Whom the Bell Tolls"(1943)―

(続く)

2019年2月11日 (月)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (5)(バリィさん)

(承前)

双方の言い分が出揃って、さて、二の矢を先につがえるのはどちらだ、なんて風に思っていたら、その日のうちに須崎市側の再反論が。

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(2019.02.08 毎日新聞 抜粋)

高知県須崎市のキャラクター「しんじょう君」の著作権を侵害しているとして、市が類似するゆるキャラ「ちぃたん☆」を運営する芸能プロダクションに対し、ちぃたん☆の活動停止を申し入れたことについて、運営元の「クリーブラッツ」(東京都)は8日、社の見解を発表した。ちぃたん☆の制作過程で複数回、市の担当者にデザインを確認してもらっていると主張。「須崎市の権利を制限する意図はない」としている。一方で市は同日、見解を受けて楠瀬耕作市長が「当初一定の便宜は図ったが、著作権侵害まで認めていない。独善的な数々の行為で信頼は完全になくなった」などと反論するコメントを出した。

クリーブラッツによると、ちぃたん☆のモデルとなった同名のコツメカワウソが須崎市の観光大使に就任することを機に、キャラクター化することを正式に決定。デザイナーは須崎市の担当者から紹介されたという。

〔中略〕

問題を巡っては、楠瀬市長が6日、ちぃたん☆について「市が著作権を有するしんじょう君のデザインに依拠して制作されたもの」で、「著作権を侵害しており、不正競争に該当する」と主張。コツメカワウソのちぃたん☆を市の観光大使から解いた1月17日に活動停止を申し入れたことを明らかにしていた。しんじょう君は2013年から現在の姿で活動。ちぃたん☆は17年に誕生し、管理は「キャランドゥ」(東京都)が、商標登録やテレビ出演などの運営をクリーブラッツが行っている。

須崎市の楠瀬市長は8日にコメントを出し、「市の了解があったと言わんばかりの悪質で巧みな印象操作のある文章」と不快感を示し、「当初はデザイナーを紹介するなど一定の便宜を図るのはお互いの信頼関係を結ぶためにも必要と判断したもので、しんじょう君の著作権侵害まで認めたものではありません」と反論。「クリーブラッツへの信頼は完全になくなっており、もはや修復は不可能」とした。
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あちゃー。そこまで言い切りましたか。市長のロジックにも少し苦しいところがあるけれど、ほんとに泥仕合になりそうだ。

須崎市サイドはいろいろ後悔しているところも多いだろう。「あわよくばペアキャラにして話題を一層盛り上げてやろう」と考えていた(であろう)こととかね。

クリーブラッツのキャラクター(もはやご当地キャラとは呼ぶまい)については、結局何でもよかったんだろという気がしてくる。社員が偶然(でしょ???)飼っていたペットがコツメカワウソでなくて、ヒヨコだったら「バリィさん」が、ミニブタだったら「タワラモトン」が標的になっていたかもしれない。

愛媛県今治市
キャラクター
いまばり バリィさん
宮田麻子(第一印刷株式会社キャラクター事業部デザイナー)
* コピーライトは第一印刷株式会社(今治市)が有する
バリィさん

2018.07.10【その203の2】
奈良県磯城郡田原本町
公式キャラクター
タワラモトン
塩崎榮一
タワラモトン(リデザイン後)

あとは派手な言動でのし上がっていくビジネスモデル。つまりは「仮面女子」や「ふなっしー」同様に、芸能界的キャラなのか。

でも、こうしたネガティブ要因が積み重なっていくことによって、(事実がどのように認定され、最終的な決着がどのようにつくのであれ、)社会がゆるキャラ全体にそっぽを向く傾向は強まっていくだろうと思う。泥沼の法廷闘争になったところで、どちらにも「勝ち」はあり得まい。
ということはつまり、ゆるキャラ頼みの地域興し、団体興しなどという幻想も潰え去る日がまた近づくということだ。この点こそ、犬山秋彦のコメントが取りたいところですな。

須崎市からはまた正式な声明が出されることになるだろうと思う。監視ポスト入り、継続です。

なお、作者の端広こうに関連して一言付け加えると、2017年9月、北日本新聞社(富山市)が主催する「第15回北日本児童文学賞」の1次審査を通過した47作品のうちの1編、「アリの新世界」の作者としてこの名前が見える。住所は高知ではなく、「東京」とされていますeye。一方、あのLancersサイトでは「高知県」。ううむ。

しんじょう君 ちぃたん☆

2019年2月10日 (日)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (4)

(承前)

ちぃたん☆

須崎市長会見の翌々日、クリーブラッツが反撃に出た。主張は真っ向から対立している。

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(2019.02.08 モデルプレス 抜粋)

高知県須崎市のマスコットキャラクター「しんじょう君」に酷似し著作権等を侵害しているとして、同市より活動停止を求められているご当地キャラ「ちぃたん☆」を運営している株式会社クリーブラッツが8日、見解を報道各社に送付した。

◆「ちぃたん☆」側「権利を侵害することはないと理解しました」
一連の騒動に関し、株式会社クリーブラッツは「この度は、ゆるキャラ『ちぃたん☆』に関して、高知県須崎市様から著作権侵害等のご指摘を受けていることについてお騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません」と謝罪した上で、「ゆるキャラ『ちぃたん☆』制作の経緯」「『ちぃたん☆』デザインに係る須崎市様のご確認と『ちぃたん☆』の活動状況について」「海外商標の取得経緯について」「今後の当社の方針について」の4項目について見解を発表。

「ちぃたん☆」のデザイン及び着ぐるみ作成過程については、複数回にわたり担当者に確認しながら進めたといい、「『しんじょう君』の権利を侵害しないか」という点は「平成29年11月8日付にて、須崎市元気創造課元気創造係から、同係内部で協議した結果として、須崎市様のご許可は不要であるとのご回答をいただきました」。そのため「『しんじょう君』に関する権利を侵害することはないと理解しました」と説明した。

◆今後の方針は?「しんじょう君」の「権利を制限する意図などまったくございません」
また、海外商標の取得については「『しんじょう君』のアニメーションを制作し、商品化窓口権を有する制作会社様及び須崎市ご担当者様から、平成30年4月以降、『しんじょう君』と『ちぃたん☆』の双方をペアで海外にてライセンスしたいとの要望があり、当社においても『ちぃたん☆』の商標権を取得するよう相談されたことにより取得手続を実施したものです」と主張。
株式会社クリーブラッツは、海外展開等の準備のため「しんじょう君」と「ちぃたん☆」の双方が掲載されたスタイルガイドを制作しており、「このスタイルガイドについては、須崎市様もご監修されています」としている。
今後の方針に関しては「当社として、『ちぃたん☆』誕生後、一緒に活動してきた『しんじょう君』に関する須崎市様の権利を制限する意図などまったくございませんし、特に海外では、上記制作会社様のご指導のもと、『しんじょう君』と『ちぃたん☆』の双方が一緒にライセンスされると聞き及んでおりますので、当社としては『ちぃたん☆』さえ自由に活動できるのであれば、当社が海外における『ちぃたん☆』の商標権者であることに固執も致しません」と見解を示し、「『しんじょう君』や『ちぃたん☆』、これらキャラクターを支えてくださる皆さまのためにも、今後も須崎市様との間でお話し合いによる解決を求めていく所存です」とした。

〔後略〕
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クリーブラッツの文書は、企業の公式な発表資料の性格を持つと思われるが、「報道各社に送付した」↑のみで、同社サイトに掲載はなく、非常に残念ながら全文は未入手である。以下はその冒頭部分のみ。

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報道関係者各位
平成31年2月8日

ちぃたん☆に関するお知らせ

いつもお世話になっております。
この度は、ゆるキャラ「ちぃたん☆」に関して、高知県須崎市様から著作権侵害等のご指摘を受けていることについてお騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません。
平成31年2月6日付にて、須崎市長様の定例記者会見が実施され、また、同日付にて本件に関するご説明が須崎市様のホームページに掲載されましたので、本件に関して、当社としての見解をご説明申し上げる次第です。

1 ゆるキャラ「ちぃたん☆」制作の経緯
ゆるキャラである「ちぃたん☆」の制作は、そもそも当社職員が飼育するコツメカワウソの「ちぃたん☆」がSNS上の活動やTV出演を行っておりましたところ、平成29年9月頃、知人から「しんじょう君」を運営する須崎市元気創造課元気創造係及び同係ご担当者様をご紹介いただき、ご担当者様との話し合いの中、同じくカワウソをモチーフとする「しんじょう君」とともに須崎市様のPR等を行うことや、コツメカワウソの「ちぃたん☆」を須崎市観光大使に任命いただく旨をお伝えいただいたことに端を発します。
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ああ、本当に筋の悪い話に落ちてきた。みんな、少しずつ嘘をついている気がする。

よく読めば、これらはクリーブラッツ側が「権利侵害しているかも」と懸念していたことを示すものでもある。そして、その判断責任を「須崎市元気創造課元気創造係及び同係ご担当者様」におっかぶせる論理。前回書いた守時を狙い撃ちしているわけです。通常、「弁理士(等)に相談の上で」だろうに。
「侵害はないと理解した」というそれ自体、特許庁の却下(2018.08.17)によって否定されちゃってるわけで、考慮に値しない気がする。
「共同でいろいろやろうとしていた」という話も、単独でテレビにレギュラー出演したり、アニメ番組を作ったりというのでは筋が通らない。

そして何より、このキャラクターが何者であるのかがなお判然としません。
後発ながら、「ゆるキャラグランプリ2018」では「ご当地部門」で12位に入った(cf. 2018.11.19「仍って件の如し」)。企業キャラではないという立ち位置です、権利者は株式会社クリーブラッツである(はず)にもかかわらず。この時の所属は「秋葉原観光推進協会」とされているが、「秋葉原のご当地キャラ」としての実態は掴めない。
須崎市での活動は、しんじょう君イベントに相乗りする形しかなかったと推測される(それがそもそも話をごちゃつかせている一つの原因だが)。
最も注目を集めたYouTubeでのパフォーマンスも、ご当地興しの性格を持っていたとは思われない。

結局、存在としてはしんじょう君に寄りかかっており、その前提/根源に不安要素を抱え込んでいて、単独では将来大きな支障が生じ得るというRisk Factorにどう対処していくつもりだったのだろう。

(続く)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (3)

(承前)

ちぃたん☆

Defendantの商標出願を特許庁が却下した際に示された、「拒絶理由条文」は次のとおり。

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商標法 第4条第1項第11号
当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第6条第1項〔中略〕の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
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しんじょう君

一方、Plaintiffが主張する差止請求は、以下の条文を根拠としている。

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著作権法 第112条
著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

不正競争防止法 第3条
1 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第5条第1項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。
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てことはキャラクター「ちぃたん☆」の着ぐるみを廃棄せよ、てことにもなってるんですかね(カワウソ「ちぃたん☆」を抹消せよ、なんて物騒&殺生なことは書いてないだろうが)。

改めて須崎市の発表内容を読み直すと、「行動が過激だから」という理屈は脇へ回ってるんですねえ。専ら問題とされているのは「類似」です。愚blog的には大直球。
けれど、いくらちぃたん☆がしんじょう君に類似していようと、総合的客観的には必ずしも須崎市側に有利な状況とも言い切れないように思われる。

・作者による著作者人格権の行使を封じておかなかった(と考えられる?)
・半年間、類似キャラクター「ちぃたん☆」の存在を黙認していた
・「須崎市観光大使」を任命してもいないのに自称することを黙認していた
・一緒にイベントに出演させていた
・海外展開を考えていたのに商標権の手当てが後手に回り、(一部の国で?)先を越されてしまった

ちぃたん☆の出願却下は昨年8月。では須崎市は今回のアクションを取るまで、半年間何をグズグズしてたんだろう??そこは大きな疑問です。さらに言えば、「しんじょう君」の商標出願自体が、2013年のキャラ制定から3年以上も経った後。グランプリで上位入賞を果たし、ふるさと納税にも大きく貢献するようになってから。
しかも制定時から既に、ゆるキャラ運営上のしくじり大先生、滋賀県彦根市「ひこにゃん」の騒動(2007〜2012年:cf. 2015.06.03「やけに色のない夢を見る」)なんかの教訓ネタも存在していたわけだ。何のリスクも感じなかったのだろうか??

このあたりが争いどころになるんじゃないですかね。

「しんじょう君」は確かにゆるキャラ運営としては成功事例かもしれない。ネット上には、仕掛人たる須崎市元気創造課元気創造係の守時 健(33歳)を誉めそやした記載がいくつも見られる。守時は典型的な、いわゆる「枠からはみ出した」タイプの公務員らしく、ツルは宮崎県西諸県郡高原町職員の六部一(ろくぶいち)智久のことを思い出しました(cf. 2015.10.23「いはばしる バイクの臀の プレートの;B」・2015.11.11「ドルチェの後は苦い珈琲:1杯目」)。

しかし、「攻め」ではなく「守り」の面から見た場合、須崎市の今までのやり方が全く適切であった、という確信は持てない。個々の職員に権限委譲することはもちろん大切だけれども、Check & Controlが伴っていなければ組織としてのCatastropheを招きかねないだろう。
そこのところが見えない。むしろ逆で、ネットでは市長の楠瀬(くすのせ)の「もう彼は全部ひとりでやってるんで、口出ししないようにしてますわ!」という言葉まで紹介されているbearing

結局のところ、須崎市も、クリーブラッツも、同じ穴の狢ではないのか(いや、獺か)。ともにコンプライアンスという「守り」の面を蔑ろにした、そしてそのつけを払わされるという意味で。筋が悪いというのはそういうことです。

(続く)

2019年2月 8日 (金)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (2)

(承前)

しんじょう君

須崎市サイトを見てみると、大変なことになっていた。2019.02.06の市長定例会見で「クリーブラッツ社への対応について」が報告されており、シナリオらしきものまで掲載されている。

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須崎市とクリーブラッツ社とのちぃたんについての経過を報告いたします。

まず始めに、須崎市はしんじょう君の著作権者であり、しんじょう君の翻案権(著作権法27条)及び二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(同法28条)を有しています。須崎市の著作権を有するしんじょう君のデザインに依拠して制作されたものが、ちぃたん☆のイラスト、着ぐるみです。

当市は、市のマスコットキャラクター新デザインを平成24年11月5日から12月16日まで、募集し、全国から406のデザインの応募がありました。約2000人の市民の皆様に投票いただき、平成25年2月3日に審査の結果、しんじょう君が誕生しました。
平成25年4月28日に着ぐるみを当市で開催されました野見湾元気なおさかな祭で披露し、その後、須崎市および高知県をPRしながら活動をしてまいりました。

平成28年10月7日に商標の出願し、平成29年9月8日、登録第5978539号にて商標登録いたしました。この間には、全国のみなさまから沢山の応援をいただき、着実に活動を積み重ね、ゆるキャラグランプリでは、2013年では14位、2014年では4位、2015年では4位 2016年に悲願の優勝をさせていただきました。しんじょう君グッズ製作をしたいという企業や地域からの商品登録申請は1200件近くいただいております。

その後、株式会社クリーブラッツはしんじょう君と同じ作者にキャラクターデザインを依頼し、平成29年12月18日に株式会社クリーブラッツは国内でちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて商標出願し、平成30年8月17日付けにて「先願に係る他人の登録商標」つまり「しんじょう君に酷似していることにより」拒絶されておる状況です。

クリーブラッツ社は須崎市が有するしんじょう君に係る著作権(イラスト,着ぐるみ等の翻案権〔著作権法27条〕,二次的著作物の利用に関する原著作者の権利〔同法28条〕としての複製権〔同21条〕,公衆送信権〔同23条〕,譲渡権〔同26条の2〕等)を侵害しており、不正競争防止法2条1項2号及び同法2条1項1号に定める不正競争(著名表示冒用行為及び周知表示混同惹起行為)に該当します。

クリーブラッツ社が当市に無断で国内外で商標出願をするなど、信頼関係が損なわれたことにより、平成31年1月17日、株式会社クリーブラッツ 代表取締役 池田正流(いけだ せいじ)氏に対し、著作権法112条1項及び不正競争防止法3条1項,2項に基づき活動停止を求めました。しかしながら活動が停止されず平成31年2月1日に、関係者に先述しました内容を通知いたしました。

しんじょう君とちぃたん☆のファンのみなさま、市民、県民のみなさまにはご心配をおかけし大変申し訳ございません。高知県キャラクター観光特使として、また須崎市民の財産としての「しんじょう君」を守る為に、現在、クリーブラッツ社代理人である弁護士と話し合いをしている状況であります。これまで、ファンのみなさま、市民、県民のみなさま、キャラクター関係者の皆様からは、沢山のご支援をいただきありがとうございます。引き続き、ご支援いただけますようお願い申し上げます。

平成31年2月6日
須崎市長 楠瀬 耕作
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なんとなく、出来の悪い弁護士(or 弁理士?)の作った文章、という気がしなくもない。
因みに、「池田正流(いけだ せいじ)氏」との記載は、「正流」を「せいじ」と読むという意味ではなく、通り名として「いけだ せいじ」を名乗っているという趣旨と考えられます。「正流」は「まさる」と読むらしい(中本竹識の別名義、「中本長流」の「たける」と同様である)。

会見資料には詳細な経緯↓も載っていて、ツルのおたく心の琴線を掻きむしります。もっとも、「しんじょう君」とキャラクター「ちぃたん☆」の蜜月時代については一切触れてないけど(汗)。

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H24
7月 須崎市のキャラクター「しんじょう君」のリニューアルを計画
11月5日 募集を開始し、全国から406体の新デザイン案の応募

H25
2月3日 審査の結果、新しいしんじょう君が決定
4月28日 しんじょう君を野見湾元気なおさかな祭にて披露
11月24日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ14位(1579キャラ中)

H26
9月12.13日 須崎市にてご当地キャラまつり in 須崎開催 70キャラクター のべ5万人の来場者
11月3日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ4位(1579キャラクター中)

H27
9月7日 しんじょう君が内閣府津波防災ひろめ隊に就任内閣総理大臣と共演
9月12.13日 須崎市にてご当地キャラまつり in 須崎開催 120キャラクター のべ6.5万人の来場者
11月23日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ4位(1727キャラクター中)

H28
3月31日 しんじょう君のPRにより市のふるさと納税が前年度比300倍の6億円
10月7日 須崎市がしんじょう君を商標出願
11月6日 しんじょう君がゆるキャラグランプリ2016優勝(1414キャラクター中)
11月10日 高知県キャラクター観光特使に就任

H29
3月31日 しんじょう君のPRにより市のふるさと納税が10億円
9月8日 特許庁がしんじょう君を商標登録
9月下旬 株式会社クリーブラッツがしんじょう君のデザインをもとにちぃたん☆のデザイン製作に着手
12月18日 株式会社クリーブラッツがちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて商標出願

H30
1月18日 生き物コツメカワウソ「ちぃたん☆」須崎市観光大使委嘱
     ちぃたん☆の危険な動画が、誤認混同により当市に苦情が寄せられる。
8月1日 株式会社クリーブラッツがちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて海外(アメリカ)で商標出願
8月17日 特許庁がちぃたんの日本での商標出願を「先願に係る他人の登録商標」を理由に拒絶
11月21日 ふるさとチョイスアワード2018 大賞「しんじょう君とふるさと納税でまちが変わる」

H31
1月17日 生き物コツメカワウソ「ちぃたん☆」須崎市観光大使解嘱(PR実績がないため)
1月17日 ちぃたん☆のイラスト、着ぐるみについて、著作権法112条1項及び不正競争防止法3条1項,2項に基づき活動停止を求めた。
2月1日 活動停止がされず関係者に通知
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そっか!市長が「しんじょう君」を「須崎市民の財産」と持ち上げてるのは、「金の卵を産む獺」の意味だったんだ!!(爆)

(続く)

【やや速報編】瓦解 崩壊 信頼 未来 ―― しんじょう君 vs ちぃたん☆ (1)

cf.
2019.01.19〜20「謎が謎呼ぶ、闇が闇呼ぶ」

長崎九十九島の「ブツブツくん」「ブツブツちゃん」を斬ったばかりなのに、またもや「ちぃたん☆」が世間を騒がしてます。今度は高知県須崎市「しんじょう君」とガチ対決に発展しそうな様相。

まずはおさらいから。

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(2019.01.17 須崎市サイト)

かわうそちぃたん☆ 観光大使解嘱について
担当:元気創造課

平素は須崎市の観光行政にご理解を賜りまことにありがとうございます。
このたび、平成30年1月18日に須崎市観光大使を委嘱したかわうそ「ちぃたん☆」を平成31年1月17日付けで解嘱しました。
理由としては、「1年での見直しによるPRの実態を確認することができなかった」ことです。

なお、キャラクターの「ちぃたん☆」に関しては市としては観光大使を委嘱していませんので、一部報道における「キャラクター「ちぃたん☆」の観光大使解嘱」ではありません。
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それから早くも3週間が経過し、急展開を見せている。

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(2019.02.06 毎日新聞 抜粋)

高知県須崎市の楠瀬耕作市長は6日の定例記者会見で、市のキャラクター「しんじょう君」の著作権を侵害しているとして、ゆるキャラ「ちぃたん☆」を運営している東京都の芸能プロダクションに活動停止を申し入れたことを明らかにした。申し入れは1月17日。ちぃたん☆は現在も活動を続けており、市は今後、訴訟も視野に対応を検討している。

〔中略〕

市はちぃたん☆について「しんじょう君のデザインに依拠して制作されたもの」であり、「しんじょう君の著作権を侵害しており、不正競争に該当する」と主張。一時期までは良好な関係を築いていたが、同社が無断で国内外で商標出願するなど、信頼関係が損なわれたため、著作権法と不正競争防止法に基づき、先月17日、活動停止を求めた。しかし、活動が停止されなかったことから、今月1日、ちぃたん☆が番組に出演しているテレビ局2社に対しても同様に通知した。

市は今後の対応について「相手の出方次第」とする一方、「訴訟も選択肢の一つ」としている。楠瀬市長は「キャラやファンには何の罪もない」と強調。「しんじょう君の著作権は市民の財産。理解不足で活動を続けているならば改めてほしいし、違法状態を認識しているなら直ちに活動停止してほしい」と訴えた。
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遂に、同床異夢の蜜月譚、崩壊(の瀬戸際)。

あれっ!?でも何か変だ。1月17日は、カワウソ「ちぃたん☆」の須崎市観光大使解任が発表されたのと同じ日。なぜ須崎市元気創造課元気創造係はその時、キャラクター「ちぃたん☆」への活動停止申し入れのことを伏せていたんだろう?
まず文書を送って出方を見て、それで相手がおとなしく引き下がるようなら事を穏便に済ませる方針だったということかしら。

記事に出てくるテレビ番組については;

-----
(2019.02.07 スポーツ報知 抜粋)

〔前略〕

ゆるキャラのツイッターでは、今月1日に「ちぃたん☆がアニメ化することになりましたっ☆みてくださいねっ☆4月3日からテレビ東京ちゃんで放送ですっ☆」と書き込み。また、公式ホームページには「フジテレビ スパーク 毎週日曜23時15分から『ちぃたん☆チャレンジ』放送中」と告知している。テレビ東京は「編成上のことはお答えできない」と回答したがアニメは予定通り開始するとみられる。

〔後略〕
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となっており、アニメ番組のタイトルは「妖精ちぃたん☆」というらしい。
また、商標関連については;

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(2019.02.06 朝日新聞 抜粋)

〔前略〕

市によると、「しんじょう君」の商標登録後、「ちぃたん☆」も登録申請されていたことが判明。昨年夏に特許庁が類似性を理由に却下したが、米国や韓国でも申請中で、海外での商標登録やアニメ化をめざす「しんじょう君」と競合する可能性も出てきた。

〔後略〕
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とある。商標登録、ダメだったんだ!

絶滅した[ニホンカワウソ]に目をつけてゆるキャラに仕立てたご当地が、今度は類似品の[コツメカワウソ]キャラの撲滅に取り組むことにしたわけやね。

須崎市の主張

しかし、それにしても作者の端広こうのことは出てこないなあ。

(続く)

2019年2月 6日 (水)

【加筆編】キャラクターとしての筋の良し悪し ― Ⅱ(スリーポリンキーズ)

(承前)

この第三セクターが、カワイイ系キャラが蔓延する中で埋もれてしまうリスクを避けたいと考えたのは理解できる。また、[岩礁]キャラで「ブツブツ」がダメなのなら「ゴツゴツ」に改名すればOKだったんじゃねえのとは、ツルも思う。
他方、「このキャラで不快な思いをする人もいるから許せん」という考え方にはツルは与しないし(ハラスメントの概念が変わってきているのは理解しているつもりだが)、「気持ち悪いビジュアルだからNGだ」とも思わない。そうした狼煙を上げれば自治体の小役人、否お役人は即震え上がること請け合いだけど、そうやって無難なDesignばかりが生き残っていくとしたら・・・。

ただ、です。ネガティブなものを採り入れる時はやはりそれなりに慎重な検討が求められるはずで、「これはネガティブ要素だ」というところに意識が及んでいなかったということだろう。

何らかの問題があって活動停止等に追い込まれたキャラクターと言えば;

・Twitter上の政治的過激発言で3ヵ月の活動停止となった北海道山越郡長万部町「まんべくん」(2011年8月)
・「くまモン」丸パクりで自爆した静岡県御殿場市「ふじモン」(非公認:2013年9月)
・オールナイトニッポンでの猥褻ワード連発が祟って3ヵ月活動自粛の佐賀県鳥栖市「とっとちゃん」(2013年10月)
・「ふなっしー」をパクって斯界永久追放になっちゃった千葉県銚子市「きゃべっしー」(2013年11月)
・「鳥取の飢え殺し(かつえごろし)」を題材にして批判を受け発表4日後に公開終了の鳥取市「かつ江(渇え)さん」(2014年7月)
・政界再編のあおりを食らって公認半年で引退を余儀なくされた「民主くん」(2016年3月)

あたりが思い浮かぶ。(cf.【その77】・2014.07.26「いつもどこかで謎めいて:一」・2014.08.01「静岡の恥辱、山梨の呪縛。― File 1」・2014.03.30「梨にまつわることども」・2014.07.13〜17「江戸前の盆にて施餓鬼供養」・2016.12.25〜26「いづれの御方も栄枯盛衰は世の習ひ」)

今回の状況は、「かつ江(渇え)さん」の時に似ていると言えば似ている。それと比しても素性の悪さを感じるのは、「ブランディングをどう捉えていたのか見えてこない」という点である。「かつ江(渇え)さん」には「鳥取城の歴史を前面に出したい」という考えがあったわけですが(そしてそれをちょいと踏み間違えたわけだが)、そうした意識は「ブツブツくん&ブツブツちゃん」には読み取れず、単にキワモノに走っただけのように思える。「しくじり先生」たちの失敗は活かされなかった。
つまるところ、行動/運営がどーのこーのではなく、企画立案段階から存した問題。

ブツブツくん&ブツブツちゃん

ま、小難しいところはこれぐらいにして、ツルはこれ↓と見比べたくなりましたがね。

株式会社湖池屋
ポリンキー キャラクター
スリーポリンキーズ(ポール・ジャン・ベル)
ポール ジャン ベル

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ハンサムなポール
いつも冷静で淡々とこなしていく優等生タイプ。声もかっこよくて、顔もかっこいいが決して偉ぶらない。だけど、三角な物には異常なこだわりを持ち、熱くなる。

がんばり屋のジャン
熱血タイプ。いつも元気で目立ちたがり。唇が分厚い分、性格もちょっと暑苦しく、声も大きい。だけど意外と打たれ弱い一面も。

ドジなベル
のんびり屋でおっちょこちょい。基本的には無口で、普段は何を考えているか分からないと言われてしまう。話し方もゆっくりで語尾が伸びる。だけど憎めない存在。
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ううう、今にこれも「唇が分厚いことで悩んでいる人達」からクレームがつくかもしれないぞdelicious

佐藤雅彦 (現 東京藝術大学教授)が電通時代にディレクターを務めたCMのキャラです。佐藤は「だんご3兄弟」「バザールでござーる」を手がけたことでも知られる。NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」では「慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室」とクレジットされて出てきてましたね。

♪ポリンキー ポリンキー
 三角形の 秘密はね
 ポリンキー ポリンキー
 三角形の 秘密はね
 教えてあげないよ!

♪ポリンキー ポリンキー
 ネーミングの 秘密はね
 ポリンキー ポリンキー
 ネーミングの 秘密はね

 Jean-Paul Belmondoから取ったんだよ!
 じゃん!

ヌーヴェル・ヴァーグの寵児だったフランスの映画俳優(1933.04.09〜)です。代表作、「勝手にしやがれ/A bout de souffle/英題 Breathless」(1959:監督 Jean-Luc Godard)。

そっか、[ベレー帽]をかぶっているのは、おフランスのイメージだったんだ!

2019年2月 5日 (火)

【加筆編】キャラクターとしての筋の良し悪し ― Ⅰ(ブツブツくん&ブツブツちゃん)

つい先日、「ちぃたん☆」のオイタを取り上げたばかりですが。ここんとこ、このペアキャラが問題化しているらしい。

長崎県佐世保市
させぼパール・シー株式会社
九十九島パールシーリゾート
PRキャラクター
ブツブツくん・ブツブツちゃん
ブツブツくん&ブツブツちゃん

それなりに完成度は高いからプロのデザインワークだと思うけど、作者は不明です。

ああ、懐かしいや。子供の頃、春休みの家族旅行で巡ったことがある。お父さんが車を運転して、お姉ちゃんたちとお歌を歌いながら行ったんだよね。お母さんがいつも出発直前までグズグズしてて、「早く早く!」な感じだったっけ。

九十九島(くじゅうくしま)は佐世保市・平戸市にわたるリアス式の風光明媚な群島で、島数は99どころか公式で208ある。数え方によっては216まで増えるそうな(もっとも有人島は4つだけ)。

で。
当初はこんな触れ込みだった。

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(2018.07.06 Entame Plex 抜粋)

させぼパール・シー株式会社は6日、九十九島パールシーリゾート新PRキャラクター「ブツブツくん」と「ブツブツちゃん」が出演するWeb限定動画「九十九島パールシーリゾート WEB CM」を公開した。
本動画は九十九島パールシーリゾートの新PRキャラクターのブツブツくんとブツブツちゃんが、九十九島の自然や生きものの魅力をラップで紹介していくもの。時には楽しくノリノリに、時には泣きながら必死に、長崎の方言を交えながら歌うラップに加え、美しい風景が映し出されており、視覚と聴覚に訴えつつ九十九島の魅力を発信する動画となっている。
ブツブツくんとブツブツちゃんは、[九十九島の島々]をモチーフにデザインされていることから、ゴツゴツしたルックスの、いわゆる「キモかわいい」キャラクター。
動画は、九十九島の島々を背景に音楽がスタート。すると、「ぶつぶつぶつぶつ」と言いながら、ブツブツくんとブツブツちゃんが登場。自己紹介に続いて、九十九島の魅力である「植ブツ、動ブツ、海洋生ブツ」についてラップ調で語り、「ここは色んなブツブツが楽しめる」と、自分達の名前の由来を明かす。
その後、九十九島パールシーリゾートの注目スポットである遊覧船、水族館、動植物園といった施設が映像とともに紹介されていく。さらに遊覧船、水族館、動植物園にカヤックなど…さまざまなレジャーの様子も。そして、「豪遊しよう」というサビを経て、必死にPRしている理由が、1年契約であるということを伝える。
実はブツブツくんとブツブツちゃんは、九十九島パールシーリゾートのPRに失敗してしまったらクビになるという理由から、遊びに来て欲しいと懇願していたという種明かし。シビアな契約条件の下、九十九島パールシーリゾートのPRを行う、ブツブツくんとブツブツちゃんが動画の中で必死になってPRしている姿は必見。

〔後略〕
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いかにもネットメディアらしい、素人臭いこなれの悪い文章。しかもアンタ、書いた後で読み直してないでしょうが。
因みに「ブツブツちゃん」が頭に挿したのは、佐世保市の市の花[カノコユリ]のはず。

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(2018.07.06 Jタウンネット 抜粋)

〔前略〕

ブツブツくんとブツブツちゃんがラップで九十九島の魅力を伝えるもので、途中、
「実は僕ら......1年契約なんです」
「お客さんの少なかったら、PRキャラクターはクビになるとですぅ......」
と情に訴えながら来客を図る部分もあるなど、その必死さがひしひしと伝わってくる。

〔後略〕
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1年間限定キャラとは、一般の民間企業なんかにはまずあり得ない思考だよ。キャラ老い易くブランド成り難し、お気楽だこと。

それが、直近こんなことになっている。

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(2019.01.25 西日本新聞)

長崎県佐世保市の九十九島パールシーリゾートのPRキャラクター「九十九島のブツブツくんとブツブツちゃん」が、予定より2カ月早い3月末で活動を終える。凹凸のある顔のデザインについて、皮膚の悩みや病気を持つ人への配慮を求める声が寄せられたためという。
ブツブツくんとブツブツちゃんは、九十九島の島をイメージした岩のような容貌。運営会社の第三セクター「させぼパール・シー」によると、名前は九十九島の動物や植物、海洋生物の多様な「物(ぶつ)」にちなんだ。
昨年6月から1年間の予定でCM、ポスター、土産品などに活用していたが、同社や市に批判的な反響が約20件届いた。子どもへのいじめにつながることを心配する声もあったという。「ブツブツ」の名前が影響した可能性がある。
担当者は「他にも同じように感じていた人がいるかもしれない。今後は消費者目線の広報に努めたい」と話した。
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最後の部分は朝日ではこうなる。

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(2019.01.29 朝日新聞 抜粋)

市から使用中止を求められた同社が、今年度内での使用終了を決めた。
同社の担当者は「キャラクターを選定する時に十分に考えが至らなかった。今回のことを踏まえながら、今後のPR活動に取り組みたい」と話している。
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つまりはたった20件の抗議で引退が2ヵ月早まっただけの話(それまで問題にはならなかったん?)。
炎上商法を狙ったのなら、市側にもきっちり話をつけとかんかいっ。

(続く)

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