地震の記憶

2012年3月12日 (月)

梅花に寄せて

やっと満開です、空中庭園@下丸子でも。品種不明の白梅と、鹿児島紅と。

 

白梅(すこうしピンク) 鹿児島紅

 

前者は20年ほど前、会社に出入りの業者がお年賀に持ってきた盆栽をツルが分捕ったもの。後者は数年前に九州筑後の「御座敷梅林 青輝園」で買い付けた苗木です。香りは白梅の方が高いかな。

 

それにしても今年は遅い。大輪八重緑萼なんてまだ固い蕾!昨年は2月11日に梅の花の記事を書いたのに。
震災の犠牲者を悼み被災者を慰めるために遅れて咲いてくれたんだ、と言ったら綺麗ごとに過ぎるだろうか。

 

岩手県陸前高田市で昨日、津波の到達点をつないで桜を植えるというプロジェクト「桜ライン311」が行われたと報じられています。
サイトを拝見すると、ここまで津波が来る(来た)とわかっていれば、奪われる命ももっと少なかっただろうに、という趣旨から出た地元のボランティア活動のようです。

 

震災の記憶を風化させず後世に伝えていくこと、そして災害に強い国土づくりに役立てていくことはもちろん賛成です。その一方で、被災者の苦痛を考えると、地震につながる様々なものを残すことに、両手を上げて賛成する勇気もない・・・。

 

一昨日3月10日、宮城県石巻市雄勝町/おがつちょうで、公民館屋上に乗り上げた観光バスがついに撤去された。

 

雪の中の撤去

 

同県本吉郡南三陸町では、あの日30人ほどが屋上に避難して10人だけが助かった3階建の防災対策庁舎が、昨年9月、遺族の感情に配慮して解体が決まった。

 

南三陸町防災対策庁舎

 

同県牡鹿郡/おしかぐん女川町では、6月に町が女川交番などの横転建造物を数点保存する計画を立て、募金を行っている。

 

横転した女川交番

 

同県気仙沼市に打ち上げられた大型船17隻のうち、最後に残された鹿折唐桑駅/ししおりからくわ付近の漁船「第18共徳丸」(総屯数330屯)は、6月に市が保存を打ち出している。

 

市街地に乗り上げた第18共徳丸

 

忘れるなと叫ぶ人と、逃れたいと泣く人と、皆悩んでいると思うし賛否両論の必ずある問題だと思う。遺構保存で人命は救えないという声もあると聞きます。
(1955年に広島平和記念公園として整備された原爆ドームの保存にもきっとそんな議論はあったはずで、60年代前半まで解体論も根強かったそうだ)
ツルは基本的には、人類は「負の遺産」も残すべきだという立場ですが。

 

でも、津波の記憶を桜に託して後世に残すというのは、正直言ってツルは納得しません。どうしてだろう。理由はいろいろ。

 

この国に桜はもう多過ぎる。
ツルが別に桜を好きじゃない。
この地で3月11日に桜の開花は望めない。
桜、特に染井吉野は寿命が基本的に100年程度しかない。
地震や津波と桜とに何の関係があるのか。あるいはどんな意味づけを新たにしようとするのか。

 

ツルの親あたり以上の世代だと(結構なご高齢ってことになるな)、桜や夾竹桃はどうしても好きになれないという人が少数派ながら必ずいます。戦時中の「咲いた花なら散るのは覚悟」という風潮をいやでも連想するとか、あの強烈な赤い花に終戦の夏、敗戦の日の記憶がフラッシュバックするとかの理由で。いたし方のないことにせよ、残念だ、気の毒だなあと思う。

 

ツルは植物オタクだけど、いや、だからこそ、そんな人間(じんかん)の事情なしに植物に親しめたらいいと希います。花は、ただそこに在る。
植物を植え育てる行為に特殊の意味を持たせることに、心からの賛同はできないというか。

 

・・・うーん、なんかそれもちょっと違う・・・

 

結局、負の記憶を正の記憶にすり替えることを潔しとしない心情があるのかもしれない。闘って闘って闘い抜け、自分自身と、みたいな。

 

ただ一本残った松の木に多くの思いが寄せられたのも、そんなところがあるのじゃないかとツルには思える。

 

奇跡の一本松 月下の一本松

 

ただ独り

 

そうか。あの松原の子孫を到達点に植えていくということだったらツルは納得します。
津波は7万本の松原を押し流した、でも、その達した所からまた新しい命が始まる、というのならば意味合いは全く違ってくる。

 

あの松の蘇生をついに断念したと発表された翌日、接ぎ木が岩手の森林総合研究所材木育種センター東北育種場で成功し、播種による発芽が住友林業で成功したと報じられたのは年末のほっとニュースだった。

 

材木育種センター東北育種場にて まだ幼く弱い緑だが

 

これらもきっと、松原再生(させるんですよね??)に使われることだろう、マツクイムシに強い新品種とか何とかと一緒に。千年に一度の大津波を踏ん張り抜いた木が最後に伝えた命は何とか元の場所に戻してやりたいよね。
もちろんそれも、地震や津波から人々が守られる、災害に強い町づくりをという目標がまずあってのこと。そのために、再び立派な松原を育てるために、まず使ってほしい。(願わくば全国からも苗木の集まることを)
でも一方、全てを流し去った津波が達した先端に、海辺の最前線で長く町を守ってきた松の子孫を植えていく、というのも復興の一つの考え方じゃないだろうか。被害の大きさを伝えるためなら、桜じゃなく。

 

あっという間に1年が経ち、決して復興は順調ではない。「絆」という砂糖菓子の衣も溶けてきてる。これからもっと利害対立の場面も増えてくるでしょう。被災地の復興を阻む真の理由は瓦礫受け入れを拒む我々の心じゃあるまいか。募金箱にはお金を入れて、でもあくまで対岸の火事、自分(の次の世代)に影響の及びそうなところには口を出してほしくない、というような。

 

そんなことを思いながら、敢えて挑戦的なことも含めて書かせていただきました、反論、反感を持たれる方もあろうかとは思いつつ。

 

それにしてもやっぱり涙が出てくる、直後の報道など読み返していると。

2011年12月30日 (金)

「絆」・・・?

年末恒例の「2011年を表す漢字」とやらが発表されてますね。

今年は至極当然のように「絆」となりましたが、微妙な気持ち悪さも感じる。ほとんど出来レース状態。コンビニに置いてある「年賀状印刷承ります」のチラシにも「絆」の筆文字は大きく踊っている。

ツル的には、あくまで私見ながら、断然「生」です、今年の漢字は。それが2011年だったのだと思う。2011って、そんな年だったんだと。

年賀状を作りながらそんなことも考える、年の暮れ。

今年もありがとうございました。

2011年7月31日 (日)

電力対策

今日は日曜だけど、ちょっと会社に出てきたのでちょっと・・・

ツルの会社で今進んでいる工事が1件。

思ってたより小さい 空き地があってよかった

これ、自家発電施設なんです。このたびの電力使用制限に際しての施策の一環。

実はこれ、閉鎖しちゃった鹿児島の工場で遊休資産化してた(つまりお荷物ね)のを移してきたもの(@_@)。話を聞いた時はびっくりしたものです。なんという裏技を!

移設が決まったのは、「大規模事業所の15%節電」の政策が発表されてすぐだったのだけれど、輸送中に周波数の差の改造やらサビ落とし(?)なんぞを神戸あたりでやってたそうで、先日無事やっと川崎に到着し、敷地内の空き地に設置中なわけ。
8月1日(月)から稼動可能となる由です。お盆過ぎに始動という噂も途中であったんだけど(夏が終わってしまいかねない!)、改造も設置も突貫工事でなんとか8月月初に間に合わせたようで。(仮設住宅建設とは違ってね・・・)

しかぁし!!
これってつまりは重油を燃やして発電するものだから、コストが結構かかるそうな。なんでも東電から電気を買った方が安くつくらしい。移動や改造にだって億単位のお金がかかってるそうだし。
騒音や排気、臭気など、近隣対策上クリアすべき問題もあるでしょうきっと。

しかもその後の政策変更により制限が緩和されることになったわけで、結局、「非常時のみ稼動」という運用になりました・・・
そういう場合は周辺地域にも電気を供給するのだとか。そりゃまあそうだよね。

2011年4月 2日 (土)

11日より前にも地震が

今回、まるで注目されていないけど、実は3月9日にも三陸沖で地震が起きていた。
津波注意報も出ていて、ウェザーニュースの号外メールが来てたんだ。このところ乱れ飛んでいた携帯メールを整理するまで、まるで失念していました・・・

やはり、自分に直結しないとこんなものなのでしょうか、「情報」って。

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【3月9日(水) 12:13】
号外【東京版】
東北で津波注意報発表
11時45分頃、三陸沖で地震発生。宮城県北部で震度5弱の揺れを観測しました。東北地方太平洋沿岸で津波注意報が発表されています。今すぐ海岸から離れるか、3階以上の頑丈な建物に移動して下さい。
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2011年4月 1日 (金)

蓮舫よ

あなたは一体、今、何をやっているのか。

当初「襟立て」が何かと話題になりましたね

あの時期に都内のコンビニやスーパーで物資払底の様子を視察した(3月17日(木))のは、千歩も譲ってまあ良しとしよう。だってあなたは「消費者及び食品安全担当相」なのだから。
ちなみにそれが百歩の譲歩では利かない理由は、その視察が被災地でも計画停電対象地でもない、東京都23区内(コンビニは千代田区のセブンイレブン、スーパーも江東区木場のイトーヨーカドー)だったからである。

ホラ、千代田区。

入閣当初から宿命のようについて回る「パフォーマンス大臣」というStigmaはあなたが一番意識しているだろう。それを拭い去ることなく、その立場に安住したままでの視察ではなかったか。だからこそ、時間の無駄以外の何物でもなかったと感じられるのではないか。

何に驚いているのやら

ツルは何も現地に行けばよかったと言っているのではない。

この視察が行われた3月17日(木)の午前中と言えば、すでに首都圏全体が完全に非常事態に入っていた時である。原発にせよ、停電にせよ、刻一刻と状況が移り変わる中で、政治あるいは行政にこの上なく高度な舵取りが求められていた時ではなかったか。
首都圏の物資不足も誰もが知るところとなっていた最中に、当該視察を行うことに、一体どのような意義があったのか。

消費者及び食品安全担当相にその時強く求められた責務は、当然予想される(首都圏の)買い占めによる一時的物資不足を、強制力をもってでも解消する手立てを講じることではなかったか。

消費者及び食品安全担当相としてのあなたにとって、「一刻の猶予もならない」とはこの意味においてでしかなかったのである。

しかし、それはまだいい。「政治家の現場視察」には、デメリットもあろうにせよ、メリットもあるはずだから。

やはりここでも問題になるのはタイミングのことだ。

あなたが、「内閣府特命担当大臣」として、行政刷新担当相(2010年6月任命)、消費者及び食品安全担当相(2011年1月任命)に加えて節電啓発等担当相に任命されたのが3月13日(日)。
東電管内で計画停電が開始されたのが14日(月)。
石原都知事と会談したのが14日(月)。
「国民の皆様へ」なる節電啓発メールが発信されたのが14日(月)〜16日(水)。
「不測の大規模停電」が予想されたのが18日(金)。

消費者及び食品安全担当相としての17日の視察はある意味絶妙なタイミングだったかも・・・(-_-;)これは皮肉です。

次にあなたが取り組んだ仕事は、セ・リーグ開幕問題。(それがなぜ節電「啓発」等担当相の職務なのかとは思うが。)

セ・リーグが、一旦、予定どおりの3月25日(金)開幕を決めたのが17日(木)。
監督官庁の文科省がナイター自粛を通達したのが18日(金)。
セ・リーグが「3月29日(火)開幕・4月5日(火)ナイター開始」に延期したのが19日(土)。
あなたが「ナイター開催に私は慎重意見」と表明したのが同じく19日(土)、と思ったらどうやら20日(日)。
「高木文科相に配慮を要請した」と表明したのが21日(月/祝)。
NPB(日本野球機構)等の報告に対して「29日開幕等の科学的根拠を示せ」等として突き返したのが22日(火)。
結局セ・リーグがパ・リーグと同日の4月12日(火)開幕としたのが24日(木)。

この問題では、プロ野球、なかんずくセ・リーグが槍玉に挙げられているが、ツルが注目しているのはそんな(正直、些末としか思えない)ことではない。

あなたが意見を表明する際に多用されたのが、記者会見よりむしろTwitterだったことである。
今回、全メディアの中でも特にTwitterが相当程度に有用であったことは決して否定しない。(阪神淡路大震災の時に「固定電話はダメだけど携帯電話は使えたよね」などと言っていたのがまさに隔世の感あり。)
しかし、その有用性はあくまで緊急情報、生活情報に関わるところで発揮されたのではないか。リアルタイムに流されていく情報として。

政治家が公人として、その責務に係る問題を「呟く」ということの是非が、ツルにはまだ理解・判断できていない。現時点では否定的。
ありきたりの「国政報告」とは違うのだ。ちなみに「蓮舫オフィシャルブログ」では、地震後の更新は、現在、22日(火)に1回のみ『現代ビジネス「蓮舫レポート」』と題して「不要不急の購買を控えて」とのお願いが記されている(節電啓発等担当相としての発言はなし)。

そして現在に至る。寒さもだいぶ緩み、プロ野球開幕問題もひとまず解決した今、節電啓発等担当相としてのあなたは、何の政策を実行/推進しているのか?

14日(月)の石原都知事との会談で得られた成果は何だったか。

和やかに始まった、かに見えたが

この会談で話題となったのは、会談そのものではなく、都知事が後に謝罪に追い込まれた、会談後の「天罰」発言だけである。
都知事に「スーパー堤防は必要だ、仕分けで切り捨てられてしまったが」と言われてあなたは「それは非科学的」と切り返したが、15分間の予定が実際には5分で終了してしまった。
そりゃそうでしょー。スパコン問題(「2番じゃどうしてだめなんですか?」)でもいささかの遺恨ある石原都知事との対決、いや「お願い」だからね。
このくだりは結局メディアからほとんど無視/黙殺された形となってしまった。啓発の効果、さらにナシ。

再度問う。「節電啓発等担当相」のあるべき姿とは何か?


あーーー、スッキリしたーーー
今日はApril Fool。(微笑)

2011年3月31日 (木)

「国民の皆様へ」に物申す その参

誤解のないよう断っておく。ツルは必ずしも、節電要請メールに具体的節電方法(「トイレの暖房便座を切ると●%の節電になります」的な)が記載されていればよかったのに、と言ってるわけではない。

内閣府のHPにはその趣旨の比較的詳細な記載があって、むしろそちらをメールで流した方がよかったのではないかと思わないでもないが。継続検討。

ツルの物申したいのは、適時適切な情報発信が大切であるということ。

その意味で、18日(金)午後に気温が下がって、「不測の大規模停電」すなわち都内23区まで巻き込むであろう大停電が一気に現実味を帯びた時、このメールが来なかったのはツルには解せない。
この時こそ、緊急度、重要度、優先度、有用度の観点からよく吟味した内容の節電要請メールを「国民の皆様へ」発信することもアリだったのではないか?事態はそのように推移したと実感するのだが。

さらに物申す。

このメール、第1弾の際は、出した政府側にもいささかの混乱があったらしく、デマメールではないかというメディアの問い合わせに当の内閣官房が真偽のほどを答えられなかった由(@_@)(@_@)。どこかの新聞のニュースサイトに出ていた。(産経??今はもう確認できない様子)

蓮舫消費者・食品安全担当相が節電啓発等担当相に任命される前後で混乱があったという。
以下はツルの記憶によるものだが、当初、内閣官房の命により経産省の副大臣が手続きを取ったところ、相前後して当該任命が行われ、それ以降、当該業務の事務局が経産省副大臣サイドから蓮舫サイドに移ったのを、内閣官房が把握していなかったのだとか。調べてみると任命は3月13日(日)の午後or夕方である。

冗談ではない。一連の「国民の皆様へ」騒動のうち、これが最も是正を必要とする不適切なプロセスではなかったろうか。(>.<)y-~

2011年3月30日 (水)

「国民の皆様へ」に物申す その弐

物申したいことはまだある。

「国民の皆様へ」第3弾が来たのは3月16日(水)の午後。その時、どんな状況にあっただろうか?

前に記したとおり、同日昼過ぎにはM6.9という比較的大きな余震が発生した。「M7クラスの余震が数日内に起こる確率」が70%だか40%だかと報じられていたところそのとおりとなったわけで、とうとう来たかということで様々な安否確認が飛び交っていた真っ最中である。

例えばツルの場合、こうだ↓

12:51 余震発生
12:54 会社から「一斉連絡・
    安否確認システム」メール
12:58 同メールに返信
13:07 課内(男性2名)に連絡メール送信
13:12 男性①からレス
13:27 男性②からレス
14:21 育児休暇中の女性2名に
    連絡メール送信
15:37 女性①からレス
17:48 女性②からレス

休職中の女性たちまで含めると、職場関係で全員の確認が取れるまで実に5時間近くがかかっている!たった4名のことなのに。
これに家族との連絡まで含めれば、皆相当バタバタしていたはず。

そんな中、節電を求める問題のメールが来たのは14:00・・・余震の1時間後。(しかも、これも前に書いたとおり、「第3弾」で重要度はゼロである。)

今回の地震では、刻々と移り変わる状況に誰しも迅速(かつ冷静)な対応を迫られることが本当に多い。皆が綱渡りの瞬時の判断をいつも求められている。怖がっている暇などない、その笠の台を働かせ!という感じの連続である。
この時の余震についてもまさにそうだったと思う。そんな最中、安否確認のプロセスを阻害することまでして節電要請メールを出す真の緊急度はどの程度あったのか?タイミングはもう少し何とかならなかったものか?

まだある。

そもそもドコモのエリアメールを用いた同時通報システムには、他に、気象庁からの「緊急地震速報」がある。
例えば、姪っ子にメールを書いている最中に来たのはこんな感じ↓

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【3月17日(木) 21:32】
緊急地震速報
千葉東方沖で地震発生。強い揺れに備えて下さい(気象庁)
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テレビの画面に「緊急地震速報」が出るのとほとんど同時にこのメールが飛び込んでくるのはやっぱりすごいと思う。
これこそハイテク日本の象徴ではないかしらん。わずか数秒のことであったとしても、「地震」というものを「突然来るもの」から「予報されるもの」に変えたのだから。

今回の地震では、都内大田区に在住し川崎市に勤務するツルの場合、3月中に11回受け取った。
それでも実感としては少ないと思う。何より11日の本震では来なかったし、16日の余震でも来なかった。いろいろな不具合のあったことも報じられているが、ここでは深掘りしない。

問題なのは、「国民の皆様へ」メールがこの「緊急地震速報」と同様の姿で入ってくることである、緊急性を纏って。ドコモ(のみ)のエリアメールを用い、不安を煽る独特な短調の着信音もほぼ同じに思えてしまう・・・姿のみは同類項、なれど。
不安に駆られつつ「また揺れが来る!!」と慌てて携帯を開き、そして舌打ちをすることが3日も続いた。精神的によくないよ、もー。やはりここでも、発信側の意図せざるところで受信側は受け取ったのだ。

ツルにとっては、その時々の情報としての緊急度、重要度、優先度、有用度から言えば;

気象庁の「緊急地震速報」>会社の「一斉連絡・安否確認システム」メール>【±0】>「国民の皆様へ」

である。あえて言う、マイナスの緊急度、重要度、優先度、有用度。

東京電力の社員の人は、今、きっと肩身が狭いことだろうといささか同情申しあげるが、この3通を受け取ってどのように感じただろうか。

2011年3月29日 (火)

「国民の皆様へ」に物申す その壱

ちょっと旬を過ぎた感はありますが・・・

以下、『国民の皆様に物申す』ではなく、『「国民の皆様へ」に物申す』です、そこんとこよろしくね。

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>・・・しっかし、「内閣官房(節電啓発等担当)」からのエリアメール、やな感じだわあ。びっくりするじゃないか、蓮舫め。ドコモしか来ないらしいですが。
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このことである。
赤ちゃんを抱えて大阪に一時避難していた職場の女性からも尋ねられた。

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>・・・ちなみに政府からのメールって何ですか??私もドコモですが今のところ来ていません
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「国民の皆様へ」メールは、ツルの携帯@ドコモには3日連続で飛んできた。内容は↓のとおり。

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【3月14日(月) 11:20】
国民の皆様へ
3月11日に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、電力需給がきわめて厳しい状況になっていることを受け、本日から、東京電力管内において計画停電が実施されます。本日は初日であり、立ち上がりの午前中は、特に徹底した節電をお願いいたします。皆様のご協力をお願いいたします。
(政府 内閣官房)
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【3月15日(火) 14:00】
国民の皆様へ
 3月11日に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、電力需給がきわめて厳しい状況になっていることを受け、3月14日から、東京電力管内において計画停電を実施しているところです。本日は気温の低下が予測され、昨日以上に厳しい状況になるものと考えられることから、国民の皆様におかれましては、引き続き徹底した節電をお願いいたします。皆様のご協力をお願いいたします。
(内閣官房(節電啓発等担当))
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【3月16日(水) 14:00】
国民の皆様へ
 3月11日に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、電力需給がきわめて厳しい状況になっていることを受け、3月14日から、東京電力管内において計画停電を実施しているところです。国民の皆様におかれましては、引き続き徹底した節電をお願いいたします。皆様のご協力をお願いいたします。
(内閣官房(節電啓発等担当))
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この後は来ていない。

なぜ、これらのメールがツルには「おかしい」としか思えないのか。

つまりは、無用の混乱を引き起こしたとしか思えないからである。

このメールは、NTTドコモの「エリアメール」なる一斉送信システムを使ったもので、首都圏(or 東電管内??)しか行かない、ということだったらしい。
文面からはその点が詳かでないし、ツルもそんなこと気にするほどヒマじゃないが、その時大阪にいた女性には入らなかったことから推察するとそうなのだろう。(それを「国民の皆様へ」と題してよいものかという問題はひとまず措く)

このことからは、大きな問題を孕んでいることが見えてくる、ように思える。

このメールが初めて届いた時点においてすでに、原発問題による電力逼迫と計画停電の件は広く全国の国民が認識済みであった、そのことには誰しも異論はないはず。国民−少なくとも東北や関東の−はそれほど無知or馬鹿じゃないと思うのだが。自分の生活に直結することだから。
何も東電管内だけの話ではない。ツルの出身地、1,200km離れた博多の友人たちからも「何もできないから募金と節電ぐらいしかできないけれど、それがもどかしくて・・・」というメッセージを多く受け取った。

この一連のメールは、情報発信側の意図(巨大人口を抱える東京都23区の住民および企業への節電呼びかけ(?))とは異なり、受信側ではむしろ「ああ、自分のところにもほんとに停電がやって来ちゃうんだ」と(のみ?)受け取った場合が多かったのではないか。
それだけ(関東地区の)人々が、切羽詰まった自分自身のこととして捉えたということに他ならない。
(その意味で、結局は対岸の火事でしかなかったものが、ついに此岸に燃え移ったというエゴの面も否定できないと思う。放射線の件も同じである。ツル自身、天気予報の風向きを気にしたのはまさにそれだ。)

でもその認識は正確なものではなかった。

なぜなら、東京都23区内ではほとんどが第1G〜第5Gのいずれにも属していない、というのが(結局判明した)事実だったから。

計画停電(輪番停電)の開始当初、すなわちこの一連のメールの時点には、その点についても相当の誤解と混乱があったわけだが(東電の情報の出し方に問題があったことは間違いない)。

結局、地震にまつわるあらゆる情報が混乱を極めていた時点で、内容/趣旨の明確でない情報がさらにばらまかれただけの意味しかなかったのではないか。第1弾の時点(不要不急のメールや電話は控えるよう呼びかけられていた段階でもある)においてすでに。

そして、第2弾、第3弾の時にはもう、全く不要な情報でしかなかったのである。受け取って「そんなこと言われなくてももうわかってるし!!」と声を上げた人がほとんどだったはず。(ただ、瞬時に「不要な情報だ」と判断し得たという意味で第1弾に比べれば問題も少なかったとは言えるが。)


情報の欠如や混乱は不安心理をあおりやすいだろうし、不安はじきに不満に変わるだろう(こういった状況では特に)。

あのメールは本当に必要であったのか、適切な内容であったのか、いやむしろあの時点では有害な内容でしかなかったのではないか、厳しい検証/実証が必要ではないか。

To be Continued...

2011年3月28日 (月)

職場では@03/25

そして姪っ子がやって来た・・・

24日(木)の夜10時半、PETボトル2リットル1本抱えて。「森の水だより」from鳥取県西伯耆郡(つまり大山山麓)、誠に有難く拝領、まじ。きっちし軟水!赤ちゃんの粉ミルクに最適のハズ!!

下丸子界隈の飲み屋で一緒に呑んだ後ミニストップに寄ったら、地震以来初めて「水」を見つけ、これも1.5リットル1本買い込み。Volvic from France, これも軟水なんです。

家に帰ってTV見たら、東京都が乳児のいる家庭に水を配るとか、都内では乳児に対する水道水摂取の制限(自粛勧告?)を解除するとか、いやいやまだ2日程度は配管に残っているから云々であるとか。

ま、いろいろあるけど・・・

職場の女性たちには「入用ならご遠慮なくお申し付けを、お近くまでお届けします(笑)」とメール。一歩間違うとほとんどストーカー、人妻に

でもまあ・・・↓

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【3月25日(金) 12:23】
>今日役所から水三本をゲットし、広島の友人からも水が届きましたので、しばらくは大丈夫そうです。持つべきは良い友人と上司ですね(^_^) 何が起こるか分かりませんので、ツルさんストックにしておいて下さい。・・・
東京の制限は解かれましたが、震災前の基準よりは高いので、落ち着くまで時間かかりそうです。私だけなら気にしないのですが、、
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おお、それはよかった、とりあえず。状況はややgetting betterてとこかな。不安が解消しきったわけじゃないけど。

いやー、願わくば姪っ子甥っ子にも「持つべきは心優しい叔父貴」と思われたいものであるが(爆笑)

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【3月25日(金) 20:36】
>・・・水は大切にしときます。

ちなみに僕は、熱帯魚/金魚の水換え(週1ペース×水槽4つ;汗)のために、常時2リットルPETボトル30本ぐらい、水を貯めてるんですよね(@_@)あ、水道水ですけど。だから備えはもともと問題ナシ(笑)!今はお風呂にも水張ったまんまだし。

いざとなったらこの水を

かと思うと今日は、会社の売店に久しぶりに「水」が入荷してました。520ml入りで100円のPETボトルがいーっぱい(@_@)(@_@)かなりお得です・・・。
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そうか、そりゃ赤ちゃんのいる社員だって他にもたくさんいるよね、と思いつつ家に帰ってきたら、近くのセブンイレブンにも2リットルが入荷してるじゃないかっっ!!プライベートブランドの「天然水」from山梨県甲州市(あ、これは関東近辺産だ)。
これも未来を担う二人の赤ちゃんたちのためと思いつつ、慎ましやかにまたまた1本買い占めちゃいました。
人のために使えよな。If you need me, just whistle.ということで。

こんなに「水」買い占めてどうすんだ!

少しはお店に商品も戻ってきたかなと思ったら、今度は煙草屋に「次の入荷は4月中旬になります」とか貼り紙してあっし!!聞いてねーよそんなの!これはエゴむき出しで1カートン買い占め(こらこら)。

姪は27日(日)に京都に帰る由。東京メトロの駅が暗くなってるとか、お店にも商品が少ないとか、いろいろ驚いてる様子。美術館なんかも、あそこもここも閉まってる(地震影響で)と嘆いてました・・・

2011年3月27日 (日)

職場では@03/24-2

育児休暇中の女性たちにメールを出したときには、半ば、「水」の要望がそれほど強くはないことを願ってもいた。

けれど・・・。

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【3月24日(木) 13:53】
>テレビのあと、スーパーに行ったのですが、、さすがに水がなくなってました。。。多少は在庫してるもののちょうど都内に住む高齢の祖母に分けちゃったところで、、重たいものですから、無理ない範囲で余裕分があれば嬉しいです。ほんと落ち着かないですね。原発自体はなんとか大丈夫かな、と思ってた矢先にやられました。WHOの基準と比べると完全アウトな値ですよね。。
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うううむ、というか、やっぱり、というか。中野の女性も、入学前(多分)の坊やと、昨夏に生まれた赤ちゃんと、ただでさえ大変なことだろに。(そんな中でもお祖母様のことを気遣われていることにプチ感動)

で、京都の姪に追っかけメール、会社から。

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【3月24日(木) 14:55】
>・・・僕と同じ課には、育児休暇中の女性が2人いらっしゃいます。
そのうち1人の方にメールで伺ったところ、やはり、「赤ちゃんのための水」を必要としていらっしゃるようです。

ちなみに、もう1人の方は、現在、大阪のほうに移動してらっしゃるそう(今もそのハズ)なので、とりあえず、気にしなくてもいいのかなと・・・。

申し訳ないけど、もしよかったら、2リットル(つまりは2kgの荷物だ)を1本、持ってきてもらえるとありがたいです。
体力的に厳しいようならもっと小さいものでも構いませんし、今日のお仕事後に新幹線に飛び乗ることになろうから、時間的制約も当然あるだろうと承知しています。だから、ムリして探し回ることも不要です、「ついでに」という趣旨なのだから。・・・

ホント、戦時中みたいだね。・・・
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「これは買い占めじゃない」と自分に言い聞かせつつ。

なんだかかなーり公私混同状態て感じだけど(汗)、まあそこは相身互いというか、とうとう「公」と「私」をputting them togetherしちゃった、というか。でもま、現時点でのベストを求めて、ということで(赤面)。

姪っ子も驚いたかも。だって、さんざん「リスクがある」とかなんとか言ってた叔父が、上京当日にいきなり豹変して「水持って来い」ですから。でもまあ、彼女ももう社会人だしなー。


やはり、さすがの「お母さん」たちも、「水」には参ったみたい。

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【3月24日(木) 15:08】
>・・・一週間か二週間は籠城できると思ってたのですが、水使えないのは厳しいですね。。チビスケ分はなんとか足りると思うので、ほんと無理ない範囲で。。・・・
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埼玉の女性も前々日に大阪から戻っていたことが判明、しかしこちらも・・・。

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【3月24日(木) 15:21】
>・・・原発もよい方向に向かいつつあるし、ということで。が、その直後に水飲ませるな勧告…かなり慌てました埼玉も2リットルペットはもうどこにもありませんが、500ミリならまだなんとか手に入る状況なので大丈夫です。
タイヘンなのは東京のKさんですかねこちらも余裕があるわけではないので、断言もできませんが、入手困難でお困りでしたら埼玉でも探してみますので、その時は一報くださいね!
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この中でも他者を思いやってるってことに勇気づけられた感じ・・・


社会的責任やら家族的責任やら、イマドキの会社員はタイヘンですたい。

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