蘊蓄Field:生きてく上で別に必要じゃなかった諸々、けれど。

2015年11月21日 (土)

「通行人かんだ紀州犬射殺 飼い主を書類送検」とは何事かっ!

今、Yahooのトップにこんな見出しが載っている↑。(「 」書きの部分ね。)

またぞろ公共の秩序安寧 vs 動物愛護(あるいは銃砲所持規制!?ww)やらのややこしい論議になりそうな話題かと思って読んでみると、こういうことです。

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(2015.11.21 05:29 朝日新聞)

警官の紀州犬射殺、飼い主を書類送検 過失傷害容疑

 千葉県松戸市で9月、通行人2人が紀州犬にかまれて2ヵ月の大けがをし、警察官が13発撃って犬を射殺した事件で、県警は20日、飼い主の女(71)を、過失傷害と県動物愛護管理条例(犬の係留義務)違反の疑いで書類送検した。県警への取材でわかった。容疑を認めているという。
 県警によると、飼い主は犬を係留しておく義務があったのに、首輪の強度が弱く、首輪が壊れて敷地外に逃げ出し9月13日夜〜14日未明に、犬がかみついて通行人2人に腕などにけがを負わせた疑いがある。犬は体重21キロあった。
 通報を受けて駆けつけた警察官3人が計13発発砲し、犬を射殺した。
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なーんだ。ツルはYahooの見出しを「通行人を咬んだ犬を射殺した飼い主を書類送検」と取ったので(アナタもでしょ?)、こりゃ物議を醸すなと思ったんですが、そういう話じゃなかったんだ。
新聞の見出しだけ読んで「警官の飼い犬を撃ち殺したってか!」と一瞬思った人も多いだろう。どんな恨みを買って・・・ OR, イヌがイヌを飼って・・・ ああいえいえ、こほん。
動物愛護管理条例なのに「犬の係留義務」なんて規定があるのかあ、なんて感じた人もいるよね(「トムとジェリー」のオリジナルシリーズにもそんなお話がありましたっけ)。でもいいのさきっと、「愛護」ではなくて「管理」の部分だから、これは(~o~)。

さても変な文章です、全般的に。てんこ盛りにするからわかりにくくなる。Detailにこだわって文章を書く場合には、それに見合った細心の注意を払わなければボロボロになっちゃう。ツルも重々心しなければ(汗)。
例えば、「首輪が壊れて敷地外に逃げ出し」の主語は「飼い主」になっちゃってるではないか!そういうプレイ中だったのでしょうか。飼い主が実は飼い主ではなかったとかさ、71歳女性(>_<")。

共同通信は「発砲問題で犬の飼い主を書類送検 千葉・松戸、過失傷害容疑」の見出しで配信していて(11.20 21:14)、まだ少しはマシですかね??
いや、ダメか。こちらにも「飼い主が発砲した」と誤解せしめる余地はあるから。それに「発砲」=「過失傷害」とも受け止め得るから。

この記事の本旨は「大型犬をつながない(に等しい)状態で飼育し他人に怪我を負わせた飼い主が送検された」です。「警察が発砲し射殺した」ことは今回Main Issueではないはず。ましてや「警官3人」や「計13発」は、「犬の体重21kg」よりどうでもいいこと。
当初の事件(事故?)記事と同じ視点で書いちゃったんですね。「町なかで発砲しちゃったのは/愛犬を射殺しちゃったのはいかがなものか」という心情が底に流れているからこうなったんだと思うけど、それならそのように書かなくては。
またそこに乗せられて輪をかけちゃったのがYahooの見出しってことですか。

結論。
少なくとも、これらの見出しからは「警官」「発砲」「射殺」の語を削るべきである。それがなくても読者を惹き付ける記事を書いてみなはれ、いやしくも新聞記者なら。

2014年1月10日 (金)

もう一つの新年の戒め;ロッテ/2014/丑年で三題噺の初笑い

松も取れてしまいましたが、2014年元日、ネットでちょっと見かけた話題で。

お菓子のロッテが自社サイトにこんな年始の挨拶を載っけた。

ロッテ2014年年始のご挨拶

あちゃー、丑年・・・sweat01sweat01sweat01。初笑い。お正月ヒマしてたDQNがさっそくこれに食いついた。

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面白いね。
漢字読めないチョンが「午年(うま年)」を「牛年」と勘違いして「うしどし」と入力して
「丑年」と出てきたのをそのまま使ってしまった。ってことだな。
漢字のわかるまともな日本人のいない会社なんだね。

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朝鮮人ってリアルに漢字読めないんだなw

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ちょっと調べたら韓国どころかベラルーシにも干支がある模様
しかし韓国も午年だったw

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これじゃその内材料も間違えたりしないだろうか心配になるな
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うーむう。「午」と「牛」は確かに似てるけど、「うしどし」と入力して平気顔ってことがあり得るのかね。しかし若い世代だと十二支をそらで言えないDQNも結構いるからなあ、日本人でも。漢字で「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」と(手書きで)書けない者となればもっと増えるだろう。これって、年賀状(メールじゃなくて葉書の!)を書かない層と相当かぶっているのじゃないかしらん。

それにしても社内のチェック機能は働かなかったのか。そのことはやはりネットでも指摘されている。

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こういうの最終確認とかしてないんかねー
ありえない間違いだ

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社内で何人も見てるだろうに、一人も気づかないところにロッテ社員の知的レベルがうかがえるな。
外注という言い訳は聞かんぞ。
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そらそうですわ。
ここは韓国ベースの企業だからこそ間違えちゃいけないところだったんだよね。ネトウヨも一層騒いだわけです。

そんな中で最も秀逸だったのは次のコメント。

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webデザイナーに与えられた指示が
「閲覧数を増やせ」だったら
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うおぉぉぉっ!!その考えがあったか!あはははは。

人間のやることだからミスはしかたのないこと。You are only human.
ツルも仕事で、役員の姓に「檀」とあるのを「壇」と書き間違えたままサイトに載っけちゃったことあるし、「Manager」を「Manger」としてたこともある(どちらもスペルチェッカーで挙がってこないんです;言い訳)。和文版で「10億円」ってのを英文版で「10 billion yen」として平気だったこともあったっけ。
もっとヒドかったのは、「○○電機」と「○○自動車」と得意先の社名を書き間違えたことで(隣の部署でだけどね)、この時はネットで社外から指摘されて初めて気がついた体たらく。あれはさすがに恥ずかしくて言い訳ができなかった(それは今、ロッテの社員さんたちも同じ気持ちでしょう(T-T))。
でもミスってそんなもん。

ロッテの当該記載は1月1日の午後3時半〜5時の間に削除されたらしい。ちょっと時間かかり過ぎのような気がするけど、元日のこととて人員手配に手間取ったのでしょう。そこは理解する。

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確認する人も韓国人なんじゃね?
社員呼び出しで修正するだろ
ただ絵の差し替えって準備して無いだろうから
その画像を出ないようにすればいいな
または別の画像に置き換える
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現在同社のサイトにこの件の痕跡は何もありません。単なる削除のみでお詫びも何もないというのもちょっとどうなんでしょう。
実害のない記載だったからそれでいいと考えたのでしょうが(もちろんアクセス解析等もしたろうけど)、一般化して言えば、そのような実質的ポイントを基準にするのはかなり危険なことだと思う。せめて「公開されたということ」がどの程度客観的形式的な拡がりを伴うものであったかを基準とするのでなければ、階段を踏み外してしまう危険がある。
ツルに言わせれば、2014年が始まって半日以上経っているのだから、公開の実体は十二分にあって、本来は削除に関して何らかのコメントを残しておくべきです。15分で気づいて引っ込めたのとは違うでしょ。情報発信におけるしくみ作りの問題として。
ここにあるのは近視眼的な事勿れ主義であって、隠蔽の温床になりかねない問題を孕んでいる。まぁそうは言っても、重要な情報かどうかというより、あんまり恥ずかしいミスだから「なかったことにしたい」という気持ちはわかりますがね。

あ、うちの会社ですか?もちろんロッテと同様にだまてんで直しましたけんどもwink(おいっ!)。

付言すれば、これはもちろん企業の国籍の問題では決してない。この国の名だたる大企業、雪印乳業(2000年)や西武鉄道(2004年)の事件、昨年のカネボウ白斑、昔から繰り返される食品偽装の問題と何ほど違うのか。
誤謬 is one thing, 隠蔽 is another.

ちなみに今年のお正月にはこんなこともあったそうな↓。

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エプソンダイレクトのホームページも笑えるぜ。

謹賀新年 平成二十五年。
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因みにエプソンは外資系じゃありませんよ。

そうだ。外資系といえば、10年以上前、確か某欧州車メーカーだったけど、テレビCMの画面で「直噴式エンジン」を「直憤式エンジン」と書いていたのを見た記憶がある。ツルは自分の目がどうかしたんじゃないかと思いましたよ。エンジンがじかにいきどおってどうすんの(笑)。
これも一日か二日で何事もなかったかのように修正されてオンエア続いてましたっけ。でも当時、Wikipediaのその会社の項にこの件が出ていたんだよね。どこの会社だったか、もう思い出せないけど。どなたか覚えてませんかね??

正月や 浜の真砂は 尽きるとも
世に過ちの 種は尽きまじ

2014年1月 9日 (木)

新年の戒め

米国のCNNが、「ツィートする前に考えよう」と題したオピニオン記事で、「人生を台無しにしないための8ヵ条」なるものを紹介しているそうな。

(1)ツィートを読み返す

(2)人種差別的なツィートは即失業

(3)匿名でもいつかはばれる

(4)ツィートは削除できない

(5)有名人でなくてもクビになる

(6)冗談でもクビになる

(7)(特定の人に送信する)ダイレクトメッセージと混同してはいけない

(8)不安なら(投稿しても解雇されないか判別してくれる)アプリを使おう。

何やら、メディア関係の会社の幹部が人種差別的書き込みで職を失ったとかで。
8番目は宣伝臭いですけど。

いろーいろ、インスパイアされるわぁ。他人事ではないや、肝に銘じよう!


【おまけ】
ツィート/tweetって語はもともと、「小鳥の(甲高い)さえずり」のことですね。

オーディオ、特にホームオーディオで、3wayスピーカー、つまり一つの筐体/enclosureの中に低中高3種類のスピーカーユニットがついているものの場合、高音域を受け持つユニットをツィーター/トゥィーター/tweeterと呼ぶのはここから来ている。
中音域はミッドレンジ/midrange、低音域はウーハー/ウーファー/wooferね。こちらは「大型犬やオオカミ、ライオン、トラなどの唸り声」を意味する語だそうな。

ミッドレンジは別名スコーカー/squawkerと言って、これは「ネズミやリスの鳴き声、あるいはカラスの鳴き声」だとか。でも確か、イメージがよくないとして(少なくとも?日本では)この名はあまり使われず、ミッドレンジの呼び名の方が一般的だと思う。

実はツルは今の今まで、スコーカーというのはスーパーツィーター(4wayの場合の最高音域担当ね)の別名だとばかり思い込んでました。ソレ系の会社の社員としてめっちゃはづかしいワ。これも戒めとしよう。ちゃんちゃん。

2013年12月17日 (火)

「誰が誰を殺したか」

(承前)

古い事件記事からもう一つ。ほぼ同時期にYahooトップの「トピックス」に載っていたものですが、何度読んでも皆目不明で、スクラップしてました。これまた血腥い事件で、いらいらしてくるなんて言っては不謹慎なのですけれども。

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(2002.02.19 10:45 更新 読売新聞)

大阪・箕面のひき逃げ、被害者の息子自殺で深まる謎

 大阪府箕面市の山中で、大阪市住吉区のトラック運転手岡野満義さん(57)の他殺体が見つかった事件で、奪われた岡野さんのトラックにひき逃げされ死亡した無職男性(57)(豊中市)が、岡野さんの殺害現場近くで、シートにくるまれた大きな荷物を、自殺した長男(26)の用意した軽トラックに積み込んでいたことが、18日までの府警捜査1課の箕面署捜査本部の調べでわかった。府警は、男性が事情を知らない長男を遺体搬送に引き込んだと判断、搬送に使われた軽トラックを長男の勤務先から押収した。男性がひき逃げされた当時、長男は別の場所にいたといい、府警は、岡野さん殺害に関与した第三者が男性を事故に見せかけて殺害したとの疑いを強めている。
 調べでは、長男が親類に付き添われて豊中南署を訪れ、父親の男性と2人で箕面市の山中に「大きな荷物」を運んだと証言したのは、15日。その際、「父は岡野さん殺害事件に関与したため、何者かにひき逃げを装って殺されたのではないか」と訴えたという。
 岡野さんが殺害されたとみられる豊中市走井の配送先前路上で、8日午前零時ごろ、近所の人が男性の悲鳴を聞いていたことがわかり、府警は殺害時間と判断。長男の証言によると、8日未明、男性の指示で岡野さん殺害現場近くに勤務先の軽トラックで乗りつけたところ、男性が1人で軽トラックを運転し、すぐ、シートにくるまれた大きな荷物を積んで戻った。その後、長男が運転を代わり、2人で箕面市へ向かったという。
 府警は16、17の両日も長男から事情聴取。自宅近くのマンションから飛び降り自殺した18日も聴取が予定されていた。長男は事件後、不眠を訴えるなど動揺が激しく、自宅に残された遺書には事件に関する記載もあった。長男の記憶にはあいまいな部分もあり、府警は、遺体が遺棄された林道近くにある不法投棄監視用カメラのビデオを解析、軽トラックが写っていないか確認を進めている。
 一方、男性は英語教材販売などの会社を経営していたが、事業に失敗。豊中市の自宅を担保に1億円近い借金をしていた。7日午後4時ごろ、「仕事を探しに行く」と出かけており、府警は、長男を呼び出した8日未明までの間に、岡野さん殺害に関与した第三者と接触したとみて、当時の足取りを追っている。
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結構ひどくないですか?事実関係自体がわかりにくい。一体、何人が関わっていたのだろう。
最も多い場合は;

 トラック運転手:殺害
 トラック運転手殺害犯
 無職男性=死体遺棄犯:ひき逃げ死
 無職男性ひき逃げ犯
 長男:自殺

の5人となるのでしょうか。
当然、「トラック運転手殺害犯」=「無職男性」、あるいは「トラック運転手殺害犯」=「無職男性ひき逃げ犯」ということも考えられるだろうから、その場合は4人になるけれど。

のみならず、冒頭部分を読んだだけでは;

(1)無職男性がトラック運転手を殺したのか、逆にトラック運転手が無職男性を殺したのかが掴めないし(∵「殺害」と「ひき逃げ」の先後関係が不明)、
(2)「長男」が無職男性の息子なのか、それともトラック運転手の息子なのかというところからして、ややあいまいです。
(3)見出しと本文内容も微妙にズレているんですよね。

5W1Hがはっきりしないし、時系列に沿って書いているのか、時系列を遡っていくのかもよくわからない。
マスコミの書く文章とも思えませんが、新人記者によるものなんでしょうかね。そこに先輩記者やデスクが寄ってたかってごちゃごちゃと朱を入れ、結果、ごちゃごちゃ感は直らないまま出てしまったとか。
初めのドラフトが不出来だと、得てして最後まで良くはできないものです、ツルの経験上(-.-)y-~

ツッコミどころは満載ですが、最大の敗因はファーストセンテンスが長過ぎる点にあると思います、私見ながら。178文字。これが最後まで邪魔をして、全体がぐちゃぐちゃになってしまったのではないか。

別の記事ではこう書いてある。

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(2002.02.19 03:01 更新 毎日新聞)

<運転手殺害事件>ひき逃げは「第2の殺人」と断定 大阪府警

 大阪府箕面市で、岡野満義さん(57)が他殺体で見つかった事件で府警捜査本部は18日、岡野さんのトラックが起こしたひき逃げで無職男性(57)が死亡したのは、事故ではなく「第2の殺人」事件と断定。同日朝、自殺した無職男性の長男(26)が府警に「父親に岡野さんの遺体を運ぶのを手伝わされた」と話していた。
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ずいぶん簡単ですが、情報としてはむしろこちらの方がpractical。上記(2)の問題は解決されている。「シートにくるまれた大きな荷物」という変に扇情的な表現だったものも、「(トラック運転手の)遺体」と明記されています。

しかしこの記事でも結局;

(4)トラック運転手殺害犯が(仲間割れで?)無職男性をひき逃げしたのではないか
(5)長男が「事情を知らない」というのは本当だったのか、ならばなぜ自殺したのか、その遺書にあった「事件に関する記載」とは何か

という謎は残る。そこはまさに捜査中だったわけで。

こう理詰めで突いていくと、「無職男性ひき逃げ犯」=「長男」の線も出てきて、最少で3人となることまで考えられる。
この場合には例えば、『事業に失敗して金に困った無職男性が(保険金目当てに?)トラック運転手を殺害し、死体の運搬(*)を手伝わされたその息子が父親をひき殺した末に飛び降り自殺』というようなことになって、様相が変わってしまいます。
もっとも第一の読売記事に「男性がひき逃げされた当時、長男は別の場所にいたといい」とあるので、この論は否定されてしまいますが。

(*) 読売記事に「遺体搬送」とあるのはややおかしいと思う。「死んだ体」を「遺された体」と呼び換えるのは婉曲表現で、そこには死者に対する尊敬や哀悼の念が含まれているだろう。でも、だから、この場合、犯人はやはり「死体」を(モノとして)「運搬」したのではないのか。事件事故や雪山遭難で「遺体は司法解剖のため病院に搬送された」「遺体搬出は現場立入りが可能となる来春以降」といった場合とは違うはず。
むやみに婉曲表現しようとするからこうなるんです、きっと。

そしてもう一つ。長男の言動には不明なところもあったわけだし、「不眠を訴えるなど動揺が激し」かったのに、それでも自殺を防げなかった。警察も注意は払っていたろうけど、責任が全くないと言い切れるのかは気になる。大阪府警と言えば、あるまじき不祥事を数々起こし、綱紀の緩みが度々報じられてきたところ。

その後の顛末は調べていません。いずれにしても、3人が落命した凄惨な事件であるには違いないのですが。願わくば死者への冒涜でないことを。

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【2015.09.07 追記】
頂戴したコメントで、真相が解明したようです。今夜放送のTBS系「世にも不思議なランキング なんで?なんで?なんで?」の中で取り上げられた由。

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ひき逃げで死亡した男は多額の借金を抱えていて、息子が運転するトラックにわざとひかれることで、死亡保険金を得ようとしていた。この親子はトラックを奪うために運転手も殺害していて、警察は死亡した親子を書類送検した。
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つまり、関わったのは最少の3人だった。

 トラック運転手:殺害
 無職男性=トラック運転手を殺害:ひき逃げ死
 無職男性の長男=父親とともにトラック運転手を殺害・父親をひき逃げ:自殺

しかしその本質は、無職男性が保険金目当てに「自らを息子に殺させる」ことを目論んだところにあったわけです(驚愕)。その目的のためにトラック運転手は殺され、結局息子も耐え切れず自殺した。

痛ましくも不思議な事件です。事実はツルの想像を遥かに超えていました。
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合掌

2013年12月16日 (月)

「おいも殺人事件」

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(2013.11.24「障害者をイメージで弄るな」)

基本的に「漢字/かな交ぜ書き」が嫌いということもあります。さすがにデジタル化の進展とともに最近は少なくなりましたが、「あっ旋」「えん罪」「き裂」「石けん」「歩しょう」「じん肺」「そ撃」「でん部」、全部NG、ツル的には。「少女ら致される」ももちろんダメ。
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このこと、深掘り。(何だか「文系エンタテインメント」みたいで、それもまたイヤだけど。)

「斡旋」「冤罪」「亀裂」「石鹸」「歩哨」「塵肺」「狙撃」「臀部」、そして「拉致」ですね。昔は「対戦しょう戒機」なんて表記もあったっけ。「哺乳類」も「ほ乳類」だったか。「拉致」と「拉麺」が同じ字というのも面白い。

他にも;

う回 ← 迂回
だ捕 ← 拿捕
うっ血 ← 鬱血
建ぺい率 ← 建蔽率
隠ぺい ← 隠蔽
わい曲 ← 歪曲

なんかがざっと思いつきますな。あっ、「わい」ならこれを忘れちゃならんか(笑)。

猥せつ ← 猥褻

交ぜ書きとは言えないけど;

しゅんせつ船 ← 浚泄船
かいらい政権 ← 傀儡政権
あつれき ← 軋轢

なんてのも根は同じ。

かな書きで妙なことになった実例として、次のものはどうでしょう。当時大きく報じられた凄惨な事件なので覚えておいでの方も多いでしょうが、ネットに掲載された記事です。合掌。

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(2002.05.13 毎日新聞)

<北九州監禁事件>「緒方被告はおいも殺人」 被害者の少女証言

 北九州市の女性監禁・虐待事件で、監禁されていた17歳の少女が、緒方純子被告(40)=監禁傷害罪で起訴=のめいの女児だけでなく、おいの男児についても「電気コードで虐待され、殺された」と話していることが分かった。福岡県警の捜査本部は、少女の父が死んだとされる同市小倉北区片野のマンションで2児の遺体がバラバラにされた可能性もあるとみて、マンション周辺の下水道にたまった汚泥も採取するなど、徹底した捜索を行っている。
 この2児は、緒方被告の妹夫婦の長女と長男。妹一家4人は97年夏ごろまで、同県久留米市の緒方被告の実家に暮らしていたが、緒方被告の保証倒れなどで多額の借金を背負い、同居の両親とともに失そう。この6人は少女と緒方被告、松永太被告(41)=同罪で起訴=が暮らしていたマンションに転居したという。
 少女の証言によると、同居後、緒方被告が中心となり、金属製クリップを付けた二またの電気コードで感電させるなど2児に虐待を始めた。その結果、98年、当時11歳の長女と6歳だった長男の2人が死亡したという。
 少女は、父についても、96年に同じマンションで死亡し「浴室でバラバラにされ、遺体はフェリーで海中に捨てられた」と証言している。
 このため、捜査本部は9日から、緒方被告のめいの女児の殺人容疑で同マンションを家宅捜索。「マンションの水回りはすべて調べる」(捜査幹部)として、浴槽や沈殿槽、浴室の壁、マンションの共用部分の配管などを押収。さらにマンション周辺のマンホールから下水道に潜り、沈殿した汚泥まで採取している。
 捜査本部は、これらの押収物から少女の父や2児の遺体の一部が混じっていないか、県警科学捜査研究所で鑑定し分析を進める。
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ツルはネットでこの見出しを目にした時、真剣に「おいも殺人」とは何のことだろうと思いました。「おい」「めい」がかな書きされてるために妙なことになったんですね。
「失そう」「二また」あたりも当然気になる。「沈殿」も本来は「沈澱」で、「澱」は訓読みでは「おり」「よど(む)」です。「澱粉」は水の中で沈んで澱む粉の意味。
いずれも、当用漢字だか常用漢字だか人名漢字だかに入っていない字だからというわけでしょう。

ならば、見出しの「緒方被告はおいも殺人」を、「緒方被告はおいも殺害」or「緒方被告はおいの男児も殺害」とするだけで、こんなことにはならなかったのに。
実際この見出しは後に微妙に修正され;

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北九州の女性監禁・虐待事件 「緒方被告、おいも殺害」−−被害者の17歳少女証言
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とされた。デスクが朱を入れたのでしょうか。

これらの表記にももはや時代を感じる。デジタルメディアの普及に伴い、政府が指定した文字以外は使うなという明治以来の基本方針は大転換され、今やJISの第三水準がどうたらという時代(それも古いか)。

もちろんそれでも問題がないわけじゃない。別に「SMAPの草●剛(●は云々の字)」とかを気にしてるのじゃなくて、いわゆる「旧字」や「正字」などの「異体字」を抹殺する方向へ進んでいることが、です。「変体がな」もそう。

既に現実化した例として、2009年1月の上場会社株券の全面電子化(つまり株式のペーパーレス化ね)に伴って、株主名簿に用いることのできる文字には制限がかけられることとなった。
この法令改正にはいわば遡及的な効力があって、規格外の文字は、今まで株主名簿に記載されていたものであっても、規格内の近似の文字に強制的に変えられちゃうんです。例えば「塚本邦雄」さんなら、「塚」は「丶」が入った字があるし、「邦」も左上の横棒が「左はらい」になっているものがあるけれど、これらのバリエーションはもう認められない、多分。(このレトロな歌人が今も存命であつたならば如何に嘆息を久しうしたことであらう)

大量の事務処理を要する都合上、システムとしてはしかたのないことかもしれないけれど、何だかなぁと思う理由は。
ツルの名前に入っている「鶴」も実は別に正字があって、左上部分が「ウかんむり」で下の「左はらい」とは途切れている。確かJISの第三水準には入っていて、文字を拡大すると違いがわかるんですけど。ツルは自分の戸籍上もその字であることを、三十路半ばになるまで知りませんでしたがsweat01sweat01

あっ!そや、「塩崎」の「崎」も2種類あるんやった!!これっ、塩崎先生(方)に失礼やないかいっ《*≧◇≦*》(cf.【その22】)

(続く)

2013年1月20日 (日)

超初歩的うちなーぐち

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愛称の「クックル」はうちなーぐちで「こころ」を意味する[くくる]からきていた。
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琉球語って、基本的に母音が弱勢に流れて「アエイオウ」が「アイウ」になる、そして「キ」は「チ」に置き換わる。

「くくる」← 心
「うちなー」← 沖縄
「くーぶ」← 昆布
「そーみん」← 素麺
「じゅーしー」← 雑炊(ものはちょっと違いますが)
「くーすー」← 古酒(3年以上寝かせた泡盛)
「こーれーぐーす」← 高麗胡椒
「じーまみー豆腐」← 地豆豆腐

こーれーぐーすは、泡盛に島唐辛子を漬け込んだもの。唐辛子のことを「胡椒」と呼ぶ習慣は九州にもあって、大分の「柚子胡椒」は柚子と青い唐辛子/Chilli Pepper(赤唐辛子のもあります)と塩から作られ、胡椒/Pepperは使われていない。これに麹(糀?)が加わると新潟の「かんずり/寒摺り」、ざっくり言えば。いずれも「なんにでも入れていい」的万能系卓上調味料。

じーまみー豆腐は、いわば琉風胡麻豆腐ってな一品ですね。胡麻豆腐や胡桃豆腐が胡麻/胡桃と葛粉から作られるのと同様に、地豆とサツマイモ澱粉が原料で、いずれも原則として大豆の豆腐は入っていない。豆使わないのかと思ったらやっぱり使うんや(笑)。
地豆とはつまりピーナツ。花は普通に枝の上で咲くのに、その後花柄がするすると伸びて土に潜り、地中で実を結ぶことからつけられた名前。「落花生」と同じ感覚でしょう。ちなみにツルの母親なんかは殻つきのピーナツのことを「俵豆」って呼んでましたっけ。

「ちんすこう」も「金楚●」あるいは「珍楚●」が語源らしい。「●」は「米」偏に「羔」の字で「コウ」と読む。

ア、食いもんばっかだsweat01

「やちむん」は「焼き物」のこと、「がんばれ」の意味の「ちばりよー」はおそらく「気張れよ」だろう。「かりゆし」の語源は「嘉例、佳し」ということだし、Thank youの意の「にふぇーでーびる」は「二拝で侍る」、「いちゃりばちょーでー」なら「出で合えば(みな)兄弟」の互助精神を表した言葉。

この辺りさえ覚えておけば、アナタもお近くの沖縄料理店で彼女に物識り顔ができるわよshine

2012年1月22日 (日)

かつらのうつわ(続)

蘊蓄炸裂します、今回。


日本固有種たるカツラに、なぜ「桂」という漢字が使われているのだろうということは前々から気になっていた。

「桂」はもともと常緑樹全般をも指し得る普通名詞的な漢字のはずで(日本で桂の字が当てられたカツラは落葉樹だけど)、だからゲッケイジュ月桂樹Laurus nobilisつまりbayにもニッケイ肉桂Cinnamomum sieboldiiにも「桂」の字がついてますよね。

一方、現代中国語で桂と言えばモクセイ木犀Osmanthus fragransのこと。厳密には、基本変種の銀桂すなわちギンモクセイvar. fragrans、金桂すなわちウスギモクセイvar. thunbergii、丹桂すなわちキンモクセイvar. aurantiacusなどの「変種」を総称する「種」の名前。
あたかも山水画の如き奇岩絶壁で名高い桂林も、モクセイの多いことからついた地名です。

中国の神話故事に出てくる「月の桂」すなわち「月の中にある高い理想を表す木」なんてのも、月桂樹のことなんだろうと漠然と思っていたら、モクセイだったわけだ。てことは「♪お酒の王様 月○冠」(古い)は、キンモクセイのお酒として知られる桂花陳酒と案外近いのかもなんて・・・んなわきゃないか、脱線脱線。ちなみに桂花陳酒は、白ワインに3年漬け込んだもの、なんだそうです。

このとおり、どうやら「桂」には香りのよい木という意味もある様子。

で、日本のカツラそのものには香りはあるのか。これは牧野富太郎が「あるとかないとか議論があるが、青葉のうちはほとんどなく、黄葉すると香りが出てくる」とか書いていたのをずっと昔に何かで読んだ記憶がある。
なんでも「醤油様の(よい)香り」なんだとか(@_@)あくまで日本から離れられないって感じ。

今風に言えば、「葉っぱがハート形で超キュートheart」になるんでしょうが。

日本神話にも桂は登場し、葦原中国(あしはらのなかつくに:つまり日本)平定のため高天ヶ原から下界に遣わされた天若日子/あめのわかひこが8年経っても戻らず、その理由を質すため次に遣わされた雉子の使者鳴女/なきめが降り立つ木が、若日子の家門の「湯津香木」。「香木」は「加都良」と訓むと注されており、「湯津」は「斎つ」で、つまりは「ゆつかつら」は神聖な桂の木ってことらしい。

また、よく知られた(最近そうでもないらしいけど)海幸山幸の神話でも、火遠理命/ほおりのみこと(=山幸彦)が兄の火照命/ほでりのみこと(=海幸彦)の釣針をなくしてしまい、それを探しに龍宮に赴き井戸の傍らにある桂の木に登って待っていると、海神の娘の豊玉姫に出会うことになっています。
青木繁の油絵「わだつみのいろこの宮」に描かれたのはこの場面。ちなみに「いろこ」は「うろこ」のこと。確か、古事記に「海の底の鱗を重ねたような屋根の宮殿」とか描写されてたと思う。

わだつみのいろこの宮

で、二人は結婚し、血統はその子鵜茅不合葺命/うがやふきあえずのみこと → 人帝初代神武天皇と続いていく形。
もっとも、豊玉姫のお産の際、火遠理命が約束を違えて産屋を覗き込み、竜体となった妻(なんと言っても海神の血筋だから、イグアナの娘ならぬドラゴンの娘)を見てしまったことから、怒った姫は海に帰ってしまいます。洋の東西を問わず存在する「見るなの禁忌/タブー」というやつ。イザナギが黄泉で死んだイザナミの変わり果てた姿を見てしまうのもそうだし、ギリシャ神話でオルフェウスが冥界から妻エウリディケを連れ戻す時もそう。鶴の恩返しも浦島太郎もですね。
ちなみに鵜茅不合葺の名前の由来となった、「産屋の屋根を葺き終えぬ間に生まれた」ということについてですが、産室をわざと不完全なままにしておく風習は結構実際にあったものだとか。全てを封じ込めないというところで、お産が軽くなるようにという呪術的な意味があったんでしょうか。

一方カツラは「楓」の字を当てられたりもしたようで、これも「桂」同様、漢字が輸入された時に取り違えがあったみたい。
「楓」は今は日本では「かえで」と読み、カエデ科のイロハモミジ(タカオカエデ)Acer palmatumあたりのことだけど、中国ではLiquidambar formosanaを指す。これは標準和名で「フウ」と呼ばれる全く別の植物です。なんとマンサク科だと。
「桂」にせよ「楓」にせよ、現代に至るまで取り違えは続いているわけだ。ああ、植物の漢字ってこんなんばっかし。ややこしやー。


話変わって、ふと気づいて東京芸大の油画科の院生やってる友人に「知り合いに木工作家とか彫刻科木彫専攻の人とかいない?」と聞いてみたりもしたのだけど、「否」とのお返事。けっ。

彼曰く「鎌倉彫りと日光彫りの違いがわからない・・・」となむ。そう言う彼は湘南出身、でも今や縁あって日光市民という、この際微妙な立ち位置。
確かにぱっと見は似てますね。鎌倉仏師や東照宮の工人の技を受け継ぎ、実は明治になって今の名称が確立し広く知られるようになったってとこも、意外や北海道産の桂を使うことが(現在では)多いという点も。あっ、そういや博多の実家にあったっけ、日光彫りの小箪笥。

実は大きな違いは鎌倉彫りが「漆器」なのに対し、日光彫りは必ずしも塗りに漆を使うわけじゃないってとこらしい。吹き付け塗装なんかも多そうなので、工芸か工業かって近代の歩みの違いでもありそうです。
日光彫りで漆を用いるものは「日光堆朱塗り」と呼ばれたりもするらしい。でも堆朱(ついしゅ)って厳密には違うものだと思うんだけどな。

しかしこの際そんなことはどうでもよろしい。「栃木県日光市の特産品やったらなんで栃を使わんのかいっ」とツッコミを入れてしまいたくなるわけですよ。栃木の県木でもあるし、そりゃ。北海道産の桂、なのはきっと他地域では太い材が採れなくなってるからなんでしょうが。

ま、だからこの勝負(?)、鎌倉方に軍配と相成りました。

はー、ともかく肩の荷が下りたわー。気に入ってくれるかなー。

2012年1月21日 (土)

かつらのうつわ

ハワイに住んでる知り合いの日本女性(ダーリンはアメリカ人)が子どもを産んだ。二人目の赤ちゃん、男の子。といっても、昨年5月のことですけど。お祝い何にしよ、ってずっと気になっていた。

ベビーのMiddle Nameは「Kei」、漢字で書けば「桂」。日本名という意味合いもあるのでしょう。ちなみにお兄ちゃんの方は「蒼」。BlueとGreen、ある意味とてもハワイらしいご兄弟かと(微笑)。これで3人目に姫君が生まれたりなんかした日にはもう「茜」か「桃」で決まりねっ!(勝手)

で、このことを伺うや、「これしかないっ」って感じで、「桂」材でできたお祝い品を探してたんですよね、ずっと。カツラすなわちCercidiphyllum japonicumを。
ちなみにこの植物は日本の固有種なので、英名は特になくて英語でも「Katsura」でよいのだとか・・・ほんとかね。

で、その桂製品ですが・・・!?うーん、積み木とか?でも二人目だからきっと持ってるだろうし。うーん、うーん・・・

・・・となって頭に浮かんできたのが漆器。つまりjaponicumのjapanですな、ふふ。
桂材でできた、できれば白木に近い風合いの拭き漆とか摺り漆とかいうやつの、シンプルなサラダボウルとかマグカップとか(赤ちゃんへ、というよりママへという感じか)。華美でない、日常使いに近いもの、別に金銀蒔絵とかじゃなく。コンセプト的には。

ところが。桂製の漆器って、なかなかないんですねえぇ。欅Zelkova serrataとか栃Aesculus turbinata/horse chestnutとかが中心で。(もちろん材質のわからないものもあるし、「桂または栃」なんて表示のも多くてさー)
デパートやらネットやらいろいろ探し回るうち、だんだんわかってきたのは、桂というのは漆器では特に鎌倉彫りに使われるらしいこと。彫りやすい木だから、ということだそうです。

はーん、なるほどぉ。でも、鎌倉彫りのサラダボウル?マグカップ??あんまし聞いたことないなあ。

そもそも今どき鎌倉彫りってどうなんよ。赤黒っぽい色合いで、彫り跡をたくさん残して牡丹やら梅やらをあしらってあるアレやろ?デパートの漆器売場にもほとんど置いてないじゃないか。拭き漆とかのイメージもないよなあ。コンセプトちょっと違う?

でもまあここは現地に赴いて調べてみまっしょい、日本橋や新宿では埒があかん、てなわけで重すぎる腰を上げて行ってきたわけっす、冬の鎌倉に。

予想してたとおり、鎌倉彫りって「平物」が多いんですね。平皿とかお盆とか茶托とか。浅目のボウルもあったんですけど、ちょっとなんだかイメージと違う・・・
悩んでいたところにふと重箱が目に止まり。重箱ぉ!?んな大仰な。どこが日常使いやねん!ハレの日の器ではないか。

でも・・・お店の人はみな「海外のお客様には重箱は人気がありますね」と口を揃えます。
あー、蓋つきの四角い器ってあちらには案外ないのかも(タッパーウェアあるじゃん)、しかも2階建てのって!(収納スペース余計に食うじゃねーかよ)パーティタイムにはよいかも、おーいっつわんだほー的に。

そういやこちらのGood Housekeeping的雑誌でも、時々「お正月を迎える花を重箱に飾ってみる」とか「一の重にお花、二の重にお料理を入れてテーブルで蓋を開ければ海外からのお客さまのおもてなしにもぴったり」的な記事が載ったりもしてるようですなー。

てなわけで日本伝統手工芸的鎌倉彫北海道産桂材六寸五分春蘭文朱漆二段御重箱箸付(以上三十三文字)と決め、発送してきた次第です。


・・・えー、ここに至るまでには、心楽しき紆余紆余曲折もあって。

(To be Continued...)

2011年10月23日 (日)

地上庭園番外編@ふつかいちのそのまた番外編

実は、考え始めた時、背後にカイヅカイブキが植わってることを聞いていなかった。で、コニファー類って手もあるなと思っていたんです。でいろいろ書いてみたところでカイヅカイブキの件が判明したので、こりゃまあないわなと。でも、一応アップしときます。


コニファー類
なかなかに多義的かつ複雑な一群なので、まず頭の整理から。
この名称は最広義には針葉樹(≒植物学的に言う裸子植物)のことですが、通常、(少なくとも日本の)園芸界では、マツ科(マツ属、モミ属、トウヒ属、ツガ属、ヒマラヤスギ属など)のうちのマツ属や、ヒノキ科スギ亜科(旧スギ科:スギ属など)、および落葉する針葉樹は除いて考えられているように思います。より狭義には、ヒノキ科(ヒノキ属、アスナロ属、ビャクシン属、コノテガシワ属、イトスギ属など)つまり簡単に言えば鱗状の葉を持つ針葉樹を意味し、さらに最狭義にはその中のビャクシン/Juniperus属を指すのではないかなと(ヒノキ属なんかは高木になるから園芸上使いにくいなんてことも関係してるかも)。
見方を変えれば、昔はコニファー類と言えばカイヅカイブキ(ビャクシン属)かコノテガシワという感じだったのが、だんだん外来の種類が増え、範囲が広がってきたのだと思う。
このように広範囲な植物の総称なわけですが、今回イメージしたのは、這性すなわち矮性のコニファーで、特に灰青色の葉色を持つもの。街中でよく見かけるのはハイビャクシンあたりの仲間ですかねー。ちょっと変わった葉色なのでよろしいかと。

ハイビャクシン ニイタカビャクシン Blue Star


デメリットは、(花らしい花が咲かないってこともあるけど、)種類により丈夫さがかなり異なることではないでしょうか。例えば、小型のクリスマスツリー用などにたっくさん売られている「ゴールド・クレスト」(イトスギ属)は、成長は早いくせに、高温多湿に弱くて数年のうち夏に枯れてしまうのがオチ。

ゴールドクレスト

かと思うとカイヅカイブキのように丈夫なものもあるし。
また、全般に日照を好みますが、反面、thickな繁みを作るため、枝葉が混み過ぎて北側の枝や下葉が枯れ上がりやすい傾向があり、そばに他の植物が植わっている場合も同様。かと言って萌芽力も強くはないので、ヒノキ科で刈り込みを強くかけると、鱗状葉(ヒノキみたいな)に代わって針状葉(スギみたいな)が生じてしまい、数年は鱗状葉が出てこない。マメにちょこちょこ剪定するのがよくて、できれば刃物を使わず指先で成長点をピンチするぐらいがベスト。
そもそも論としては、明らかに照葉樹林帯である九州になぜわざわざ針葉樹を、てなところも気にならないではない。
注意すべき点はもう一つあって、ビャクシン属の場合、バラ科ナシ亜科(ナシ属、ボケ属(カリンを含む)、マルメロ属、リンゴ属など)の植物(マルス類と言ってもいいのかな?)に「赤星病」を引き起こす菌類の中間宿主であること。コニファー自体にはあまり被害が出ないけど、マルス類には相当の害を及ぼし、感染力もかなり強くて影響範囲は2km内とも4km内とも言われ、ナシの産地では条例でビャクシン属の栽培を禁じているところもあるくらいです。カイヅカイブキの根方にボケを植えるなんてのは最悪なわけ。

スカイロケット
スカイロケット1 スカイロケット2
地上庭園番外編@ふつかいちのそのまた番外編

コロラドビャクシンの園芸品種の一つ、超スリムな姿で知られるコニファーです。シャープでスタイリッシュな印象で人目を惹くこと請け合い。
ただ、立性のコニファーでよくあるトラブルが、実は成長が早いことと、浅根性であるために倒伏しやすいということ。スカイロケットの場合、これを防ぐ意味もあって先端の成長点を止めるピンチを続けていると、案外樹形が太くなるようです。
もちろんこの欠点を改善した品種もあって、ブルーアローなどは成長も緩やかで横太りしにくいようだけど、ここらへんになると業者に頼むよりネット通販などで探す方が確実かもしれないですね。

2011年10月15日 (土)

地上庭園番外編@ふつかいち その3

つらつら考えていると、灌木より少し大きい中低木を1〜2本植えて、草ものや蔓ものを添えるというのも選択肢としてはあるのじゃないかと思えてきた。

むろん、この場所にはあまりスペースはないし、人の導線にも近いし、後ろにはカイヅカイブキが迫ってるしだから、横広がりしにくいことはもちろん、心理的な圧迫感を与えないという意味で、thickな繁みを作らない種類を選ぶことがポイントになると思いますが・・・なかなかそんな木もないので(特に常緑樹は)、ほんの少しだけ。

ただ、この考えを採り入れるならば、この中低木は必ずしも常緑樹である必要はないのではないかと思えてきます。そうなるとまたかなり選択肢が増えますね。

オリーブ
オリーブの若い実 熟すと黒紫色に

モクセイ科。背丈は灌木と中低木の中間といったところで、枝は混み合わず、葉色も淡くて、いかにも洋風でライトな感覚のものです。逆に言うと、元気よく育っている感じを出しにくいかも。分枝が少ない分、やや姿を整えにくそうな印象も持ってます。
ちなみに、自家受粉しないため結実には2品種以上植えることを要しますが、そもそもオリーブは加工が面倒で、油を取るにもピクルスを作るにも手間がかかるものなので、あんまし実成りなんて考えないで、姿を楽しむ鑑賞樹ぐらいの気持ちでよいのでは。

ローズマリー
ローズマリー(濃色) ローズマリー(淡色)

木本性のハーブから一つ。立性のと匍匐性のとあるので、中低木とも灌木とも言えるでしょう。コニファー(針葉樹類)みたいな葉っぱだけどシソ科で、薄紫の花を見ると確かにシソ科特有の形をしています。
これも街なかで割合見かける。あまり手入れがされてなくてもそこそこ繁っている感じだから、丈夫なのだと思います。

ユズ
ユズの実り

えっ!?という感じの柑橘類をば。柑橘類なんて、芋虫(アゲハの幼虫)はつきやすいし、鋭いトゲはあるし、樹としてはそれほど美しいものでもないし・・・であるにもかかわらず、敢えて挙げてみた。

視点を全く変えて考えてみたんです。
「その場所にその植物を植える意義は何か?」
これを突き詰めて考えた場合、これまで挙げてきた草や木は、いずれもそうした意義は見出だしづらい(いきなり全てをひっくり返すのかよ)。「このマンションにアガパンサスを選ぶ理由は?」「福岡県筑紫野市二日市という場所にオリーブを根付かせる意義は?」なんて、そりゃまあありませんよね。
ふと気になって調べてみたら、筑紫野市の木はツバキ、花はサルビアだそうで。サルビアといっても最近は多義的だしと思って深掘りしてみると、いわゆる伝統的な赤いサルビア、すなわち緋衣草を指してました。

ツバキ サルビア

うーんthink、いずれもいまいち使いづらい・・・まあ、ネモフィラ挙げるならサルビアもありかってとこだけど。そもそも「なぜ筑紫野市(という土地)の花がサルビアなのか」という意義は・・・って、しつこいからやめとこう。

こうした観点に立って、一旦一歩退いてみる感じで、「ここって一体どういう場所なんだろう」と考えてみたわけです。

筑紫野市

このマンションは二日市温泉spaという温泉地帯にあって、「温泉つき」が最大の売り。隣の老舗温泉旅館の源泉からお湯を引いてきてる由。お風呂は全戸温泉の上、マンション住人専用の共同浴場まであって、夕方になると洗面器やら石鹸やらシャンプーやらを抱えた人たちがエレベーターに三々五々乗り込んでくる、てなもんであるらしい。まあ、内湯使うより広くて気持ちいいし、掃除の手間もなくてラクだし(笑)、他の住人さんとのコミュニケーションも取れるわけだしね。ツルも入ったことがある。
それでですよ。柑橘類を敷地内に植えといて、うまく実がなれば冬至の頃に共同浴場の湯槽に浮かべるってすると、なんか楽しくない??「このマンションに柑橘を植える意義」なんて大上段に振りかざした問いかけも、キレイに片がつきそうです。
柑橘類の中で育てやすく美しげで邪魔にもなりにくいのはなんといってもキンカンだと思うけど、金柑湯ってのもちょっとビミョーかなcoldsweats01って感じなので、ここはやはりユズあたりかなと。安全面からは、「とげなしユズ」「一才ユズ」「花ユズ」などのとげが出にくい品種ということになるでしょう(一才ユズや花ユズは厳密にはユズの近縁種だかになるらしくて、香りや果汁量は劣るようですが)。

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